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【E3 2013】「真・三國無双7」プロデューサー鈴木亮浩氏インタビュー
次世代機で、シリーズの“完成版”が実現!?
(2013/6/13 19:10)
コーエーテクモゲームスは、E3ブースにて、プレイステーション 3用タクティカルアクション「DYNASTY WARRIORS 8」を試遊台で出展していた。日本では「真・三國無双7」のタイトルで2月に発売予定している。北米版は7月16日発売予定。
今回は「真・三國無双7」のプロデューサーを務めるコーエーテクモゲームス執行役員ソフトウェア事業部長ソフトウェア1部長の鈴木亮浩氏にインタビューを行なった。北米版と日本版の違いや、今後のシリーズ展開などを質問した。
よりコアプレーヤー向けの北米版。さらに発展していくシリーズ
――今回出展した「DYNASTY WARRIORS 8」ですが、日本での最新作は「真・三國無双7」です。ナンバリングの違う理由を教えてください。
鈴木氏: 今回出展したのは、日本では2月に発売された「真・三國無双7」の北米版となります。日本では「真・三國無双」からナンバリングが始まりますが、北米版では、「三國無双」から、「真・三國無双」になった時、「DYNASTY WARRIORS 2」として発売したのです。以降、北米版の方がナンバリングとして1つ多い形になっています。
――今作の北米ユーザーの反応はどうでしょうか?
鈴木氏: 北米ではコアファンを獲得しています。日本やアジアでは幅広い層から支持を得ていますが、欧米では硬派なゲームファンから支持をもらっています。一方でユーザー層をどう広げるかが課題となっています。
――気がついた部分だと、武将の名前が中国語読みになっていますね。他に日本版との違いはどこでしょうか。
鈴木氏: 音声は全てこちらの声優に吹き替えています。実はゲームバランスが異なり、日本・アジア地域と比べると難しくなっているんです。もちろん難易度設定もできるのですが、最上位は日本・アジア版にはないバランスです。難しいアクションを好むユーザーが多いんです。体力が少なく、敵のダメージが多いだけでなく、AIも攻撃的になり、賢くなっています。
――例えばより難しい難易度を求めるユーザーに向けて、北米のバランスを日本のユーザーに提供するといった予定はありますか?
鈴木氏: それは今のところありませんが、要望があれば考えます。
――「真・三國無双7」でユーザーから好評だった部分はどこでしょうか。
鈴木氏: 武器に天・地・人の相性が設定されて「3すくみ」となったところです。面倒くさくなるのではないか、という声も発売前はありましたが、実際プレイしている人からは好評です。相性がいい場合に発動できる攻めの攻撃「ストームラッシュ」や、相性が悪い場合に使える「ヴァリアブルカウンター」といった要素が好評でした。ただストームラッシュが自動で発動してしまうので、自分でコンボを楽しみたいというユーザーからは意見がありました。
――まだ新作が出たばかりですが、もう次の作品のための準備を進めているのでしょうか。
鈴木氏: もちろんです。特に今年は次世代ハードが発表されたので色々考えています。ナンバリングタイトルを続けていると、シリーズを続けてプレイしている人の声が大きくなります。前作を超えなくてはいけないというプレッシャーは大きいです。また、新しい層をどう開拓していくかも課題で、そのジレンマがあります。良い意味でユーザーの予測を裏切らなくてはいけないのは難しいですね。
――「真・三國無双7」の今後の展開の予定はどのようなものでしょうか。
鈴木氏: 引き続きDLCを開発しています。今後もまだまだ続きます。シリーズ展開の方向も考えています。
――DLCで、例えばキャラクターを使って全く違うゲーム性を盛り込むと言った方向性も実現できるのではないでしょうか。
鈴木氏: チームでは様々な方法を検討しています。どうやっていくのか、どう構築していくのかは検討中です。武将の追加や、ステージ付のシナリオ、音楽や武器、さらにアクションそのものの追加なども検討しています。北米だけのDLCの予定はないです。衣装を集めるなどアバター要素は北米でも人気です。
――北米ならではの要望や、ユーザーの傾向の違いはありますか?
鈴木氏: ストーリー要素に力を入れた部分では、日本・アジアではかなり反応が返ってくるのですが、欧米では反応が薄いですね。キャラクターとシナリオを発表すると、日本、中国、台湾といった国は盛り上がりますが、欧米はあまり盛り上がらない。三国志への理解や愛という部分で違うのかなと。
ですので、キャラクターとシナリオを増やすだけでなく、キャラクターごとのモーションや様々な武器を追加し、アクションを増やすように心がけています。ワールドワイドを意識している部分ですね。
――シリーズとして、今後の課題はどのようなものでしょうか。
鈴木氏: 次世代機でなにができるかですね。もちろんスマートフォン向けの研究も進めています。横の広がりを考えながら、まったく新しいゲーム性も模索しています。スマートフォンではコンソールと同じものを作っても面白くない部分がある。短時間のプレイの蓄積をどうループで面白く回していくか、エッセンスや要素をどう盛りこんでいくかが課題です。
――そして次世代機ですが、大人数の戦いが描かれる「真・三國無双」は次世代機にぴったりの素材ですね。
鈴木氏: 自分で言うのも何ですが、“次世代機向け”ですよね。現世代機でも、大人数を出すために色々諦めているところがあるんです。次世代機はそう言った制限がなくなる。もっと完成度を上げられると思っています。中国では大平原で大人数の兵士がぶつかりあうような戦場もありました。大軍同士がぶつかりあう戦いをどう描くか、そこに挑戦ができるようになると思います。
――ただ本当に大人数同士が槍でぶつかりあうような戦場で、華麗に剣を振る戦いができるか、というと疑問です。リアルな戦場を作ると、ロマンがスポイルされてしまうといったことはないでしょうか。
鈴木氏: 1度「ブレイドストーム」でリアルな戦場を作ったことがあるんです。AIで大軍同士の戦いをうまく表現できた。しかし、「真・三國無双」シリーズのファンはそう言ったリアルな戦場を望んでないのではないかとも思っているんです。華麗に舞うように戦い、斬る。「真・三國無双」の“完成形”がお見せできるかもしれません。現行作品が未完成かと言えば、決してそうではないのですが、次世代機だからこそできる表現があると思っています。
――これからも「真・三國無双」シリーズに期待しているユーザーに向けてのメッセージをお願いします。
鈴木氏: 現在「真・三國無双7」が好評発売中であり、DLCも展開していきます。近々かわかりませんが、場を設けて次回作を発表したいと思います。ご期待下さい。
――ありがとうございました。
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