「Uncharted 3:DRAKE'S DECEPTION」プレビューレポート

妥協無きパート3。驚愕の“想定外”シーケンスが、ゲーム慣れしたファンのドギモを抜く


6月7日~9日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



SCEAブース内特設シアターの様子
事件の鍵を握るのはこの指輪か

 世界的に見て、PS3向けタイトルで最も大きな期待を寄せられているのが「Uncharted 3:DRAKE'S DECEPTION」だ。

 巨額の開発コストを投じて創出された意外性に満ちた最高のシナリオとゲーム性、PS3としてのハードウェアスペックを超えたグラフィックス表現など、まさに最高のハイエンドゲーム体験ができる作品として、プレイステーション 3ユーザーには絶大な支持を得ているのが「UNCHARTED」シリーズだ。

 パート1となる「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」は「エルドラドの黄金伝説」にまつわる謎が描かれ、序盤は正統派の考古学バイオレンス(?)アクションといったところだが、終盤にはSF的なストーリー展開に発展し、その結末は驚きに満ちていた。パート2の「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」は、不老不死の技術が伝わる桃源郷シャングリラ伝承を描き、こちらも考古学アドベンチャーからSF的な語り口になるシナリオに魅せられたものだ。


今作の敵は秘密結社?

 今作「Uncharted3:DRAKE'S DECEPTION」では、映画「アラビアのロレンス」のモデルにもなった20世紀初頭の英国軍人で考古学者のトーマス・E・ロレンスの不可思議な生涯に迫る内容となるようだ。トーマス・E・ロレンスは、オスマン帝国に対して決起したアラブ人を、様々なゲリラ戦術で支援した人物と知られる。今作も冒険舞台は世界各国に及ぶようだが、設定的にはアラビア世界がメインとなる模様だ。我らが“ややヘタレ”の冒険野郎ネイトは、ルブ・アル・カリ砂漠に眠る伝説の失われた都市を探すために、彼の生涯の友、スケベおじさんのサリーと共に砂まみれの旅に出る。ヒロインは、今作も美人テレビレポータのエレナと、前カノ・アピールが強いクロエの2人。前作で愛の告白を受けてしまったエレナ、身を引いたクロエ……のネイトを巡るロマンスにも注目だ。もちろん、スケベおじさんのサリーにも幸あれ。


エレナとのロマンスの発展は?元カノ、クロエも再登場サリーももちろん登場

 筆者が以前、GDC2011で取材した元ノーティドッグ開発コアメンバのひとりは「3部作として利益を出すことを目的に、巨額の開発費を先行投資してプロジェクトが始まっている。これまで幸運にも、2作とも成功を収めているが、まだ手放しでは喜べない。3作目での成功を見なければ、このプロジェクトは成功とは言えないのだ。」とまで述べていた。惰性で開発しているパート3ではないということは、今作の凄まじいクオリティを見れば分かる。


今回の旅も世界をまたに掛けた規模のアドベンチャーに

■ ネイトお得意の「行きはよいよい帰りは怖い」は今回も!~沈み行く船から脱出せよ

 ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレスカンファレンスおよび、SCEAブース内の特設シアターでは、実機でのプレイデモが行なわれた。

 紹介されたの2シーン。うち1つはプレスカンファレンス時と同一シーンで、もう1つは初見となる別シーンのものだった。

 特設シアター内での撮影は禁止されていたので、本稿では、撮影が許可されていたプレスカンファレンス内で公開されたシーンの実機プレイ映像を下に示すとしよう。こちらは、放送局向け配信用のビデオラインを引き込んで録画したものになり、いわゆる直撮りではない。

【実機プレイムービー】
実機プレイによる映像


スニーキングアクションも今作の楽しみの1つ

 1つは、今作でネイト達が敵対する秘密結社の船舶に忍び込んでからのシーンだ(上記の映像)。雨降る夜、船全体が波に翻弄されて激しく揺れる中、姿勢を崩さないように左右ら降られながら突き進んでいくネイト。船内は敵だらけだが、暗闇を武器に、1人1人背後から忍び寄って倒していくネイト。今作では、近接格闘が進化しており、多彩なアクションを披露できるようになったという。


進化したネイトの格闘術

 「スプリンターセル」か、「METAL GEAR SOLID」か……という感じでスニーキングアクションを駆使して船底まで進んだところで、ネイトは待ち伏せに遭い、捉えられてしまう……と思いきや、機転を利かせ、敵の腰元のグレネードのピンを抜いて奪い、適当な場所に放り投げて自分を取り囲む敵達をひるませる奇襲反撃にでる。

 普段はヘタレなのに、ピンチの時にはなぜか超人ぶりが発揮できるネイトの“十八番”は今作でも健在だ。

 ただ、その放り投げた先が“たまたま”弾薬を積み上げてあった場所だった! そう、グレネード1個の爆発が積み上げた弾薬に誘爆して予想外の大爆発に発展し、船底に大きな穴が空いてしまった。

 船内に大量の水が浸入。瞬く間に船が傾いてしまう。


ピンチをチャンスに変える男、ネイト。でも、ピンチの割合多め

浸水してくる水も敵だ!

