ガンホー、オンラインTPS「トイ・ウォーズ」プレスカンファレンスを開催
“創造する”シューティング! 「ハルヒ」、「ストライクウィッチーズ」とのコラボや豪華声優の起用などを発表


1月12日開催

場所:UDXシアター


 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は1月12日、東京秋葉原のUDXシアターにて、オンラインTPS「トイ・ウォーズ」のプレスカンファレンスを開催した。カンファレンスでは「トイ・ウォーズ」の日本での展開戦略や、スケジュールなどが発表された。

 「トイ・ウォーズ」はフィギュアが戦うというユニークな設定のオンラインTPSで、韓国SK-Imediaが開発を行なっている。韓国・タイ・ドイツなど7カ国で「H.A.V.E Online」というタイトルで展開している作品で、日本はかなり後発のスタートとなる。日本サービスでは、アニメ作品とのアバターコラボレーションを行ない、アニメファンなどこれまでのFPS・TPSファンとは違った層へのアピールも行っていく戦略だ。

 日本ではクローズドβテストを1月31日~2月7日まで、オープンβテストを3月上旬に行う予定。正式サービスは基本プレイ無料のアイテム課金を予定している。なお、テスターはGAME Watch読者枠として1,000名をいただいているのでこちらからふるってご応募いただきたい。


■ 日本展開のキーワードは「創造」。フィギュアだけでなく、フィギュアを飾るジオラマも作成!?

ガンホー取締役常務執行役員ゲーム事業部長の越智政人氏
開発元のSK-Imedia開発プロデューサーアン・ゲヨン氏
「創造するシューティング」のキービジュアル。TPSにハウジング要素を盛りこむ

 「トイ・ウォーズ」は“フィギュアやおもちゃの戦い”というコンセプトのオンラインTPSだ。プレーヤーはいくつかのタイプのフィギュアから自分のキャラクターを選択し、400種類ものパーツをカスタマイズして自分のフィギュアを作り上げ、他のプレーヤーと戦う。

 プレーヤーが操作するキャラクターはフィギュアやおもちゃであり、戦う場所は現実のリビングや部室などだ。フィギュアの視点で眺める現実の風景は何もかもが巨大だ。椅子の脚に隠れたり、テーブルに飛び乗ったり、「人間が知らないおもちゃ達の戦い」を体験できる。キャラクターデザインはかわいらしかったり、コミカルだったりと、雰囲気はライトである。

 使う武器はガトリングガンやスナイパーライフルなど強力な銃器だけでなく、バットや金槌などもある。身長の何倍も飛び上がったり、派手なギミックも用意されている。カジュアルで間口が広い雰囲気を持つ一方で、高いゲーム性・戦略性も兼ね備えたタイトルである。

 カンファレンスで最初に壇上に上がったのは、ガンホー取締役常務執行役員ゲーム事業部長の越智政人氏。越知氏は「TPSはガンホーとしては初めてのジャンルであり、新たなユーザー層を獲得できるタイトルだと思っています。ガンホーらしい施策盛りだくさんで展開していきたいと思います」と挨拶した。次に登壇した開発元のSK-Imedia開発プロデューサーアン・ゲヨン氏は「独自性と、面白さにこだわってこのゲームを企画しました。幅広いユーザーに向けて、面白さを提供していきたいと思います。アップデートを継続的に行なうことを約束します」と語った。

 本作のプロデューサーを務めるガンホー、ゲーム事業部ゲームサービス部部長の小島幸博氏は日本で本作を展開するにあたり「破壊・殺戮するシューティングからの脱却」を目指すと語った。明るく、楽しく、WEBコミックやゲーム内のストーリーでストーリー性も盛りこんだ上で、フィギュアの改造、将来的には自分のフィギュアを飾り立てる箱庭(ジオラマ)までも制作していけるような「創造するシューティング」を目指すという。

 「私が以前担当していた『エミル・クロニクル・オンライン』では“飛空庭”というハウジング要素を入れました。TPSでハウジングはどうか、というところですが、初の試みとして、自分が持っている3~4キャラクターを配置して箱庭を作って他のプレーヤーさんを招いたり、遊びに行ったり、いずれそういうことができたら楽しいねと、そう言ったことも開発さんと話しています」と小島氏は語った。

 さらに、マーケティング担当のゲーム事業部ゲームサービス部ファインディング課主任の波光正俊氏は今後のスケジュールとマーケティング展開を説明した。クローズドβテストの募集は本日1月12日より、1月19日15時まで。弊誌の特別枠のほかにも、公式ページで2万人、さらにハンゲームのチャネリングサービスで1万人の募集が行なわれる。クローズドβテストは1月31日~2月7日まで実施する。3つのマップで、「チームデスマッチ」と「フリーフォーオール」が楽しめるという。

 オープンβテストは3月上旬。新マップや新モード、クランが実装され、ゲームパッドに対応、さらに声優によるキャラクターのボイス選択ができるようになる予定だ。3月中旬にはさらにコンテンツを厚くした形で、基本プレイ無料のアイテム課金を開始する予定だという。また、ゲーム内ガチャシステムも盛りこまれるとのことだ。

 マーケティング戦略としては、専門学校のバンタンゲームアカデミーとの共同プロジェクトを行なったり、ネット宅配レンタルのTSUTAYA DISCASとのタイアップキャンペーン、「電子貸本Renta!」、「とれたて! ほびーちゃんねる」でWEBコミックを連載するという。さらにアニメーション作品の「涼宮ハルヒの消失」、「ストライクウィッチーズ」のキャラクターがアバターとして登場する予定だ。「ストライクウィッチーズ」に関しては、クエストも企画しているということで、今後の情報にも期待したい。


