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【特別企画】ゲーム配信プラットフォーム「Steam」が日本円決済に対応、値段はどうなった?

大手パブリッシャーの対応をタイトルごとに調査。お得パブリッシャーの傾向も発見

日本円表記に対応したSteam。販売価格が整備されたものの、パブリッシャーごとに対応は異なっている

 米Valveは8月20日より、同社が運営するゲーム配信プラットフォーム「Steam」において、日本ストアでの日本円表記と決済をスタートした。

 これまで「Steam」のインターフェイスはすでに日本語化されていたが、価格表記や日本からの決済はUSドルのみの扱いだった。日本に住む我々にとってはドル表記はパッと日本円でいくらかというのはわかりにくく、またクレジットカードで支払った場合は料金の他に為替手数料もかかったりと、敷居が高かったのは事実だ。

 だが今回の日本円への整備に伴って、これらの問題が解決されている。「Steam」でのゲーム購入がぐっと身近なものになり、これにて万事解決……と言いたいところだが、1つ気になることがある。それは日本円における価格設定だ。

 これまでは全てUSドルの決済だったので、基本的には北米ストアと同価格で購入できたが、日本円への統一に伴い、タイトルによっては北米ストアと日本ストアで価格差が生じる事態が発生している。

 各地域ごとに販売権利が異なるパブリッシャーからすれば、国ごとに価格設定に差がついてしまうのは当然というか致し方のないことなのだが、その辺りに関しては「Steam」がこれまで煩雑だったと言わざるを得ない。今回の日本円での決済スタートを境にして、価格設定が正常な方向に向かって整いつつあると考えるべきだろう。

 しかし実際にそのストア価格を見ていくと、日本語版を購入できる代わりに価格が高くなっていたり、ドル価格と円価格で差がついていなかったりと、パブリッシャーごとに対応が様々で、それぞれの特徴が出ていて面白い。中には「Steam」で購入したほうがお得、というパブリッシャーもある。

 実は価格に関する問題というのは、日本円への整備の前にもユーザーの間では度々話題になってきたものだ。今回のタイミングに合わせて、気になる価格差は一体どうなっているのか、各パブリッシャー毎に北米ストアと日本ストアでの主なタイトルの価格差と日本語対応を調べ、その傾向を検証してみた。対象としたのは、基本的に北米ストアと日本ストアの両方で販売しているパブリッシャーで、ユーザーにも身近な大手パブリッシャーを中心に調査した。

カプコン ~「Dead Rising 3 Apocalypse Edition」が「JP」版で約2,000円の差

「Dead Rising 3 Apocalypse Edition」

 まずは国内パブリッシャーのカプコンのタイトルから見ていこう。

・「Ultra Street Fighter IV」
北米価格:29.99ドル(約3,118円) → 日本価格:2,990円
日本語対応:インターフェイス、吹き替え、字幕

・「Resident Evil Revelations / Biohazard Revelations UE」
北米価格:49.99ドル(約5,197円) → 日本価格4,990円
日本語対応:インターフェイス、吹き替え、字幕

・「Dead Rising 3 Apocalypse Edition」
北米価格:49.99ドル(約5,197円) → 日本価格:6,900円(「Dead Rising 3 - Apocalyspe Edition JP」)
日本語対応:インターフェイス、字幕のみ ※予約受付中

 今回は売り上げ上位の3タイトルを抜粋して比較してみた。北米ストア、日本ストアの両方で販売されているタイトルは1ドル=100円程度で計算されている。現在の為替を考慮するとほぼ同額か若干安くなっている。

 気になったのは現在予約受付中の「Dead Rising 3 Apocalypse Edition」だ。タイトルの「JP」有無で約2,000円の差がある。日本語の有無による価格差かと考えたが、ストアページを確認すると両タイトルとも日本語に対応している。ストアページの誤表記の可能性もあるが、「JP」版ではさらなる対応があるものと思われる。

スクウェア・エニックス ~ 2,000円程度高めの傾向。日本語対応はタイトルごとにバラバラ

「MURDERED: SOUL SUSPECT」

 続いてこちらも日本ユーザーに馴染みの深いパブリッシャーのスクウェア・エニックス。国内でパブリッシングをしている「Call of Duty」シリーズもこちらに含めた。

・「MURDERED: SOUL SUSPECT」
北米価格:49.99ドル(約5,197円) → 日本価格:7,344円
日本語対応:なし

・「Hitman: Absolution」
北米価格:19.99ドル(約2,078円) → 日本価格:4,104円
日本語対応:日本ストア版のみ日本語対応

・「Thief」
北米価格:29.99ドル(約3,118円) → 日本価格:5,400円
日本語対応:日本語DLC(1,999円)にて対応

・「Just Cause 2」
北米価格:14.99ドル(約1,558円) → 日本価格:4,104円
日本語対応:なし

・「Call of Duty: Ghosts - Gold Edition」
北米価格:59.99ドル(約6,236円) → 日本価格:8,208円
日本語対応:なし

