Taipei Game Show 2012レポート
【Taipei Game Show 2012】新武侠MMOで勝負を賭けるGameflierブースレポート
6つの勢力と関わり合う「古龍争覇Online」、美しい2D風グラフィックスが魅力の「Legend of Immortal」
Taipei Game Show 2012に出展したオンラインゲームメーカーで最も活気があったのは、Softworldグループの運営子会社Gameflierのブースだろう。Softworldグループの開発子会社Zealot Digitalが開発する「古龍争覇Online」と、中国Shanda(盛大)開発の「Legend of Immortal」の2タイトルを、大きなモニターを設置したそれぞれ15以上の試遊台でアピールし、さらに様々なステージイベントを行なっていた。本稿では、Gameflierのブースの様子を、「古龍争覇Online」と、「Legend of Immortal」の2つのタイトルを中心に紹介したい。
【Gameflierブース】 | ||
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プレイの補助もしてくれるコンパニオンをアピール。右はプレイするともらえる龍のアイテム |
■ 登場人物達との“関わり”で強さや敵が変化する「古龍争覇Online」
15台以上の大画面の試遊台でプレイできた |
参考出展という体を動かすミニゲーム |
Gameflierが最も力を入れてアピールしていたのが「古龍争覇Online」である。台湾の武侠小説家、古龍氏の小説を原作としており、プレーヤーは小説のキャラクターが所属する6つの勢力が争う世界で、自分なりの生き方を探していく。台湾では3月16日よりクローズドβテストを行なう。香港やマカオでの展開も予定しているという。
本作では小説の登場人物が所属する勢力にプレーヤーが関わっていく「勢力システム」が最大の鍵となっている。プレーヤーは6つの勢力の中から単純に所属を選ぶのではなく、「勢力クエスト」をこなしていくことで名声を獲得し、その名声で様々な恩恵を得る。恩恵は敵のドロップするお金が多くなったり、ソロプレイでのスキルが強くなったり、PvPでの能力が向上したりする。6つの勢力それぞれに多彩な特典が用意されており、勢力クエストを進めていくことで恩恵はより大きくなっていく。
複数の勢力を応援することで、プレーヤーは自分の求めるキャラクターバランスを模索していける。注意しなくてはいけないのは、各勢力は対立勢力が設定されており、1つの勢力に傾倒するほど、そのキャラクターは対立するプレーヤにとって、“魅力的な獲物”になることだ。勢力に所属するキャラクターを倒せれば、敵対勢力のポイントを多くもらえる。PK可能地帯での狩りでは特に注意が必要だろう。
勢力との繋がりを強めていくことで専用スキルを習得できたり、ギルドとしても勢力の傾向を強めることで、小説のキャラクターをギルド戦で召喚できる。良い乗り物に乗れるようになったり、いい装備が得られる勢力もある。ゲームバランスの変化でも勢力間の“利点”のバランスの変化は考えられる。その時期の「トレンド」なども生まれるかもしれない。ユーザー達がどう動いていくのか、楽しみなシステムだ。
「古龍争覇Online」は試遊台でプレイしてみた。勢力システムは体験できなかったものの、フィールドを歩いていて「キャラクターの大きさ、派手さ」にはたびたび驚かされた。街の外にものすごい大きなモンスターが闊歩していてたりするのだ。キャラクターの数倍の、画面全体を覆うようなモンスターも多数登場した。それらはボスではなく一般の敵なのだ。立ち向かうキャラクターのスキルはキラキラした光を放ったり、嵐のような風を起こして敵を包み込んだり、空中から剣を出して敵を切り刻んだり、見応えのある派手なものだった。
まずこのビジュアルの派手さで本作は人気を集めそうだ。さらに多くのプレーヤーの思惑が影響を与える勢力システムがどんなプレーヤー社会を形成していくか、興味が惹かれる。台湾オンラインゲームの注目作だと感じた。
この他、「古龍争覇Online」で目を引いたのは、ステージイベントでKinectセンサーのようなデバイスを使い、「古龍争覇Online」のキャラクターが屋根の上を疾走するというアクションゲームのデモンストレーションを行なっていたことだ。屋根の上にコインがあったり、障害物が浮かんでいたり、ステージでのプレーヤーは体を動かしてキャラクターを操作し、障害物を突破していく。
これをサービスするならとても面白いと思ったのだが、このミニゲームはあくまでイベント用のデモンストレーションとのことだ。MMORPGのキャラクターと、リソースを使ったユニークな試みだけに、ステージイベント以外でも活用して欲しいと感じた。
【古龍争覇Online】 | ||
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試遊台ではとにかく巨大なモンスターがインパクトが大きい。勢力システムも話題を集めそうだ |
■ インターネット武侠小説原作の、2D風MMORPG「Legend of Immortal」
10分ごとの入れ替え制のため、ゲームの魅力まで到達できない部分も |
「Legend of Immortal」は中国でのインターネット小説を原作としたMMORPG。キャラクターのクラスはそのまま物語に登場する人物の名前で、原作の雰囲気を重視した作風がセールスポイントだ。台湾では2月9日からオープンβテスト、そしてアイテム課金による正式サービスを予定している。
「Legend of Immortal」の世界での人間達は、Celestials(天族)と、Forsakens(見捨てられた者)という2つの勢力にわかれ、終わりなき戦いを繰り広げていた。しかし、「魔物」の襲撃により、2つの勢力は「ヒドゥンドラゴン」の国で、ドラゴンたちを仲介に休戦し、魔物に立ち向かった。それでも魔物の力は強大で、人々は地下世界に隠れ、魔物から隠れて暮らすようになった。
プレーヤーは対立していた2つの勢力と、魔物の未来への鍵を握る人物となる。ドラゴンの王国である隠れ家から旅立ち、魔物と戦いながら人類や魔物にどんな未来をもたらすか、決断を繰り返しながら冒険を進めていく。
「Legend of Immortal」は細かく描き込まれたクオータービューの画面が特徴で、古代中国をモチーフとした武侠もののMMORPGだ。会場では10分交代でゲーム序盤のフィールドでプレイできた。
ゲームをスタートすると、街の真ん中に青い肌をした巨大な仁王像のようなキャラクターがいて、ぎょっとさせられる。会話シーンでは美しいキャラクターイラストが表示される。石造りの建物や木など、街の雰囲気は独得の落ち着いていた雰囲気があり、武侠もののテーマに合っている。モンスターのアクションも細かい。2D風のグラフィックスで武侠ものの世界観を持つMMORPGは会場でもいくつか見かけたが、その中でも本作は特にグラフィックスに力を入れていると感じた。
こちらも短いプレイでは魅力をくみ取れなかった。初期クエストのためにフィールドを歩いて、周りの敵と戦ったらもう制限時間になってしまうのだ。マップをクリックするだけで進めるシステムなど、アジア系のトレンドは確認できたが、会場で本作の魅力を感じにくい。韓国のNCSoftやNEXONなどは、自社タイトルの魅力を伝えるために短い時間で体験できるコンテンツを専用で作っているが、出展していた台湾・中国メーカーでそういった工夫をしているタイトルはなかった。出展方法にも、進化の必要性を感じた。
【Legend of Immortal】 | ||
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2D風のグラフィックスだが、ホイールで拡大縮小もできる。グラフィックスは非常に美しく、細かく作り込まれている。ゲームには異世界も登場してくると言うことで、世界の描写に特に注目したい | ||
□Gameflierのホームページ(中国語)
www.gameflier.com
□「Taipei Game Show」のホームページ(中国語)
http://tgs.tca.org.tw/
(2012年 2月 4日)