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「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」インプレッション
シリーズ初のニトロによるターボが最高! 急いでXbox限定のクルマ祭りに参加せよ!
(2015/3/27 22:00)
日本マイクロソフトは、Xbox One/Xbox 360用レースゲーム「Forza Horizon 2」のエキスパンションパック「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」の配信を本日3月27日より開始した。価格は1,000円で、「Forza Horizon 2」がなくてもプレイできる単体起動コンテンツとなっている。既報のように配信開始から4月10日までは映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」の公開を記念し、無料でダウンロードできる。今回は配信開始に先立ち、日本語版をプレイする事ができたのでインプレッションをお届けしたい。
「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」は、米Microsoftが2月に発表した映画配信会社Universalとの大型タイアップ企画。Universalの新作映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」(原題:「Fast & Furious 7」)の劇場公開に合わせ、映画「ワイルド・スピード」の世界観を「Forza Horizon 2」内に再現したコンテンツを配信する。一種の広告モデルとなっているため、4月10日までは無料で遊べるというおまけつき。「Forza Horizon 2」本編も不要で単体で遊べるため、ゲームファンのみならず、映画ファンの注目も集めそうな企画と言える。
逆に言うと「Forza Horizon 2」とはまったく別のプロダクトとなっているため、「Forza Horizon 2」からのキャラクター(セーブ)データの引き継ぎや、「Forza Horizon 2」への持ち出しなどはできない。「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」には「ワイルド・スピード」仕様のダッジチャージャー「1970 Dodge Charger R/T Fast & Furious Edition」などが手に入るが、あくまで「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」内限定カーとなる。
これらの要素は「Forza Horizon 2」ユーザーからすると若干残念な点だが、逆に美味しい点としては、ゲームエンジンおよびゲームメカニクスは、「Forza Horizon 2」そのままなので、まったく同じ感覚で走れるという点と、「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」にもフルプライスのゲーム同等の25個の実績、1,000のゲーマースコアが用意されており、さらにForza Rewardの対象にもなるため、「Forza」ファンとしては楽にスコアが稼げるという意味で必ず押さえておきたいコンテンツとも言える。
さて、「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」の舞台は、「Forza Horizon 2」がカバーする南仏から北伊エリアにおけるニースを中心とした南仏エリアのみに限定される。「Forza Horizon 2」と比較すると1/3ぐらいの規模というところだろうか。プレーヤーは「Horizon Festival」の主催者に促されるがままに10台のクルマ探しにチャレンジすることになる。クルマを手に入れるためにはライバルとの対決に勝利する必要があり、ストリートレースや1対1のレース、軍用ヘリとのレース、看板を破壊するミニゲームなどなど、様々なパターンで対決し、新しいクルマを手に入れていくことになる。
ゲームの起動時、お馴染みのTurn 10 Studiosのオープニングロゴ映像に加えて、Universalのものまで流れ、映画がはじまるような錯覚を覚える。また、初回起動時は、「ワイルド・スピード SKY MISSION」の映像がダイジェストで流れ、いやが上にも新作映画への関心を高めてくれる。
ただし、ゲームが始まると、「ワイルド・スピード」関連の看板が出たり、映像が流れたり、映画のキャラクターが登場するということはない。タイアップまわりについてはオープニングロゴと「ワイルド・スピード」の映像ぐらいで意外とあっさりしている。
ゲーム中で「ワイルド・スピード」が濃厚に感じられるのはやはり「ワイルド・スピード」仕様のダッジチャージャーだ。ゲームを開始するとすぐ乗れるようになるのが「1970 Dodge Charger R/T Fast & Furious Edition」。ボンネットから突き出す形でスーパーチャージャーが搭載されており、「Forza Horizon 2」のウリであるコクピット視点でプレイすると、視界右側の半分ほど遮る。ちょうど1番注視する地平線部分を塞ぐので、走りにくいことこの上ない。快適にプレイしようと思ったら、視点を変えた方がいいのかもしれないが、コックピット視点の視界を遮る感じがいかにも「ワイルド・スピード」らしくて最高に気に入ってしまった。
ただ、基本的なクルマの性能は「1970 Dodge Charger R/T」そのままで、お尻は重いし、曲がらないし、止まらないし、ツルツル滑る。しかも、「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」はチューニングシステムそのものが存在しないため、この状態のまま走るしかない。相手は「1998 Toyota Supra Fast & Furious Edition」。「こんなクルマで勝てるのか?」という感じだ。
しかし、そこは主人公のクルマ(!?)ゆえ、結構勝ててしまう。理由は2つ。1つは、ターボの存在だ。「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」は、スーパーチャージャーを搭載する「ワイルド・スピード」仕様のクルマに、ターボ機能が追加され、任意のタイミングでターボが使える。「Need for Speed」シリーズのニトロみたいなものだと思えばわかりやすいが、使うと急加速し、一気に最高速に到達する。長い直線で使うと効果的な要素だ。
もう1つは、映画のプロモーションということもあり、レースの難易度そのものは、「Forza Horizon 2」本編と比較して緩く設定してあることだ。多少建物にぶつかったり、クラッシュしても、抜くべきライバルカーは、勝負可能な圏内に留まっていてくれる。試遊では、「Forza Horizon 2」と同様に、難易度をハードに設定してプレイしたが、何度かクルマをぶつけてしまったものの、「Forza Horizon 2」のハードのように、数回ミスすると挽回不可能なところまでライバルカーが行ってしまうということはない。レースゲームビギナーでも楽しめる難易度になっている。
残念な点としては、先述したチューニング機能がないということに加え、コミュニティ機能がないほか、オンラインモードもないため、みんなでワイワイ「ワイルド・スピード」ごっこを楽しむという遊び方ができないところ。良くも悪くも「ワイルド・スピード」のプロモーションゲームという域に留まる。
ただ、ゲームに登場するクルマは、ワイルド・スピード仕様ばかりではなく、「2013 McLaren P1」、「Lamborghini Huracan」といったスーパーカーも含まれており、「Forza Horizon 2」の豪華体験版としての機能も備えている点は特筆しておきたい。収録車種は以下の通り。
【「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」収録車種一覧】
・1970 Dodge Charger R/T Fast & Furious Edition
・1970 Plymouth Road Runner Fast & Furious Edition
・2014 Maserati Ghibli S Fast & Furious Edition
・2015 Dodge Challenger R/T Fast & Furious Edition
・2015 Dodge Charger R/T Fast & Furious Edition
・1970 Plymouth Cuda Fast & Furious Edition
・2013 Jeep Wrangler Unlimited Fast & Furious Edition
・1998 Toyota Supra Fast & Furious Edition
・2011 Bugatti Veyron Super Sport
・2012 Nissan GT-R Fast & Furious Edition
・2013 McLaren P1
・2015 Lamborghini Huracán
「Forza Horizon 2 Presents Fast & Furious」は、10のメインミッションと、それ以上のサブミッションが実装され、プレイ時間は6~8時間ほどが想定されている。マルチプレイはXbox Oneのみ最大12人のオンラインマルチプレイに対応している。
「Forza」ファンは、「ワイルド・スピード」仕様カーのターボ走行を存分に楽しめるだろうし、レースゲームファンは「Forza Horizon」というオープンワールドレーシングゲームの魅力に気づけるだろう。そして「ワイルド・スピード」ファン、映画ファンは、本作を持って現在のレースゲームの進化振りを確認できるに違いない。ぜひ1人でも多くの人にプレイして貰いたいゲームだ。