・「The Last Remnant」
北米価格:9.99ドル(約1,039円) → 日本価格:1,080円
日本語対応:インターフェイスのみ

 スクウェア・エニックスがパブリッシングしているタイトルの多くは北米ストアの価格に比べると大体2,000円程度割高になっている。国内コンシューマー版の価格に近づけているものと思われる。

 しかしタイトルによって内容がバラバラで、日本語対応のないものが売られていたり、日本語版が売られていたり、日本語DLCを別売りしている、といったものもある。日本語版があるタイトルの価格差は理解できるが、日本語対応がないタイトルは海外版と同じ内容にも関わらず北米ストアより割高となっており、気になるところではある。

 なお「Just Cause 2」は日本円表記対応以降最も話題になったタイトルで、日本円表記になる前は日本ストアでも$14.99ドル(約1,557円)で購入できたものが、8月20日から4,104円となった。一方で「The Last Remnant」などの自社開発タイトルは、北米ストアの価格とほぼ同じ1,000円前後になっている。

バンダイナムコゲームス ~ 「DARK SOULS II」がパッケージ価格と同等に

「DARK SOULS II」

 日本ストア向けには「DARK SOULS II」しか販売されていないが、特徴的なので取り上げたい。

・「DARK SOULS II」
北米価格:49.99ドル(約5,197円) → 日本価格7,429円
日本語対応:日本語対応済み

 「DARK SOULS II」は、日本円決済スタート以前は日本からの購入価格は79.99ドル(約8,314円)、北米からの購入価格は49.99ドル(約5,196円)と大きな差が開いていた。それが今回価格が変更となり、日本のコンシューマー版のパッケージの価格にあわせた7,429円となった。日本円での価格設定が可能になったお陰で、以前と比べると安く購入できるようになっている。

Ubisoft ~ 円への表記後、「Watch_Dogs」の購入が不可に

「Assassin’s Creed Unity」

 続いて「Assassin's creed」シリーズなどで馴染みの深いUbisoftを見ていく。

・「Assassin’s Creed Unity」
北米価格:59.99ドル(約6,235円) → 日本価格:7,128円
日本語対応:記載なし ※予約受付中

・「Far Cry 4」
北米価格:59.99(約6,235円) → 日本価格:7,128円
日本語対応:インターフェイス、吹き替えのみ ※予約受付中

・「Assassin's Creed Brotherhood」
北米価格:19.99ドル(約2,078円) → 日本価格:1,980円
日本語対応:なし

・「Rocksmith 2014」
北米価格:59.99ドル(約6,236円) → 日本価格:6,000円
日本語対応:インターフェイス、吹き替えのみ

 現在予約中の「Assassin’s Creed Unity」、「Far Cry 4」を含め、ここ1、2年のタイトルは日本価格と約1,000円の差が見られるが、日本ストアでは日本語対応版が販売されていることが多い。なお旧作の「Assassin's Creed Brotherhood」や「Rocksmith 2014」では1ドル=100円相当で計算されている。

 予約タイトルについては発売日も北米ストアと日本ストアとでは異なることがわかった。日本ストアでは日本国内でのコンシューマー版との同時発売となるためか、北米ストアに比べると解禁日時が遅くなっている。

 ちなみに「Watch_Dogs」は日本ストアから購入できなかった。円に整備される前には購入できたので、まだ日本円への移行が完了していないのかもしれない。

2K Games ~ 日本語対応をしっかりサポート。8月26日までのセールがお得

「Sid Meier's Civilization: Beyond Earth」

 「Civilization」シリーズ、「Borderlands」シリーズなどの2K Gamesはどうだろうか。

・「Sid Meier's Civilization: Beyond Earth」
北米価格:49.99ドル(約5,197円) → 日本価格:6,000円
日本語対応:インターフェイス、字幕のみ ※予約受付中

・「Borderlands: The Pre-Sequel」
北米価格:59.99ドル(約6,235円) → 日本価格:7,000円
日本語対応:インターフェイス、吹き替え、字幕 ※予約受付中

・「Sid Meier's Civilization V」
北米価格:29,99ドル(約3,118円)→ 日本価格:2,980円
日本語対応:インターフェイス、字幕のみ

・「Borderlands 2 Game of the Year」
北米価格:39.99ドル(約4,156円) → 日本価格:3,980円
日本語対応:インターフェイス、吹き替え、字幕

・「BioShock Infinite」
北米価格:29.99ドル(約3,118円) → 日本価格:2,980円
日本語対応:インターフェイス、吹き替え、字幕

 2K Gamesでも概ねUBIと同じ結果となった。旧作については1ドル=100円相当だが、予約タイトルについては1,000円ほどの差が生じている。ただし2K Gamesのほとんどのタイトルは日本語吹き替えや字幕が用意されており、海外との価格差をあまり感じさせない。

