NHN Japan、「HANGAME SMART DAY 2011」で2011年のスマートフォン戦略を発表
アイドルとのバーチャル撮影会など、新コンテンツ「リアゲー」の新作アプリ4本を発表


4月14日 開催

会場:表参道ヒルズ スペース オー


会場には大きな新ロゴマークがお目見えした

 NHN Japan株式会社は、同社が運営するゲームポータルサイト「ハンゲーム」の2011年の活動方針を発表する「HANGAME SMART DAY 2011」を開催した。この中で「ハンゲーム」の新しいロゴマークとともに「スマートフォンなら、ハンゲーム」というキャッチコピーで展開する2011年の「ハンゲーム」のスマートフォン戦略と、その主軸となる4本の「リアゲー」アプリケーションが紹介された。

 ステージではNHN Japan代表取締役社長の森川亮氏が「ハンゲーム」のスマートフォン戦略についてプレゼンテーションを行なった後、「リアゲー」プロデューサーの金田有浩氏、日本テレビのバラエティ局CC「日テレジェニック 2011」総合プロデューサーの毛利忍氏、クエイク株式会社代表取締役の加藤和宏氏、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア・コンテンツプロデュースチーム ソリューションプランナーの須之内元也氏がスマートフォンの新サービス「リアゲー」について、それぞれが提供するコンテンツを紹介した。

 また、韓国NHNハンゲーム代表ジョン・ウク氏による、韓国本社のスマートフォンへの取り組みや、日本にコンテンツを提供するグローバルパートナーシップの一例として株式会社ドリコム執行役員の廣瀬敏正氏、韓国podotree代表取締役イ・ジンス氏による「CUBE DOG」によるプレゼンテーションも行なわれた。




■ スマートフォン時代の「ハンゲーム」のための新ロゴマークを発表

NHN Japan代表取締役社長の森川亮氏
新ロゴマーク

 「ハンゲームのこれまでの10年間はPCとともに成長してきたが、今後の10年間はスマートフォンとともに成長していきたいと思っている」。発表会の冒頭、森川氏はそう挨拶して、スマートフォンとともに進む10年間のための新しいロゴマークを発表した。

 森川氏は、フィーチャーフォンを中心に動いてきたこれまでの日本市場を「江戸時代のように安定した時代だった」という。しかしスマートフォンの登場で時代は大きく動き始め、今後はスマートフォンが中心になる時代が来ると確信していると語った。

 森川氏は市場がスマートフォンに移ることで、3つの状況が起こると考えている。1つ目は容量や画面サイズ、UIなどの制約が緩くなり、スマートフォンならではの新しい遊び方ができるようになる「クリエイティビリティの解放」。2つ目はブラウザを立ち上げて、そこにアクセスして遊ぶ際のタイムラグがなくなり、ダウンロードしたゲームをPCのデスクトップから立ち上げるような感覚で遊べる「ブラウザからの解放」。最後はフィーチャーフォンのアプリでは何かが流行ると大量に似たようなアプリが現われるが、スマートフォンではたくさんの似たようなアプリを遊ぶのではなく、本物を1つだけダウンロードして遊ぶようになるという「物まねからの解放」だ。

 「ハンゲーム」は2010年7月にスマートフォンアプリのサービスを始め、これまでにiPhone用30タイトル、Android用24タイトルの計54タイトルをリリースしている。累計ダウンロード数は約300万で「この数字は国内最高峰ではないかと思います」と誇る。

 スマートフォン展開の1つの柱となっているのが、オセロや将棋など誰でも知っていて簡単に遊べる「TEIBAN GAME(定番ゲーム)」だ。現在のラインナップをさらに充実させるために、2011年夏までに、iPhoneとAndroid向けに約70タイトルがリリースされる予定。これらのゲームは会員登録をしなくても遊ぶことができる。2011年にはユニークユーザーを400万人にまで増やし「スマートフォンなら、ハンゲーム」といわれるように、最高のサービスを提供していきたいと語った。


