NHN Japan株式会社は12月18日、大阪のネットカフェで、Windows用オンラインアクションMO「エルソード」のオフラインPvPイベント「ELSWORD Battle 2on2 in 大阪」を開催した。

　来場者はPvP大会への参加者と見学者を合わせると約100名となり、東京で行なわれた過去のネットカフェイベントを超える過去最大の規模での開催となった。参加者の年齢層は、前日実施された「スペシャルフォース」や「ドラゴンネスト」のオフラインイベントに比べて若く、ほとんどが10代で、小学生の姿もかなり見ることができた。

　このイベントでとても感銘を受けたのがネットとリアルのコミュニティの融合だ。昨日の2つのイベントでもストリーミング配信が行なわれ、Twitterのコメントが会場で紹介されたりしていた。しかし「エルソード」のイベントでは、そこに生放送実況という要素が加わり、他の2つのイベントではあまり味わうことのなかった視聴者が一緒に会場で楽しんでいるかのような一体感を感じることができた。

　イベントでは2on2のPvP大会や、GMジェクトこと坪田律紀氏から最新アップデート情報の発表、グッズ販売などが行なわれた。このレポートでは、賑やかに盛り上がったイベントの様子をレポートしたい。

司会を務めた“ハンゲ太郎”こと荒井淳氏	GMジェクトこと、坪田律紀氏	入場が始まると会場はすぐさま大混雑に

■　約100人がひしめき合う会場で2on2チームデスマッチ

全80試合の長丁場。それでも大阪では初の開催ということもあり、会場は終始盛り上がっていた

　「エルソード」はこれまで東京を中心にPvP大会やファン感謝祭を開催してきたが、「大阪でやって欲しいという声の大きさに応えて」今回、初めて大阪での開催となった。参加したのは42チーム、84人。2つの会場に分かれてのトーナメントで、全部で80試合が行なわれた。使用するキャラクターは自分が普段使っているもので、デバイスの持ち込みも可能。使い慣れたキーボードやコントローラーを持ち込んでいる人が多かった。

　試合のルールは2on2のチームデスマッチで、4キル先取で勝利となる。アイテムは使用不可。ログインした後5分間のセッティングタイムの後、赤と青のチームに分かれて戦う。使い慣れたキャラクターなので、装備やアイテムの心配はないが、キーボードのセッティングに再起動が必要で、その作業をしている間にセッティングタイムが終わってしまったり、コントローラーを上手く認識せずに使えないボタンがあったりというトラブルもあり、席に着いた後は皆セッティングに追われていた。

　試合はすべて、明るい海岸沿いの「エリオスベイ」マップで行なわれた。坪田氏にこのマップを選んだ理由を訪ねたところ、「広さがちょうどよかったからです。2on2なので、あまり広いマップだと逃げ回れてしまうので。マップが3Dの立体的なマップになっていることもポイントで、決闘では人気のあるマップです」と答えてくれた。

マップは立体的な戦闘が楽しめる「エリオスベイ」	トーナメント表の左右で、2つの会場に分かれて試合を進めた	大会のルール。アイテムは使用禁止の4キル先取1本勝負

■　トーナメントの様子をニコニコ生放送主たちが実況

メイン会場の横にあるスクリーン。ハンゲ太郎氏が座っている場所の奥に配信用のPCがある

次々に実況を配信。視聴者に「誰に配信して欲しいですか？」と尋ねると、次々に希望が寄せられた

優勝チームに贈られた記念の盾

　トーナメントは2つの会場に分かれて準決勝まで行ない、メイン会場では決勝が行なわれた。メイン会場の様子はストリーミングで生中継され、それを見ている人たちがツイッターやUSTREAMのコメント欄に次々にコメントを寄せた。視聴者は500人ほどで、会場からのツイートよりも配信を見ている人たちのコメントが多かった。

　途中、色々な対応に忙しいハンゲ太郎氏が来場者の中から実況ができる人を募集したところ、普段ニコニコ動画でゲームの生放送実況を配信している「ニコ生主」と呼ばれる人たちが実況に名乗りを上げた。

　最初に実況席に座ったトツカ選手は、「生放送の感じでやっていきたいと思います」と口火を切り、あとはこなれた様子で迫力満点の実況を行ない、会場と視聴者を喜ばせた。その後も、同じくニコニコ生中継で実況をしているという、mamamaMaive選手や、AIRIA選手などが次々にそれぞれの持ち味を生かして実況を行なった。

