ネクソン、「マビノギ」の7周年記念オフラインイベントを開催

「G16」を4月19日に! 全身鎧やパーティドレスも登場のコスプレコンテスト


4月7日開催

会場:品川インターシティーホール



 株式会社ネクソンは、4月7日に東京・品川インターシティーホールにてMMORPG「マビノギ」の「7周年記念オフラインイベント」を開催した。毎年行なわれているオフラインイベントも今回が6回目になる。今回の目玉は「コスプレコンテスト」である。コスプレは、2011年11月に行なわれた「マビノギ:ファン大感謝祭」で盛況だったが、今回どのような衣装をまとったユーザーが登場するだろうか。

 イベントでは今後のアップデート計画として、「G16(ジェネレーション16)」が4月19日に実装されることが告知され、さらに「Genesis(ジェネシス)」というG16以降のアップデートの方向性も提示された。本稿ではイベントと、アップデート内容を紹介していきたい。


【7周年記念ムービー】
会場で流されたムービー

 




■ ついに「チャンピオンの鎧」も完成、サーバー対抗戦ではモリアンが勝利

ネクソン「マビノギ」運用チームの平原亮太氏
ネクソンマーケティングチームの朽木香菜子氏
司会を務めた声優の磯村知美さん
会場から絶賛されたタルラークサーバーの男性。頭のパナッシュが特にお気に入りだという

 今回のオフラインイベントでは、抽選で選ばれた各サーバー70名、合計420名のユーザーが会場を訪れた。来場者は受付で「名刺」を渡され、それを使って交流を行なった。「マビノギ」はから、毎年このイベントを行なっており、抽選であるが何度も参加しているユーザーも多いようだった。「マビノギ」では6つのサーバーがあり、来場者はそれぞれ自分がプレイしているサーバーの席に座った。

 イベントでは、ネクソン「マビノギ」運用チームの平原亮太氏と、マーケティングチームの朽木香菜子氏が登壇した。司会はここ数年継続して担当している声優の磯村知美さんが務めた。イベントの最初は、今後のアップデート計画が説明された。「マビノギ」は毎回「チャプター」という単位でテーマを決めたアップデートを行なっており、さらに「ジェネレーション」という単位にわかれる。

 現在進行中のチャプター4では、実在の文豪“シェイクスピア”と彼の作品を扱っており、4月19日にチャプター4最終章となる「ジェネレーション16」が実装されることが発表された。この他の新要素も含め、アップデートの概要は後述したい。

 アップデート計画発表の後は、様々な“サーバー対抗戦”が行なわれ、結果を得点化していった。この結果に応じて、今後のオンラインイベントでより多くの恩恵が得られることになる。ただ、行われた対抗戦はクイズなど皆が気軽に参加できるもので、真剣に勝利を目指すと言うよりも、気軽に楽しむというものだった。

 今回のイベントで最大の目玉が、「コスプレコンテスト」だ。このコンテストは、事前に参加希望者を、書類選考によって各サーバーごとに2人ずつ選び、その衣装に対して登壇者と、来場者が投票するという形でランキングを決定するものだった。「マビノギ」は、昨年から「シェィクスピア」をモチーフにしたメインストーリーが加わり、華やかな衣装をまとったNPCが増えた。コスプレを楽しむユーザーにとって「マビノギ」はより魅力的なタイトルとなったといえる。

 今回は、コンテストの前に大きなサプライズがあった。磯村さんの紹介と共に登壇したのは、「マビノギ:ファン大感謝祭」で優秀賞を取った女性だ。大感謝祭で彼女は、賞品となった「オーダーメイドの衣装」で、「チャンピオンの衣装が欲しい」と答え、会場中をどよめかせた。チャンピオンとは、プレーヤーキャラクターが変身する「パラディン」の最終形態で、全身鎧に細かく模様が入っている上に、巨大な翼を背負っており、衣装として作るにはかなり大変な注文だった。