「これからはスマートフォンの時代が来る」と語る森川氏。現在は年齢層の高い男性ユーザーが多いが、今年の6月くらいからは女性や若年層のユーザーが増えていくと分析している。「TEIBAN GAME」の拡張でまずは収益よりも利用者数を増やすことに力を入れていく




■ 日常のリアルを遊びに変える新コンテンツ「リアゲー」

 「リアゲー」プロデューサーの金田有浩氏は、スマートフォンの新サービス「リアゲー」を紹介した。「リアゲー」は「日常のリアル」を「面白いリアル」に変換するようなアプリをそろえたサービスの総称。ネットワークやAR(拡張現実)技術を使ったスマートフォンらしいコンテンツが揃っている。今回紹介されたのは以下の4本。それぞれの開発に関わりがあるゲストによるコメントも合わせて紹介する。


NHN Japan「リアゲー」プロデューサーの金田有浩氏アニメタッチのプロモーションビデオで「リアゲー」のロゴマークとコンテンツが紹介されたプレゼンテーションは協力企業からゲストを迎えてのトークショー形式で行なわれた


便利なクーポンをかけて、チームで戦う目覚ましバトル

『早朝シーソー』

・5月サービス予定
協力:株式会社博報堂/株式会社博報堂DYメディアパートナーズ

 チームを組んで朝決まった時間に起きることで競争する目覚ましゲームアプリ。目覚まし機能、チーム対抗戦で朝起きを競うというゲーム性、みんなでチームのメンバーを起こすというソーシャル性を兼ね備えている。チーム対抗戦に勝つと、クーポン券が手に入る。

 広告会社の博報堂と博報堂DYメディアパートナーズが協力しており、プレゼンテーションに立った須之内元也氏は「これを使うことで毎朝起きるのが面白くなります。朝に特化したメディアで、テレビや新聞よりも早く接触することができるので、朝に親和性の高い商材のクーポンなどを提供できるのではないかと思います」と語った。


博報堂DYメディアパートナーズ メディア・コンテンツプロデュースチーム ソリューションプランナーの須之内元也氏ゲーム性、ソーシャル性を併せ持つ目覚まし時計。スマートフォンアプリならではのコンテンツだ


アイドルの画像はアップや、バストアップ、ウエストショットなど色々な画角のものが用意される予定

『ドル撮!!』

・5月サービス予定
協力:クージット株式会社

 好きな場所でアイドルの撮影会ができるアプリ。アイドルと服装を選んで映像を購入してアプリを起動すると、スマートフォンのカメラ内にアイドルが現われて話しかけてくる。撮影した映像は通常の写真と同じようにフォルダに保存し、ネット上に配信することもできる。映像は動画のように見えるが静止画を高速で切り替えているので、どんな状況でもぶれることなく撮影できる。サービス開始時には「日テレジェニック 2011」とのコラボレーションで、週10パターン程度が配信される予定だ。

 「日テレジェニック 2011」総合プロデューサーの毛利忍氏は「いままでの撮影会は、申し込んでわざわざ来てもらわなくてはいけなかった。しかしこれを使えば、アイドルファンの夢である自宅で撮影会も可能。話をもらった時に、これは絶対にファンに刺さる企画だと直感して即答しました」と意気込みを語った。アイドルの寝姿を撮影するような企画も準備中だそうだ。


日本テレビのバラエティ局CC「日テレジェニック 2011」総合プロデューサーの毛利忍氏長年アイドルに関わってきた毛利氏が「これはアイドル界にとって革命的かもしれません」と絶賛するアプリ


じゃんけんに勝てば車がもらえるかも? 夢広がるネットじゃんけんアプリ

『JANPON(ジャンポン)』

・5月サービス予定
協力:クエイク株式会社

 ネットワークを使って大人数でじゃんけん大会を開き、優勝者に豪華な賞品が当たるというアプリ。開発しているクエイク株式会社代表取締役の加藤氏によれは「63億人で同時にじゃんけんをするようなイメージです。技術の進歩によってそれが可能な時代が来たので、システムに負荷をかけまくってじゃんけん大会を開いてみたいと思ったのです」という。

