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AMD、Radeon R9 Fury X発売記念イベントを開催
HBMの先進性やDirectX 12サポート、VR対応などをアピール
(2015/6/24 21:13)
日本AMDは6月24日、新世代GPU「Radeon R9 Fury X」の発売を記念したイベント「Feel, Fear, Fury」を秋葉原UDX GALLERYにて開催した。イベントはメディア向けの発表会と、ユーザー向けのお披露目の二部制で行なわれ、本稿では主に前半の模様をお伝えしたい。なお、発表内容については、E3レポートでも詳しくお伝えしているので、合わせて参照頂きたい。
イベントは、協賛メーカーのRadeon R9搭載モデルの出展や、VRやEyefinityのデモンストレーションコーナー、イラスト展示コーナーなどが設けられ、AMDの最新GPUのパフォーマンスを存分に楽しめる内容になっていた。
今回の発表会の主役となったのは、E3で正式発表されたAMD の新世代GPU「Radeon R9 Fury」シリーズ4製品。発表会ではE3の際と同じように、現行のR200シリーズを刷新するR300シリーズ5製品(R7 360、R7 370、R9 380、R9 390、R9 390X)の紹介からはじまり、その上位モデルとなる「R9 Fury」シリーズ4製品が紹介された。
「R9 Fury」シリーズの強みは、コードネーム“Fiji”と呼ばれる新チップに加えて、AMD独自のビデオメモリHBM(High- Bandwidth Memory)を搭載し、R9 200シリーズと比較して、低消費電力、低騒音、低温度でありながら、パフォーマンスアップを実現しているところだ。4製品のうち、唯一スペックが公開された「R9 Fury X」は、HBM仕様のビデオメモリを4GBを搭載することで、現行ハイエンドモデルとなる「R9 290X」と比較して40%を性能を向上させている。
HBMは、従来のようにビデオメモリのダイをクラスター化してチップの周囲に並べるのではなく、ベースとなるダイにDRAMを4層積み重ねた独自のデザインを採用している。メモリ間の距離が非常に短く、さらにプリント基板上の結線を経由しないため、1.3Vの低電圧でありながら、4層分のHBMより合計4,096bitのバス幅、512GB/sの帯域幅という凄まじいスペックを実現している。
HBMのメリットはそれだけではない。DRAMをカード上に並べる必要がなくなったため、カードサイズをコンパクト化することが可能となっている。その点で大きなインパクトを与えたのが、「Radeon R9 Nano」だ。
Devon Nekechukが自信満々に掲げて見せた「Radeon R9 Nano」は、驚くほどコンパクトサイズだった。詳細なスペックは発表しなかったが、カードサイズは「R9 290X」のなんと半分ほどでありながら、スペックは「R9 290X」を上回り、消費電力は半分ほど。ワット当たりのパフォーマンスは2倍になるという。
現在のゲーミングPCは、通常のデスクトップPCと同様に、コンパクトサイズが求められるようになっているが、「Radeon R9 Nano」を採用することで、驚くほどコンパクトで、十分なゲーミング性能を備えたゲーミングPCが登場しそうだ。発売時期は今夏発売予定。
「R9 Fury」は、「R9 Fury X」の弟分で、「R9 Fury X」が水冷モデルなのに対し、「R9 Fury」は若干スペックを下げた空冷モデルとなる。来月7月発売予定。
そして「R9 Fury」シリーズのハイエンドモデルとなるのが「Dual Fiji + HBM」で、これのみまだコードネームのまま呼ばれている。Fijiチップを2基搭載し、かつビデオメモリにHBMを採用したモデルで、AMDがE3で発表したゲーミングPCのコンセプトマシン「Project Quantum」に一足先に搭載されている。「Project Quantum」の販売予定はないということだが、「Dual Fiji + HBM」は年内発売予定としている。
E3での発表同様、ゲーマーが最も注目する具体的なパフォーマンスについてほとんど言及がなかったのが残念だったが、AMDが開発に7年掛けたというHBMがPCゲーミングに何をもたらすのか注目していきたいところだ。