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【特別企画】PC版「GTAV」を、「GTX 970 GAMING 4G」で楽しんでみる!
数年前のPCをアップグレード、fpsにもこだわって試行錯誤
(2015/6/12 00:00)
PC版の「Grand Theft Auto V(「GTAV」)」は多くの魅力を持っている。広大なグラフィックス、様々な人が行き交う生きている街。コンシューマ版以上のグラフィックスで、しかも60fpsで動作するのだ(コンシューマー版は30fps)。
このPC版の「GTAV」のポテンシャルを引き出したい! しかし悲しいかな、筆者のPCは数年前のもので、特にビデオカードはGTX 660 Tiという、推奨環境ぎりぎりのものだ。そこでビデオカードをアップグレードすることで、どこまでゲームが快適になるか、めくるめく60fpsの世界を体験できるか、試してみた。
今回候補としてあげたのが、MSIのビデオカード、「GTX 970 GAMING 4G」だ。本商品は約4万5,000円程度といった価格帯で、最新コンシューマ機とそれほど変わらない価格で、優れたパフォーマンスを発揮する、ゲームファン要チェックのデバイスといえる。PCゲームならではのすばらしいグラフィックスを楽しみたい、できるだけグラフィックスの質を落とさずパフォーマンスも重視したいと考えたとき、できるだけいいビデオカードが欲しいと思うのがPCゲーマーだ。
もちろん「GTX 980(約7万円以上)」や、「GTX TITAN X(約13万円以上)」といった超ハイエンドのビデオカード、あるいは価格を抑えた「GTX 960(約3万5,000円以上)」といった選択肢もある。しかしハイエンドは手が出ないけど、ローエンドよりはいいハードが欲しい、と思う人も多いのではないだろうか。そこで今回は、価格とパフォーマンスのバランスを考え、「GTX 970 GAMING 4G」をチョイスした上で、「GTAV」をプレイした感触をレポートしていきたい。
冷却機能に特徴を持たせたビデオカード「GTX 970 GAMING 4G」
「GTAV」はハイスペックなマシンを持っていれば、そのPCのパフォーマンスをたっぷり楽しめるゲームだ。ロスサントスという大都市に、砂漠地帯から山脈、田舎町まで広大な土地を再現し、プレーヤーはその地域を自由に動き回ることができる。ビルの谷間をスーパーカーで疾走したり、砂漠や山岳をバイクで走り抜けたり、飛行機で上空を飛ぶこともできる。
ハイスペックのビデオカードを持っていれば、「GTAV」の世界はより魅力的になる。実写と見まごうほどの建物や乗り物のモデリング、美しい自然、そして昼夜や天候の表現は、どんな人も驚かされるだろう。「GTAV」はコンシューマー版が先に発売されたが、PC版はコンシューマ版ではできなかった、60fpsオーバーの実現、そして4k解像度の出力を可能にしている。
もちろん、「GTAV」はグラフィックスだけのゲームではない。マイケル、フランクリン、トレバーというエキセントリックな主人公に、様々な変人たちが絡み、大きなスケールでのハチャメチャなドラマが展開する。ただのドタバタではない、人間や社会への鋭い視点や、熱い“漢”の物語が根底にはある。まだプレイしていない人にはぜひ遊んでもらいたいゲームだ。
さて、今回使用する「GTX 970 GAMING 4G」を紹介していこう。「GTX 970」を搭載しているカードは様々なメーカーから出ているが、MSIの「GTX 970 GAMING 4G」は特に“冷却機構”に特徴がある。最も大きな特徴が“静音”の追求だ。GPUの温度が50度以下ではファンが止まるため、静音に非常に効果的だ。ゲームを起動するとさすがにファンは回るが、実際プレイしていてもビデオカードの音は気にならなかった。
もう1つの大きな特徴が、「分散ファンブレード」という特殊な形状のファンだ。ヒートシンクへ空気を効率的に送り込む。ヒートシンクは幅9cm、さらに幅8cmのヒートシンク、大型基盤とこのファンにより冷却を行なうのだ。MSIのカラーそのままの、黒を基本に赤いアクセントが入ったカードのデザインもいい。
今回はこのカードを筆者が使ってるマシンに組み込んでみた。筆者が使っているのは2年が経過したマシンで、CPUはCore i7-3770、メモリは16GB、それまで使っていたのはGTX 660 Tiという環境だ。「GTAV」はプレイはできるが、GPUは推奨スペックぎりぎりだ。まずはこのGTX 660Tiを使ってゲームを動かしてみた。
