PS Vitaクローズドβテストレポ―ト「ファンタシースターオンライン2」

インターネット通信周りはWi-Fi接続は充分快適。3G通信では1人プレイがほどよいかも？

　最後に通信周りについて。PS Vitaでは当然ながら無線LANのWi-Fi通信でのプレイとなるが、これは各々の環境次第とは言えるものの、筆者のプレイした環境では大きなラグや遅延を感じさせることもなくプレイできた。レスポンスもよく、アクション操作においてもしっかりと楽しめる。Wi-Fi通信でもまったく問題ないと言っていいだろう。

　ある意味、Wi-Fi通信で満足に楽しめたというのは当たり前という話だが、気になるのは「3G通信でも快適にプレイできるのか？」というところだろう。今回のβテストでは試験運用的なものとして、3G通信でのプレイも可能になっている。クライアントダウンロードとアップデートはWi-Fi通信が必須になるが、ゲームへのログインからプレイは3G通信でも可能という状態だ。

　筆者の場合、PS Vitaの3G通信にはbモバイルの月額980円、定額使い放題のスマートSIM(Amazon.co.jpで購入)を使っているので、これで試してみた。純正のSIMによる3G通信とは差異があるかもしれないが、同じドコモ通信網を使用するSIMだ。

　この環境において、3G通信の電波が最大の環境でプレイしてみると、まずエリア間移動(ブロック移動やショップエリア・ゲートエリア移動など諸々)の時間が、Wi-Fi通信時よりも長くなるところがあった。3G通信では、通信環境によっては遅延が発生する場合があり、多人数プレイにおいてはラグが気になるが、1人プレイならばクエストでもほぼ問題は起きないかもしれない。

　一方で、ショップエリア・ゲートエリアでビジフォンの「マイショップ(プレーヤー間でアイテム売買ができる)」をチェックしたり、チャットを楽しんだりするぐらいならば、充分に使えるという印象だ。3G通信で外でもどこでもこれらを楽しめるというのは、なかなか魅力的。問題がないのであれば、クエスト以外は3G通信でもできるようにしてもらえればと思う。

PS Vitaでこれだけのオンラインゲームが、F2Pでプレイできることに驚かされるばかり

フリースタイルに楽しめる携帯機PS Vitaの魅力と相まって、よりどっぷりと「PSO2」が楽しめる。動作も安定していて快適。正式サービス開始が待ち遠しいタイトルだ

　グラフィックスクオリティこそPS Vitaのスペックに合わせたものではあるが、携帯機で「PSO2」というオンラインタイトルの世界をきちんと実現しているのには率直に「ここまでできるんだ」という想いがあった。チャット入力やフロントタッチ操作の工夫も秀逸で、ユーザーインターフェイス周りが練り込まれているのが非常に嬉しく、快適だ。

　なんといっても、PS Vitaならフリースタイルに、寝転がりながらでもプレイできるというのが大きな魅力で、「PSO2」は特にレベリングやレアアイテム狙いなどで、長時間向き合うことも多いタイトル。それだけに、ハイクオリティに遊ぶならPC版、手軽さを重視するならPS Vita版と、気分に応じて使い分けできるのは嬉しい限り。

　「PSO2」は基本無料・クライアント無料で楽しめる、いわゆるFree to Play(F2P)タイトルだが、こうしてPS Vitaで体験すると、改めて、これだけのものを無料でプレイできることに驚かされるものがある。筆者がこれまで「PSO2」をプレイしてきて実際に必要と感じた有料部分は、まず最初に「アイテムパック拡張最大セット」、その後は「マイショップ出店権」が欲しいかな、というぐらいで、後はお好みで、という印象。課金を強く求められるようなことがほとんどなく、フルに楽しめる。それをさらに手軽に、PS Vitaでも楽しめる。

　今回のβテストは、約1カ月後のサービスインに向けた現実的な動作検証という印象で、クライアントレベルではほぼ完成形と言っていいだろう。テスト自体も大きな障害等はなく順調な様子。正式サービスの開始を楽しみに待ちたい。