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外でもベッドでも、ゲームもブラウジングも楽々Androidタブレット

レノボ、ユーザーの使い勝手を考え付加価値を加えた新製品を発表

10月30日 発表

会場:秋葉原コンベンションホール

コンシューマ製品のポートフォリオ。各モデルの位置づけがわかるようになっている

 Lenovoはワールドワイドで同時に発表会を行ない、Androidタブレット「YOGA TABLET」をはじめとした新製品を発表した。日本ではレノボ・ジャパンが「YOGA TABLET」をはじめ、マルチモードウルトラブック「Yoga 2 Pro」、オールインワンパソコン「Flex 20」などコンシューマーラインナップを一挙に発表した。

 発表会にはレノボ・ジャパンのコンシューマ製品事業部 製品統括 兼 ノートブック製品を担当する櫛田弘之部長と、コンシューマ製品事業部 デスクトップ&タブレット製品担当の藤井宏明氏が登壇。櫛田氏は、日本でのPC市場のマーケット状況をグラフで示し、タブレット市場の伸びと、PC市場は縮小しながらも安定的に需要があることを示し、両市場に強力なアプローチを続けていくと語った。そして単純に低価格のモデルを発売するのではなく、付加価値をつけた製品を発表していくとした。

レノボ・ジャパンのコンシューマ製品事業部 製品統括 兼 ノートブック製品を担当する櫛田弘之部長
コンシューマ製品事業部 デスクトップ&タブレット製品担当の藤井宏明氏
日本のPC市場のマーケット状況。タブレットの市場の伸びとPC市場も一定数の需要があるとしている
タブレット市場への挑戦とパソコン市場での継続

「YOGA TABLET」

製品を企画するにあたってタブレットの用途などを調査し、そこからどういった製品にしていくかが検討された
どういうスタイルで使用するかの提案としていくつか提示された

 今回の発表会で最も力が入っていたのがAndroidタブレットの「YOGA TABLET」だろう。Android OS 4.2を搭載し、8インチの「YOGA TABLET 8」、10.1インチの「YOGA TABLET 10」の2モデルが用意されている。発売は11月上旬を予定。価格はオープンプライスだが、想定価格は「YOGA TABLET 8」が27,800円、「YOGA TABLET 10」が36,800円。

 ロサンゼルスで行なわれた会場で挨拶を行なったLenovoのSenior Vice President and Chief Marketing Officerを務めるDavid ROMAN氏は「タブレットの形はここ何年も変わっていない」と切り出し、ユーザーの用途を取り入れ、様々なシーンで使いやすいタブレットを目指したという。

 バッテリーの持続時間は、Wi-FiでWEBを閲覧状態で「YOGA TABLET 8」が約16時間、10インチの「YOGA TABLET 10」が約18時間。さらに、「YOGA TABLET」に他のデバイスを接続することで充電することが可能となるという。発表会では「これまでバッテリーがすぐに切れて、電源を持ち歩いていたと思うが、これからはこれ1台で十分だ」と語り、会場から拍手が巻き起こった。

 「YOGA TABLET」は、片方が丸みを帯びたグリップ形状をしており縦持ちでは左右非対称だが、持ちやすい形状となっている同社ではここを持って使うスタイルを「ホールドモード」とし、長時間持って使用しても疲れない形状のデザインになっている。

 このグリップ部分の中央部にはスタンドが用意されており、付け根をくるっと回すとスタンドが現われる。この横置きにしてテーブルの上に置くスタイルを「スタンドモード」と呼んでおり、動画チャットやムービーなどを長時間見るときに便利なようになっている。また、スタンドを出して画面が上になるように置けばメールやSNSへの書き込み時にキーボードを使って手軽に入力できる「チルトモード」となる。

 このようにユーザーの使用環境を考えることでデザインや仕様を決めていくことで使いやすいタブレットに仕上がっている。今回発表されたのはWi-Fiモデルのみだが、3Gモードについては「おそらく発表する方向で検討中」としており、前向きな状況であるようだ。

 さらにMiracastに対応しており、別売りの専用オプション「ワイヤレスディスプレイアダプター」を使用すると家庭のテレビやパソコンモニタの大画面に表示させることができる。

