CCP Games、「DUST 514」国内CBTを12月にスタート!

「EVE ONLINE」の新エキスパンションも12月4日実装


【EVE ONLINE】 サービス中
【DUST 514】 12月CBT開始予定



発表を行なったCCP Games、「EVE」シニアライターのグイティ・フリドリクソン氏(左)と、「DUST 514」エグゼクティブプロデューサーのブランドン・ラウリーノ氏(右)

 SF-MMORPG「EVE ONLINE」およびPS3用オンラインFPS「DUST 514」を開発・運営するCCP Gamesは、11月22日にNEXONと共同で記者発表を行ない、12月に予定されている両タイトルの新情報を公開した。

 PC向けにサービスが提供されている「EVE ONLINE」では新エキスパンション「Retribution」を12月4日に実装予定。また、現在開発中の「DUST 514」では12月中より日本国内のユーザー向けにクローズドβテスト(以下CBT)を開始する。

 記者発表では「EVE ONLINE」エキスパンションの詳細な情報のほか、「DUST 514」の新ゲームモードなど新たなトピックが紹介された。



■ 犯罪行為への応酬を強化する「EVE」、新型艦も登場

「EVE ONLINE: Retribution」コンセプトアート
バウンティーハンターのイメージ
クライムウォッチのイメージ
新型の採掘用フリゲート

 巨大な銀河を舞台にプレーヤードリブンの世界が展開する「EVE ONLINE」では、12月4日に実装が予定されている次期エキスパンションの「Retribution」で様々な要素が更新される。

 大きな要素としては、バウンティーハンターシステムの改善、犯罪&処罰システム(クライムウォッチ)の抜本的改革、新型艦船の導入、国家間戦争の改善、NPCの新規AI導入などが挙げられている。この中で特にプレーヤーの活動に影響を与えそうなのは、バウンティーハンターシステムとクライムウォッチの改善だ。

 「EVE」におけるバウンティーハンターシステムは、PvP戦闘の応酬や敵対するコーポレーション同士の対決のもうひとつの側面として、各プレーヤーが任意のプレーヤーに賞金をかけるという機能が基本になっている。

 「Retribution」では新たにコーポレーションやアライアンスといった組織単位に賞金をかけられるようになり、賞金のかかった組織の構成員を撃沈することで相応の報奨を得られる仕組みが実装されるなど、PvP要素をさらに拡充する見込みだ。

 これに合わせて改善されるクライムウォッチシステムは、NPC警察が目を光らせている地域での不法行為(他プレーヤーへの攻撃、窃盗など)を働いたプレーヤーに対し、犯罪者フラグを付与する機能だ。従来は非常に複雑なシステムでプレーヤーにもわかりづらく、また抜け穴も存在して悪用されることもあった機能だが、今回のアップデートではゼロから再構成された全く新しいシステムが採用される。

 新しいクライムウォッチシステムでは、犯した犯罪のレベルに応じてプレーヤーにアイコンが付与される。「安全にログオフすることができない」、「他の誰からも攻撃を受けることができる」、「NPC警察からも攻撃を受ける」といった犯罪レベルがひと目でわかるようになり、また、犯した犯罪の「時効」がどれくらいかも常時表示されるようになる。

 これにより、プレーヤーキルや鉱石の横取りなどの窃盗行為で生計を立てているプレーヤーはもとより、安全なPvPの機会を探っている多くのプレーヤーなどは、より的確に状況を確認しつつ、逃亡や戦いの機会を逃さず遊ぶことができるようになりそうだ。

 その他、国家間戦争は、より初心者にも開かれた手軽なPvPの場として報酬の調整やシステムのシンプル化を行ない、より積極的に参加したくなるものに改善。新型艦船として4種類の特殊駆逐艦と採掘用フリゲート艦を導入。それぞれ、これまでになかったニッチを埋めるような機能を持つ艦船としてデザインされているようだ。

カルダリ新型駆逐艦ガレンテ新型駆逐艦
アマー新型駆逐艦ミンマター新型駆逐艦



■ いよいよスタート間近の「DUST 514」。ゲーム性の改善に注力して準備万端

「DUST 514」は、歩兵と兵器が入り乱れるハイテンポなチーム戦FPSとなる
装備や車両は「EVE」経済と共通の通貨「ISK」で購入するシステムだ

 プレイ料金無料のオンラインFPSとしてPS3向けに開発が進められている「DUST 514」は、「EVE」と同じ宇宙と経済、コミュニティを共有するタイトルだ。これまでは英欧各国語向けのβテストが行なわれてきていたが、今回、国内ユーザーも参加できるCBTが12月中に開始されることが明言された。日本語への対応はすでに万全であるという。

