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「ラグナロクオンライン」、「Episode:Memory Record」を実装
舞台は再びミッドガルド大陸へ。ちりばめられた謎と伏線に注目
(2015/5/12 00:00)
「ラグナロクオンライン」では、5月19日、「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」を実装する。このエピソードでは、物語は再び「ミッドガルド大陸」に戻り、過去のエピソードで描かれていた要素がクローズアップされる。また、強力な装備品「エクセリオン」シリーズも注目だ。
今回はこれらの新要素をガンホーPCオンライン本部 PCオンライン運営部 第1運営課中村聡伸 主任、長澤誠吾 主任に話を聞いた。また、千葉亮一 課長代理から、「RJC2015」など、今後の予定も聞くことができた。なお、これらの情報は開発中のため変更の可能性もある。
秘められた謎が明らかになる楽しさ。カスタマイズ可能なエクセリオンも魅力
「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」では、復活した“魔王モロク”との戦いに終止符が打たれ、「異世界」を舞台としたストーリーの後となる。2008年以来、6年以上続いた異世界での物語が終わり、ストーリーは「ラグナロクオンライン」の“故郷”ともいえるミッドガルド大陸に戻る。
今回の舞台となるのは、シュバルツバルド共和国。謎だらけの遺跡「ジュピロス」のさらに地下にある「ウェルス」という都市跡で展開する。ウェルスはこれまで「エナジーストーム」というエネルギーの嵐が吹き荒れていて、近づくことができなかった。しかし、魔王モロクと異世界の影響か、この嵐が静まり、調査が可能となったのだ。
この古代都市ウェルスの調査に手を上げたのが「レッケンベル社」である。人間を誘拐し人体実験をしているという噂がある怪しい企業ではあるが、彼らが中心となって冒険者を募り、プロジェクト「ファンタスマゴリカ」という作戦名で遺跡の調査が始まる。プレーヤー達もウェルス探索へ向かうことになるのだ。
「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」は、中村氏と、長澤氏が口を揃えて「話せないことだらけ」という、伏線が多くちりばめられたストーリーが展開する。説明のため筆者は真実や展開を聞いたのだが、「○○の真意はこうだったのか!」、「○○にはこんな秘密が!」などなど、登場人物の謎や、秘めた真実が徐々に明らかになり、壮大なストーリーが楽しめるのだ。
その鍵を握るのがレッケンベル社である。あの企業はなぜオーバーテクノロジーともいえる技術を持っているのか、何を目的として活動しているのか、誰がその秘密の中心なのか……。「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」では、様々な謎が提示され、そして今まで謎だった部分も明らかになる。プレーヤー達はこれまでミッドガルド大陸で語られなかった歴史、秘密の一端に触れることとなるだろう。
「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」は3次職のプレーヤーを対象にした上級クエストだ。運営側では12日より今回のストーリーに関する過去のクエストをプレイしやすくして、さらに報酬も大幅アップするイベントを行ない、クエストをクリアした人でもそれらのストーリーを思い出し、今回のストーリーへの期待を膨らませる仕掛けを用意している。このイベントでレベルを上げ、「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」へ備えよう。
クエスト本編は、魔王モロク関連アップデートでも活躍した「楽園団」のキャラクター達と共に、発掘チームに参加し、ウェルスに向かう。ジュピロスから敵がいる地下道を抜け、そして崩壊した地下都市ウェルスにたどり着く。ここは街の施設があるだけでなく、あちこちに機械系のモンスターが闊歩している。プレーヤーはモンスターを倒しながらウェルスを探索し、ストーリーを進めていくこととなる。
新マップはジュピロスからウェルスに続く道、そしてウェルス中央、さらに秘密を秘めた奥へと繋がっていく。高レベルキャラクター向けの3つのメモリアルダンジョンも追加され、濃いストーリーと共に、歯ごたえのある戦いが楽しめるコンテンツとなっている。機械系(無形)の敵が多いため、対応した装備を用意しておく必要があるだろう。敵のアニメーションパターンも凝っていて、見応えがある。特に最高難易度のメモリアルダンジョン「最後の部屋」のボスは、長澤氏イチオシだという。ネタバレになるので見せられないが、楽しみにしてもらいたいとのことだ。
今回は全てのストーリーを把握した上で、「イラスト」を用意している。イラストは3枚と、雄一郎氏の1枚。どれもストーリーを進めていくと、どの場面なのかがわかるという。3枚すべてが誰が描かれており、その光景の中でキャラクターが何を考えているか、ストーリーを知ることでその絵に関しても深い思い入れが生まれる。これらのイラストは12日に公開予定だ。
今回のアップデートで注目されるのが、「エクセリオンウィング」と、「エクセリオンスーツ」。これらは敵がドロップする「古びた鉄塊」というアイテムを一定量集めると作ることができる。これらはメインクエストや、デイリークエストを通じても入手できるという。
エクセリオン装備はかなり強力で、2つのエクセリオン装備をセットするとさらに強い。そしてこの装備の真の魅力は「カスタマイズ性」にあるのだと中村氏は語った。エクセリオン装備には「設計図」を消費して、エンチャントを最大3つセットできる。これは古びた鉄塊と同じようにドロップやクエストで入手できる「古びた燃料タンク」を使うことで「設計図」を作ることができる。
