バンダイナムコ、「機動戦士ガンダムオンライン」α2テストレポート

ファンの夢見た戦場! 100機以上のMSがジャブローで激突!!


4月27日~5月6日α2テスト実施

正式サービス開始日:未定



 株式会社バンダイナムコオンラインは、Windows用オンラインアクション「機動戦士ガンダムオンライン」のα2テストを4月27日~5月6日の日程で実施した。

 本作はアニメ「機動戦士ガンダム」の“一年戦争”を舞台に、最大52vs52の戦いが体験できるオンラインアクションゲーム。プレーヤーはモビルスーツ(MS)のパイロット、あるいはMS部隊の指揮官として連邦軍かジオン軍に所属し、戦いを繰り広げて行く。今回は、α2テストで明らかになった本作の特徴を紹介していきたい。



■ アムロやシャアも登場。戦場、MS、演出、全てがファンの心を揺さぶる!

多数の敵と味方が入り交じる、ガンダムファンが夢見た戦場が実現した
チュートリアルはアニメのキャラクターが担当する。担当する声優も原作通りだ
評価画面では、ジオンはシャア、連邦はアムロのコメントが

 「機動戦士ガンダムオンライン」は100人以上のプレーヤーがぶつかりあうオンラインアクションだ。一年戦争に登場するMSに乗り込み、「オデッサ」や「ジャブロー」といった戦場で戦っていく。過去に、モビルスーツを直接操作し、大人数で戦うといった「ガンダム」ゲームはMMORPG「UniversalCentury.net Gundam Online」があったが、「機動戦士ガンダムオンライン」は対戦型オンラインアクションとして、戦闘により特化した内容になっており、ファンからの期待も大きな作品だ。

 ゲームでは、その都度ルームが作成され、両軍それぞれ35人以上集まった時点で戦闘がスタートする。立候補した1人のプレーヤーが指揮官となり、その他のプレーヤーはパイロットとして戦いに参加する。

 登場可能なMSは実に様々な種類が登場する。ジオン軍ならばザクIIやザクI、ザクタンクなどザクのバリエーションに加え、ドムやグフ、ズゴックなど。連邦軍ならばジム、初期型ジム、ジムスナイパー、陸戦型ガンダムやガンキャノン、ガンタンクなどだ。

 それぞれの機体は特性があり、戦場での役割は異なる。プレーヤーはあらかじめ“デッキ”を組み、複数のMSを所持している。近接攻撃が強いもの、遠距離に強いもの、味方を修理するタイプもある。さらに戦闘終了時の報酬を集めることで新しい機体を開発したり、カスタマイズが可能だ。どんな戦い方をしていくか、プレーヤーは模索しながらその方向性を強化していく。

 指揮官モードでは戦場全体を見渡しながら、パイロットプレーヤーの支援を行なっていく。どこを目標にするか、どこを守るか、戦況を見極めながら指示を出し、パイロットプレーヤー達と連携していく。索敵や、爆撃、エースパイロットの派遣など支援には様々なものがあり、うまく使いこなせれば戦闘を有利に進めることができる。敵機体を破壊したり、敵の拠点を奪うと敵の戦闘ゲージが減少する。相手の戦力ゲージを0にすることで勝利となる。

 現在まだαテストではあるが、ゲームはすでにかなり楽しめるものとなっている。ゲームでは、大人数のプレーヤーと共に、オデッサや、ジャブローを進んでいくことになる。原作よりもMSの種類が多く、役割の異なる機体でそれぞれの戦い方で、敵と戦っていく。MSはかなり倒されやすく、プレーヤーは拠点から復活、戦線復帰を繰り返していく。味方を失いながらも戦線を維持するために奮闘するのが楽しかった。

 そして何より、「機動戦士ガンダムオンライン」はやはり、“ガンダム”だからこそ楽しい。多くのMSが入り乱れる戦場というのは、他の作品とはひと味違うところがある。最初こそジムとザクのバリエーションばかりだが、コアプレーヤーはガンキャノンや、ドムといったより強いMSをいち早く開発し、追いかけるプレーヤーから羨望のまなざしを送られる。自分ももっと良いMSに乗ってみたいと強く思わせてくれる。

