ニュース

iOS/Android「デーモントライヴ Ver.2.0」特集:前編

まずは1カ月以上遊べるストーリーから楽しんでみよう

ダウンロード:無料

ビジネスモデル:一部アイテム課金制

 セガネットワークスが“スマホゲームの限界突破”に挑んで制作し、サービス提供中の「デーモントライヴ」こと「デモトラ」。「Ver.2.0」アップデートでさらに遊びやすくなったという本作。本稿では、あらためて本作の魅力をお伝えしていこう。

「グループSNE」が監修を担当。ダークヒーローの世界を描く重厚かつ本格的な世界観&ストーリー

「Ver.2.0」になりインターフェイスも大幅に変化。かなり遊びやすくなった

 今回は本作の魅力の中でも、“シングルプレイで楽しめるストーリー”にフォーカスしていこう。「デーモントライヴ」というと「対戦ゲーム」というイメージがあるかもしれないが、それはあくまでプレイをやりこんだ先の道であり遊び方のひとつ。もちろん、できれば対戦や協力プレイを楽しんで欲しいが、「Ver.2.0」ではシングルプレイも大幅に手が加えられて遊びやすくなっている。

 ストーリーや世界観は、「ロードス島戦記」や「ソード・ワールド」などを手がけテーブルトークRPGで知られるクリエーター集団「グループSNE」が監修を担当している。

「Ver.2.0」からのメインビジュアル

【ストーリー】

これは、闇に生きるヒーロー達の物語

現代からわずかな未来。
オリオン座のベテルギウスが超新星爆発した影響により
「現有界」と「夢幻界」を区分する「境界線」に歪みが生じ
異形のデーモン達が『現有界』に溢れ出した。
それを阻止すべく、秘密結社「オメガ・サベイランス」は調査
に乗り出したが、それは、大異変の始まりにすぎなかった……。

現有界……我々が生きている現実世界
夢幻界……「デーモン」達が巣喰う、もうひとつの世界
境界線……現有界と夢幻界の境目

 ダークファンタジーの香りに満ちた独特な世界観だ。簡単に言うと、現実世界にデーモンが現われるようになり世界中で事件が勃発している。それに立ち向かっているのが秘密結社「オメガ・サベイランス」だ。

 だが、オメガ・サベイランスは原因不明の事故により壊滅状態に陥ってしまう。この事態に、組織の頭脳と言える神託機械「オラクル」が全人類の中から選び出した新たな提督が、キミことプレーヤーだ。右も左もわからない様子のプレーヤーこと新提督に、組織の個性的なエージェント達は「あのオラクルが選んだのだから」と接してくれるのだが……。プレーヤーとエージェント達、そしてデーモンの物語が、ここから始まっていく。

事故によって施設は損壊し、前総督も行方不明になってしまったオメガ・サベイランス。その頭脳とも言えるオラクルが選んだ新総督は、なんとごく普通の生活を送っていたあなた(プレーヤー)だった。なぜあなたが選ばれたのか? それはオラクルにしかわからない

ニヒルな曲者ぞろい! 個性的なエージェントからキミのお気に入りを選ぶ!

エージェントの選択画面。エージェントはそれぞれに得意武器、性能が異なり、現在は新エージェント「アラジン」も加わって6名がいる。自分が操作する1人とチームメンバー2人を選ぶ

 ゲームプレイを始めるとまずチュートリアルがあり、それも一通りすむといよいよ本格的なプレイ開始だ。本作はいろいろな要素やプレイモードがあるので、どこから手を着けていけばいいのか迷ってしまうかもしれない。

 まずはシングルプレイの討伐ミッションを進められるところまで遊びこんでみるのがオススメだ。デーモン・アジトの育成や、エージェントの装備作成など、本作のプレイに欠かせない要素は数多く用意されているが、それが重みを増してくるのはまだ先のこと。それらに触れながらも、まずは討伐ミッションをやりこんでいくのをオススメしたい。討伐ミッションをクリアすることで武器やアクセサリーの素材、デーモン召喚のための宝石など様々な報酬が得られる。また、ストーリーや世界観が掴めるし、プレイの基本的なことを熟知するためにも役立つ。

 討伐ミッションを遊んでいくにあたって、最初に考えておきたいことがひとつだけある。それは「自分がどのエージェントを使うのか?」というものだ。プレーヤーが操作するのは“デーモンに変身する能力”を持つ「エージェント」達であり、彼らの中から、自分が操作するエージェントを選んでいく。

 エージェントはそれぞれに能力が異なるメンバーが現在6人。その中からメインとして自分が操作する1人と、3人チームバトルの時にCPUが操作するメンバー2人を選んで使用する。エージェントは「Ver.2.0」より新たに「アラジン」が加わり、以下の6人となっている。

