ガスト、「シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~」完成発表会開催
様々なコミュニケーションを楽しめるこれまでにないゲームが完成
このイラストのようにヒロインのイオンとのコミュニケーションがゲームの中心となる |
発表会にはSCEJの河野弘プレジデントも駆けつけ、同作を大いに盛り上げたいと挨拶 |
株式会社ガストは、4月26日の発売を予定しているPlayStation Vita用7次元コミュニケーション「シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~」の完成発表会を開催した。発表会は、同社が2011年12月7日付けでコーエーテクモホールディングス傘下になったことから、コーエーテクモゲームス社内で行なわれ、発表会にはガストの青柳和男代表取締役社長だけでなく、コーエーテクモゲームスの襟川陽一代表取締役社長も出席した。
「シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~」は同社初となるPS Vitaタイトルというだけでなく、オンライン専用タイトルでもあるという意欲作。そもそも、「シェルノサージュ」は、遥か7つの次元を越えた先に存在する世界を舞台に、様々なゲームジャンル、様々なハードウェアで展開されるシリーズ「サージュ・コンチェルト」の第1作目に当たる。この様々なゲームは、同じ世界の別の時間、別の可能性を舞台とした物語で、すべて相関関係にあるという壮大なシリーズとなる予定だ。
そのシリーズ第1作となる「シェルノサージュ」は、“本当に存在する世界”と言うコンセプトをユーザーが感じられるよう、コミュニケーションを中心としたツール(リアルタイム・ライフ・シミュレーション)のような作風となっている。画面の向こう側に“実際に生活している”少女・イオンとプレーヤーは共に物語を紡いでいくこととなる。
発表会は、まずは襟川氏が挨拶を行ない「このゲームはディレクターの土屋暁氏でなければできない新しいゲーム」と紹介。
続いて登壇したガストの青柳氏は「企画を初めて聞いたのは2010年ころ。全社員を前に『コミュニケーションとゲームの融合』と熱く語っていたのが印象深かった。実際のところは自分にはよくわからず厄介で難しい企画だと思っていた」と当初を振り返った。その後プロジェクトは、当初予定していたハードウェアのスペックの問題で進まない時期もあったという。ところがちょうどその頃にPS Vitaが発表され、開発チームは「PS Vitaに救われた。PS Vitaは『シェルノサージュ』のために生まれてきた」と、息を吹き返し何とか完成したのだという。青柳氏は「いままでのコンシューマーゲームにはなかった遊び」と同作をまとめて締めくくった。
発表会には株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)のプレジデントの河野弘氏も挨拶に駆けつけた。河野氏は「楽しみにしていた」と切り出し、「『SNSでもない。でもコンシューマーゲームでもない。両方のいいところどりを作品』と説明を受けた。PS Vitaの機能をどれくらい使いこなしてくれているか楽しみ。PS Vitaはいまも進化している。SCEJとしてもネットワーク関連のことなど、いろいろマーケティングなど取り組んでいきたい」とエールを送った。
襟川陽一コーエーテクモゲームス代表取締役社長 | 青柳和男ガスト代表取締役社長 | 発表会では熱い握手を交わし |
「シェルノサージュ」ディレクターの土屋暁氏 |
ゲームのプレゼンテーションは、同作のディレクターを務めた土屋暁氏が行なった。土屋氏は現状の心境を「いよいよ世界の幕開け」と表現。7つの次元を越えた先に存在する世界を舞台にした世界を描く1作目と言うことで、こういった表現になったと思われる。
土屋氏はポイントとして「キャラクターとプレーヤーのコミュニケーション、プレーヤーとプレーヤーのコミュニケーション、プレーヤーと開発者とのコミュニケーション」の3つを挙げ、様々な方法でこれらのコミュニケーションを提供していきたいとした。
「キャラクターとプレーヤーのコミュニケーション」は、プレーヤーとヒロインのイオンとのコミュニケーションパートを表わす。ゲームでは、7つの次元の向こうの世界とプレーヤー側の現実世界とは、ライブカメラのようなもので繋がっている状態。映像だけでなく、画面を“トントン”と叩き呼び寄せることで会話するなど様々な方法でコミュニケーションをとっていく。
現実世界の時間の流れに則して24時間の流れにそって、次元の向こうの世界に住むヒロインのイオンも生活している。夜にゲームを起動すればイオンは寝ているかもしれないし、食事を作ったり食べているかもしれない。基本的に我々と同じように生活しているのだ。会場のプレゼンテーションではお風呂に入ろうとしているシーンなども公開されていた。
これだけであればこれまでにもいくつかの同系統の作品があったが、このゲームではプレーヤーはイオンに何をしてあげられるのか? イオンは記憶をすべて失っている状態であり、プレーヤーは彼女の記憶を思い出させてあげることができる唯一の存在となっている。プレーヤーは彼女の夢の中に入り、彼女を癒やすことで記憶を取り戻してあげることが目的となる。