 詳細仕様は以下の通り。

【YOGA TABLET】
・ディスプレイ:ワイドIPSディスプレイ、5点マルチタッチ(解像度・1,280×800)
・MediaTek MT8125 1.2GHz
・薄さ:約3mm
・重さ:約400g(YOGA TABLET 8)、約615g(YOGA TABLET 10)
・バッテリー:約16時間(YOGA TABLET 8)、約18時間(YOGA TABLET 10)
・背面 内蔵カメラ 500万画素、前面 内蔵カメラ 160万画素
・ストレージ:16GB
・メモリ:1GB
・OS:Android OS 4.2
・Micro USBポート(OTG対応)
・イーコンパス、加速度センサー、GPS、光センサー、Micro SDカード スロット

・製品ページ
http://shopap.lenovo.com/jp/tablets/ideatab/yoga/yoga-8/(YOGA TABLET 8)
http://shopap.lenovo.com/jp/tablets/ideatab/yoga/yoga-10/(YOGA TABLET 10)

立てかけて使用するスタンドモード。ムービーを見るときなどに適している
チルトモード。キーボード入力などが行ないやすい
Miracastに対応しているので、別売りの専用オプション「ワイヤレスディスプレイアダプター」を使用して家庭のテレビやパソコンモニタの大画面に表示できる。縦にするとテレビの画面も縦で表示される
グリップがあることで重心が偏っており、寝転がって持つ時なども持ちやすくなっているのだという
「YOGA TABLET 8」と「YOGA TABLET 10」の大きさの対比
グリップ部分があるので、少し傾斜している。スタンドを立てるともう少し傾斜がきつくなる
「YOGA TABLET」の優位点を示したスライド
「YOGA TABLET」の基本性能

「Yoga 2 Pro」

 360度回転するウルトラブック「Yoga 13」の後継機が「Yoga 2 Pro」。カラーはクレメンタインオレンジとシルバーグレーの2モデル。発売開始は11月上旬を予定しており、価格はオープンプライスで想定価格は189,900円。

 キーボードと液晶部分をつなぐヒンジ部分がほかのノートとは違い自由度が高く、360度開閉するようになっている。このため、普通のノートブックのように使用することはもちろん、ぱったりと画面上に持ってきてキーボード部分が背面に回りタブレットPCのように使用できることもできる。さらにはキーボードを下にしてスタンドのようにすることも可能。また半開きにしてテントのように立てかけることもできる。つまり、ユーザーの使うシチュエーションによって、マシンが変形するようになっている。

 ゲームをプレイすることを考えても、この変形は魅力的で、机の上ではノートのようなスタイルで使ったり、テントのように立てかけることで、仕事の合間にソーシャルゲームをちょこちょこ楽しむこともできるだろう。もちろんベッドの上で折りたたんで使うこともできる。

 モニタは超高解像度の3,200×1,800ドットのIPS液晶を搭載。コーニングの「ゴリラガラス」を採用し、強度にも気を遣っている。約8時間の長時間バッテリを搭載しながらも約1.39kgと軽量となっている。

 主な仕様は以下の通り。

【Yoga 2 Pro】

・CPU:Core i7-4500U
・ディスプレイ:LEDバックライト付 13.3型 QHD+ IPS液晶(3,200×1,800)、10点マルチタッチ
・SSD:256GB
・メモリ:8GB
・インターフェイス:USB 2.0×1、USB 3.0×1、Micro HDMIポート×1、2 in 1メディアカード・リーダー(SD、マルチメディア・カード)
・OS:Windows 8.1
・付属ソフト:Microsoft Office Home and Business 2013
・質量:約1.39kg

・製品ページ
http://shopap.lenovo.com/jp/notebooks/ideapad/yoga/yoga-2-pro/

ノートPCのようにして使用しているところ
くるっと270度ほど回し、キーボード部分を下にして立てかけて使用している。ちなみに180度以上回すとキーボードからは入力できなくなる
テントモード。立てかけて画面をタッチして使用できる
ベッドに座ってスタンドモードで使用する状況

「Yoga 2 Pro」の基本仕様などを示したスライド

専用のゲームもインストールされた“テーブルPC”「Flex 20」

 「Flex 20」は、デスクトップの新しい使い方としてテーブルの上に画面を上にして置いて、みんなで操作しながら楽しむスタイルのPC。もちろんスタンドを立てて普通のPCのように使用することも可能。発売は11月上旬を予定しており、価格はオープンプライスで推定価格は124,800円。

