仏Ubisoftは6月4日（現地時間）、「Ubisoft E3 2012 Media Briefing」を米ロサンゼルスにあるLos Angeles Theaterにて開催した。

　この会場では、同社が2012年から2013年にかけて発売予定の新作タイトルが発表された。年内に発売されると見られるWii U向けのソフトや、人気シリーズの最新作、さらには新IPによる完全新作タイトルもラインナップされている。

■ 「Far Cry」や「Splinter Cell」などシリーズ最新作を紹介

　最初はダンスゲームシリーズの最新作「Just Dance 4」が紹介された。イベント1発目ということもあり、ダンサーによる派手なパフォーマンスで場を盛り上げた。ゲームの詳しい紹介はされなかったので、順当なシリーズ新作といったところだろう。トピックスとしては、Wii Uに対応する点。発売日はXbo 360/PS3/Wii版が北米で10月9日、Wii U版は本体のローンチタイトルとして登場する。

ゲームを使ったダンスパフォーマンスで「Just Dance 4」のイメージを伝えた

　続いては、FPSシリーズの新作「Far Cry 3」。グラフィックスの美しさは今回も健在。デモ映像では、森で暮らす原住民のようなプレーヤーキャラクターが、スコープの付いた未来的な弓矢で敵をスナイプしたり、敵から奪った銃器を華麗に操ったりと、設定や世界観もユニークさを感じさせる。プラットフォームはXbox 360/PS3/Windowsで、北米では9月4日発売予定。

グラフィックスの美しさもさることながら、世界設定も独特で気になるところ

　3つ目はスニークアクションの最新作「Tom Clancy's Splinter Cell Blacklist」。こちらの会場ではムービーのみでゲームプレイ画面はなかったが、先に開催されたMicrosoftのカンファレンスでも紹介されており、近くの敵を締め上げながら遠くの敵を拳銃で倒すという、1対多の華麗なアクションを見せていた。プラットフォームはXbox 360/PS3/Windowsで、北米では2013年春発売予定。

本会場ではムービーのみ上映。今回は次の敵を倒すアクションにこだわって作られているそうだ

　4つ目は、Marvelのキャラクターが登場する「Marvel Avengers Battle for Earth」。こちらはイメージムービーが上映されたのみでゲーム内容は不明なままだが、「Unleash your inner super hero（あなたの中のスーパーヒーローを解き放て）」というキャッチコピーや、プラットフォームがXbox 360 KinectおよびWii Uということから、体を使ったゲームになりそうだ。発売時期は2012年秋（Wii Uは本体発売後）。

Marvelのキャラクター達が登場する、KinectとWii U対応のタイトルになる

■ Wii U専用タイトルも2本登場

　次に紹介されたのは、今回のE3の目玉となっているWii Uに向けて作られた専用ソフトで、Ubisoftは2タイトルを用意していた。

　1つ目は同社のキャラクタータイトルの「Rayman Legends」。ゲームは横スクロールアクションで、Wii U GamePadでは、ほとんどの操作をタッチパネルで行なっていた。途中にある仕掛けによっては、コントローラーを回転させるなどモーションセンサーを使ったものもある。さらにゲームを進めていくと、BGMに合わせてリズミカルに画面をタッチし、まるで演奏するかのようなプレイシーンも見られた。

　また会場ではWii U PROコントローラーを使ったマルチプレイのデモも行なわれた。最大5人でのマルチプレイも可能だという。発売日は未定。

普通の横スクロールアクションかと思いきや、ほとんどの操作がタッチパネルで行なわれている

　もう1タイトルは「ZombiU」というゾンビゲーム。会場ではイメージムービーのみ上映された。ゲーム内容はFPSスタイルのサバイバルホラーになり、Wii U GamePadを使った要素が搭載されるという。ちなみにUbisoftが初めて発売したゲームが「Zombi」というゾンビもののゲームで、今回は約25年ぶりのシリーズ新作ということになるのかもしれない。

ゾンビとのリアルな戦いが描かれたイメージムービー。ゲームもかなりハードなものになりそう

　この他にも、「Sports Connection」や「Your Shape Fitness Evolved 2013」などもWii Uに対応。Wii U専用・対応を合わせると8タイトルがWii U用タイトルとしてラインナップされている。