イオンの記憶を取り戻す方法だが、イオンの夢の中に入り、シャールという妖精を呼び出し彼女の荒れ果てた記憶の風景(廃墟)を修復していくことになる。このシャールは、PS Vitaのカメラを使いバーコードを読み取ることで呼び出すことができる。バーコードごとにシャールが存在することになるため、バーコードの数だけ顔も能力も違うシャールを呼び出すことができることになる。さらには特殊な能力を持ったシャールを呼び出せる特殊なバーコードを作ることもでき、メーカーとタイアップしてバーコードを作りメーカーに提供することもできるという。
たとえば、市販のドリンクのバーコードを読み取りシャールを呼び出したとする。このシャールはどのプレーヤーが呼び出しても同じシャールが登場することになる。作品世界では、この1人のシャールはみんなで共有している事になっている。このシャールにメッセージを送ると、同じバーコードで呼び出したシャールを持っているプレーヤー間でメッセージを共有することができる。つまり同じ商品を持っているプレーヤー同士でコミュニケーションを取ることができるという。これが土屋氏の言う2つめの「プレーヤーとプレーヤーのコミュニケーション」となる。
イオンの夢の中に入り廃墟を修復していくと、街中の過去の記憶がよみがえる。この修復の時、シャールはひとりで行なうときもあるが、他のプレーヤーのシャールに手伝ってもらうこともできる。シャールが多いほど記憶の修復は早く終わり、ストーリーは早く進むことになる。このため、プレーヤー間のコミュニケーションも進むことになると土屋氏は説明した。また、記憶の修復を行なうことで経験値などが入り成長していく要素も用意されている。彼女の記憶を修復していくことでストーリーが進展していくが、物語は1話完結型で、何話かで構成され壮大な物語となっているのだという。
また、ガストと言えばアイテム調合などのゲームシステムが特徴的だが、今作でも用意されている。前述の通りイオンが記憶を呼び戻すことで過去に作っていたアイテムのレシピを思い出す。そこで彼女にアイテムの調合を頼むと作ってくれるという。また、アイテムを作ってもらうことでイベントが発生することもあり、土屋氏は「アイテムは積極的につくって欲しい」と語っていた。プレゼンテーションではビーチサンダルを作ることができるようになり彼女に作ってもらうと、「ビーチサンダルと言えば海」ということで、彼女と海に出かける特別イベントが発生していた。海などのデートスポットに出かけるイベントはデートイベントと呼ばれ、より濃密なコミュニケーションを取ることができ、彼女と親密になることができるという。こういった行ける場所はダウンロードコンテンツとして増えていくという。
土屋氏は「ゲームは発売して終わりではなく、年間を通じて楽しんでもらえる作品となっている」と語り、WEBとの連動、バージョンアップによるコミュニケーション要素のさらなる充実、コスチュームの単品追加販売や、ストーリーの配信などネットワークを使い、末永く楽しめるようにしていくとしている。
【スクリーンショット】 | ||
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左からイオン役の加隈亜衣さん、キャス役の水瀬いのりさん、カノン役の井ノ上奈々さん |
イベントには、イオン役の加隈亜衣さん、キャス役の水瀬いのりさん、カノン役の井ノ上奈々さんが登場。
加隈さんは自身の演じたイオンについて「イオンはおっとりした感じで、恥ずかしがり屋。ストーリーパートで過去を見てもオドオドしている。自分からちょっと頑張るようになるところが見られるようになるけど、それが空回りしている。そういったところも可愛い」と説明。
一方、水瀬さんはキャスについて、「いつもツンツンしていて機嫌が悪い。イオンを受け入れられないでいる。でも同僚のター坊のことを密かに思っていたりして、そういった女の子らしいところを見て欲しい」とアピール。
カノンを演じた井ノ上さんは、「カノンは凛々しい女性。イオンとはライバル関係で歩んでいる道も考え方も違う」と説明。イオンとは真反対だがイオンはカノンに対し「目指したいと思っているが、なりきれない」といい、カノンもカノンでプライドが邪魔してイオンに歩み寄れないでいるという複雑な人間模様があるようだ。
井ノ上さんは「シナリオはシリアスですが、デートシーンなどはすごいことになっているので楽しみにしてください」とコメント。水瀬さんは「世界観は壮大でシナリオをどんどん進めていきたくなる。PS Vitaをゲットして楽しんでください」とアピール。加隈さんは「多くの人の愛情が注がれて作られたタイトル。長く楽しんで盛り上がっていきたい」と締めくくった。
【キャラクター】 | ||
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イオン(イオナサル・ククルル・プリシェール) | キャス(キャスティ・リアノイト) | カノン(カノイール・ククルル・プリシェール) |
(C)GUST CO.,LTD. 2012
(2012年 4月 11日)