設計図の製作はランダムであり、効果はもちろん、鉄などができてしまう“外れ”もある。この設計図はユーザー間取引きも可能なので、優秀な効果を持つ設計図が入手できれば他のユーザーと取引きもできる。「属性付与」、「魔法攻撃力増加」など、22種類があり、さらに精錬値が上がるほどに効果が上がるため、古びた鉄塊、古びた燃料タンクはとても魅力的なアイテムとなる。最強装備を求め、プレーヤー達はアイテム収集に夢中になるだろう。
「RJC2015」は10月開催! 幅広い人に楽しんでもらうための今後の施策
今回は新要素に加え今後の取り組みも発表された。最大のトピックスは日本最強のチームを決定する「RJC2015(Ragnarok Online Japan Championship2015)」の開催である。ラグナロクオンラインファン感謝祭と同時に、ディファ有明で決勝戦を行なう。日程は10月3日。
今回の注目ポイントは2つで、従来の7対7の戦いから、5対5の戦いに変わる。これによりメンバーが集めやすくなり、それでいながら各役割は大きく変わってくるため、新しい戦術が求められる。また、一部の「MVPカード」の導入が決定となった。戦いのバランスを大きく変えかねないこのカードをどう使うのだろうか。6月以降から詳細が公開されていくという。6月上旬から詳細が公開されていくという。
実装が待たれている新職業「リベリオン」は、年内実装を目標に調整中だ。特殊1次職ガンスリンガーの上位職ではあるが、日本での実装にあたり、スキル関連を大きく見直す予定であり、これから半年の間、開発元と調整し、実装を目指していくとのことだ。
このほか、毎年ガンホーが参加している浅草サンバカーニバルは、今年も参加予定だが、こちらの一般参加の募集は行なわないということもアピールしておきたいとのことだ。
千葉氏は今後の「ラグナロクオンライン」の方向性として、より日本のユーザーにマッチしたアップデートバランスを考えていきたいと語った。今回の「Episode:Memory Record」に関しては韓国では2つに分けて実装された。このため韓国ユーザーはストーリーがぶつ切りの状態で待たなくてはならなくなってしまった。また、今回の目玉であるエクセリオンシリーズもなく、職業の1つ「メカニック」の新装備がメインだったという。これではプレーヤーのモチベーションが上がらないのではないかという判断の下、日本ではクエストを一挙に実装、エクセリオン装備は日本の要望で実現することとなった。
今後のアップデートに関しても、復帰ユーザー、新規ユーザーを含めたバランスを考えていく。レベル130周辺の経験値稼ぎ用のダンジョンとして「ピラミッドナイトメア」ダンジョン、マラン島での夏イベントなどで、より育成をしやすい環境を整えていく。また、まだ実装されてない「呪いの剣士」、「フェンリルとサラ」、「飛行船襲撃」といったコンテンツを年内実装を目指して進めていくとのことだ。これらは“カルチャライズ”を考え調整を加えていく。
もう1つ、古くからの「ラグナロクオンライン」ファンの注目が「昔のフェイヨン」だ。現在は新しくなった街「フェイヨン」の昔の姿を復活させるプロジェクトが進行中だという。千葉氏は個人的にも思い入れがあり、開発側と話を進めているという。現在のフェイヨンも残しつつ、昔の姿をどう実現させるか、現在調整を行なっている。
「ラグナロクオンライン」はまだまだ続いていく。韓国では既に「Episode16.1 Banquet of Heroes」というタイトルで、プロンテラを舞台としたストーリーが実装されている。ミッドガルド大陸のストーリーはかつての「ラグナロクオンライン」ファンの心にも強く響く。原作コミックのキャラクターも登場するという。ガンホーでは初心者や復帰ユーザーへの施策も注力し、さらに「ラグナロクオンライン」を盛り上げていくとのことだ。
現在のMMORPGはユーザー減少に悩んでいるタイトルが多い。ソーシャルゲームや、ブラウザゲームなど、MMORPGの影響を強く受け、より細かくユーザーのニーズに応えたタイトルも増えてきて、「何でもあり」なMMORPGは方向性を見つけ出すのが難しくなった。その中で、「ラグナロクオンライン」の最大の強みは、スタッフの主要メンバーもユーザーと同じ10年以上タイトルを愛している人達がゲームに関わり続けていることだろう。
変わりゆく市場、変わりゆく時代の中、変わらないプレーヤーの“このタイトルが好きだ”という気持に、運営や開発はどう応え、さらに新しいプレーヤーにMMOの、オンラインコミュニティの楽しさをどのように提示していくか。そここそがメーカーの求められているところだろう。正解は様々なものがあるとは思うが、リスクも大きい。「ラグナロクオンライン」の示す方向性は、今後も注目していきたい。
最後にユーザーへのメッセージとして、中村氏は「今回のアップデートはストーリーがミッドガルド大陸に戻る初の新エピソードとなります。昔を懐かしんでもらえる企画、昔のクエストを楽しんでもらえる企画などをやっていきます。Twitterでも昔の風景を紹介していますので、懐かしさを共有し、戻ってきてもらえればな、と思います。今回のアップデートの魅力はやはりストーリーです。歴史や背景も考えながら楽しんでください」と語った。
長澤氏は「今までにないほど強く、カスタマイズ要素もあるエクセリオン装備は非常に魅力的です。狩り場として使えるフィールドも増えたので長く楽しんでもらえるコンテンツになっていると思います」とコメントした。
千葉氏は「モロク関連が落ち着き、ミッドガルド大陸にストーリーが戻ってきました。今後も私達は、新しく始める方、久しぶりに戻ってくる方にも楽しんでいただく施策を行なっていきます。アップデート、イベントも年末までびっちり詰まっていますし、皆さんにずっと楽しんでいただけるように、努力していきますので、よろしくお願いします」と語った。
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