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【特別企画】「Goat Simulator」に負けるな! 良作からおバカゲーまで揃う本家「シミュレーター」の世界

そんな細かくて誰が得するの?! ちょっと変態気味シミュレーター

そんな細かくて誰が得するの?! ちょっと変態気味シミュレーター

 シミュレーターの真骨頂は、何かの手順を再現すること。でも細かく追いすぎて変態気味になってませんか? 異様なまでの細かさに注目した2作を紹介。

違法駐車をレッカー移動、「Towtruck Simulator 2015」

 変態部門でまず紹介するのは 「Towtruck Simulator 2015」だ。「Towtruck」とは「レッカー車」の意味で、つまり直訳すると「レッカー車シミュレーター」となる。価格は14.99ドル。

 ゲームの目的はシンプルで、レッカー車で街へ繰り出し、違反駐車をしている車をレッカーしていくこと。至る所に歩道に乗り上げて駐車している車や、駐車場の駐車スペースを無視して駐車している車があるので、横付けし問答無用でレッカーに車を乗せる。その後スタート地点の駐車場まで戻り、指定のポイントに車を下ろす。これの繰り返しだ。

 本作はとにかく操作が細かい。まず車を停車した後、車体を安定させるための「アウトリガー」を展開し固定する。車体を固定した後はクレーンを移動、矢印キーでクレーンを動かし、+キー、-キーでクレーンの伸び縮み、テンキーの4キーと6キーでクレーンの向きを回転させる。違反駐車の車の上部までクレーンを移動し、エンターキーを押すと車体をガッチリと掴み固定するので、クレーンを逆の操作で戻し、荷台に載せるというステップだ。

 他のタイトルに比べても、誰がそこまで細かい操作を求めるのか、と言いたいくらい細かい。操作は変態気味なのに、一方ゲームプレイは地味の一言に尽きる。本作では車をレッカー移動させるというそれだけしかプレイできず、特にBGMもなく、環境音とレッカー車が動く音だけでゲームは進む。

 レッカー移動だけが狂ったように繰り返されていくゲームというのも変態的だが、地味な環境で粛々と運ばれていく車たちを見るのはシュール過ぎて笑ってしまうので、このシーンは一見の価値ありだ。

【スクリーンショット】
この操作の細かさが本作らしさを物語っている
街へ繰り出して違反駐車車両をレッカー移動していく。粛々と連れ去られる車の姿にはシュールさがある

農場経営シミュレーション、「Farming Simulator 2013 Titanium Edition」

 変態部門の2つ目は農場経営シミュレーション、「Farming Simulator 2013 Titanium Edition」だ。価格は27.99ドル。

 トラクターなどの各農機を使って畑を耕し、種を蒔いて、水をやり、収穫し、出荷し、新たな農機を買ってまた新たな作物を育てる……というのが大まかな目的だ。

 本作もやはり、やることの細かさがゲームの魅力になっている。ゲームは1人称視点で、オープンワールドとなっている農場をウロウロと歩ける。本作では実際の栽培手順を踏むため、畑を耕し、種を蒔き、農薬を撒くといった作業が必要だが、それぞれに必要な農機が違う。

 農機には自分で走れるタイプと牽引するタイプがあり、牽引するタイプの場合は農機に合うトラクターに乗り込むことから始まる。トラクターに乗り込んで、必要な農機まで行き、連結を行なってから畑に向かい、そうしてやっと畑で作業を行なえる。

 農機だけでも目的別に30種類近くはあり、プレーヤーは目的に応じた農機を乗りこなすことになる。耕運機、種まき機、農薬を撒く機械、収穫機と手順ごとに毎回農機を変える必要があるほか、連結から運搬まで自分で行なわないとならないため、ほぼ労働に近いゲームとなっている。

 各農機を牽引するトラクターだけでも17種類あるし、ここに酪農用の農具等も加えると、農業の深淵さがわかったような気持ちになる。「誰がやるのこれ?」といった感じもあるが、現実世界とは違い、時間が経過する速度を変更することもできる。作物を植えてから半年待つといったこともなく、気軽に農家になりきったプレイを楽しめる。また舞台がかなり広い農地なので、1人で耕すのは大変だが日本の農家ではとても見ることのできないようなスケールの大きな畑が作れるのも魅力の1つだ。

 農場を舞台にしたゲームは他にもカジュアルなものが沢山ある、だからよりリアルな作品を……と思ったのかどうかはわからないが、「FarmVille」なんてなんぼのもんじゃい! と言わんばかりに実装されている種類の多すぎる農機やそれらの挙動など、変態的な作りこみやリアルさは驚きや感動を通り越して笑いすらこみ上げてくる。

 ちなみに「Farming Simulator」シリーズはかなりの人気シリーズで、次回作「Farming Simulator 15」も既に発表されているほか、日本でもニンテンドー3DS / PlayStation Vita「Farming Simulator 14 -ポケット農園 2-」の発売が予定されている。こちらは3DS版が8月7日、PS Vita版が9月25日発売予定。価格は5,800円(税別)となっている。

【スクリーンショット】
巨大な農具を乗り回し、農場を経営できる

(八橋亜機)