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【JAEPO2015レポ】タイトー、Suicaやnanacoなど電子マネーでゲームがプレイ可能に
プレイ価格設定を柔軟に。アーケードゲームが変わる?
(2015/2/13 17:24)
タイトーはSuicaやnanacoの電子マネーでアミューズメントマシンをプレイできるようマルチ電子マネーの導入を予定していると発表した。5月に「タイトーステーション アリオ蘇我店」で導入/運営を開始し、2015年7月以降に同社の直営40店舗を対象に導入を順次進めていく。
タイトーの「マルチ電子マネーシステム」は、Suica/pasmo/Kitaca/ICOCA/TOICA/manaca/SUGOCA/はやかけん/nimocaといった交通系の電子マネー、nanaco/楽天Edy/WAONといった流通系電子マネーのカードをアミューズメントマシンのコイン投入口付近に設置された端末にかざすと自動的に引き落とされ、ゲームをプレイできるようになるシステム。
導入の対象ゲーム機は、「音楽ゲーム」、「大型ビデオゲーム」、「ビデオゲーム」、「プライズ(クレーン)ゲーム」、「プリクラ(プリントシール機)」。既存のマシンに繋げることになるため、これまで通りコインを使うこともできる。
これまでアミューズメント業界は物価の変動や消費税の導入にもかかわらず、40年近くコインベースでの直接的な決済をベースとしてきた。電子マネーの決済が導入されると、購入データに関してすべてデータで管理され、プレイ金額を自由に設定できることもありこれまでとは大きく変わってくる。
単純な値上げなどではなく、たとえばプライズの場合、「8日だから8%引き」といった具合に日にちによって割引率を変えるといったことが柔軟に可能となる。また、ファムリー向けの景品の売れ筋の時間帯などをデータ計測して、景品の入れ替えを行なったりすることも可能となる。
また長いスパンで見ると、「マルチ電子マネーシステム」を前提としたゲームの登場も考えられる。ソーシャルゲームなどで見られる課金の仕組みを利用し、もう少し遊びたいときに100円を投入するのではなく数十円の課金でプレイできるようにしたり、アイテム課金制も考えられる。こういったシステムの導入がユーザーに受け入れられるのかどうかはわからないが、こういったシステムに限らずこれまでにないシステムでゲームの設計できるということは事実だろう。
タイトーによれば、タイトーステーション新宿東口店で長期間にわたるテストを実施。来店者にもアンケートを採ったところ、プレイ中にコインの両替が発生したり不便だといった話も出たという。またオペレーター(店員)からも、毎日集金し一袋20kg近いコインの管理など、様々な点で問題点を指摘されたという。また、電子マネーカードを使用することでポイントがたまることも「お得感がある」といった意見も寄せられたという。
「ジャパンアミューズメントエキスポ2015」に出展されていた「マルチ電子マネーシステム」を実際に試したところ、電子マネーカードをかざすとプレイ回数がカウントアップされ、これまで通りプレイすることができた。課金への心理障壁が低い上に、プリペイド形式であるため、チャージした分だけ引き落とされるということで、クレジットカードなどとは違い、ある意味歯止めがきくともいえる。ただ、同社は店舗内に電子マネーカードへのチャージ機も用意するとしている。
発表会に出席した飯澤幸雄タイトー代表取締役社長は、「電子マネーは潜在的に需要が大きい。電子マネーを使いたいといった声が大きかった。システムの設置は10数億円の投資となるが、導入していく」と語った。