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稲船氏と鳥山氏が魅力を語る「ソウル・サクリファイス デルタ」ステージ
第3の選択「運命」、魔法に魔法を重ね合わせる新しい共闘を目撃せよ!
(2014/1/24 01:55)
PlayStation Vita用アクション「ソウル・サクリファイス デルタ」のイベントでは、コンセプターの稲船敬二氏とSCEアソシエイトプロデューサーの鳥山晃之氏が登壇した。稲船氏と鳥山氏は昨年もTaipei Game Showのイベントに参加しており、稲船氏が第一声で「ただいま、台湾」と挨拶すると、会場から大きな歓声が上がった。
「ソウル・サクリファイス デルタ」は2013年3月に発売された「ソウル・サクリファイス」の内容を大幅にグレードアップさせた作品となる。今回のイベントでは進化したゲーム要素が紹介され、繁体中文版が日本版と同時の3月6日に発売されることが明らかになり、さらに台湾から日本のユーザーともネットを通じて“共闘”できることが明らかになった。
より共闘が楽しい「デルタ」。日台プレーヤーの“共闘”が可能に!
「ソウル・サクリファイス」は魔法を使って敵を倒していくアクションゲームで、最大4人での“共闘(協力プレイ)”が可能。最大の特徴は魔物を倒したとき“救済”か“犠牲”を選べる点で、選択により強力な攻撃が行なえるなど様々な効果をもたらす。選択は共闘している仲間にすら可能で、仲間すら犠牲にしつつ生き抜くという、ダークでハードな戦いを体験できる作品だった。
新作である「ソウル・サクリファイス デルタ」は新たに“運命”という選択肢が加わった。運命を選ぶことで“どちらも選ばない”こととなり、ランダムで犠牲か救済が選ばれる。前作では生贄を生業とする秘密結社「アヴァロン」と、救済こそ正義と信じる信仰組織「サンクチュアリ」が登場したが、新たに運を天に任せるという第3の組織「グリム」が誕生する。
グリムは、グリム童話の意味も含んでおり、今作では神話や伝説に加えグリム童話の要素が盛り込まれている。今回のデモプレイでは「赤ずきんちゃん」の赤いフードをかぶったプレーヤーキャラクターと、お腹から不気味な首を生やした狼(腹から出ているのは赤ずきんの首だという)のボスキャラクターとの戦いが紹介された。
稲船氏はデモプレイを見守りながら「ソウル・サクリファイス デルタ」ならではの要素を紹介していった。今作ではプレーヤーは最初から3つの組織のどれかに所属する。他の組織と一緒に戦うことができ、それぞれの組織に対応した行動をすることでボーナスが得られ成長させやすくできるが、あえて反逆の道もありだという。
「ソウル・サクリファイス デルタ」では魔法の連携要素が盛り込まれている。デモプレイでも光の盾を構えるプレーヤーに他のプレーヤーがエネルギーを注ぎ込むと盾が巨し強力な攻撃が可能になった。また、植物を使う魔法に回復魔法を掛け合わせることで巨大な植物が生え、敵を攻撃していた。
ゴーレムを呼び出す魔法は地面にゴーレムが現われその周囲の敵を攻撃するのだが、これを当てるためにはボスを呼び込まなくてはならなかった。「ソウル・サクリファイス デルタ」では他のプレーヤーがゴーレムにさらに魔法を掛けると、無数のチビゴーレムに分離し、敵を追跡するようになった。このような魔法の連携を試す楽しさも本作の魅力だという。
続いて登壇した鳥山氏は「ソウル・サクリファイス デルタ」の発売が日本と同時であることを発表し、予約特典を紹介した。予約特典は深紅の「魂縛之法衣」であり、さらに特製の設定資料集がプレゼントされることが明らかになった。この資料には台湾のイラストレーターVOFAN氏の作品も収録されているという。VOFAN氏の名前が発表されると、会場からは大きな歓声が上がった。
さらに鳥山氏が「ソウル・サクリファイス デルタ」では台湾と日本のユーザーが共闘できることをあきらかにすると、会場から大きな拍手が上がった。稲船氏は「前作が台湾の皆様に好評だったので、スタッフが頑張って日本との同時発売、日本のプレーヤーとの共闘プレイを実現させます。それを皆さんに伝えたくて今日来ました」と語った。
稲船氏は浦島太郎の奥深さからゲーム作りを学んだ? 次回作への質問も
合同インタビューで台湾メディアが最初に質問をしたのは、「DLCは日本と同じになるのか?」というものだった。共闘ができる、同じ世界を共有できるのならば、DLCも同じにして欲しいというのはよくわかる。鳥山氏は日本で出すDLCは全て台湾でも出すつもりだと答えた。
今回グリム童話をモチーフにしたのは、世界中の人が知っていて、内容がわかり、そして「ソウル・サクリファイス」の世界とはかけ離れていると思ってもらえる要素としてチョイスしたという。また、「デルタ」というのは第3の勢力の出現や、展開するストーリーなどで納得してもらえる名前とのことだ。
ユニークな質問としては、「今回はグリム童話を取り入れたが、稲船さんにとって一番印象に残っている神話・童話は何か?」というものがあった。稲船氏の答えは「浦島太郎」。竜宮城に行くと長い長いときが経過してしまっていて、絶望して玉手箱を開けるとその時間が太郎にも影響するというところがとてもSF的で印象に残っているとのことだ。童話というのはすごく考えられていることがわかり、ゲーム作りにおいて参考になったと稲船氏は語った。
「ソウル・サクリファイス デルタ」は前作から1年という比較的速いペースで販売となったが、今後はどうなるか? という質問には、鳥山氏は「僕らとしてはシリーズ化して出したいですが、ファンの皆さんの応援を頂ければですね」。稲船氏は「ストレートに言えば、たくさん売れればです。台湾やアジアの方も協力して欲しいです」と答えた。
また、稲船氏には「PS4でのタイトルは出さないのか?」という質問も上がった。稲船氏は「PS4は魅力的なハードですし、思い切って、お金のことを考えず作りたい。湯水の如くお金を使っても怒られない、そういう感じで作りたいハードです。まあ、作ってても今作っていますとは言えませんが(笑)。台湾に誰かお金持ちいませんかねえ」と、冗談交じりに答えた。
今回のイベントでは、台湾などのアジア地域と、日本地域との“共闘”が多くアナウンスされた。「俺の屍を越えてゆけ2」や「FREEDOM WARS」にも連動要素があり、これは市場としてはまだ小さいアジア地域を盛り上げようという考えの元だろう。海外のPCゲームでは国を超えた交流も多いが、日本のコンシューマゲームでアジア地域での連携を重視するという戦略は興味深い。どんな化学変化が生まれるだろうか。