 CBTには、「DUST 514」の公式サイト(http://www.dust514.com/beta/からサインアップできる。国内の全てのプレイステーション3ユーザーが対象で、また「EVE ONLINE」のプレーヤーは優先的に参加することが可能であるそう。SCEの協力で、国内のプレーヤーに対しては特別なギフトも用意しているとのことだ。

 このほか現在準備中の機能として「Rogue Drones」というゲームモードの概要が公開された。このモードはPvEで、他のFPSでいう「ゾンビモード」に近い。大量に攻めてくる機械生命体をプレーヤー同士で協力しつつ撃退するというものになるようだ。

 また、弊誌では「DUST 514」のエグゼクティブプロデューサー、ブランドン・ラウリーノ氏にインタビューを行ない、本作の開発状況やゲームバランス、ビジネスモデルなど気になる点を聞くことができた。以下、インタビューの内容をお伝えしよう。


「DUST 514」を実演しつつ紹介するブランドン・ラウリーノ氏

─── 欧米向けのβテストではゲームプレイ面での要望が多く集まったようだが、開発チームとしてはどのように対応しているか?

ブルーノ氏:CCP Gamesは「EVE」でそうであったように、ユーザーフィードバックを重視して開発を進めることが得意な企業です。これまでに無数の改善を行ない、週に2回のペースでアップデートを提供してきました。

 特に要望が多かったのは操作性で、多くの改善を施しています。また、アイアンサイトの導入、移動の感触を改善するなど、多くの点でフィードバックをもとに改良を加えてきています。我々の目標は、「DUST 514」のプレイフィールを向上させ、FPSが専門の企業のタイトルにも負けない、コンソール向けのFPSとしてトップクラスの出来にすることです。

─── 「EVE」と同様に時間経過で成長するスキルシステムがあり、多彩なFitting(装備)が存在するゲームだが、初心者とベテランの能力差がつきすぎることはないか?

ブルーノ氏:確かに、スキルの成長やFittingの選択によりプレーヤーの能力は大きく変わります。例えば、移動力が向上する偵察兵向けのスーツがあるのですが、βテストに参加したプレーヤーの中には、そこにさらに移動力を向上させるFittingを施して、ものすごいスピードで移動できるようにする人がいました。

 そのように個性を出せるシステムである一方、HighSecでの戦闘にはプレーヤースキルに基づいたマッチメイキングシステムを採用しており、初心者からベテランまで適切に楽しめるようにしています。NPCコーポーレーション同士の抗争に参加するLowSec、プレーヤーアライアンス同士の戦いに参加するNullSecの戦いは元々上級者向けですので、その限りではありません。

─── 「EVE」には無数の惑星があり、戦場も多彩になることが期待されるが、「DUST 514」ではそれをどのように実現しているか?

ブルーノ氏:「DUST 514」のマップには独自のシステムを採用しています。「EVE」と同じく、各惑星には独自の環境がありますが、地形や空に見える太陽の色など風景の部分は属性が組み合わさって決定され、千を超えるバリエーションが実現しています。

 また、地形の中に設定された“ソケット”に任意の建築物を設置できるようになっていて、NullSec惑星のマップなら、「EVE」のプレーヤーが惑星管理機能で手を加えた通りのマップで戦うことになります。そういった「EVE」側の機能については近い将来の実装を目指して準備中です。

地形の中に配置される建物のバリエーションは、惑星によって異なるようになるという

─── プレイ料金無料、アイテム販売のビジネスモデルを展開するとのことだが、具体的にリアルマネーでどのようなことができるのか?

ブルーノ氏:すべてのアイテムはゲーム内マネー(ISK)で購入することができますが、ISKの代わりにお金を払うこともできるということです。人気があるのはスキル成長を早めるブースターですね。また、アバターの見た目をカスタマイズするアイテムも用意しています。

─── 「EVE」と「DUST 514」の経済はリンクしているが、「EVE」の膨大なISKが「DUST」に流入することへの影響を懸念したり、特定の制限などは考えているか?

ブルーノ氏:現時点では、決まった制限を設けるということは考えていません。ただ、念の為に「EVE」から「DUST」への資金流入に一定の制限をかける“スイッチ”を用意しています。それを押すかどうかは、実際にサービスが始まって何が起きるかを見てから判断することになりますね。

─── SCEと協力して「DUST 514」を日本国内にも展開するにあたって、特に期待していることは?

ブルーノ氏: 「DUST」は、無料で遊べるコンテンツであることや、マッチョな男たちではなくスマートなコンバットスーツが登場するSFの世界観であることなど、非常に日本のカルチャーにマッチしたFPSだと思います。また、MMORPGである「EVE」と繋がる部分は本当にユニークかつ、エキサイティングです。「EVE」と「DUST」を同時に遊ぶことで、これまでにない楽しみが得られるはずですよ。日本のみなさんには、広く受け入れてもらえることと期待しています。是非プレイしてください。

─── ありがとうございました。



(2012年 11月 23日)

[Reported by 佐藤カフジ]