 技術の泥臭い部分が好きで、スマートフォン端末を使ったじゃんけんを思いついたのだそうだ。プロモーションビデオでは車が景品になっていたが、「車では夢が小さい。Googleがもらえるとか、そのくらい大きいものをみんなで争奪したい」と加藤氏。どんな景品が登場するのか気になるところだ。


クエイク代表取締役の加藤和宏氏ネットが地球規模のじゃんけん大会を可能にした。大勢のライバルと豪華賞品を争奪する


首都圏の主要な駅にモンスターが出現するARゲーム

『乗換戦記バトステZ』

・7月サービス予定
協力:ジョルダン株式会社

 首都圏の様々な駅に、地球侵略をたくらむ怪獣軍団が出現する。乗換ナビゲーションサービス「乗換案内」を駆使して、平和を守る。実在の場所とバーチャルを組み合わせるAR技術と、GPSサービスを組み合わせて、首都圏の駅でアプリを使うと怪物が現われる。フジテレビの「クイズ!ヘキサゴンII」とコラボレーションが決定しており、「ヘキサゴン」という名前の怪獣が登場する予定だ。また、一般から子分の怪獣デザインを募集するキャンペーンの企画が現在進行中だ。


その駅にちなんだモンスターが出る。テレビ番組とのコラボレーションや、一般公募のモンスターも登場する予定




■ グローバルな開発スタジオから、日本向けのコンテンツを提供

韓国NHNハンゲーム代表のジョン・ウク氏

 韓国のNHN本社からも、ハンゲーム代表のジョン・ウク氏が来日して、スマートフォン戦略を紹介した。ハンゲームでは2011年に日本のスマートフォンコンテンツ事業に100億円の投資を決定した。これはゲームやそこに関連するアプリの開発、M&Aへの投資に使われる。ハンゲームは100%出資でスマートフォンアプリ開発専門の子会社オレンジクルーを設立して、開発費に20億円を投資して2月からスマートフォン向けのアプリ開発を進めている。

 開発スタッフはすでに実績のあるチームを吸収、合併する形で集め、現在5つのスタジオで約80人が働いている。年末には250人までスタッフを増やす予定だ。現在は30以上のタイトルを企画しており、2011年にはその中からMMORPG、SRPG、ヴィジュアルノベルなど約15のタイトルが開発される。リリースは第2四半期からとなる。今後も年間40タイトル程度のスマートフォン向けアプリを開発していく会社として成長を目指す。

 ドリコムの廣瀬氏は、すでにPC向けの「ハンゲーム」プラットフォームで展開している「ハッピーアイランド」と連動したiPhone向けソーシャルゲーム「ハッピーアイランド 2」を発表した。

 韓国の開発会社podotreeは、無限のパーツを組み合わせて立方体の子犬を作るiPhoneアプリ「CUBE DOG」を紹介した。ポリゴンを組み合わせたような犬は全部で5匹飼うことができ、タッチパネルでインタラクションを楽しめる。サーカスのテントやダンスといった「スペシャルアイテム」を購入すると、犬がサーカスの公演をしたり、ダンスを踊ったりするようになる。現在は約120のインタラクションがあり、今後も増やしていく予定だ。6月ごろApp Storeでリリースが予定されている。


韓国NHNの100%子会社オレンジクルーには、ハンゲームでPCゲームを作っていたスタッフなどが参加している
株式会社ドリコムの執行役員 廣瀬敏正氏米CrowdStarの人気ソーシャルゲーム「ハッピーアイランド」の日本語iPhone版。たくさんのパーツを使って、島を自由にデコレートしていく
韓国podotree代表取締役イ・ジンス氏スペシャルアイテムで、特別なインタラクションを楽しめる今後は犬以外の動物にも展開していく予定

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(C)2011 Jorudau,NHN Japan
(C)2011 Koozyt,NHN Japan
(C)2011 QUAKE,NHN Japan

(2011年 4月 14日)

[Reported by 石井聡]