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【スマホアプリ今日の1本】夏の楽しい奇妙な絵日記「ぼくらの秘密基地」
「アルパカにいさん」のCOCOSOLAによる不穏な「秘密基地」づくり
(2014/8/29 00:00)
スカした顔のアルパカが人智を超えた存在へと変貌していく狂気の育成ゲーム「アルパカにいさん」を配信したCOCOSOLAが、夏に合わせたゲームアプリ「ぼくらの秘密基地」を配信中だ。
「ぼくらの秘密基地」は、どこかの山で子どもたちが秘密基地を作る過程を追っていくアプリ。「集める」ボタンで材料を集め、一定時間が経つと「作る」ボタンによって子どもたちが秘密基地を段々と組み立てていくことができる。
本作は時間経過によって内容が進み、その成長を見守るというシステムで「アルパカにいさん」にも似た進行とも言えるが、本作は秘密基地ができあがるに連れて穏やかで平和な状況が段々と変化し、異様な空気が充満していくという特徴がある。
「アルパカにいさん」では時間経過による育成ゲームのシステムを採用しながら、その裏にはアルパカにいさんが気持ち悪くも予想外な方向へ成長するおかしさと、さらには神にも挑んでいくことになる壮大なストーリーが隠されている。この成長とストーリーがプレーヤーの興味をそそり、「次はどうなる?」とついつい気になる連続ドラマ的な要素が作品の魅力となっていた。
本作では育成ゲームの“連続ドラマ的な”部分により深く注力しており、完成度を高めたオリジナルストーリーを作り上げている。ストーリーを進めると秘密基地のパーツの完成と共に絵日記が更新されていくのだが、最初は普通の絵日記かと思いきや、絵日記に貼られたスナップ写真が逆さまになっていたり、「これ以上すすめるのは良くない気がする」などと異変が起き始めていく。
その先はぜひプレイして確かめて欲しいが、この徐々に不穏な空気に侵されていく感覚は、「かまいたちの夜」シリーズで間違ったルートに入った時や狂気的なルートに入った時のような嫌ーな感じがある。なかなか語り口が独特なので、この方向性を突き詰めていくことでCOCOSOLAオリジナルの話法が確立されるような可能性も感じさせる。
なお本作は実験的な意味合いが強いのか、せっせと秘密基地を完成させていけば20分ほどでエンディングを迎えられる。結末ははっきりとは答えを示さない考えオチになっているので、興味のある方はプレイしてみるといいだろう。