ガマニア、新作MMORPG「DIVINA」先行体験レポート
絵本のような世界と可愛い「ソウルメイト」や豊富なアバターなどを紹介


7月21日実施

ガマニアデジタルエンターテインメント本社


 株式会社ガマニアデジタルエンターテインメントが8月2日に日本での取り扱いを正式発表した、Windows用新作MMORPG「DIVINA」。台湾PlayCooの新作で、同社が開発した「ルーセントハート」よりもやや戦闘に特化した作りになっている。

 インタビュー記事でも紹介した「ダブルキャスト」や「ソウルメイト」、「モンスターキャスト」という本作の3つのメインシステムと、戦闘や序盤の雰囲気を体験プレイで確かめてきたので、その詳細をレポートしたい。

 なお今回紹介するのはクローズドβテスト(CBT)で体験できる内容を中心としており、オープンβテストから導入予定の「テリトリーシステム」については、次回以降にお届けしたい。




■ 選べるクラスは5つ。キャラクター作成のバリエーションはかなり豊富

スタート地点は、崩壊しかけた陰鬱な世界。ここからプレーヤーは世界の崩壊を修正する冒険に旅立つ

 「DIVINA」の世界は世界樹の上にある3つの世界で構成されている。神族の世界である「上層階」、人類の世界である「中層階」、魔族の世界である「下層階」の3つの世界があり、中には北欧神話風、中層階には日本神話風の世界がある。メインストーリーには「オーディン」や「ロキ」など北欧神話でおなじみのキャラクターが登場して、物語の中で重要な役割を果たしている。また河童や空傘など日本人にはおなじみのモンスターもいる。

 ゲーム画面は中間色が多用されたほんわかした雰囲気で、モンスターも愛嬌があってかわいい姿のものが多い。しかもフキダシでしゃべることもある。UIもクッキーのような可愛いアイコンで、一見小学生の女の子あたりが喜びそうな低年齢向けのゲームに見える。しかし、本作のターゲットは20代の男性プレーヤーなのだという。可愛い見ためとは裏腹に、大人が本気で遊べるやりこみ要素が用意されているのだ。


大砲を持って戦う「レンジャー」パーティーの盾にもなる「ファイター」
唯一の回復クラス「クレリック」派手な範囲魔法が使える「ウィザード」

両手にくないを持った忍者は近接系のアタッカー

 プレーヤーが選択できるクラスは「ファイター」、「ウィザード」、「クレリック」、「レンジャー」、「忍者」の5種類。ファイターはHPの多い盾役、ウィザード、クレリックは名前通りの魔法使いと補助系とここまでは良くあるクラスだ。

 レンジャーはありがちな弓を得意とする狩人ではなく、大きな大砲を持った重装備のクラスになっている。さらに罠や地雷を設置するなど、トリッキーな攻撃もできる。忍者は、先行してサービスがスタートしている香港でも人気のあるクラスであり、回避能力に優れて遁術などの属性スキルを使える。

 キャラクターメインキングでは、髪型と髪の色、フェイスパターン、装備の色のバリエーションが選べる。瞳の色はフェイスパターンによって固定で、ギャグのような白目の顔も選べる。

 ゲームを始めると、何やら陰気な雰囲気の街からスタートする。世界は崩壊に瀕していて、プレーヤーは記憶を失った状態でこの世界に降り立つ。しばらくはここでチュートリアルのクエストをこなしていくことになる。

 近年のカジュアルなMMORPGには必須になりつつある自動移動機能が、本作にも実装されている。マップにはNPCの場所と名前が記載されていて、押すとキャラクターが自動的に移動してくれる。クエストの対象モンスターも、クエストウインドウから名前をクリックすれば別のエリアにいてもそこまで勝手に移動してくれる。初めての場所にでも苦労なくたどり着けるので初心者には非常に便利なシステムだが、探索の楽しみが薄れてしまうのがやや残念だ。


スタート地点の街は、崩壊に瀕した荒涼とした世界。ここでチュートリアルのクエストをこなした後、プレーヤーは世界の崩壊を修正する冒険に旅立つ。
最初の戦闘を行なう外のフィールドも荒涼とした雰囲気だ。クエストポイントまではオートランで移動できるので、道に迷う心配はない



■ レベル30からは「ダブルキャスト」で2つのクラスを同時にプレイ

レベル30になると「ダブルキャスト」のためのクエストを受けることができる
戦闘のエフェクトはアニメのような手書き風
フィールドでクラスを入れ替える時には、左上のハートを消費する。ハートは隣にあるゲージが満タンになるたびに1つずつ貯まっていく。ゲージは戦闘することで貯めることができる

 戦闘は、敵を1度クリックしてオートバトルを始め、その合間にスキル攻撃を挟むというオーソドックスなスタイルで、アクション性はそれほど高くない。しかしスキルのエフェクトが派手なので見ている分にはなかなか楽しい。

