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【GDC 2014】「Plants VS. Zombies 2」が中国市場でまたしても成功!
シリーズを2作連続で成功に導いたPopCapの逞しき戦略
(2014/3/19 16:46)
米PopCap Gamesが配信するカジュアルゲーム「Plants VS. Zombies」は、規模は巨大でありながら、なかなか他国が参入できない中国市場において、成功を収めた貴重なタイトルだ。
「Plants VS. Zombies」がいかに中国市場で成功したかについては昨年のGDCで講演されているが、今年のPopCapは2013年夏に配信された「Plants VS. Zombies 2」も中国で成功したよ、というネタを引っさげてGDCに登場した。
講演したのは、EA Mobile/PopCap China GMのLeo Liu氏。2作連続ともなればもはや偶然の産物ではないというわけで、その戦略の内容が紹介されていった。
海賊/クラック版を市場調査に逆に利用! 問題を逆手に取る戦略が再び炸裂
「Plants VS. Zombies 2」では、iOSとAndroid共にワールドワイド版と中国版を別として配信した。最初にリリースしたのはiOS版で、ワールドワイド版は7月9日、中国版は同じ年の8月2日に配信されている。
面白いのは、ワールドワイド版を配信した時の中国市場の反応をPopCapがしっかり見ていること。ワールドワイド版の配信後、2時間で最初の海賊版が、24時間後にはクラック版(Jailbreak用のアプリ)が登場したそうで、配信5日後には600万以上のダウンロードがあったという。
PopCapは中国市場が巨大であることを改めて確認しつつ、この海賊版/クラック版を中国市場の調査に利用する。ワールドワイド版では、他の国に比べて中国のプレーヤーの課金率は87分の1と低く留まる特徴があった。中国のプレーヤーは結果重視であること、コンテンツ消費が速いことから、ローカライズとしてステージクリアに3つ星による評価制の導入、アイテム収集による新プランツのアンロック、有料通貨の交換率の上昇という施策を中国版では実施することにした。
このローカライズが成功し、配信後の中国版「Plants VS. Zombies 2」は中国App Storeの無料アプリで1位、さらにトップセールスでも1位を獲得している。前作の成功があるからこその施策だろうが、中国市場の問題を逆手に取る施策は相変わらずで、今回も功を奏している。海賊版やクラック版が出回ることをさもありなんと語り、中国版ローカライズの指標とまでする肝っ玉の座りっぷりには、敬服すべきものがある。
Liu氏がApp Storeでの注意点として挙げていたのは、レビューの評価レートがとにかく低くなること。「Plants VS. Zombies 2」では評価が☆2前後になってしまい、何が悪いのか大いに悩んだという。しかし良く良く見ると☆1を付ける大半がただの難癖であり、気にしないのが結局は最良だそうだ。Liu氏いわく、「良いゲームでも☆2つ」。ちなみに「Plants VS. Zombies 2」はその後、☆4まで戻った。
Android版はなるべく軽く、手広く配信。配信1時間で100万ダウンロードを達成
そして同年9月12日に配信された中国Android版では、配信後1時間で100万ダウンロードを達成した。Androidでは当日に24のアプリストアに配信し、全体の18.9%を占めるトップ10機種に対応していた。
注意点としては、中国のモバイル事情は低速回線の従量課金制が主流となっており、アプリのサイズが重くなればなるほどダウンロードされにくくなる。そこで中国Android版ではグラフィックスや音などの品質を落とし、アプリサイズは32MB、使用メモリは80MBに抑えている。
このほか、中国市場へのアプローチとしては、今年の1月23日に中国を舞台とした「Kung Fu World」を中国版へ追加している。ステージの見た目だけでなく、プランツやゾンビも中国風のものを登場させており、その結果追加ステージの中で「Kung Fu World」が最もプレイされたステージになった。
Liu氏は、実際のところ他社との協力や分析など様々に学ぶものがあったが、最も重要だったのは一緒に働いてくれる仲間の存在だったという。一丸となって前を向き、一緒に成功を喜んでくれる仲間が、「Plants VS. Zombies 2」の本当の成功の秘訣だったのかもしれない。