スマートフォンアプリ出展タイトルレポート

「ロックマン」や「レイトン」のオリジナルタイトルが登場


9月20日~23日 開催(20日、21日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料



 東京ゲームショウでは数年前まで、携帯キャリア3社が大きなブースを構えてきた。しかし年を追うごとに出展が減っていき、ここ最近は3社ともブース出展を控える状況が続いている。幕張メッセで入場料を取る東京ゲームショウという会場と、高くても数百円ですぐ購入できるモバイルゲームの相性の悪さが徐々に露呈してきた結果、こういう動きになってきた。

 ところがここ1~2年ではまた違う動きが見えてきた。高性能で直感的な操作が可能なスマートフォンの普及と、ソーシャルゲームの隆盛によって、東京ゲームショウに再びモバイルゲームが回帰する動きが見え始めた。今年は昨年に続いて巨大なブースを構えるグリーに加え、コンテンツプロバイダのgloopsも大型のブースを出展している。

 また大きなブースを構えている大手ゲーム会社も、スマートフォンやソーシャルゲームに一層力を入れ始めている。ブースでの出展内容はあくまでコンシューマーゲーム主体ではあるが、コンシューマーゲーム並に作りこんだクオリティの高いスマートフォン向けゲームを出展するブースも見られ、スマートフォンが新たなゲームプラットフォームとして着実に地位を固めつつあるのが感じられる。

 主にモバイルゲームを出展する小規模ブースを集めた「スマートフォンゲームコーナー/ソーシャルゲームコーナー」は今年も用意されている。そちらやグリー、gloopsの様子は別稿でお伝えするとして、本稿ではそれ以外のブースで出展されているモバイルゲームをまとめてご紹介したい。




■ 「ロックマン」がソーシャル+アクションゲーム化

 株式会社カプコンは4タイトルの新作スマートフォン向けタイトルを出展。このうち「モンスターハンター Massive Hunting」と「バイオハザード VS.」はグリーのブースでも出展されているので、2タイトルをお伝えする。

 「ロックマン Xover (ロックマン クロスオーバー)」は、「ロックマン」シリーズのキャラクターが総出演するアクションゲーム。強制スクロールするステージで、ショットで敵を倒しながら進む。ショットは一定時間撃たないでいると、敵を貫通するチャージショットに変化する。高い位置にいる敵はジャンプしてから攻撃できる。アクション性は過去のシリーズに比べてぐっと簡略化されたものになっている。

 ステージをクリアした後には、カードのようなアイテムを入手できる。今回の主人公となる新しいロックマン「OVER-1」は、「バトルメモリー」を装着することで、そこに記録された力を使えるという能力を持っている。ゲームを進めながら「バトルメモリー」をコレクションして、「OVER-1」を成長させていくという、ソーシャル要素を兼ね備えたRPGという位置づけになるようだ。対応プラットフォームはiOSで、2012年内に配信予定。価格は基本無料でアプリ内課金を採用する。


【スクリーンショット】

【ムービー】

 「忍者アームズ」は、カードを使って進めるパズルゲーム。ゲームを始めるとマス目で区切られた盤面にモンスターが現われるので、手持ちのカードを使って倒していく。カードには攻撃方向と射程、属性が設定されており、使用するカードを選んで盤面に置くことで攻撃が発動する。有利な属性で多くの敵を巻き込める場所を選んで、敵にダメージを与えていく。敵を倒すと、その敵が爆発するようにして周囲にダメージを与えるコンボも発生する。

 さらにプレイを進めるうちに「チャクラ」が貯まっていき、満タンになると発動できる。通常の攻撃よりも強力な技で敵に大ダメージを与えられる。これらの要素をうまく活用して、より短時間に敵を一掃するというパズルゲームになっている。使用するカードをどれにするかというデッキ構築も攻略のポイント。対応プラットフォームはiOSで、2012年内に配信予定。価格は基本無料でアプリ内課金を採用する。


【スクリーンショット】

【ムービー】



■ レイトン教授の息子が推理!「レイトンブラザーズ・ミステリールーム」

 株式会社レベルファイブ初のiOS向けタイトルとなる「レイトンブラザーズ・ミステリールーム」。東京ゲームショウ会期中の9月21日に配信された新作となっている。

 これまでの「レイトン教授」シリーズの主人公の息子で、天才事件分析官の「アルフェンディ・レイトン」と、その見習いとなる「ルーシー・クレイラ」が主役となって物語が展開される。ルーシーがアルフェンディのもとを訪れるや否や、あるホテルで起きた殺人事件を分析することになる。

 まずは事件の現場をくまなく探して情報を集める。現場はタッチパネル操作で360度回してみたり、拡大縮小したりして、証拠となりそうなものを見つけたらタッチして情報にしていく。ある程度集まると今度は推理パートとなり、凶器は何か、といった事件の情報を1つずつ整理していくことで、真相へと近づいていく。