■ Ubiイチオシタイトル「Assassin's Creed 3」をデモプレイ

　E3開催前から注目を集めている3Dアクションシリーズ最新作「Assassin's Creed 3」は、会場でじっくりとデモプレイが行なわれた。今回はアメリカ独立戦争で戦う1人のアサシンが主人公となっている。相変わらずの白いフード姿が場違いな空気もあるが、そんな違和感も吹き飛ばす圧倒的な強さを見せつけてくれる。

　「Assassin's Creed」シリーズといえば、高所を華麗に移動するアクションが印象的。今回は雪原で一見すると高所と呼べるところがなさそうだが、林立する木々の枝につかまり、飛び乗りという動きで、敵に見つかることなく高所から急襲する。地面に降りた後も、多数の敵をバタバタと倒していく。さらには敵の前線基地まで単身で乗り込み、火薬庫を爆発させて敵の気を引いている隙に、司令官を的確に仕留めるというシーンも見られた。

　銃を撃ち合う戦争の真っ只中に飛び込んで、手斧で敵をバタバタと倒していくという爽快感もさることながら、独立戦争という舞台でどんな物語が展開されるかも注目される。プラットフォームはXbox 360/PS3/Wii U/Windowsで、北米では2012年10月発売予定。さらにPS Vita向けに「Assassin's Creed 3 Liberation」が発売される予定。

今回は木の枝を伝って颯爽と駆け抜け、上空から急襲する。相変わらず「どこがアサシン（暗殺者）なのか」と言いたいくらい強い

■ e-Sportsを強く意識したFPS「Shootmania Storm」

　ここで少し色の違うタイトルとして、「Shootmania Storm」というFPSが紹介された。Windows向けのF2P（Free to Play、基本プレイ無料）タイトルで、現在は「SHOOTMANIA.COM」でβテスターの登録を受け付けている。

　内容はSF的な世界観のFPSで、有名なFPSプレーヤーが3on3のデモプレイを行なった。攻撃側と防衛側に分かれる拠点防防衛戦で、攻撃側が一定時間、相手拠点に留まり続ければ勝ちとなるルール。1戦は30秒程度で終わっていた。ステージでは「e-Sports」という言葉を連呼しており、そのとおりにスポーツ色の強いタイトルになっている。

スポーツ色の強いFPS。1戦1戦が短時間で決するデザインになっている

■ 完全新作となるハッキング3Dアクション「Watch Dogs」

　最後に紹介されたのが、新作の3Dアクション「Watch Dogs」。プレーヤーはある都市を管理するのに使われてるOS「ctOS」に対して、手にしたスマートフォンでハッキングをかける。すると道行く人の個人情報を閲覧したり、話し声を盗聴したり、街中にあるものをコントロールしたりと、さまざまな不可能を可能にできる。

　プレーヤーはこの力を使って、ある殺人依頼を遂行する。ターゲットを追うための情報収集にハッキングを使うだけでなく、大きな交差点の信号機をハッキングしてすべて青に変えて大事故を引き起こす。それにまぎれてターゲットの射殺に成功する。

　しかしプレーヤーは、駆けつけたヘリのサーチライトにターゲットされてしまう。その場から駆け出すプレーヤー。すると視点が上へと動き、近くのビルの屋上から見ていた別のキャラクターに視点が移る。その男は、携帯電話への連絡を受けてどこかへと走り出す。そして画面はさらに上方へと動き、街の俯瞰図に変わる。そこにはプレーヤーとなった2人のほかにも、いくつもの名前と現在地のタグが打たれている。

　ここで会場でのデモプレイは終了。明確なストーリーがあるのかはわからないが、街のシステムに対するハッキングをテーマに、街にいる複数のキャラクターを操るというスタイルのゲームになりそうだ。「everything is connected（全ては繋がっている）」、「connection is power（繋がりは力）」というキャッチコピーも思わせぶりで、どんなドラマが展開されるのか楽しみな作品になっている。

　プラットフォームは、Xbox 360/PS3/Windows。発売日は未定。

街を管理するOSをハッキングし、さまざまな情報を得たり、街中のものをコントロールしたりして目的を目指す。複数のキャラクターの存在も気になる