「GTAV」は非常に細かくグラフィックスが設定できる。テクスチャや影の詳細はもちろん、ゲーム内の人口密度や種類、草の精密度……これらの項目を1つ1つ設定して試すのもありだが快適になるか試すのはかなり手間がかかる。そこでオススメしたいのが、NVIDIAの「GeForce Experience(GFE)」だ。
GFEをインストールし、「GTAV」を選んで、“最適化”のボタンを押すだけで、NVIDIAのテストによって導き出した環境に各項目を設定してくれるのだ。その最適化のバランスはグラフィックスよりで、ユーザーはGFEを導入することで、パフォーマンスとグラフィックスのバランスを簡単に追求できるのである。
「GTAV」はグラフィックスの設定が、どれだけビデオメモリを使用するかも表示している。特にテクスチャーに関してはメモリを消費するようで、ビデオメモリ2GBのGTX 660Tiではテクスチャを標準以上にするのは難しい。GFEの最適化ではあえて推奨上限を無視した形でテクスチャーを高く設定していたが、フレームレートはがたがたで、30以下になってしまうだけでなく、描画でも引っかかりが感じられた。ソフト側でデフォルトの設定にしてもフレームレートは30より少し上、という感じでやはりこのビデオカードでは60fpsは難しい感じだ。
「GTX 970 GAMING 4G」のポテンシャルを引き出し、「GTAV」を60fpsでプレイしよう!
そして「GTX 970 GAMING 4G」にカードを代えてみた。ビデオメモリは倍の4GBだ。GFEで最適化するとテクスチャーの設定は高めだが、メモリに少し余裕がある。しかし、ベンチマークを起動させてみるとやはり60fpsで安定させるというのは難しく、40から50くらいが多かった。ただ、PS4やXbox Oneでも30fpsなので、よりよいグラフィックスで30fps以上プレイできるという環境にはなった。充分満足度は得られる結果だ。
しかし、レースやデスマッチなど、対戦が絡むと60fpsを追求したいし、できるだけ安定したスコアを目指したい。そこでGFEのスライダーをパフォーマンス寄りにしてみた。そうなるとかなり安定して60fpsを維持できた。60fpsでレースもしてみたが、30fpsのPS4版と比べると、カーブに入るタイミングや、敵車の位置の把握で感触的に違いが大きい。60fpsでのレースは運転がスムーズで、より正確なドライビングができる気がする。ゲーム性を重視するなら、パフォーマンスにスライドさせればいい。各項目をいじって試すより、ずっと楽だ。
反対にスライダーをグラフィックスよりにもしてみたが、こちらでは走り出したりするとfpsが30になってしまう。ただ、ゲーム性にこだわらず、きれいな景色をたっぷり楽しみたいならばこの設定でグラフィックスにこだわるというのもアリだろう。
そしてもう少しだけでも高性能を追求したいという人には、「MSI Gaming app」というツールを使い、オーバークロックすることも可能だ。MSI Gaming appは1ボタンでパフォーマンスを追求する「オーバークロックモード」、バランスを考えて向上させる「ゲーミングモード」、静音を追求する「サイレントモード」があり、今回は「オーバークロックモード」を使用し、GFEで最適化した環境でベンチマークを動かし、さらに実際のプレイもしてみた。計測すると、気持ちフレームレートが向上した感じがしたが、山の中など草木の多いところではやはり30fps全後になってしまう。フレームレートの向上はしっかり感じることはできたので、「MSI Gaming app」を使うことで、グラフィックスを追求しつつ、パフォーマンスにもこだわるというバランスをさらに突き詰められると感じた。
もちろん、PCだからこそ、「ビデオカードを代える」という選択肢もある。予算に合わせて「GTX 980 GAMING 4G」でさらなるグラフィックスを追求するのもいいし、「GTX 960 GAMING 4G」で予算に合わせたゲーミングPCの構成を考えるのもいい。どちらも、「GTX 970 GAMING 4G」とおなじ、静音と冷却を追求したメカニズム「Twin Frozr」を使っている。この2つのカードも、「GTAV」をプレイするための選択肢としてかなり有用だ。
(C)2014 Rockstar Games, Inc.