 ちなみに上記は通常価格となっているが、8月26日までは「2Kウィークエンド」として最大83%オフセールを実施中。「BioShock Infinite」+シーズンパスパックが1,494円、「Borderlands 2 Game of the Year」が995円、しかもバッチリ日本語対応とお得になっているので、興味ある方はこの機会を逃さないようにしたい。

Rockstar Games ~ 1ドル=100円相当の計算。「L.A. Noire」は日本ストアの方が安価

「Grand Theft Auto IV」

 「Grand Theft Auto」シリーズのRockstar Gamesを見てみたい。

・「Grand Theft Auto IV」
北米価格:19.99ドル(約2,078円) → 日本価格:1,980円
日本語対応:なし

・「Max Payne 3」
北米価格:19.99ドル(約2,078円) → 日本価格:1,980円
日本語対応:インターフェイス、字幕のみ

・「L.A. Noire」
北米価格:19.99ドル(約2,078円) → 日本価格:1,480円
日本語対応:なし

 こちらも先の2パブリッシャーと同じように1ドル=100円相当で計算しているという結果になった。気になったのは「L.A. Noire」で、理由は不明だがこのタイトルだけ日本ストアの方が500円ほど安くなっている。

Bethesda Softworks ~ 日本語対応はバラバラだが1ドル=100円の傾向

「The Elder Scrolls Online」

 続いて、「The Elder Scrolls」シリーズなどのBethesda Softworks。

・「The Elder Scrolls V: Skyrim - Legendary Edition」
北米価格:39.99ドル(約4,157円) → 日本価格:3,980円
日本語対応:インターフェイスのみ

・「The Elder Scrolls Online」
北米価格:59.99ドル(約6,236円) → 日本価格:6,080円
日本語対応:なし

・「Wolfenstein: The New Order」
北米価格:59.99ドル(約6,236円) → 日本価格:6,080円
日本語対応:インターフェイス、吹き替えのみ

 日本語対応に多少ばらつきがあるが、他の海外パブリッシャーと同じくBethesda Softworksも概ね1ドル=100円で計算されているようだ。

Electronic Arts ~ 価格差はほぼなし。「Origin」との齟齬を確認

「SimCity 4 Deluxe Edition」

 続いて「SimCity」シリーズなどのElectronic Artsを見ていこう。

・「SimCity 4 Deluxe Edition」
北米価格:19.99ドル(約2,078円) → 日本価格:1,980円
日本語対応:なし

・「Need For Speed: Hot Pursuit」
北米価格:19.99ドル(約2,078円) → 日本価格:1,980円
日本語対応:インターフェイスのみ

・「Alice: Madness Returns」
北米価格:19.99ドル(約2,078円) → 日本価格:2,000円
日本語対応:インターフェイスのみ

 細かい差はあるものの、こちらもほぼ1ドル=100円の計算だ。なお重箱の隅をつつくようだが、「Need For Speed: Hot Pursuit」については同社の運営するプラットフォーム「Origin」では2,000円で販売されており、20円の差がある。最新のタイトルがストアに並んでおらず、「Mirror's Edge」や「Dead Space 2」など、日本ストアで販売されていないタイトルも多いのが残念。

まとめ:今後発売のタイトル価格は上昇傾向にあり。ただしお得な場合もあり!

 というわけで各パブリッシャー毎に日本円対応による価格の変化を見てきた。海外タイトルの日本での販売はやや高めになるというビジネスの原則に則り、特に今後発売されるタイトルについては日本語対応版の価格として上昇傾向にあると言える。

 ただし整備以前のタイトルについては対応がバラバラで、カプコン、UBI、2K Gamesなどは価格を1ドル=100円計算でそのまま持ってきている。為替状況にもよるが、現在1ドル=103円前後を推移していること、為替手数料がかからないという2点から、これらのタイトルは以前より安く買えるようになったと言えるだろう。

 一方で、英語版で十分という人にとってはデメリットが多く、大手パブリッシャーの大型タイトルになるほどSteamを利用するメリットが薄れたような気もするが、Steamにはセールという最大の特徴がある。上記でも少し触れたが、8月26日まで開催中の2Kセールのように、日本円でも価格がグッと下がるセールが継続的に実施されると非常に嬉しい。今後はこういったセールが実現可能なパブリッシャーが、日本のSteamユーザーから人気を得ていくものと思われる。

何はともあれ価格表示が日本円になったことで、日本のユーザーの「Steam」に対する敷居は大きく下がった。8月20日よりコンビニ決済も可能になったので、これまで敷居が高く感じていたユーザーもぜひ購入を検討してみて欲しい。

(八橋亜機)