カプコン、「逆転裁判5」ステージイベント&プレイレポート

“成歩堂龍一”復活!! 3Dモデルになり、シリーズの良さと新しさを持った最新作


9月20日~9月23日 開催(20日、21日はビジネスデー)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:前売1,000円/当日1,200円(一般)
    無料(小学生以下)
    前売3,000円(TGS サポーターズクラブ)


 カプコンブースでの、ニンテンドー3DS「逆転裁判5」のステージイベントおよび体験プレイレポートをお伝えしよう。制作が発表されて以来ついに姿を見せた本作。2007年にDS「逆転裁判4」が発売されて以来、5年ぶりとなるシリーズ最新作であり、なんといってもシリーズの代名詞とも言えるあの“成歩堂龍一”が主人公に帰ってくるということで、期待と注目の集まっている最新作だ。

逆転裁判5

プラットフォーム:3DS
ジャンル:法廷バトル
プレイ人数:1人
発売日:未定
価格:未定




■ ステージイベント「ナルホド!復活 スペシャルステージ」

写真中央がプロデューサーの江城元秀氏、右がシナリオディレクターを務める山﨑剛氏
やはり「逆転裁判」と言えばこの人。成歩堂龍一が主人公として復活!
今作のテーマは「法廷崩壊」。えん罪やねつ造といったもので法や秩序が崩壊しているという

 ステージイベントには、プロデューサーの江城元秀氏とシナリオディレクターの山﨑剛氏が登場。初公開の映像や、「逆転裁判5」の新システム、新キャラクター、そして主人公である成歩堂龍一など、「逆転裁判5」の注目ポイントを紹介した。

 初公開されたPVには、崩壊した法廷が映し出された。これは爆弾によって破壊されてボロボロになってしまった場面のようだが、これには物理的な意味だけでなく、今作のテーマに「法廷崩壊」というものがあり、えん罪やねつ造などによってねじ曲げられて“法や秩序が崩壊”しているという意味合いもあるという。

 「逆転裁判5」の世界は「逆転裁判4」から1年後。8年前のある事件に巻き込まれ、弁護士資格を失った成歩堂龍一だったが、“大事な約束”を胸に、弁護士バッジを取り戻すことを決意。8年ぶりの法廷に帰ってきた!

 8年ぶりに帰ってきた成歩堂は年齢と経験を重ねただけに外見も変化。ジャケットの前を開け、中にはベストを着込んでいる。髪型もワンポイントだけ前髪が前に垂れている。また、胸ポケットあたりには金の鎖があるが、これは「逆転裁判4」に登場したネックレスとのことだ。

 成歩堂のパートナーには新たなキャラクターである「希月心音」が登場した。彼女は新米の弁護士で、アメリカで心理分析を学んできたということだ。ちなみにイメージカラーは黄色で、「新しい弁護士のカラーは黄色にしたかった」(おそらく、成歩堂の青、王泥喜の赤などがあり、赤、青ときたら次は黄色ということだろう)とのこと。

 そんな彼女がいることで可能になる新しいシステムが「ココロスコープ」。尋問の際に喜怒哀楽を示すマークが画面の四隅に出現、証言の中に込められている感情が見えるようになるというものだ。証言の内容とは合わない感情の揺れを見つけ、それを指摘していく。


【プロモーションムービー】

【新米弁護士「希月心音」がパートナー!】
アメリカで心理分析を学んだという弁護士の「希月心音」。彼女が、復活した成歩堂の新たなパートナーとなる。そして彼女がいることで可能になる「ココロスコープ」という、証言中の感情が見られる新システムも登場!
【グラフィックスは完全3Dモデルに】
「法廷パート」をプレイ! している模様。基本的な構図はまさに「逆転裁判」そのままだが、キャラクターや背景など全てが3Dモデルになっている。これまでになかったような演出的なカメラワークも可能になっている

「探偵パート」も3Dモデルになったことで画面切り替えがシームレスに

 今作ではキャラクターや背景が3Dモデルで描かれていることも大きな特徴だ。それによってキャラクターはこれまで以上によく動くし、これまでのシリーズにはなかった角度からキャラクターを見たりと、カメラワークを使った演出も加わっている。もちろん3D立体視映像にも対応しているので、奥行き感や空間の広さの感じも、3Dモデルになったことと合わさって、より感じられるようになっている。

 実機プレイも披露された。プレイアブルでも「法廷パート」がプレイできるのだが、ここでは「探偵パート」のプレイを紹介。何か金庫のある部屋を成歩堂と心音が調べているというシーンで、シリーズ作同様に気になる場所を調べると、そこに対して2人の会話が展開されていく。

 ここでの大きな変化は、シームレスに視点が変化していくということ。まず部屋を見ている方向も、左右に切り替えなしに動いていく。さらにそこから調べようとしている物に向かってズームするという場面もあって、これももちろんシームレス。3Dモデルになったからこその変化となっている。テーブルを調べてズームされたところから、下に視点を動かしてテーブルの下を調べるという動きも行なっていた。


