スクエニ、「A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012」開催

トークショーから音楽ライブまで、2日間に渡る10周年記念のお祭り!


6月23~24日 開催

会場:パシフィコ横浜



開場前から、行列は外や階段まで使って長く伸びていた。開場後も入場制限がかかるほどの盛況だった

 株式会社スクウェア・エニックスは6月23日と24日の2日間、PS2/Xbox 360/Windows用MMORPG「ファイナルファンタジーXI」のオフラインイベント「A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012」(VANA★FEST 2012)を横浜パシフィコで開催している。

 「VANA★FEST 2012」は、「FFXI」の節目に開催されるオフラインイベントで、これまでにも2008年や2010年に開催されてきたが、今回は10周年を記念するものであり、2日間の開催ということも含めて最大規模を誇るものになっている。

 パシフィコ横浜のBホール全体を使った会場には、入場時間前から行列ができており、広い会場であるにも関わらず開場されてからも入場制限がかけられるほど、多くの人で賑わっていた。

 会場では、開発者によるプレゼンやグッズ販売、新しいスペシャルバトルフィールド「ヒロインズタワー」の体験などができた。この記事では、各種アトラクションや歴代ディレクタートークなどを中心に、会期1日目の会場全体の様子をお伝えする。なお開発者トークの詳細については、改めて別稿でお伝えする。


【会場の様子】
会場入口にあったスタッフからのメッセージパネルファンアートのコンテストが開催フードスペース「ララブのしっぽ亭」ではゲームにちなんだ食事が提供されていた
「石の記憶」と題された巨大クリスタル「危険なので攻撃しないでください」と注意書きが書かれた「カンパニエの壁」


■ シリーズで最も利益を上げたタイトル。和田洋一代表取締役社長が挨拶

スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏

 オープニングイベントにはスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏が登場し、開会に際して挨拶を行なった。

 和田氏は「FFXI」の黎明期を振り返り、「まだMMORPGというものが一般にも社内にも認識されていない中でのローンチで、その成功に関しては懐疑的な意見が多かった」と決して内外的にも順風満帆ではなかったことを明かした。しかし、その後「FFXI」が盛り上がってくるに連れてスクウェア・エニックスの社員が開発に駆り出されるようになり、一時は社員の半分が「FFXI」の開発にあたっていたこともあったという。

 また和田氏は「FFXI」の現時点でのアクティブユーザーの総プレイ時間を集計した結果、累計20数万年であり、「最も遊んでもらったタイトル」だと話した。さらに利益ベースでも「FF」シリーズのトップを記録しており、「会社にも最も貢献しているタイトル」だと述べた。

 和田氏は最後に、「『FFXI』はみなさまの支えと開発者の情熱があってやってこられたタイトルです。今日のイベントを楽しんで行ってください」と来場者に声をかけた。

【お詫びと訂正 2012年6月25日】
 記事初出時、上記の和田氏の発言の中で総プレイ時間を「20数億年」と記載しましたが、「20数万年」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。



■ 初代ディレクター石井浩一氏など歴代ディレクターがトークショーを開催

オープングは中島みゆきさんの「地上の星」に乗せて「プロジェクトX」風な映像「プロジェクトXI」が放映
歴代ディレクターのトークの相手を務めたのは田中氏と加藤さん
サンタモニカのイベントで撮った「ミスラ」のコスプレーヤーに囲まれる田中氏の写真が公開、という場面もあった

 会場のメインステージでは、 歴代のディレクターが登壇してそれぞれの経験を振り返るという「歴代ディレクタートークイベント」が行なわれた。

 このステージに登壇したのは、株式会社グレッゾ代表取締役社長の石井浩一氏、「ファイナルファンタジーXIV」リードプランナーの河本信昭氏、株式会社グッド・フィールの小川公一氏、「ファイナルファンタジーXIV」リードバトルプランナーの松井聡彦氏の4名。それぞれ所属企業や所属部署は既に変わっているが、「FFXI」プロデューサーの田中弘道氏と司会の加藤英美里さんを相手に、当時の状況や思いについて代わる代わるトークを行なっていった。

 中でも最も印象的だったのは、最初に登場した石井浩一氏。シリーズの代表的なキャラクター「チョコボ」や「モーグリ」の生みの親でもある石井氏は、田中氏とタッグを組んで「FFXI」の立ち上げに関わっている。氏が「FFXI」で目標としたのは、初代「FF」のような雰囲気に立ち返るというものだったという。初代から進歩した技術をもって改めて「私たちの考える『FF』」を集大成として表現したかったと話した。

 また和田氏も開場の挨拶で触れたとおり、社内でも「FFXI」は成功しないのではないかという風潮があり、それを田中氏も石井氏も感じていたという。

 田中氏は当時を振り返り「そもそもオンラインゲームなんて流行らないんじゃないかと言われていた」と述べると、それを受けて石井氏は「社内でも上手くいかないという雰囲気があったが、『見てろよ』と思っていた。そのことでかえってエネルギーをもらっていたのかもしれませんね」と熱い思いがあったことを語った。

 その後、短パンがトレードマークの河本信昭氏、「カンパニエバトル」を作り上げた小川公一氏、家族で「FFXI」をプレイしているという松井聡彦氏と、個性のある歴代ディレクターの登場となり、最後に田中氏は「こうして見ると、それぞれに個性がありました。MMORPGにはこういった個性が集まることが雰囲気作りになっていて、それが必要なのかもしれませんね」と話した。


【スクリーンショット】
グレッゾ代表取締役社長の石井浩一氏「ファイナルファンタジーXIV」リードプランナーの河本信昭氏
グッド・フィールの小川公一氏「ファイナルファンタジーXIV」リードバトルプランナーの松井聡彦氏

【「ヒロインズタワー」頂上決戦】
ステージイベントでは、新バトルフィールド「ヒロインズタワー」を初見で2チームが挑み、1ヒロインを倒す時間を争った。「ヒロインズタワー」については別の記事で改めて紹介したい

【コスプレイベント】
趣向を凝らしたコスプレの数々が見られるイベント。優勝したのは3段目右の男性。作り込みに注目され、特にブーツの完成度の高さが評価に繋がった

【ミュージックステージ】
ミュージックステージでは水田直志氏率いる「Nanaa Mihgo's」がバンド演奏を行なった
こちらは谷岡久美氏によるピアノ演奏。このために「Ragnarok」の楽譜を起こしたそうで、「せっかくなので楽譜集を出したい!」と話していた

【展示コーナー】
ここでは新旧さまざまなグッズが展示されていた。中には札が付いているものがあるが、これは2日目の最後に行なわれる「リアルモグボナンザ」で配るものではないかと思われる

【その他会場の様子】
イベント出場者以外のコスプレーヤーも会場のあちこちに見られたこちらは海外へ会場の様子を配信するためのブース
来場者以外も参加できた「ノマドモグボナンザ」1日目最後は田中氏による「ファイナルファンタジー イレブン!」の掛け声で幕引き

(2012年 6月 23日)

[Reported by 安田俊亮]