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キャラクター性とスキルが楽しい新FPS「BATTLEBONE」

近接、銃撃、魔法に弓、こだわり抜いた25人が集合

会期:6月16日~6月18日(現地時間)

会場:LA Convention Centre

 2Kブースで試遊台を30台以上で出展を行なっていたのが、「BATTLEBONE」だ。「ボーダーランズ」シリーズを手がけたgearboxが開発した新時代のFPSだ。プレーヤーキャラクターは25人、プレーヤーはこの中から1人を選び、戦っていく。

 本作は「ボーダーランズ」で培われたキャラクター表現、オンラインでの協力プレイが楽しいアクション性、各キャラクターのスキルが活きる戦略性があり、とても楽しい作品となっている。今回はゲームを体験し、さらに開発者に話を聞くことができた。

かわいらしく、カッコイイ! 「ボーダーランズ」からさらに進化したキャラクター

30台以上の試遊台でゲームを体験
個性豊かなキャラクターが多数登場する

 「BATTLEBONE」は巨大な悪に追い詰められ、様々な種族が1つの惑星に集まって最後の抵抗を繰り広げるという絶望的な状況がバックストーリーとなる。背景は暗いが、キャラクター達はアメリカのアニメのように陽気で、キャラクター性が確率している。個性豊かなキャラクターが強力な敵相手に大暴れする、それが「BATTLEBONE」の魅力だ。

 レイピアを扱い、鋭い付きで敵を切り刻む「フィービー」は日本のアニメに出てきそうなかわいらしいデザインだ。頭が小さく肩幅が広い巨大な体を持つ「モンタナ」は巨大なガトリングガンを連射する。「カルダリアス」はモビルスーツのようなロボット。両手に持ったビームライフルを連射する。今回は前25キャラクター中10キャラクターの公開だったが、日本のプレーヤーにもグッとくるデザインが楽しい。

 今回筆者は「オレンディ」というキャラクターを使った。腕が四本ある、蜘蛛と植物を融合したようなキャラクターなのだが、コミカルさとキュートさも併せ持つ。基本はFPSのためキャラクターの姿は見えないのだが、常に甲高い声でセリフをしゃべり、画面に出てひっきりなしに動く手がキャラクター性をうまく表現している。キャラクター選択時やリスタート場面でカメラ目線で決めポーズをとるところもいい。

 今回体験したのは派手な演出が盛り込まれたストーリーモード。5人のプレーヤーが協力して敵に立ち向かう。敵は突然テレポートで現われたりと数でプレーヤーを押してくる。プレーヤー達は力を合わせて立ち向かうのだが、驚かされたのはキャラクターバランスとスキルの爽快感だ。「オレンディ」は中~遠距離キャラで、魔法の光弾を発射するほか、設置型の魔法を発動できる。他にも発射にラグがある強力なエネルギー波なども撃てる。これらは敵に近づかれると効果が薄い。

 ちょっと使うのが難しいキャラクターと言えるが、これがバンバン決まるのだ。接近戦が得意なキャラクターがうまく敵をとどめてくれて、他のキャラクターの大技がしっかり決まる。特に足を止める大きな敵はおいしい獲物だ。最初は夢中になって狙撃していたものの、ほんの短い時間でスキルを当てるタイミングを覚えていった。このスキルの当たった感触が本当に気持ちいいのだ。

 プレイしていて本作は「ボーダーランズ」シリーズで感じていたキャラクター性の活かし方をうまく進化させていると感じた。敵の攻撃へのレスポンス、スキルを当てたときの爽快感と、実際のダメージがぴったりマッチしている。まだまだ開発中の本作だが、このはっきりしたキャラクター性と爽快感は大きかった。もっとうまくなりたい、もっと強くなりたいと感じさせるこのバランスは、高く評価したい。

 一方、オンラインマルチプレイでは、5対5のPVPがメインとなるという。3つのモードが用意されており、「Incursion」は敵の基地へ攻め込んでいく。ミニオン(NPCモンスター)を味方につけ戦っていく“MOBA系”といわれるゲームタイプだ。

 「Devastation」はミニオンが存在しないガチバトル。プレーヤーのスキルが強く問われるルールだ。「Meltdown」は中央に向かって進軍するミニオンを支援するバトルになるという。これらもぜひ体験してみたい。

【Battleborn: For Every Kind of Badass】

【Battleborn】

ディレクターが語るゲームの魅力。「本当に苦労を重ねて生み出したバランス」

本作のディレクターを務めるMelissa Miller氏
会場では巨大なキャラクターフィギュアも

 今回は本作のディレクターを務めるMelissa Miller氏に話を聞いた。Miller氏は「本当にキャラクターを生み出すのには苦労した」と語った。「BATTLEBONE」のキャラクターは特定のクリエイターが生み出したものではなく、社内で意見を出し合い、そして磨き上げていったという。

 「ボーダーランズ」での評価から“次のレベル”を見せるために本作は生み出された。「ボーダーランズ」ではすべてのキャラクターが銃を持つシューティングという枠があったが、本作は近接戦中心のキャラや魔法のキャラなど大きな幅を持たせられた。

 「BATTLEBONE」にはシングルプレイとマルチプレイがあり、シングルプレイでは濃密なストーリーが楽しめる。細かい仕様はこれからだが、1人のキャンペーンに他のプレーヤーが参加する「ボーダーランズ」と同様の形になる予定だ。これはプレーヤーデータをどのように保存するかの仕様で、現在はデータを2Kで統合して管理することを予定しているとのことだ。

 ゲームバランスに関しては、「本当に、本当に苦労して調整している」とMiller氏は語った。しかもマルチとシングルでのバランスが求められる。マルチのルールを3つに絞ったのも、バランスを実現させるためだ。もちろん発売した後も調整していく。

 遠距離攻撃、近距離攻撃、ちくちく攻める戦い方から、大技まで、キャラクター性と技のバランスはgearboxだからこその技術を活かして調整されている。開発をしている中で「面白くないな」と感じる要素が入ったキャラクターは、いったん白紙の状態まで戻してから作り直すほどに力を込めているという。

  Miller氏は日本のファンへのメッセージとして、「『BATTLEBONE』はgearboxが自信を込めて贈る新規IPです。これまで培ったものを注ぎ込み、新しいチャレンジを行なっています。今冬の発売をお楽しみに!」と語った。

(勝田哲也)