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Taipei Game Show 2013オンラインゲームレポート

ドラゴンMMORPG「Dragon's Prophet」、華麗な台湾人形劇をMMORPG化した「霹靂神州Online」などが出展

1月31日~2月4日

会場:南港展覧館

 今年のTaipei Game ShowではMMORPGの新作発表は例年以上に少なかった。SoftworldやGamaniaなどの大手パブリッシャーを始め、台湾オンラインメーカーのほとんどが参加を見送っており、台湾ならではのタイトルをあまり見ることができなかったのが残念だ。

 ここ数年は存在感を示していたブラウザゲームも、複数のメーカーが小さなブースでまとめて出展しているだけで、台湾でも人気を集めつつあるスマートフォン向けのモバイルゲームなどの出展もなくゲームショウに対するオンラインゲームメーカーの熱意の変化を感じさせた。

 その中で本稿ではRUNEWAKER ENTERTAINMENTの「Dragon's Prophet」とZELOT DIGITAL「霹靂神州Online」の2つのMMORPGを取り上げたい。「Dragon's Prophet」は独特の解釈によるドラゴンが登場するタイトルで、日本ではアエリアがサービスを予定している。「霹靂神州Online」は台湾での人気のある人形劇をモチーフにしたMMORPGで、こちらも独特の世界観を持つ作品だ。

 この他、オンラインゲームメーカーとしては、OMG Digital EntertainmenやWargaming.netが元気に出展しており、この2社のブースも取り上げたい。

独特の造形のドラゴンと共に戦うMMORPG「Dragon's Prophet」

RUNEWAKER ENTERTAINMENTは20台以上の試遊台で「Dragon's Prophet」を出展。オンラインゲームとしては今回最大規模だ
会場で出展されていたドラゴンのフィギュア

 RUNEWAKER ENTERTAINMENTの開発した「Dragon's Prophet」は300ものドラゴンが登場するMMORPGとなる。最初は2012年夏のサービスを予定していたが、クオリティアップの作業を続けており、現在の台湾でのクローズドβテストの実施を2013年3月に予定している。RUNEWAKER ENTERTAINMENTは20近くの試遊台を用意し来場者にアピールしていた。

 「Dragon's Prophet」はドラゴンに大きくフォーカスした作品となっている。ドラゴンは恐竜のような姿のものや、炎を吐く力を持つもの、空を飛ぶものなど様々な姿を持ち、プレーヤーと共に戦ったり、騎乗動物になったりと多彩な役割を担うという。

 ゲームシステムはノンターゲット式のアクション性の強いもので、画面全体を覆うような巨大な敵と戦いを繰り広げて行く。キャラクターのモーションはスピーディで、身体より大きな剣で切り刻んだり、素早く矢を打ち込んだりと派手な戦いを展開する。キャラクター、モンスター共に細かく描き込まれている。モンスターの攻撃により画面が凍りついたり、演出も派手な、爽快感のある作品となりそうだと感じた。

 ドラゴンはプレーヤーを助ける存在として登場し、騎乗できるものと、一緒に戦うドラゴンが確認できた。一緒に攻撃するドラゴンは戦闘の合間に全身から炎を出す。ドラゴンのステータス画面では様々なスキルなども確認できた。自分のドラゴンを育て上げる作品となるようだ。ムービーでは様々なドラゴンが登場する。ドラゴンの造形も注目したい。

 「Dragon's Prophet」のプレーヤーのキャラクターの職業は剣を使う「ファイター」、弓で戦う「ハンター」、魔法で戦う「マジシャン」、巨大な鎌を振るう「クレリック」の4つがある。ドラゴンと共にどのように戦っていくのだろうか。

 会場ではかなり凝ったドラゴンのフィギュアなどもあり、特に世界観にこだわりを感じさせられた。MMORPGとしては今回のTaipei Game Showで最も目を惹く出展を行なっておりユーザーの注目度も高かった。本作はアエリアによる日本でのサービスも決定しており、今後の情報にも注目したい。

【Dragon's Prophet】
独特の巨大モンスターとスピード感のある戦いを繰り広げる。右下が騎乗用ドラゴンだ
ゲームのスクリーンショット。世界観にも味がある

絢爛豪華な武侠人形劇を原作としたMMORPG「霹靂神州Online」

ブースは武侠風の雰囲気
きらびやかな衣装をまとった人形も展示していた

 「霹靂神州Online」は人形劇「霹靂神州」を題材にしたMMORPG。「霹靂神州」は演出にCGを合成するような派手な手法の人形劇で、DVDの展開も行なっており、台湾で人気の高いコンテンツだ。中国と、日本、そして魔界のキャラクターが武侠ドラマを展開していくという。

 ゲームは1月30日よりオープンβテストを開始した。プレーヤーは人、仙人、妖怪、魔族の4つの種族から1つを選んでプレーヤーキャラクターを作成する。レベル10まで上げると職業が選択できるようになる。

 職業は総合的能力に優れた「儒」、様々な能力を増加させる術を使う「道」、PK能力に特化した「邪」、弱体化魔法の得意な「異」など世界観を活かしたものが用意されている。さらにかわいらしいマスコットのような戦闘を助けてくれる「戦闘助手」や、空を飛ぶ剣「武魂」といった要素でキャラクターは個性的な存在へと成長していく。中国と、日本、そして魔界にわかれるRvR要素も盛りこまれていくという。

 試遊台で見ることができるキャラクターは人形劇同様目元が涼やかで、画面はキラキラした演出が強めだ。ゲームシステムそのものはクリックして移動と攻撃をしていくオーソドックスなMMORPGで戦闘は足を止めて殴っていくのが基本だ。公式ムービーでは人形劇でのキャラクターや、物語で出てくる様々な場所をゲームで再現しているのが確認できる。ファンにはより楽しめる作品となっていると感じた。

 ブースでは「霹靂神州」の人形が展示されていて人気だった。きらびやかな衣装、特に魔族である黒髪の青年は美形で格好良く人気を集めるのもわかると思った。人形劇の要素がさまざまなポイントで盛りこまれていくようだ。人形劇の方もDVDを見てみたいと感じた。

【霹靂神州Online】
オープンβテストもはじまっているが、試遊台での場所は特別な地域なのか、移動範囲がわかりにくく、敵との戦いも正面から殴り合うという感じで、人形劇の雰囲気は見えなかった
目鼻立ちのはっきりした人形は、独特の存在感がある
【その他のオンラインゲームメーカー】
OMG Digital Entertainmenは台湾でTERAを運営するパブリッシャー。最新アップデート「邪獣降臨」では、レベルアップが52から58に引き上げられ毎日クエストや、新ストーリーが導入される。他国よりもハードコア向けのバランスとなっているのが特色だという
Wargaming.netは「World of Tanks」の中文版クライアントで台湾でのサービスを行なっている。大きな戦車を会場に搬入し、アピールしていた

(勝田哲也)