 「レイトン教授」シリーズは、「ナゾ」として様々なクイズを解いていくという体裁だったが、本作は事件を見て推理するという、純粋な推理アドベンチャーになっていた。また過去のシリーズを知る人ならば、いつも穏やかな英国紳士だったレイトン教授と、息子のアルフェンディの違いにギャップを感じるだろう。その辺りはゲームを進めるうちに何か語られることがあるのかもしれない。

 タッチパネルでの操作に特化されたインターフェイスはもちろん、3Dグラフィックスで描かれる事件現場、シーンを盛り上げるBGMなどは、コンシューマーゲーム並の高い品質で作られている。ゲーム内容は毛色が異なるが、このクオリティならばシリーズのファンも受け入れられるのではと感じた。対応機種はiPhone 3GS/第4世代iPod touch以降およびiPad。価格は1,200円のところを、現在は特別価格の800円で配信されている。全5話を収録しており、今後6話以降も発売するとしている。


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■ 「Kingdom Conquest」の各要素を強化した続編が登場

 株式会社セガは、ブース内にスマートフォン向けゲームカテゴリ「SEGA Apps」のコーナーを大きく設置。新作タイトルの映像を一気に流して、スマートフォンにも力を入れていく姿勢をアピールした。試遊機はフロア2階に置かれているのだが、配信前の新作は「Kingdom Conquest II」のみというのが少々残念なところ。

 「Kingdom Conquest II」は、世界的なヒットを収めたソーシャルゲームアプリ「Kingdom Conquest」の続編となるタイトル。国の施設を作る箱庭ゲームに、3Dアクション要素が組み合わさったという基本的なゲームデザインは前作と共通しているが、各要素が強化されている。

 まずプレーヤーの本拠地は、従来は2Dだったものが3Dに変更された。街に住むキャラクターの動きまで見える繊細なグラフィックスはただ美しくなっただけでなく、本拠地そのものを拡張する機能も追加され、前作よりも自由な街づくりが楽しめるようになっている。

 アクションパートも3Dグラフィックスが強化され、より美しく滑らかな映像でプレイが可能。またプレーヤーキャラクターに、前作の3種に加え、回復のスペシャリスト「僧侶」と、スピードを重視した「忍者(くのいち)」が追加された。4人でのオンラインプレイも健在なので、従来よりもバトルの戦略の幅も広がっている。

 対応プラットフォームはiOSで、今冬配信予定。価格は無料でアプリ内課金を採用する。


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■ ロボットを題材にしたソーシャルゲーム「ダマスカスギヤ」

 アークシステムワークス株式会社は、ロボットを題材にしたソーシャルゲーム「ダマスカスギヤ」を出展。Mobage向けに展開されるもので、開発はエープラス株式会社が担当している。

 ゲームでは行動力を消費しながら探索することで、ロボットのパーツを入手できる。このパーツを組み合わせることで、ロボットを作り、より強化していく。パーツをカード、ロボットをデッキと見立てれば、実は一般的なソーシャルゲームに近いイメージになる。ただロボットを題材にしたものがこれまでなかったというのが本作の着眼点。

 ロボットは3Dグラフィックスで描かれ、パーツを変えると能力だけでなく見た目も変わる。バトルシーンも3Dで展開され、装備した武器によって攻撃パターンも異なる。戦闘中は見ているだけにはなるが、ただ強いロボットを作り上げるだけでなく、新たな武器を手に入れて、その派手な演出を見るのも楽しみになるゲームだ。

 ちなみに名前に「ギヤ」と入っているが、同社の「ギルティギア」シリーズとは関係ない。エープラスで本作の開発を担当する小林敬弘氏によると、「名前を変えるべきかと思ったが、アークシステムワークスさんに見せた時に『この名前でいいんじゃないか』と言われたので、そのままになった」のだそうだ。タイトル名からもアークシステムワークスをイメージできるという意味ではアリなのかもしれない。

 対応プラットフォームはAndroidで、今秋配信予定。iOS版も追ってリリース予定となっている。


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■ フルボイス・アドベンチャーに最新作が登場!「智代アフター」

 株式会社プロトタイプは、Android向けアプリサイト「ビジュアルアーツMottoSP」の新作となる「智代アフター -CS Edition-」をプレイアブルで出展した。

 「智代アフター -CS Edition-」は、同サイトでも配信中のアドベンチャーゲーム「CLANNAD」に登場するヒロイン「坂上智代」と主人公「岡崎朋也」のその後を描いたスピンオフ作品。同サイトで配信されているゲームと同様、本作もフルボイスで収録されており、ヒロインと主人公の軽快な掛け合いを耳でも楽しめる。

 画面をタップすれば文章を読み進められる。指を上から下にスワイプするとメッセージウインドウの消去、下から上にスワイプで過去ログの参照、右から左でメッセージスキップと、テキストアドベンチャーの便利機能が直感的な操作で実装されている。

 配信は近日の予定で、価格は未定。


【スクリーンショット】

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(C)SEGA / (C)SEGA Networks

(2012年 9月 23日)

[Reported by 石田賀津男]