アルケミスト、PSP「デッドエンド」

ゲームブックと呼ばれる小説形式のADV


2011年夏 発売予定

価格:未定



メインビジュアル

 株式会社アルケミストは、PSP用アドベンチャー「デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End」(デッドエンド)を2011年夏に発売する。価格は未定。

 「デッドエンド」は、“ゲームブック”と呼ばれる小説形式のアドベンチャーゲーム。プレーヤーは、物語や主人公の運命も左右する「デジタルダイス」を片手に、段落ごとにランダムに配置された「パラグラフ」を読み進め、ときには自分の判断でまたあるときにはダイス運に身をゆだねて世界を探索する。

【ストーリー】

東亰府(とうけいふ)に住む高校生、符御是人(ふみ ぜくと)はある晩、
携帯電話を取りに侵入した校舎で2組の奇妙な少女と少年に遭遇し、
蒼い髪の少女とそれに付き従う眼帯の少年に心臓を刺し貫かれてしまう。

数日後──自室で目覚めたゼクトの目の前に現われたのは、
学校で自分を護るために戦ってくれたもう1組の少年少女。

ゼクトは彼らから、学校で遭遇した少女の正体が“吸血鬼”であること、
自分たちはそれに対抗する組織であること、
そして彼らは東亰府環境局廃棄物対策部特殊廃忌物対策課第2班、
いわば、吹き溜まり「デッドエンド」のメンバーであることを知らされ、
そして半ば強引に、ゼクトはその「デッドエンド」のメンバーに組み入れられてしまった。

科せられたのは、
先の戦いで膝を負傷し車椅子の身となった小林少年とパートナーを組み、
それをサポートすること。

小林少年は陰陽の力を使った強力な“方程式”、
いわゆる魔法のような技を使うことができるが、
それには詠唱の時間が必要になる。
平時は車を押す係、
戦闘時にあっては少年が詠唱を完成するまで間、
足止め程度に闘える人間が必要というのだ。

「無茶すぎる」と頭を抱えつつも、
なし崩しにパートナーとなるゼクトだった──。


 物語は、章立てとなっており、各章は“パラグラフ”と呼称され、オープニングからエンディングまでのすべてのパラグラフに3桁の数字が付けられている。その番号を選択しながら物語を読み進めていく。

 また、“ジョウント”というスロットを使い選択肢以外のパラグラフを選んでゲームを進めることもできる。運よくロックの解除されている番号を選択すれば、意外な隠し要素を発見できるかもしれない。ジョウントは、パラグラフの移動だけでなくイベントとして発生する謎解きでも利用できる。

画面の右上に表示されている数字がパラグラフ。ジョウントスロットを操作すると、選択肢を無視して画面右下付近に表示されているパラグラフへ直接移動できる
【ジョウントを利用したギミック例】
ロッカーにかかった鍵を解除しようとしたところ、「カード番号から出席番号を引いた数」をパスワードとして入力するよう指示が出るアイテム欄からIDカードを参照すると「764」という番号が記入されている。ジョウントを使いパラグラフ764へ移動すると、出席番号が「16番」であることがわかるジョウントを操作し、カード番号(764)から出席番号(16)を引いた数字(748)をパスワードとして入力するとロッカーの鍵が解除される

 本作では、ゲームブック的な要素として「デジタルダイス」を使った戦闘システムを採用。戦闘時には、画面に「生命点」、「攻撃力」、「防御力」といった戦闘用の数値入力オブジェクトが設定され、これに対してダイスキャストすることで互いにダメージを与え合い決着をつける。

 また、奇襲や罠などのアクシデントが発生した時にも、それを回避するための運試しとしてダイスを振ることになる。アクシデントが発生した状況の難易度によって、キャストできるダイスの数や成否の判定材料となるダイスの出目が変化する。



【キャラクター紹介(主人公側)】

■ 符御是人(ふみ ぜくと)

