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スクエニ、「第9回プロデューサーレターLIVE」を開催
スタートから2カ月「FFXIV: 新生エオルゼア」現状の問題やハウジングをたっぷり解説
(2013/10/20 00:00)
8月27日の正式サービス開始から1ヶ月以上が経過した「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」。ゲームショウのイベント以外では、正式後初めてとなる「第9回プロデューサーレターLIVE」が開催された。イベントからの放送では、どうしてもゲームの紹介的な内容が多くなるが、今回は現在まさにコアプレイ中のユーザーに向けた、かなり詳細な内容となった。
また、年末に実装される予定の「2.1」アップデートに関しても、動画やスクリーンショットなど多数の素材が公開されたので、じっくりと紹介したい。
和田洋一会長が久々にゲストで登場。問題への対処とハウジングを徹底紹介
放送は2部構成で、途中休憩を挟みながら2時間を越える長丁場となった。第1部は現在発生している様々な問題について、「FFXIV: 新生エオルゼア」のディレクター兼プロデューサーの吉田直樹氏が対応策などを解説。ジョブバランスの調整や、チートへの対応などについて約40分間ほとんどしゃべりっぱなしで説明した。
第1部終了後にはドイツの「Gamescom」や「東京ゲームショウ」など、発売まで世界中で行なわれたプロモーションの時に撮影した画像をBGMと共に流しつつ、十数分の休憩があった。イベント写真の合間には、継続課金のリワードが紹介されたのだが、現在判明している90日の後に、「???」というぼかす形で、ファミコン版「FFIII」の2等親ドットキャラクターを模したミニオンらしいものや、ベヒーモスのマウントが紹介された。
休憩後には、3DS用リズムゲーム「シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール」のプロデューサー間一郎氏がゲストとして現れ、来年春発売予定の同作を紹介した。本作には「FFXIV: 新生エオルゼア」の楽曲も発売時で9曲が収録される予定で、今回はその中の1曲、蛮神ガルーダ戦のBGMで吉田氏が実際にゲームをプレイした。
本作には対戦要素もあり、間氏は「東京ゲームショウ 2013」のステージイベントで吉田氏と対戦、敗退している。実はゲストとして登場した真の目的は、その時約束した頭に入れた「XIV」の剃り込みをおひろめするというもの。モヒカン頭の左側斜め上に、しっかりと「Xiv」の文字が、デザインされて剃り込まれていた。ちなみに会社に行く時には隠しているのだとか。
第2部では、「2.1」アップデートで実装される予定のハウジングについて、“ハウジングおじさん”のあだ名で毎回ハウジングのポロリを担当していた、スクウェア・エニックスの取締役会長の和田洋一氏が久々に登場。今回も、サプライズを含め、多数の資料映像を公開してくれた。さらに実機で、リムサ・ロミンサ、ウルダハ、グリダニアの各ハウジングゾーンを回りつつ、フォーラムやツイッターに寄せられたハウジングについての質問に、吉田氏が回答していった。
今後、2.1アップデートまでは毎月「プロデューサーレターLIVE」が開催される予定で、次回は11月中旬にハウジング以外のアップデートについて特集する予定。また、11月14日には、「ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII」とのコラボイベントがスタートする。
また、ファンキットの第5弾として、着信音に使えるSE音源の配布も予定されている。これはいくつかのSEの詰め合わせで、mp3とm4rの形式で配布される。内容は、クエスト受諾、F.A.T.E.、ロット、そしてリンクパールの着信音などだ。
和田氏はファンに向かって、「エオルゼアは皆様方の意見で進化していきます。まだ始まったばかりなので、これからも皆さんの意見でもっといいエオルゼアになっていくのではないかと思います」とコメント。吉田氏は「ローンチってすさまじいんだなというのを感じた2カ月でした。公開サーバーで皆さんと一緒に遊ぶのは本当に楽しいです。ハウジングは細かいところまで肝いりでじっくり作りこんできたコンテンツなので、楽しみにしていただきたいと思います」と挨拶した。それでは以下、発表内容を細かく見ていこう。
戦士と竜騎士は「2.0」で強化。AF2装備もポロリ!
