SCEJ、PSP「俺の屍を越えてゆけ」

あの、世代交代RPGが遂にPSPで復活!!


2011年秋 発売予定

価格:未定



ただの移植ではなく、グラフィックスの全面見直しに始まり、ブラッシュアップ、そして新要素も追加されているようだ

 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)は、2011年秋にPSP用世代交代RPG「俺の屍を越えてゆけ」を発売する。価格はUMD版、ダウンロード版共に未定。アドホック通信に対応している。

 「俺の屍を越えてゆけ」は1999年にプレイステーション用RPGとして発売されたタイトルで、PCエンジン「天外魔境II 卍MARU」、プレイステーション「リンダキューブ アゲイン」などを手がけてきた有限会社マーズ代表の桝田省治氏が企画・ゲームデザイン・シナリオを担当した。それまでにない発想で作り上げられたゲームで、多くのファンを引きつけた。

 プレーヤーキャラは呪いのため急成長し2年程度で寿命が尽きてしまう。能力を引き継ぎながら徐々に強くなっていく一族の血の系譜が描かれる。平安の時代を舞台に、プレーヤーそれぞれが自分だけの世代交代を紡いでいける魅力があった。PS版(BEST版、Booksを含む)とゲームアーカイブスの配信数を含め約40万本を記録しているロングセラータイトルとなっている。

 「俺の屍を越えてゆけ」は、京の都を滅ぼそうと暴れ回る鬼の頭目・朱点童子に2つの呪い……「短命の呪い」、「種絶の呪い」をかけられた一族の物語。2つの呪いを解き、朱点童子を討ち果たして、京の都に平和を取り戻すのが目的となる。一族には呪いがかかっているが、同時に天界の神々より救いの手も差し伸べられた。「種絶の呪い」により子供を残せないのだが、神々と交わることで血を残すことができる。このシステムを使い、能力を引き継ぎ、キャラクターを強化していくこととなる。

 今回発表されたPSP版「俺の屍を越えてゆけ」は、桝田氏を初めオリジナル版スタッフが集結。制作は株式会社アルファ・システム。オリジナル版に引き続きキャラクターデザインを担当するのは佐嶋真実氏、音楽監督も「俺の屍を越えてゆけ」、「リンダキューブ アゲイン」を担当した樹原涼子氏が今回も参加している。


【桝田省治氏メッセージ】

 過去を越えてゆけ

 プレイステーション版「俺の屍を越えてゆけ」の発売は、1999年。早いもので12年が経つ。PS Storeのダウンロード販売開始が2007年で4年前。今も毎月数千人の方がDLし、毎日のようにツイッターでは「俺屍クリア」とのつぶやきが見える。

 こんなに長い間楽しんでもらえてゲームデザイナー冥利につきる。ユーザーの皆様には心から感謝している。

 私事で恐縮だが、企画時に生まれた長男は、現在大学受験の真っ最中。開発が始まったとき、まだ乳母車の中にいた次男は、もうじき高校生だ。

 まだ死ねない。もうちょっと頑張ります。

(公式サイトでのプロジェクト宣言より)


【イラスト】
12年前の作品とは思えない色あせないクオリティを保ち続けている。最新のタイトルとしてどのように生まれ変わるのか興味は尽きない。なお、PSP版の資料によれば「俺屍プロジェクト 第1弾」となっているところが気になるところ

【オリジナル制作陣が集結】
企画・ゲームデザイン・シナリオ
桝田省治氏
有限会社マーズ 代表
音楽監督
樹原涼子氏
(写真撮影:満田聡)
キャラクターデザイン
佐嶋真実氏
【オリジナル】
オリジナルは1999年にPS用RPGとして発売された




■ 生まれ変わった「俺の屍を越えてゆけ」


戦闘シーン。グラフィックスは一新されている。16:9のワイド画面に対応し、解像度も上がり色彩も美しく表現されている

 PSP版「俺の屍を越えてゆけ」は、オリジナル版の画角が4:3であるのに対して、PSPの16:9のワイド画面に対応し、解像度も上がりグラフィックスを一新。美しい色彩で、平安時代の世界を描いている。

 戦闘画面のインターフェイスや画面構成もリファインされており、パーティキャラクターの顔が表示され感情移入しやすくなっているほか、より操作しやすいデザインへと変更されている。イベント画面もオリジナル版では小さく表示されていたが、画面を大きく使うことができるため、大きく表示され文字も見やすくなっている。


【イベントシーン】

 ゲームの流れとしては、オリジナル版同様に京の町を拠点とし、各迷宮を探索するシンプルな内容となっている。迷宮は3Dクォータービューで描かれており、一部の屋外フィールドについてはオリジナル版にはなかった四季の変化が加えられている。

 さらに迷宮の中には、「術(いわゆる魔法)」の使用が制限されるといった特殊な効果が発動する迷宮も新たに登場するという。


【フィールドデザイン】
各迷宮を探索するシンプルなフィールドデザイン。薄暗い優美な雰囲気を美しくなった色彩で上手く表現している。また一部屋外フィールドについては四季の変化が用意されているという
今回いくつか公開された背景イメージボード。事細かに指示されている

 平安の京の都に現われる魑魅魍魎達のデザインは、「現代に蘇った『妖怪絵巻』」をテーマとし、日本画調のグラフィックスで統一されている。これらは今回、新たに描き起こされている。


【モンスター】
弥五郎どん死に水運びカラス天狗
餓鬼念仏踊り天邪鬼

 迷宮は、一族の中から最大4人まで参加して「出撃隊」を組み、探索することになる。フィールド上には蠢く敵がおり、それらと接触することで戦闘シーンに突入する。

 各キャラクターには能力や素質、遺伝情報といった細かいパラメーターが設定されており、その能力に合った職業を選択することは重要な要素となる。戦闘では、「剣士」、「薙刀士」、「弓使い」など職業により攻撃が違うほか、「術」や「奥義」といった豪快な技も用意されている。

 さらに、一族オリジナルの武器を作成し、代々引き継ぐことでどんどん強化する形見システムや、親子のキャラクターで力を合わせ、奥義の合わせ技を繰り出すことで、より強力な攻撃を繰り出すこともできる。これらのシステムを上手く使い分け、戦略的な戦闘を楽しめる。

 バトルシステムの詳細については、今後続報で発表される予定。また、これら以外にも、システム的な進化がいくつか用意されているという。たとえばオリジナル版では、子孫を残す時の「交神の儀」に登場する“神”のステータスは固定だったが、今作では神々がレベルアップしていくらしい。

 また、プレーヤー同士によるアドホック通信による新システム「結魂」や、追加キャラクター、追加シナリオ、オリジナル版データがあることで特典などが予定されているが、これらについても続報で明らかにされていくという。


【戦闘シーン】

(C)Sony Computer Entertainment Inc.

(2011年 4月 16日)

[Reported by 船津稔]