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【E3 2014】層の厚い包括的ラインナップで勝負するUbisoftの注目タイトル

「Ubisoft E3 2014 Media Briefing」で登場した要チェック作品をピックアップ

6月10日~6月12日開催(現地時間)



会場:Los Angeles Convention Center

 Ubisoftが開催したE3 2014のメディアブリーフィングでは、ハードなFPSからKinect専用のフィットネス系タイトルまで、バラエティに富んだ全方向ジャンルのラインナップを取り揃えた。

 事前に発表のあった注目タイトルに加えて「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」という隠し球まで登場させ、活気ある様子とタイトル層の厚さをアピールするカンファレンスとなった。本稿ではこれらのタイトルをFPS、オンラインアクション、フィットネス&パーティーと項目を分け、それぞれの注目点を挙げていく。

「Rainbow Six」&「Far Cry」! 2大FPSシリーズが登場

「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」では、対戦開始前の待機時間が、そのままブリーフィング時間となる。マップでの作戦確認や偵察も行なえる

 まずゲームファンとして最大の注目は、「Tom Clancy's Rainbow Six」シリーズの最新作「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」(PS4/Xbox One/PC、2015年発売予定)の発表だろう。「Tom Clancy's Rainbow Six」といえば特殊部隊「Rainbow Six」の隊員として、作戦のブリーフィングや他隊員との連携が特徴のFPSシリーズ。同シリーズについては「Tom Clancy's Rainbow Six Patoriot」が2011年に発表されていたが、タイトルも新たに本作が登場した。

 タイトルにある「Siege」とは、城塞などに対する包囲攻撃などの意味がある。そのタイトル通り、今回のデモではある1つの家屋に籠城するテロリストVSそれに突入する特殊部隊という対戦構図が見られた。

 勝敗を分けるのは家屋に1人残された人質で、人質を生きたまま奪い返すことが作戦の目的となる。突入前の偵察機による偵察や仲間とのコミュニケーションが何よりも重要で、狭い家屋の中で起こる攻防戦が見どころだ。銃撃によって壁や床は崩れていき、時には重要なルートにもなるため、臨機応変さも問われる玄人好みのタイトルとなるだろう。

 また「Far Cry 4」(PS3/PS4/Xbox 360/Xbox One/PC、11月11日発売予定)も、コアゲーマー向けFPSの筆頭と言える。PlayStationのメディアブリーフィングではプレイデモやPS機はゲストプレーヤーがソフトを持っていなくても参加できるという独占機能も発表されて意欲的な施策を盛り込んでいるが、Ubisoftのカンファレンスで公開されたトレーラーでは、パッケージにもなっている自らを「キング」と名乗る男がフィーチャーされていた。

 部下の兵士に優しく声をかけたと思ったら、突然激昂して持っていたペンで喉をメッタ刺し! それが落ち着くと、今度はその手で優しくこちらをハグしてくる。いつ殺されてもおかしくないような、キレたら手がつけられない系男子の不気味さをこれでもかと味あわせてくれた。キャラクターにエッジを効かせたタイトルとして、「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」と合わせて注目しておきたい。

【Tom Clancy's Rainbow Six Siege】
マップの把握と連携が攻略の鍵。限られた空間での攻防戦が繰り広げられる
【Far Cry 4】
右上がキレたら手がつけられない系男子のキング。髪型変ですよとか言ったら即殺されそう

オンラインを主軸としたアクション「Assassin's Creed:Unity」&「The Division」

4人のアサシンによる連携アクションが魅力の「Assassin's Creed:Unity」

 Xboxのメディアブリーフィングで4人のアサシンが連携することの格好良さを端的かつ見事に伝えた「Assassin's Creed:Unity」(PS4/Xbox One/PC、10月28日発売予定)は、今回のブリーフィングではソロプレイのデモが紹介された。