MMORPGには常に人気職がある。強い職業には人が集中してパーティーを組みにくくなり、逆に弱いとされる職業は誘われないがためにパーティーを組みにくくなる。「FFXIV: 新生エオルゼア」では現在タンクジョブの1つ戦士が、もう1つのジョブ、ナイトに比べて著しく弱いという評判があり、エンドコンテンツで戦士がパーティーを組みにくいという状況が発生している。
吉田氏は、この状況について率直に開発側のミスを認めた。戦士が弱いという話になったそもそもの原因は、「大迷宮バハムート」のボスバトルにある。ここの1階層と4階層のボスでは、ボスが戦闘中に自身を強化するバフを使う。このバフが3つスタックした状態になってしまうと、タンクでも攻撃を耐えきれなくなるために、タンクとDPSが協力してバフを消しながら戦うというバトルデザインがなされている。ところが、ナイトだけが、開発が想定していなかった方法で耐えることができたために、戦士の方が柔らかいという評判が立ってしまった。これに対しては現状すでに確立している攻略法を変更することなく、同じことが戦士でもできるように戦士の上方修正を行なうことで調整を目指す。
また、真イフリートなどとのバトルで、タンクには痛い攻撃を事前にスタン技でつぶすという行動が求められる。ナイトのスタン技はグローバル・クール・ダウン(GCD)の影響を受けるが、即時発動する。戦士のスタン技はGCDの影響を受けないが、当たりが発生するまでの予備動作が長く、リキャスト時間も長いために実用性に欠けると言われている。「今後効果発生時間を長くするなどの調整を入れようと思う」と吉田氏。
もう1つは、戦士のジョブ特性にある。戦士は、攻撃をしながら「ラース」という効果を貯めていくことができる。ラースを5つ貯めた状態で発動できる「原初の魂」というスキルは、ラースをすべて消費して与ダメージの30%を自身のHPとして吸収することができる。「いまたぶん多くの方は、痛い攻撃を受けたときに回復代わりに発動させているのです」。
しかし、ラースはスタックしていくことで、ヒール性能を最大15%まであげることができるため、痛い攻撃を食らった時にも、すぐに「原初の魂」を使わずにヒーラーの回復魔法を待つ方がヒールボーナスを受けやすい。ナイトは基本のHPが高く、戦士はラースを付けた状態でヒール性能が高くなるという形で2つのタンクはバランスがとれているのだと言う。ただ、ラースがあることが前提となっているので、「原初の魂」とラースを積むためのコンボの順番が難しく、ヒーラーから見ると戦士は柔らかいという印象になってしまう。この部分については、「ここはやはり難しすぎるかなと思うので、2.1では調整を入れます」とのことだが、他にも全部で7項目程度の調整が入る。「単純に強くなると思っていただいていいと思います。まさかバハムートで突破されるとは思っていなかったところが原因になったので、そこは挽回させていただこうと思っています」と吉田氏は戦士のユーザーに平謝りだった。
同じく現在強化が叫ばれている竜騎士についても言及した。ボスとのバトルでは、頻繁に使ってくる範囲攻撃に当たらないよう赤い範囲が表示されるとすぐにその外へ逃げる必要がある。攻撃の範囲はボスを中心とした同心円やボスの前方が多いので、ボスに近づいて攻撃している近接DPSの方が逃げ回る時間が多くなるぶん、攻撃の頻度が落ちてしまう。そのため、魔法や弓で攻撃する遠距離DPSのほうがより多くのダメージのたたき出せるという状況になっている。これについては「2.1」で近接DPSを底上げすることで調整する。
さらに竜騎士はもっとも特徴的なスキルであるジャンプからの攻撃を使用中、ジャンプした地面に当たり判定が残り、ジャンプしている間は場所を移動できないので、どうしてもボスの攻撃を食らいやすくなる。ファミコン時代のように、ジャンプ中は無敵にして欲しいという要望もあるのだそうだが、そうしてしまうと、全員竜騎士のパーティーで痛い攻撃の時に全員でジャンプしていれば良くなってしまうので、そうする予定はないとのこと。代わりに、硬直時間を短くしたりといった調整で、使いやすさをあげていく予定だ。魔法防御をあげて欲しいという意見については、慎重にみていくということだ。真タイタン戦については、現状カメラを寄せた状態で戦っている人は、いっぱいまでカメラを引いたくらいの方が全体を見渡しやすくなるので、そういったことも試して欲しいと語った。
現在のバランスでは、真イフリートまでは1クラス1ジョブでも攻略が可能、真タイタンやバハムートはアディショナルスキルまでしっかり取らないと攻略できないという調整がされている。一部のジョブだけを集めた偏りパーティーについては「あまり気にしていないです」ということだが、フルパーティーの8枠をすべて違うジョブで埋めるとリミットブレイクが貯まりやすくなるというボーナスがあり、リミットブレイクをシューティングのボム的に使いのであれば、全部違うジョブで組んだ方が溜まりが早いので、その辺りも加味していただければ」と、別ジョブでのパーティー構成を勧めていた。
他にも、ジョブによって、コンテンツの得意不得意は必ずあると言いつつも、現状では詩人が少し強すぎるかもしれないとのことだ。ジョブバランスの調整については「2.1」で「がつっといきます。結構な調整項目です」らしいので、現在自分のジョブに不満がある人は、ひとまずは期待しつつアップデートを待つことになりそうだ。