【エージェント】

ジャック……全体的にバランスの良い近接攻撃タイプ
スノウホワイト……魔力で攻撃する中距離魔法型。支援に向いている
ヤマトタケル……移動速度、攻撃速度が速く、殲滅力は高い
レッドフード……動作は遅いが、重量級武器による、重い一撃で粉砕する
ロビンフッド……長射程の攻撃範囲と、多彩な状態異常付与を得意とする
アラジン……強力なSアーツで敵を翻弄する

 それぞれ特徴があるが、ざっくりとタイプをわけると、バランスタイプ(ジャック、アラジン)、スピードタイプ(ヤマトタケル)、中・遠距離タイプ(スノウホワイト、ロビンフッド)、ヘビータイプ(レッドフード)といったところ。

 これから「デモトラ」を始めるという新規の人にオススメなのは「ヤマトタケル」。動きの速さが気持ちよく、操作しやすい。外見的にはレッドフードの人気が高いようで、実は筆者もプレイ当初は見た目のかわいらしさからレッドフードを使っていた。だが、上の説明にもあるとおり彼女はヘビータイプ。移動速度や攻撃のテンポが遅く、序盤は敵とHPを削り合ってもあと一歩というところで競り負ける場面が多発してしまうのだ。彼女はある程度ゲームを理解し強い武器を作ってからのほうが気持ち良くプレイできるタイプと思える。

 自分が操作する以外にも2人選ぶのだが、ここもやはり移動速度が速いタイプや中・遠距離攻撃のできるタイプをオススメしたい。チームメンバーの2人はCPUが操作することになり、プレーヤーを追いかけるようにしてついてきてくれるのだが、移動速度の遅いタイプだと攻撃参加が遅れがちになる。中・遠距離タイプのロビンフッドやスノウホワイトなら、少し離れているところから攻撃してくれるからだ。逆に、チームメンバーを近接タイプにし、自分は中・遠距離タイプのロビンフッドやスノウホワイトで離れたところから攻撃&スキルで支援をするというのも遊びやすい。強敵を前に一旦離れて立て直すこともしやすい。

 こういう風に、エージェントが6人もいて、それぞれに性能も違い、特にチームバトルともなると、その組み合わせ次第で、自分のプレイや戦法が変わってくる。本作はこういった多彩な部分がきちんと盛り込まれており、自分でいろいろ考えて工夫して楽しみたい人も納得の本格的な良さが込められているのだ(と言っても、本作は難しくて敷居が高いというわけではないのでご安心を)。

「ジャック」スリルを愛するカメラマン
「スノウホワイト」普段は華やかな有名モデル
「ロビンフッド」ロンドンの片隅で探偵業を営む
「レッドフード」ゲームプログラマーであり格闘ゲーマー
「ヤマトタケル」奈良の神社の神主
「アラジン」大富豪な油田王

「Ver.2.0」で大きく変わった! シングルプレイで楽しめるストーリー

「Ver.2.0」で出撃メニューがわかりやすく進化! 討伐ミッションはチャプター式になり、ストーリーを進めている感覚がわかりやすくなった

 いよいよ討伐ミッションについて触れていこう。「Ver.2.0」導入直前に伺った開発者インタビューでも、本作では「シングルプレイをコツコツ遊ぶ人が多い」という話題が出ていたのだが、やはりiOS/Androidゲームアプリの魅力の1つは、移動中のちょっとした時間にでもサクッと楽しめるところにあるはず。すなわち、外ではちょっとした合間に討伐ミッション(ストーリー)を、家に帰ったらクラン協力戦や対戦で楽しんでもらいたいという流れだ。「Ver.2.0」ではそうした要望に応えて討伐ミッションがガッツリと強化されている。

 シングルプレイ用モードの「討伐ミッション」は、基本的に3回のバトル(チャプター)で構成されているミッション方式に変わった(以前はランダムにバトルが出現していた)。ミッションをクリアすることで次のミッションが出現し、難易度アップとともにクリア報酬も豪華になっていくという、“攻略している”感が実感できる形になった。

 バトルメインのミッションの間には、ストーリー展開のみの色つきのミッションが出現するようになっている。だいたいペースとしてはバトルミッション3つごとにストーリーミッション1つという感じだろうか。このストーリー部分で、各エージェント達やデーモンの物語、そして秘密結社オメガ・サベイランスの秘められた謎が、少しずつ明かされていくというわけだ。

 エージェント達はいずれもくせものぞろいだ。ニヒルな皮肉屋のジャック、ハードボイルドな渋みのロビンフッド、ミステリアスなお姉様系のスノウホワイト、京都弁で妙にノリの軽いレッドフード、武士のヤマトタケル、そして尊大な態度でアクの強いアラジン。全員クセがあり、彼ら同士のやりとりにはシニカルな味がある。