【より本格的になった「探偵パート」】
3Dモデルになってより本格的に調べられるようにもなっている。気になる箇所をズームしたり、視点を動かしてテーブルの下を見ると何かが見つかるなんていうこともある

アニメーションPVは残念ながら今のところステージイベント限定公開。制作は株式会社ボンズが手がける

 このイベントでは、特別に初公開のPVがもう1本上映された。先ほどがゲーム内容を紹介するPVだったのに対して、次に上映されたPVは完全なアニメーション映像。キャラクターは全員が(もちろん成歩堂も!)フルボイスで、アニメ番組と同等のレベルのムービーになっていた。こうしたアニメーションムービーもゲーム中に数多く収録されていて、重要な場面などで流れるとのこと。アニメの制作は株式会社ボンズが手がける。

 上映されたアニメムービーでは、成歩堂が電話で誰かと話しているシーンに、別の場所で活動中の心音の姿も挿入されるというもの。成歩堂が弁護士復帰を決意した直後のプロローグとも言えるシーンのようで、最後に成歩堂は「決着をつける!」と意味深なセリフを残して映像は終わっていった。


【各種コラボレーションやグッズ】
カプコンブースで「逆転裁判5」の体験プレイするともらえるラバーチャーム。どちらも今作に登場する新キャラクターだ。他にも、「逆転裁判」の宝塚歌劇では、御剣怜侍が主人公の第3弾を公演。カプコンの物販ブースでは「逆転裁判」グッズも販売されている

 「逆転裁判5」は現在も鋭意開発中とのことで、このイベント時点ではまだ発売日は決定してはいないということだが、2013年の発売を予定しているという。いよいよその姿が見え始めてきた「逆転裁判5」。続報も順次出していくとのことなので、期待して待ちたいところだ。




■ 「逆転裁判5」プレイアブル版プレイレポート

「逆転裁判5」の体験プレイコーナーはコーナー全体が崩壊した法廷のようになっている
コーナーの入り口では、ちょっと大人になった今作の成歩堂龍一の巨大な人形がお出迎え

 「逆転裁判5」はプレイアブル展示もされている。コーナーには40台の3DSが設置され、1人あたり」15分のプレイが可能。遊べるのは第1話「逆転のカウントダウン」の「法廷パート」。ちょうど15分で遊び終えられるかなという特別バージョンとなっている。

 8年ぶりに弁護士に復帰しただけに、まるで初めて法廷に立つときのように緊張している成歩堂。シリーズ作品の冒頭シーンはいずれもこうした開廷前に緊張しているシーンから始まってきたが、それは今作でも踏襲されているようだ。

 決定的に異なるのは、そのシーンも全て3Dモデリングで描かれているということだ。おなじみなレイアウトの開廷前の部屋も、3D立体視の効果も加わって、奥行き感のある存在感のある空間になっている。そこに現われる成歩堂の新パートナー心音の動きも滑らかで、とてもよく動く。

 法廷のシーンもデザインそのものはシリーズ作でおなじみのものなのだが、やはり3Dモデルになったことで印象や空間のメリハリが感じられる。おなじみの裁判長とのやりとりもあり、尋問へと入っていく。

 尋問のシステムは基本的にシリーズの「ゆさぶり」、「つきつける」というものだったのだが、変わっているのは演出。決定的な矛盾を突いて傍聴席がざわめくというのもおなじみだが、その時には法廷内をぐるりとカメラが回るような、ダイナミックなカメラワークが入っていた。これによりこれまで見られなかったような角度からの成歩堂の姿も映し出されていた。

 次の証人の尋問では、心音の「ココロスコープ」が登場! 強いショックを受けていて記憶が曖昧だという証人の、少ない言葉の中にある感情を読み取っていく。尋問同様に証言が切り替わり進んでいくのだが、証言ごとに喜怒哀楽のマークが反応する。命の危険にさらされた時の証言なのに「喜び」の感情が混ざっていたら、それはおかしい。成歩堂が「ここだ!」と指摘すると、よりはっきりとした証言が追加されていた。感情の起伏を読み取るというアナログな要素をあえてデジタルに、ゲーム的にわかりやすくしてあるという印象で、尋問という場面では自然な要素ながら、新しいおもしろさと思えた。

 ハードが3DSになったということで、音楽も注目のポイント。曲はいずれもオーケストラになっていて、深みと味のある音でおなじみのメロディーをアレンジした曲が流れていた。その中でも、矛盾を突いた時の「追求」の曲は、今作でもばっちりテンションの高まること間違いなし。音楽の面でも良さはそのままに大きく進化したという印象を受けた。


【スクリーンショット】


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(2012年 9月 20日)

[Reported by 山村智美]