左から、プロデューサーを務めるガンホーゲーム事業部ゲームサービス部部長の小島幸博氏、マーケティング担当のゲーム事業部ゲームサービス部ファインディング課主任の波光正俊氏。右は本作の目指すゲームコンセプトだ
「トイ・ウォーズ」のサービススケジュール。公認ネットカフェからもテストに参加できる
WEBコミック、アニメ作品とのコラボレート。アニメキャラクターのフィギュアが登場すれば、新しいファンが獲得できそうだ
スペシャルゲストとして、小倉唯さん(中央)と石原夏織さん(右)による声優ユニット「ゆいかおり」が登場、オープニングテーマ曲「Shooting☆Smile」を歌った。さらにゲーム内に登場するフィギュアの衣装をまとった姿も披露した

■ ボス戦やアイテム戦など、カジュアルさも重視したゲーム性も盛りこむ

コンテンツ担当のゲーム事業部ゲームサービス部ファインディング課主任の齋藤和寛氏
キャラクターイラストレーターのワクイアキラ氏。ワクイ氏デザインのロボットも登場予定
今後のスケジュール。ジオラマは2012年予定だ

 続いてコンテンツ担当のファインディング課主任の齋藤和寛氏からゲームの基本仕様が紹介された。クローズドβテスト時に選ぶことができるフィギュアは3タイプ。元気な美少女風の「プリンセスシリーズ」、缶や時計などのオブジェクトが人型になったような「ブレイカーシリーズ」、クールな美女だが妖しい雰囲気が“魔女”のような「ディーヴァシリーズ」の3タイプだ。この他、夏実装予定で、青年風の「ヒーローシリーズ」がある。

 ゲーム内で使う武器は7種類。バットやトンカチなどの「近接武器」、中距離で連射できる「マシンガン」、近距離に強い「ショットガン」、スコープをのぞいて狙撃できる「ライフル」、連射して弾をばらまく「ガトリング」、一直線に飛ぶ弾体を発射する「バズーカー」、放物線を描く弾を発射する「グレネード」。このほか、相手に持続的なダメージが与えられる「火炎放射器」や「冷凍弾」、仕掛けておいて発射できる「リモートバズーカ砲」等も登場予定とのことだ。今後は武器アップグレードシステムなども企画している。

 日本展開では、本格的な駆け引きが楽しめる要素に加え、カルチャライズとしてカジュアルな要素にも力を入れていく。全員の体力を回復できる「オールヒール」や敵の姿に姿が変えられる「カモフラージュ」といったアイテムが出現する「アイテムマッチ」、さらにボスキャラクターと戦う「魔シン戦」といった要素も制作中だ。これらは気軽に楽しめるゲーム性を持っているという。

 また、フィギュアの持ち主として男1人と、女3人のキャラクターをメインとしたラブコメ要素の強い物語をWEBコミックで展開し、ゲーム内ではフィギュア視点のシナリオが展開、この2つの物語は交差していく。プレーヤーが使うフィギュアには、1タイプにつき3人の声優を起用し、プレーヤーが好みに合わせて選択する。声優のボイスは課金アイテムになることが多いが、本作では無料で提供されるとのこと。

 この他、今後の予定としてフィギュアを作り、世界で発表しているというキャラクターイラストレーターのワクイアキラ氏のデザインするロボットがプレーヤーキャラクターとして実装予定だ。こちらはガンホーではなく、開発のSK-Imediaのオファーとのことだ。

 会場ではガンホー社内で実施された有名FPSプレーヤーを招いてのテストプレイでのムービーも流された。バズーカやグレネードランチャーで敵をいぶりだし、スナイパーライフルで仕留めるうまいプレーヤーの戦い方は見所があった。移動時には近接武器に持ちかえることでスピードが速くなり、さらに2段ジャンプも可能になる。こまめに武器を持ちかえると、より幅広い戦い方ができるようだ。

 うまいプレーヤーの戦い方は見所があったが、それだけでなく、身長の何倍も高くジャンプしたり、巨大な家具などフィギュア視点ならではの戦場の雰囲気、かわいらしいキャラクターと、ゲームが持つ雰囲気や、ユニークなゲーム性も面白そうだと感じた。「プレイしてみたい」と感じさせる作品だと思った。


CBTで選べる3タイプのキャラクター
武器やゲームモード。今後はストーリー要素も盛りこまれるということで、フィギュア達のドラマにも注目
参加声優の一部。新人だけでなく、ベテランも参加している
ワクイ氏がデザインするロボット。今後のプレーヤーキャラクターとなる。独自の世界観、設定がどう活かされるかも注目したい
プロゲーマーによるデモプレイ。ユニークなゲーム性も垣間見えた
【スクリーンショット】
スクリーンショット。アバターアイテムは多数用意される。タイプが同じでも、パーツによって雰囲気が変わる
戦いの場面。カジュアルさと熱さ、奥深さが感じられる
ステージ。現実の風景だけでなく、フィギュアサイズの戦場もあるようだ

(C)2010 SK-IMEDIA Co.,Ltd./ Gravity Co., Ltd./ GungHo Online Entertainment,Inc.

(2011年 1月 12日)

[Reported by 勝田哲也]