 “声”の演出も非常にリッチだ。基本操作を教えてくれるのは連邦側が林原めぐみさん演じる「クリスチーナ・マッケンジー」、ジオン側が井上喜久子さん演じる「アイナ・サハリン」。さらに両軍のプレーヤーの戦績を評価するのは、古谷徹さんの「アムロ」と、池田秀一さんの「シャア」である。

 さらにエースパイロットとしてカイやハヤトなども登場し、原作そのままの台詞を聞かせてくれる。プレーヤーキャラクターのボイスも豊富であり、アニメの世界そのままの雰囲気が楽しめる。ファンにはたまらないゲームだと言えるだろう。

キャラクター作成と、チュートリアル。キャラクターはボイスも多彩だ
パイロットか指揮官参加を選んで、35人以上の参加でスタートする
連邦とジオンの初期機体。支援や砲撃タイプも揃っている。右はジオン側のジャブローでのスタート画面「お、降りられるのかよ」という名シーンが蘇る




■ MSを操り、戦局を考えて戦う。指揮官との連携が勝利の鍵だ

水の中だと、機動力が極端に下がる
強力な戦艦。呼ばれる前に誘導ビーコンが破壊できれば、阻止することもできる

 ゲームの細かい部分を紹介していこう。MSはWで前進、Aで右に、Dで左に動き、Sでバックする。スペースキーを押すか移動キーを2回押すとその方向にダッシュする。シフトキーでジャンプだ。ダッシュやジャンプにはブーストゲージを使用し、使い切ると「オーバーヒート」となり、一定時間使用できなくなる。

 ゲームの視点は常に機体が見える3人称視点(TPS)で、武器は数字キーかマウスのホイールで切り替えることができる。左クリックで武器の発射、右クリックで近くの敵をロックオンする。ビームサーベルなどの格闘武器はダッシュと組み合わせると長い距離を瞬時に移動できるが、クセが強く、使いこなすには練習が必要だと感じた。

 MSには様々な特性がある。ザクIスナイパータイプや、ジムスナイパーは狙撃が可能だ。ザクIIや初期型ジムはマシンガンとバズーカーを持ち、中~近距離に強いが、グフや陸戦型ガンダムに格闘攻撃を挑まれるともろいところがある。また、水陸両用モビルスーツは水中で移動速度が落ちないというのは大きな利点だ。

 支援タイプの機体は「リペアトーチ」の武装を持っており、これで味方を撃つと耐久力が回復できる。撃破された直後の味方を復活させることも可能だ。さらに「リペアポッド」を設置することで、ポッドに接近した味方は耐久力の回復に加え、弾薬の補給もできる。狙撃タイプの機体は地雷を設置することもできる。この他、砲撃タイプの機体は地点を指定した砲撃が可能で、着弾地点の敵にダメージを与えられる。

 プレーヤーは様々な機体に乗り込み、戦場で戦っていく。小高い丘があったり、洞窟があったりと戦場は入り組んでいて、有利な場所、不利な場所がある。最前線は砲弾が飛び交う凄絶な戦場となる。マップ上には拠点の他いくつかのポイントがあり、これらは一定時間制圧していると自軍のものにできる。制圧すると、再出現ポイントとして選択できる。

 指揮官が支援を行なうには、「戦術ポイント」が必要で、このポイントはパイロットプレーヤーが拠点にコンテナを運び込むことでポイントが増加する。指揮官はこのポイントを消費して、爆撃やエースパイロットの派遣などの支援を行なう。「戦艦」を出撃させることも可能で、戦艦はポイント周辺を飛行し、周囲の敵を攻撃する。さらに戦場に自ら持ち込んで起爆させれば自分を含めた周囲のMSをまとめで吹っ飛ばす「戦略兵器」も投入可能だ。

オデッサ。市街地に川、小高い丘がある
こちらはジャブロー。ジャングル地帯に、洞窟がある。川は広く深い
指揮官画面。味方への指示や、エースの派遣などの支援を行なう




■ より自分にあった戦い方を求め、MSをカスタマイズ

ドムを製作。新機体が自分のものに
リペアポッドを設置。アップグレードで獲得した装備だ
敵からの爆撃。撃たれる前には警告が出る

 戦闘が終わると評価画面となる。ここでは「開発素材」とゲーム内マネーが入手でき、これらを使うことで新機体の開発、機体のカスタマイズが行なえる。資金をどう投入していくかでプレーヤーの方向性が変わってくるだろう。