 主人公。16歳。普段の物腰としては、無干渉無関心が基本的なスタンス。ふとしたことから東亰府環境局特殊廃“忌”物対策課の面々に命を救われ、そのまま吸血鬼との戦いに巻き込まれることになる。

 早くに両親をなくし、母方の祖父母のもとで育てられる。祖父母への負担を考え中学卒業後すぐに働こうとしていたが、紆余曲折の末に進学し1人暮らしをすることになる。

 学費以外、生活費は極力自分で稼ぐことを旨としており、また祖母仕込みで料理や掃除が得意など、妙に生活力はある。

■ 小林鋼一郎(こばやし こういちろう)

 車いすの少年。生意気盛り、博覧強記の10歳の天才少年。ゼクトを(ついでに)救った戦闘で膝部を骨折、現在はギプスをしている。

 指先にトランプのような形をした紙片を物質化し、それを触媒として使うことで様々な現象を起こすことができる。

 見た目の印象としては陰陽道における“式”のような非常に強力な方術を使う。術は強力だが、一連の予備動作が必要な技であるため連射も利かず、車いすでは著しく不利であることから単独戦闘は難しいとみなされている。

 そのため、ゼクトがサポート役としてあてられることになった。姉がひとりおり、シスコンの気がある。

■ 手塚酉穂(てつか とりほ)

 普段はあまり、表情に感情を出さないタイプ。ゼクトと同学年の16歳。ボンヤリとした、どちらかというと天然ボケ傾向の女の子。ジト目多し。

 特殊廃忌物課メンバーの1人。なりゆきでゼクトの命を救う。またその際にゼクトに対して輸血をしており、直接の命の恩人でもある。

 6年前に吸血鬼が原因の列車事故に遭い、両親を1度に失ったショックからそれ以前の記憶を失っている。ゆえに装甲特殊パッカー車も含め、乗り物全般が苦手。

■ 拝坂御木(はいさか みき)

 いつもたるそうなオッサン。東亰府環境局廃棄物対策部、特殊廃忌物対策課所属。32歳。第2班リーダーも務める。

 かつては第1班(レギュラー)としてバリバリにやっていたが、6年前に妻を失って以降は何を考えているのかわからない所が多くなり、補欠とみなされがちな第2班に落ち着いた。

■ 阿久津(あくつ)

 特殊廃忌物対策課唯一の非戦闘員。本来の特殊廃忌物対策課の役割である、他の組織が吸血鬼と戦ったのちの後始末を行なうためのプロ清掃員。普段は主に特殊装甲パッカー車運転担当。

 要するにカモフラージュ用に所属している、本来はごく普通の清掃員。府環境局では通常廃棄物処理に関しては業者への業務委託という形をとっているので、普通の清掃員はそもそも少なく、ある意味レア。それ故か、単なる性格かはわからないが、清掃員としてのプライドと気合いは高い。

 本名は、阿久津大納宗(あくつだいなそー)。元ヤンキーで、拝坂がまだイケイケだった頃を識る人間の1人。ガラは悪いが、根は気のいいあんちゃん。


【キャラクター紹介(吸血鬼側)】

■ コアトル(Coatl)

 白を象徴とする、ナイスバディの吸血鬼。頭脳派。

 吸血鬼としては身体が弱く、戦闘においてあまり前面にでるタイプではない。それゆえか、グループの中ではリーダー的な役割を担うことが多い。実際、策謀を巡らせることは好きなようだが、単純なウツロとは対立することも?

■ グレーテ(Grete)

 コアトルの従者。いつも醒めた目で携帯をいじっており、情報機器依存症の気がある?主にネットやゲームをしている模様。

 分銅のついた縄状の武器、流星錘(りゅうせいすい)「リコリス」を武器とし、中距離からの重たい一撃離脱戦法を得意とする。

 従者、ヘンゼルとは兄妹である模様。



【スクリーンショット】

(C)TEXT./Alchemist

(2011年 4月 28日)

[Reported by 中野信二]