 4人がどう連携していくかが目立つタイトルではあるが、それ以外の部分も注目すべきところは多い。1つのシーケンスでは暗殺目標となるターゲットが決められるが、街を歩いていると窃盗が起きたり、殺し合いに巻き込まれたり、ある家屋に入ると殺された夫の死を妻が嘆いている。ゲーム中はそれらがイベントとして発生し、参加するも素通りするも自由だ。

 少し歩くだけで様々なイベントに遭遇するが、ごった返す人々はそれぞれの動きが違って生活感があり、人が蠢く“街”ができあがっている。物語の部隊は、フランス革命戦争下のフランス、パリ。街の至る所で殺し合いが起きているほか、体制側によるギロチン処刑もひっきりなしに行なわれており、誰かがどこかで死んでいるような、血なまぐさい雰囲気がどのシリーズよりも漂っている。暗殺に至るまでのパルクールなど変わらない部分もあるが、次世代機ならではの匂い立つ生活感と残酷さも押さえておきたい。

 一方、昨年のE3で衝撃のデビューを飾った「The Division」(PS4/Xbox One/PC、2015年発売予定)は、コンセプトムービーのみの公開に留まった。ストーリートレーラーでは、1つの家がパンデミックによって荒廃していく過程を、人の描写を抜いて表現されていくほか、暴徒と化した男や火炎放射器で襲ってくる男たちから住民を守ろうとする主人公たちの姿が描かれた。発売の延期を受けて続報の規模が小さくなっているのが気になるが、期待されているタイトルだけに今後の動向を注目しておきたい。

【Assassin's Creed:Unity】
群衆は様々な動きをしているため、存在感がある。広大なエリアに仕込まれたミッションや、生活を感じる環境づくりにも注目しておきたい
【The Division】
期待値は未だ高いものの、追加情報が少ない「The Division」。今後の情報に期待したい
【The Crew】
アメリカ全土を走り抜ける「The Crew」は、11月11日発売であることが発表された。7月23日よりPC版でCBTを行なう予定

フィットネス&パーティータイトル「Junst Dance 2015」、「Shape Up」

「Just Dance」は早くも2015に突入。コミュニティ機能の強化がなされた

 世界でヒットしているダンスゲーム「Just Dance」シリーズに新作「Just Dance 2015」(PS3/PS4/Xbox 360/Xbox One/Wii/Wii U、10月発売予定)が登場した。今回の「Just Dance 2015」ではシェア機能が強化され、自分の踊りを録画・放送に対応し、人気のある踊りはゲーム中の画面に「見本」として登場する。コミュニティの機能が強化され、よりパーティーらしさが強調されている。

 「Just Dance」シリーズでは、スマートフォン用アプリ「Junst Dance Now」も開発中。「Junst Dance Now」は特設サイトのPCの画面とアプリを連動させて遊ぶダンスゲームで、スマホを持っていれば誰でも参加できる。本家のシリーズよりも大人数で踊れるということで、こちらもパーティーにはぴったりだ。

 もう1つの「Shape Up」(Xbox One、11月発売)は、Kinectシステムを利用して楽しく運動をしようというフィットネスゲーム。全身を使ってゲームをするのが特徴で、1対1の対戦形式で進行する。足元のピアノをタイミングよく弾いていくものや、腕立て伏せの回数をこなすと画面内に映るプレーヤーにどんどん重いものが乗せられていくといったように、コミカルで派手な演出で観戦側も盛り上がるようになっている。なお1人の時は自分のゴーストとも戦える。フィットネスに対戦ゲームのシステムを組み込んだ、パーティー向けとして楽しいゲームに仕上がっている。

【Junst Dance Now】
スマホで気軽にダンス! 大人数でもダンスを楽しめる
【Shape Up】
フィットネスなのに対戦ゲーム形式となっており、加えてコミカルな演出が見どころ。会場でも笑いが絶えなかった

【Valiant Hearts: The Great War(バリアント ハート -ザ グレイト ウォー-)】
こちらは第一次世界大戦をテーマとした2Dアクション。1匹の犬で繋がれる人間の運命が描かれる。6月25日配信予定

(安田俊亮)