 テーブルモードではFlex専用UI「Aura」が起動。円形のメニューとなっており、中華のテーブルのようにくるくる回すことができ、360度どこからでも操作することができるようになっている。多くの人で写真を見たり、ゲームをする用途に向いている。

 米国では27型のディスプレイを採用した「Horizon」と呼ばれるモデルがすでに発売されているが、日本のテーブルでは大型過ぎるという判断から発売が見送られていた。今回19.5インチのディスプレイを搭載した「Flex 20」が発表されたことで、日本でも発売されることが決定した。

 「Flex 20」には「エアホッケー」や「釣りゲーム」など、画面を上にして遊ぶ専用のゲームがインストールされており、楽しむことができる。画面の上に吸盤で貼り付けて使用することができる専用のジョイスティックや、エアホッケー用のストライカーも付属している。

 コンシューマ製品事業部 デスクトップ&タブレット製品担当の藤井宏明氏に追加のゲームが配信される可能性を聞くと、検討中だという。今後「Flex 20」の後継機種が発売されれば新たなゲームが収録される可能性があり、これらのゲームをユーザーに向けて配信する可能性があるとしている。

 また、日本独自のゲームの配信の可能性を聞いてみると、「難しい」としながらも、「『桃太郎電鉄』や『人生ゲーム』については部内で(できたらいいなくらい)話している」という。なかなか実現度は低いかもしれないが、「Horizon」には「モノポリー」がインストールされており、専用のサイコロが付属し、ディスプレイ上でこのサイコロを振るとゲームと連動するようになっている。画面の大きさの問題から「Flex 20」には収録されていないが、テーブルPCとボードゲームは相性がいいことから実現するとおもしろいことになりそうだ。

 4時間のバッテリが搭載されているので、部屋の中を持って移動しテーブルの上でゲームをプレイするくらいは十分可能だろう。質量は約3.5kg。

【Flex 20】

・CPU:Core i3-4010U
・ディスプレイ:ワイドLED液晶 19.5型(1,600×900)、10点マルチタッチ
・SSHD:500GB+8GB
・メモリ:4GB
・インターフェイス:USB 3.0×2
・OS:Windows 8.1
・質量:約3.5kg

・製品ページ
http://shopap.lenovo.com/jp/desktops/ideacentre/flex-series/flex-20/

普通にテーブルの上に立てかけて使用すると、普通のオールインワンパソコンとして使用できる。キーボードとマウスも付属している
テーブルの上に置いたところ。のぞき込む形になるので、みんなで取り囲んで見る用途に向いている
Flex専用UI「Aura」。丸いインターフェイスになっていて回転することで、どこからでも操作できるようになっている
魚釣りゲーム。上から見た水中の様子で、付属のジョイスティックを使って遊ぶことができる
「Flex 20」のスライド

そのほか

 このほか、ゲーミングPCのErazerの新機種として「Erazer X510」が参考出品されていた。こちらは筐体が「Erazer X700」に比べコンパクトになり、価格もかなり下げる予定だという。発売時期については「早ければ年内にも(藤井氏)」ということで、思ったより早く発売されそうだ。

参考出展されていた「Erazer X510」。コンパクトな筐体で、求めやすい価格帯で企画されているという。年内にも発売開始となるかもしれない

こちらも参考出展されていた「IdeaCenter B750」。レノボ市場最も大型のディスプレイを搭載したモデルとなるという

俳優でありテクノロジー会社の投資家としても知られるアシュトン・カッチャー氏をブランドアンバサダーとして起用。ただテレビCMに登場するだけでなく、製品のプロダクトエンジニアとして製品の開発から加わっている。ちなみにアシュトン・カッチャー氏は映画「スティーブ・ジョブズ」で主役を演じている。今回の発表会では「YOGA TABLET」をエキサイティングに紹介し、雰囲気満点だった
11月1日から2014年1月31日までに対象商品を購入して応募すると、折りたたみ自転車などがもらえるキャンペーンを実施。対象賞品は「YOGA TABLET 8」、「YOGA TABLET 10」、「Flex 20」、「Flex 14」、「Yoga 2 Pro」、「IdeaPad Yoga 11s」、「IdeaPad Yoga 13」、「IdeaPad Miix 10」、「ThinkPad Helix」、「 ThinkPad Twist」。応募受付期間は2月15日まで

(船津稔)