 今回、運営チームがこの衣装を制作し、オーダーした女性がまとって披露されることになった。制作に半年かかったというチャンピオンが登場すると、会場から拍手が上がった。銀色の全身を覆う鎧と、細かい刺繍、特徴的なヘルメットや、黒い翼など、「マビノギ」ファンをうならせる完成度だった。チャンピオンはキャラクターによって前垂れなどの色によって変わる。こちらはきちんと女性のキャラクターに合わせたという。そして、この衣装は、女性にプレゼントされた。

 チャンピオン公開の後に行なわれたコスプレコンテストも、質の高い衣装が多かった。代表者は各サーバー2名の12名だったが、ロミオとジュリエット、剣の精霊や、街のNPCキャラクターなどモチーフは非常に多彩で、かつ衣装は細かく作り込まれていて、制作者の「マビノギ」への強い思い入れが感じられた。

 その中でも特に凄かったのが、タルラークサーバーの男性の代表者で、全身を覆う金属鎧に、そのユニークな造形で「マビノギ」プレーヤーに人気のヘルメット「パナッシュ」を装備した衣装を、会場からの評価も高く、1位を獲得した。今回も優勝者にはオーダーメイド衣装が贈られる。彼が欲しいといったのは「モルガント」の衣装。ダークロードの巨大な全身鎧をまとったキャラクターのため、平原氏は「検討させてください」と答えた。こちらも公開が楽しみだ。

 コスプレコンテスト以外には、全員参加の○×クイズと、代表者が答えを発表するクイズの2つのクイズ大会が行なわれた。○×クイズ大会では、「タルラークのメガネの色は」、「赤蜘蛛から取れる蜘蛛の糸は、赤い糸である」という感じのコアプレーヤーならば答えられる問題から、「港の入口から提督の場所まで使う階段の段はである」といった、難易度の高い問題まで多彩な問題が出た。

 代表者が答えるクイズでは「ランキング問題」がユニークだった。現在のユーザーデーターから「人気の精霊は?」といったランキングを割り出し、この順位を当てるというもの当ててしまうとマイナスになる要素が提示されているのがポイントで、答えを出すのに多くの人が話し合った。他にもイントロクイズなど、様々な問題が出された。結果、総合順位で、1位がモリアン、2位と3位が同点でタルラークとルエリ、そしてマリー、タルラーク、キホールという結果となった。

 イベントの合間に行なわれた質疑応答では、「象以上の交易に使える動物は?」というものには、「ラクダなどはどうかと提案している」という。また、タラやティルコネイルで処理が重くなる地域に関して、改善策を検討しているという。また、「名古屋や大阪などでもオフラインイベントを行なって欲しい」という要望に関して、朽木氏は「来年あたりは検討したいと、個人的に考えている」とのこと。配信により、イベントに来ていない人も楽しめる方法も検討しているとのこと。

 質疑応答では昨今急増している、「交易BOT」の問題に触れられなかった。自動のプログラムとしか思えない動きのキャラクターが大量に交易を行なっていて、快適にプレイしづらくなっている状況が現在も続いている。この、現在のユーザーが最も感じている不満を取り上げなかったのは残念だ。また、筆者の知り合いでも依然としてアカウントハッキングに合う人が出ており、ハッキング問題も継続している。こういった現在の問題に対して、現状認識のアナウンスと、対応の約束をして欲しかったところだ。

 とはいえ、今回のイベントも参加者の満足度の高いイベントだったと感じた。皆が楽しんでいるのが伝わってきたし、イベント終了後はコスプレをした人達は大人気で、来場者達は盛んに彼らにカメラを向けていた。新しい知り合いを作ったり、オフラインでの交流を楽しんでいる光景は、見ているこちらも楽しくなってくる。こういったイベントは、様々なタイトルで実施して欲しい。


ファン感謝祭で希望したチャンピオンの鎧が実現。彼女にプレゼントされたという。
鎧あり、ドレスあり、武器ありと、皆がこだわりの衣装を見せてくれた
クイズ大会も大きく盛り上がった。優勝はモリアンサーバー
会場の外でも、イラストを見たり、撮影会をしたり……




