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【スマホアプリ今日の1本】“レンガ萌え”押し売りシミュレーション「Brick Buddies」
狂気の道はレンガから! 「Portal」の「加重コンパニオンキューブ」との共通点も?
(2014/4/7 00:00)
「レンガをかわいがる」という米FLARBによる奇妙なゲーム「Brick Buddies」(“レンガのお友達”の意)が話題を集めている。実はこのゲーム、最近リリースされたわけでもなんでもない。配信の日付は2年前の2012年3月となっており、なぜかこの時期になって日本のネットユーザーに“発見された”ことになる。
そのゲーム内容だが、「レンガをかわいがる」その1点に尽きる。かわいがるといってもプレーヤーのすることはレンガ(赤茶けた無骨な外見)を撫でることだけで、撫でることでハートマークが浮き出てゲージが溜まっていき、ゲージが満タンになればレベルアップする。ある程度レベルアップすれば、新しいレンガや新しい背景がアンロックされるようになっている。
またゲーム内通貨を使うことで「ティアラ」や「パーティハット」といった被り物を着飾らせたり(上から雑に落とすだけ)、ハンバーガーやリンゴといったゴハンをあげる(ポンと雑に投げるだけ)ことも可能だ。ちなみに、撫でるときにはゴリゴリゴリ……とレンガを地面に引きずるような音がする。
ゲームなのだからレンガがそれなりの反応を示してくれるのかと思いきや、撫でても着飾ってもゴハンをあげてもピクリとも反応せず、ただじっとそこに留まるばかりだ(だってレンガだから)。本作はこの突き放しぶりが最大の特徴で、「レンガをペットとして愛でる」という通常では異常な行為をなぜかリアリズムに基づいてシミュレートしており、プレイすることで自らが狂気の道に歩んでいくかのようなスリルを感じさせてくれる。
帽子を上に置いて「あらかわいい」などと思ってきたら要注意のサインだが、じっと向き合っているとそれなりに愛着が湧いてくるのもので、なんの意味があるかわからないながらもレンガをついつい撫でてしまう。なおレンガを撫ですぎると「レンガは疲れました。ゴハンをあげてリフレッシュさせるか10分待ってね」と注意書きが表示されてそれ以上ゲージが増えなくなり、休憩を余儀なくされる。
にしてもこの感じ、何かに似ているなと思ったら、「Portal」の「加重コンパニオンキューブ」に抱く感情とよく似ている。「Portal」において、「加重コンパニオンキューブ」もただの箱でしかないのだが、絶妙なナレーションとレベルデザインによって「加重コンパニオンキューブ」が大きくフィーチャーされており、「Portal」プレーヤーからは“萌えキャラ”として崇められている。
だからといってレンガが加重コンパニオンキューブに代わる存在かと言われると全くそんなことはなく、“レンガ萌え”の押し売り以外の何物でもないのだが、モノに愛着が湧きすぎてかわいがってしまう感情も実は普通で、本作のレンガというチョイスが突飛なだけだったのかもしれない。
「Portal」を通してそんなことを考えてみたが、「Brick Buddies」のくだらなさの前には全然意味がない。“レンガ萌え”に到達した人はそのまま幸せになれるし、そうでない場合はそっとアプリを消せばいいだけの話だ。
なお本作には(なぜか)動画投稿機能が付いている。筆者もその機能を使って動画を作成してみたので、以下の動画を見て本作をダウンロードするか否かの参考にしてほしい。ダウンロード、利用料金は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制となっている。