 悪運の強さと不運を呼び込む才能には長けているネイトの真骨頂といったところ。

 船底を目指していた前半と打って変わって、今度は脱出のために甲板を目指しての逆送競争が始まるのだった。競争相手は、迫り来る大量の水!

 果たして、ネイトはうまく脱出できるのだろうか……

■ エレナとの関係に進展は?~輸送機上での殴り合い

 2つ目のシーンは、プレスカンファレンスでは公開されなかったもので、こちらも実機でのプレイデモとなった。

 パート1ではただいがみ合うだけのネイトとエレナだったが、前作でお互いの存在の重要さに気がついた2人はめでたく両思いになってしまったわけだが、2つ目のシーンの冒頭ではこの2人のロマンチックなモーメントが描かれる。敵に奪われた物を取り戻すために、敵の輸送機に忍び込もうとするネイトに対し、エレナはその忍び込みに支援することしかできない。一緒に行けないもどかしさを無言の表情で訴えるシーンは、ゲームというよりはもはや映画といった風情だ。


エレナはドレイクを支援するだけ? いえいえ。結局いつもピンチを救ってくれるのは彼女なんです

 輸送機に乗り込んだネイトは、彼は彼で持ち前の「不運さと悪運の強さ」という相反する才能で、お決まりのピンチに遭遇。

 ネイトはエレナの決死の支援によって命からがら忍び込んだ先の輸送機の中で、秘密結社の用心棒的中ボスにあっさりと取り押さえられてしまうのだ。

 中ボスの用心棒は、ネイトを空から突き落とそうと、輸送機のカーゴハッチを開けるが、ネイトも猛烈に反撃。ゲーム史上類を見ない、飛行する輸送機のハッチスレスレでの殴り合いが勃発するのだ。

 互いに譲らない互角のぶん殴り合いが続く最中、輸送機内の荷物が、ずるずるとずれていき、2人よりも荷物の方が先に落下へのカウントダウンを開始。殴り合いに夢中の2人は、この大惨事の予兆に気がつかない。

 前作で、落ち行く列車のシーンでハラハラしたプレーヤーは、今作でも「またかよ~」と嬉しい悲鳴を上げながら、今作のピンチに挑むことだろう。


飛行場での戦いもすごい

■ マルチプレーヤーモードにも対応


NAUGHTYDOG共同社長のEvan Wells氏

 今作では、前作に引き続き、マルチプレーヤーモードが搭載される。

 今作のマルチプレーヤーは、対戦型のゲームモードの他、本編の外伝的なシナリオをネイトとサリーのそれぞれに扮しての2人協力プレイが楽しめる新モードが追加されている。

 開発元NAUGHTYDOG共同社長のEvan Wells氏も「単純なゴールを目指すような協力プレイではなく、本編同等のシネマティックストーリーになっているので、前作で一切マルチプレーヤーに興味を示さなかった「シングルプレーヤーモード本命視」派のユーザーにも受け入れてもらえるはず」……と自信を見せていた。


マルチプレーヤーモードではサリーになってだらしのないネイトのケツをひっぱたくことができる!?

■ 今作のグラフィックスの見どころは「水と砂」


NAUGHTY DOG技術担当、CHRISTOPHE BALESTRA氏

 さて、今回のE3のSCEAブースでの「Uncharted 3」の取材では、技術担当のCHRISTOPHE BALESTRA氏にも話を伺うことができた。

 かなり詳しいことまで聞けたのだが、全てを書き記すことは時間的にもスペース的にも難しいので、本稿では、本作の特徴的なグラフィックステーマとなった「水と砂」の表現について取り上げることに留めよう。

 まずは水から。BALESTRA氏によれば、今作での水表現は大別して2種類あるという。1つはシミュレーションベースの水と、アニメーションベースの水だ。

 大海原はFFT(高速フーリエ変換)を用いての水面シミュレーションをGPUで行ない、その結果で水面をジオメトリベースで摂動させている。なお、船体は、この水面の動きに配慮して動かしているという。

 船内に浸水してくる大量の水はもはや“水面”というレベルの表現ではないわけだが、これは流体物理シミュレーションを行なっているのではなく、アニメーションベースだという。

 シミュレーションとアニメーションをうまく織り交ぜて、リアルで恐ろしい水の表現を行なっているというわけだ。

 BALESTRA氏によれば、今回の数々の水面にまつわるテクニックは、そのまま砂漠の砂の表現にも使われているという。

 砂の表現においては、水よりも粘性や抵抗値を上げて動きを表現しているという。これだけだと、黄褐色の水面になってしまい、流砂の表現にはならないため、パーティクルアニメーションやテクスチャアニメーションを併用して砂らしさを実現しているとのことだ。

 今作もグラフィックス表現は凄い。PS3のRSXは悲鳴を上げて、「Uncharted 3」のグラフィックスをレンダリングしている。必見だ。

 なお、今作は立体視にも対応している。北米地区での発売は2011年11月1日を予定。日本版は今回も吹き替え版と英語版が同時収録されるらしい。


リアルな砂漠の表現にも注目だ

(2011年 6月 12日)

[Reported by トライゼット西川善司]