■ G15のモチーフは「マクベス」。今後は戦闘システムにも手が加えられる

G16で鍵を握るスカアハ
「Genesis(ジェネシス)」。既存のコンテンツに手が加えられる

 会場で発表されたアップデート計画のメインとなるのはチャプター4「シェイクスピア」の最終章となる「G16」だ。G16の“メインストリーム(メインとなるストーリークエスト)”は、「マクベス」を題材に、「マビノギ」のキャラクターがドラマを繰り広げていく。新地域として今まで入口の街しか行けなかった「ベルファスト島」の奥の地域が実装される。

 新地域は「スカアハの海岸」と呼ばれる地域で、ほとんど草木の生えない、薄暗い、殺伐とした地域だ。「魔女の洞窟」があり、そこに夜になると不気味な姿に変わってしまう「スカアハ」という魔女が住んでいるようだ。海岸と街は「スカアハベースキャンプ」でわけられており、ここにも新NPCが登場する。ここでは「偵察隊員」と、「王政錬金術師」が対立しているという。また、このキャンプでは周囲で採取したものを持って行くことで交易品に代えることができ、それを他の地域に運ぶ事で利益を上げることができる。

 スカアハの海岸では2つの新コンテンツが登場する。「森の浄化」では森の中の黒煙を上げている木を攻撃することで開始される。木の攻撃に反応し、モンスターがプレーヤーめがけて波状攻撃を行なってくる。攻撃は第7波まであり、撃退できればエンチャントスクロールなどの報酬が得られるという。

 もう1つのコンテンツが「モンスター釣り」。「マビノギ」では様々な場所で釣りができるが、スカアハの海岸では一定の確立でモンスターが釣れ、プレーヤーを攻撃してくる。海岸の場所によってモンスターの強さが変わってくるだけでなく、パーティーで釣りをするとボス級のモンスターまで釣ることができるという。みんなで戦闘をしたいときに楽しめるコンテンツだ。

 さらに今回は、「Genesis(ジェネシス)」という、G16以降のアップデートの方向性が明らかになった。まずは、新職業「吟遊詩人」の追加である。「マビノギ」は楽器演奏ができる作品だが、吟遊詩人は曲の演奏で仲間を鼓舞したり、音楽によって直接攻撃ができるようになるという。

 2つめが「G1リニューアル」。最初のメインストリーム「G1:女神降臨」はこれまでエルフやジャイアントが挑戦できなかったが、プレイできるようになる。さらに今後は、エルフやジャイアントが“野獣化”できるクエストが、こちらに統合されるという。バランスも変更され、条件が簡単になり、報酬は上方修正される。より手軽にメインストリームに挑戦できるようになる。

 3つめが「システムの改良」だ。これまで初心者には取っつきにくかった戦闘システムに手を加え、初心者にはハードルを下げ、上級者はもっと自由度を持たせる方向にしていくという。この他にUIに関しても、使い勝手やデザイン部分に手を入れていく。今後「マビノギ」は基本システムに大きな手が入れられていくという。

 G16のストーリーは大きく期待している。チャプター4の「シェイクスピア」の要素は、初期は原作に忠実すぎて「マビノギ」の世界と繋がりが薄く感じた。G15では神々なども関わってきて、大きな盛り上がりと、謎を提示して終わっている。どのような大団円を迎えるのだろうか。

 また、「Genesis」は、特に“システムの改良”というところに、期待と、不安がある。「前の方が良かった」というのは、ユーザーが必ずいう台詞であり、現状の、他のMMORPGとは全く違う戦闘システムに愛着を持っている。こういった不安を吹き飛ばすようなシステムを提示してくれるのだろうか。こちらはまだ具体的な仕様もこれからと言うことで、今後の展開を見守りたい。


おどろおどろしい雰囲気の新地域「スカアハの海岸」
待ち受ける新モンスター

Copyright (c) 2003 NEXON Corporation. All Rights Reserved.

(2012年 4月 8日)

[Reported by 勝田哲也]