 ズゴックやアッガイ、アクアジムなど水陸両用のMSは水中戦で有利だ。砲撃ができる上にガンタンクより機敏なガンキャノンは扱いやすいし、陸戦型ガンダムやグフは接近戦を挑むプレーヤーには楽しい機体だろう。ドムはホバーでの移動速度が魅力だ。ただし、手持ちの機体は1度破壊されると、一定時間同じ機体では出撃できなくなる、このため常に数タイプの機体を使うのだが、倒された時用に2機同じ機体を用意する、というのもアリだろう。

 カスタマイズに関しては、お気に入りの機体をとことんまで強化できるのが魅力だ。武器の威力を下げて装弾数を増やすといった方向性もある。また、支援機の「リペアポッド」のような特殊装備はカスタマイズでなくては装備できない。機体のカスタマイズには「成功率」があるようで、失敗すると素材や資金が失われてしまう点は注意が必要だろう。

 実際のプレイでは、かなり「立ち回り」が重要だと感じた。最前線は壮絶なつぶし合いで、中々長時間戦えない。このためか安全地帯から狙撃しようというプレーヤーも多かった。筆者の場合は「支援」にハマってしまった。最前線で戦闘を継続させるため、必死に味方を回復する。味方が撃墜された場所というのは火線が集中する場所なため、修理をしようと近付くのも非常に危険だ。気がつくと味方がみんな撤退していたり、戦場の“空気”を読むのも学んだ。

 戦闘における駆け引きは、まだまだ練習しないとダメだと感じた。どうしても無防備に身をさらしてしまうようだ。ゲーム内資金を貯めてドムを使ってみたのだが、メインの武器と言えるジャイアントバズーカは装弾数が少ない上に弾速が遅く、敵に当てにくかった。ホバーを使ったダッシュは非常に早く、ここからヒートサーベルの一撃は強力で、決まるととても気持いいのだが、うまくやらないと敵のど真ん中に突っ込み、集注砲火を食らってしまう。もっとうまく戦えるようになればより楽しめそうだと感じた。

 指揮官モードも体験してみた。基本的な操作はRTSに近い。複数のユニットをマウスドラッグでまとめて選択し、目標となるポイントをクリックするだけ。そして戦術ポイントが溜まると、支援のコマンドが使える。戦局を見据えながら指示を出していくのだが、実際には、両軍が同じ人数で、MSの差も大きくない場合、前線はひたすらぶつかりあうだけで時間が過ぎていき、戦線の維持だけで必死になっているのが画面から伝わってくる。本来ならここを見事な采配で戦局をひっくり返すべきなのだろうけど、変な指示をしたら戦線が崩壊しそうで、身動きが取れなかった。

 支援に関しても、場当たり的に索敵や、砲撃を行なってしまい、皆の動きに連動させることができなかった。例えば進むルートを明確に決め、エースの投入に合わせて爆撃を行なう、といった戦術ならうまくいったのではないか。後になってそんなことを思ったりもした。一度体験することで様々な課題が浮かんできた。今後、また挑戦してみたい。

 キャラクターの操作でラグを感じる部分も少しあったり、スナイパーや砲撃が強すぎるのではないか、といったところも感じたが、やはり「ガンダム」という題材は、それだけで心を躍らせるものがある。MSのモデリングや、声優などファンにはたまらない要素があるだけでなく、100人以上の戦い、カスタマイズ性など、ゲームとしても魅力的だ。

 現在、本作のサービススケジュールは未定だ。テストを繰り返し、良い物を作ろうという開発チームの姿勢はとても期待できるが、一方で、より大人数が楽しめるオープンβテスト、正式サービスをできるだけ早く始めて欲しいという思いもある。今後のスケジュール発表を待ちたい。

開発画面。開発やアップグレードには報酬で得られる素材が必要だ
戦術ポイントを増やすポッドの回収はこまめにしたい。修理は戦線を維持するのに大事だ。右は拠点攻撃。エースパイロットが一緒だと心強い
様々な機体で、様々な場面を戦っていく。左上はガンタンクによる砲撃画面

(C) 創通・サンライズ

(2012年 5月 8日)

[Reported by 勝田哲也]