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視線を追跡することでさらに進化したHMD「FOVE」発表

7月25日 発表

 FOVEは、7月25日、家庭用機器としては世界初となる、視線追跡型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「FOVE」(フォーブ)の開発、並びにティザームービーを発表した。

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 FOVEの特徴は、視線追跡機能とジャイロ・加速計・磁石計を用いた9軸の傾きセンサー、モーショントラッカーによるヘッドトラッキング機能の組み合わせていること。従来のヘッドトラッキング対応のHMDの能力に加え、視線の動きを読み取ることで、三次元空間における、素早く精確な操作を可能としている。

 また、目が見ている三次元上の座標を特定することで、見つめた位置がはっきり見え、見ていないところがぼけるという焦点表現を視線と連動させて仮想世界上で実現できるため、さらにリアリティを高めることができるほか、視線の流れに合わせて画面上に情報インターフェースを自動表示したり、視線追跡を活かした自然な操作感を追求することで、ゲームの世界へ自分自身が入り込むような深い没入体験を提供できるとしている。

 例えば、視線で銃の照準を瞬時に合わせ、複数の敵を同時に撃ち落とすなど、三次元の広大な戦場を目で自在に操るとか、バーチャルキャラクターが、「ユーザーがどこを見ているかを認識」することで、アイコンタクトや尋問における視線の読み合いといった繊細なコミュニケーションが可能となる。また、アクションゲームでは、敵キャラクターがユーザーの視線を認識し攻撃を先読みするなど、ゲームの戦略性を深めることができるという。

 FOVEは、マイクロソフト Xbox事業部との連携や、国内外のゲームメーカーおよびアーケードゲーム、アミューズメント施設での企画を進行中。

 既に主要機能を実装した試作機の開発を終了しており、2015年夏の開発者向けキット発売に向け準備を進めていくとしている。12月にロンドンで行なわれるデモデイにて、プロトタイプの発表を目標とし、同時に、新たなゲームを開発するためのFOVE専用SDKを準備中。

 また、ゲームだけでなく、目の動きにより、意思を伝えるコミュニケーション支援機器として、「医療」領域への展開も計画しているという。

(佐伯憲司)