 ストーリーミッション以外でも、特定のミッションにはボスがいて、そのボスのデーモンとエージェント達が会話するシーンも入ったりする。あるミッションには、「悪いことはみんな悪魔のしわざだなんて納得いかない」と暴れていたデーモンがいるのだが、ビシッとジャックが決め台詞を決めトドメをさし、そんなジャックに皮肉めいた一言をロビンフッドがちくり。そんなお約束なやり取りが楽しめた。

 一方、オメガ・サベイランスという組織自体はどうかというと、神託機械「オラクル」の不調など、どこかきなくさい謎めいた匂いに満ちている。先の展開が気になる謎が散りばめられつつ、キャラクターの個性や世界観と上手くミックスされている物語だ。欲を言えば、もっともっとキャラクターや世界を知りたくなってくるので、さらにイベントシーン的なものを見てみたいという欲求もでてくる。

 世界各地に出現するデーモンを討伐するべく出撃するエージェント達という構図はアクションヒーローもの(もっと言えば戦隊モノ)のようなテイストも感じられるだろうか。ミッションによっては、エージェントに因縁のある地やデーモンが相手の時もあり、そこでもユニークな会話シーンなどが見られる。“お約束の熱い展開”と言えるものもあり、そこでも独特なエージェント達のハードボイルド感やニヒルさ、そしてダークさが効いている。プレイを重ねるとじわりじわりとその魅力が浸透してくるところがあり、一通りゲームを熟知する頃には、すっかり“続きが気になる自分”のできあがりだ。

デーモンの世界と現実の世界のはざまにある「境界線」。その安定率はどんどん低くなっていく
会話シーンでのエージェント達のやりとりも魅力。それぞれの過去を匂わせるセリフや、敵対するデーモンとのやり取りもある。一方、プレーヤーを新総督に選びだしたオメガ・サベイランスの頭脳オラクルは不調のまま。ときおり暴走めいた反応を見せることもある

シングルプレイだけで1カ月以上遊べるボリューム! 手軽にディープに遊びこめる

出撃に必要な「BP」は時間回復制。課金アイテムで回復することもできるが、レベルアップで全回復したり、回復アイテムをキャンペーン等で配布することも多い

 その「討伐ミッション」のボリュームはどうなの? どれぐらい遊べるの? というところでは、「Ver.2.0」時点の内容でも1カ月以上遊べるほどの大ボリュームとのこと。それに加えて、今後も定期的にストーリーを追加していくという。「基本無料のゲームアプリでそこまでガッツリ作りこまずとも……」と思ってしまうが、それだけ本格的なものが楽しめるのは嬉しい限り。

 筆者の実際のプレイの流れを紹介すると、1回のバトルはだいたい3~5分程度でクリアでき、プレイに必要な時間回復制の「BP」が満タンの10なら、それを1戦あたり3ポイント消費して合計3回楽しめる。つまり、満タンで1チャプター分の計算だ。それで1チャプターをクリアし、拠点での育成を仕込んでプレイを終了という感じで、だいたい1プレイあたり30分ほど楽しんでいる。そうして得たチャプタークリア報酬が、後々の育成等に役立っていくのだ。

 BPについては、途中にプレーヤーの組織レベルが上がればBPが完全回復するし、時間回復するのを待って遊ぶ、またはどうしても今すぐに遊びたいなら課金してBP回復アイテムを使用するという手もある。基本的には無理に課金せずとも充分プレイを楽しめるという印象で、「しっかりと考えられた課金バランスの良さ」も本作の魅力と言える。

育成、クラン協力戦、対戦と、まだまだ奥深い「デモトラ」の世界! まずはアラジン、ロキをゲット!

 スマホのゲームアプリに求められる要素の1つは“手軽にこつこつ遊べて面白い”ところだと筆者は思うわけだが、「Ver.2.0」のストーリーモードがそれを満たす内容に進化したと感じる。チャプターを進める事で楽しめる、謎に満ちた世界観、ニヒルで個性的なエージェント、そして敵対するデーモンの存在。本格的なストーリーがギュッと詰まっている。今後追加されていくストーリーにおいては、もっともっとこの魅力を押し出してもらいたいと思う。1チャプターあたりのプレイ時間もほどよく、重厚な雰囲気とは裏腹に、手軽に気軽に楽しめる。

 前編はストーリーとエージェントの魅力でひとまず終えることになるが、後編ではいよいよ「デーモン」、「育成」、「クラン協力戦」、「対戦」と、シングルプレイから一歩ステップアップして、ディープな魅力をお伝えしていく次第だ。基本無料の本作なので、ぜひダウンロードしてプレイしつつ後編をお待ち頂きたい。

今なら、SNSへの投稿や、友人をゲームに招待することで、新エージェント「アラジン」や、レアリティがチャンピオンのデーモン「ロキ」がもらえる! 逃さずゲットしたい

(山村智美)