　来場者も視聴者にも生放送実況を見ている人がいて、実況主を応援する。ゲームの中のソーシャルグラフ、生放送実況のそれと、オフラインイベントのリアルな人間関係が溶け合って、オンとオフを巻き込んだ大きな一体感を生み出していると感じた。

　もう1つ驚いたことは、実況を行なった選手たちが皆そろって強豪だったことだ。瞬時に何をしているかを見切って解説するという動体視力や、頭の回転の速さは自分のプレイでも武器になるようで、全員が準決勝に駒を進めていた。トツカ選手のチームは同じギルド内対決となった準決勝で惜しくも敗れ、決勝はAIRIA選手のチーム対mamamaMaive選手のチームで争われた。試合の実況はトツカ選手。

　お互いに技を知り尽くしているためなかなかコンボを決められず、激しいスキルの応酬が続く決勝戦を制したのは、ギリギリの間合いで大技を当てる見事なプレイを披露したAIRIA選手の赤チーム。前日に東京から来て、かれこれ32時間も寝ていないというAIRIA選手は、それでも表彰式もテンションを高めて最後まで会場を盛り上げてくれた。

　「すでにオフの楽しみ方をよく知っている人が多いと思いました」とハンゲ太郎氏も盛り上がった会場の様子を感慨深く語った。坪田氏は「実は今回、座談会を開催してほしいという意見も多かった。今後そういった形でのイベントも考えていきたい」と語った。

対戦の様子。席に着いたら、まずはデバイスを自分好みに設定する。うっかりミスでキーコンフィグを間違えたり、デバイスが上手く動かなかったりといったトラブルが勝敗を分けることもあった
準々決勝あたりからは、非常に密度の濃い上級者同士の戦いが繰り広げられるようになった

■　「決闘」に登場する「エピックNPC」を一挙公開

　アップデート情報の発表コーナーでは、坪田氏から、新しく追加される「エピックNPC」が一挙に紹介された。これは、11月に東京で開催された「ファン感謝祭」で発表されたオートマッチングが特徴の「決闘システム」の中で、まれに対人の代わりに発生するPvEに登場するNPC。バラエティに富んだスキルや特徴を持つキャラクターばかりで、開発会社がAIにも力を入れた強力な敵だ。

　今回はそのイラストやスクリーンショットが、キャラクターの設定とともに発表された。中には既にNPCとしてはおなじみのキャラクターもいて、笑ったり驚いたりと来場者の反応も様々だった。

下級将校フェネンシオ	エル探索隊 隊長ロウ	近衛隊長アイスプリンセス ノア
シャドウウィッチ スピカ	苦痛の君主バラック	血染めの将校エダン
風の射手アメリア	碧き森の守護者ライム	ナソードプリンセス アップル
コードプロトタイプ	決闘では「特別称号」が手に入る	「特別称号」の一部。称号の名前が入手のヒントになっている

■　キャラクターを前面に出したグッズ類が人気

　イベント恒例のリアルガチャは、現金では無く、イベントの最中に様々な局面で手に入るコインを使って回すようになっており、終始誰かが回しているような感じだった。景品にはゲーム内アイテムのほかにリアルアイテムもかなり含まれており、「エルソード」のトレーナーや、キャラクターのマウスパッド、オリジナルWebMoneyなどが当たった。特に人気のある「レナ」のマウスパッドはNHN Japanにも5個しか残っていなかったというレアもので、これを目標にガチャを回している人も多いようだった。

　表彰式の後には、オフラインイベントでは恒例のグッズ販売が行なわれた。販売されていたのは、ノート、メモ帳、缶バッジがセットになったオリジナルグッズ。男子キャラクーと女子キャラクターでセットが分かれていたが、両方買っている人が多かった。エルソードはキャラクターの人気が高いためグッズの需要が高く、来場者へのアンケートでも、オフラインイベントに求めるものという項目でグッズ販売にチェックを付けている人を多く見かけた。

ガチャの景品のトートバッグ	ずらりと並ぶリアルガチャの景品	一番人気は5個限定のレナマウスパッド
こちらのマグカップもリアルガチャの景品	会場中央辺りには、イブのラッピングパソコンが展示されていた	終了後に販売されていたオリジナルグッズの一覧

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