 今回はウィザードとレンジャーのキャラクターで戦闘を体験することができた。スキルにはどれも派手なエフェクトが付いているが、本作ではこのエフェクトが手書きアニメーション風の不透明な質感で表現されている。あまりピカピカキラキラせずに、少し押さえた感じの色味も絵本のようなゲームの世界によくマッチしている。

 エフェクトと共に戦闘を盛り上げるのが、2つのクラスを切り替えて使う「ダブルキャスト」だ。「ダブルキャスト」はレベル30になったキャラクターが、もう1つのクラスを覚えることができるというシステム。30になると発生するクエストを「クラリス」から受けて、新しいクラスを選ぶ。

 新しいクラスはレベル25からのスタートとなり、覚えた時点でそこまでのスキルはすべて習得している。例えば最初がファイターで2つめはクレリックといった別のクラスを選ぶこともできるし、ファイター2つと同じ職を選ぶこともできる。1つめと2つめのキャラクターはステータスも装備も完全に独立した全く別のキャラクターになる。

 もちろんHPやMPも別なので、例えば1つめのファイターで盾をしてピンチになった時、すかさずHPが満タンの2つめのファイターに切り替えるといった使い方もできる。引っ込めたキャラクターは、少しずつHPとMPが自動回復するので、タイミングを見計らえば回復がなくてもある程度1人で頑張れるわけだ。キャラクターの切り替えは「Z」ボタンを押すだけ。街の中では制限なく何度でも切り替えが可能だ。ぼわんと煙に包まれて即座にキャラクターが変わるのは結構楽しい。

 フィールドでは敵を倒すとゲージが貯まっていき、満タンまで貯まると画面左上のハートが灯っていく。このハート1つにつき1回の変身が可能で、ハートは最大3つまでストックできる。ゲージは結構貯まりにくいので、強い敵と戦う時には必殺技的な位置づけで、使うタイミングが重要になりそうだ。


「ダブルキャスト」のクエストは謎の少女「クラリス」から受けることができる。新しいクラスはレベル25からのスタートになる

クエストが終われば、「Z」ボタン1つでクラスを入れ替えることができるようになる。街中では、入れ替えの回数に制限がないので街中で入れ替えてからフィールドに出るのがよさそう



■ 可愛くないところがどうにも可愛い「ソウルメイト」

戦闘の時には一緒に戦ってくれる頼りになるパートナーのはずなのだが

 いままで数多くのオンラインゲームに様々なペットが登場してきたが、これほど小憎らしくも可愛いペットは初めてかもしれない。「ソウルメイト」はプレーヤーが連れて歩くことができるパートナーで、様々な役に立ってくれる。

 ただしプレーヤーとの好感度が低いうちは、なかなか素直には言うことを聞いてくれない。せっかく呼び出しても「僕の不幸がまだはじまるのかぁ」といかにもだるそうにいう。 仲良くなるためには「会話」で好感度を上げる必要がある。会話の内容はランダムに出てくる3つの話題から1つを選ぶ。それが正解ならハートのエフェクトが出て好感度が上がる。能力を上げるには「教育」をする。

 ソウルメイトにはプレーヤーと同じようにSTRやAGIといったステータスがあり、教育はこのステータスのどれかを選んで育てていく。教育には実時間が必要なので、気長に育てていくことになる。このステータスの上昇によって、STRを育てれば近接攻撃の武器にといった形で、ペットのレベルが11と41の時に別の攻撃系統へと進化させることができる。

 一緒に戦う時には、自動攻撃、手動攻撃などを選んでプレーヤーが指示することができる。最初のうちは弱くて、少し攻撃されるとすぐにやられてしまうので、守ってあげなくてはならない。しかし、育てていくうちにだんだんと頼りになる存在になっていき、言動もポジティブになっていくらしい。ゲーム内で初期のうちに手に入るもう1種類のソウルメイトであるネズミはウサギよりも元気な性格で、しゃべる内容も違っている。複数のソウルメイトを育てながら、その言動の違いを比べるのも楽しそうだ。

 ソウルメイトは戦闘のパートナーというだけではなく、生産に必要なカードの素材や「宝探し」というコンテンツでアイテムを拾ってきてくれる。フィールドに生産素材を入手しにいくための場所があるのだが、そこでソウルメイトになにを何時間くらいかけて拾ってくるかを指示する。探しに行っている間は連れて歩くことができない。


ステータスを育てるには「教育」、好感度を上げるには「会話」で
最初のうちはネガティブ全開。だが文句を言いながらも一緒に戦う姿が、だんだんいじらしくなってくる



■ ドラゴンや河童に大変身。コレクション要素が楽しい「モンスターキャスト」

戦闘の時には一緒に戦ってくれる頼りになるパートナーのはずなのだが

 「モンスターキャスト」はモンスターに変身できるというシステム。変身自体はほかのゲームでもよく見かけるが、本作はそこにコレクションやビンゴゲームといった別の要素を組み合わせている。

 変身できるモンスターは「モンスター図鑑」にまとめられている。図鑑は1つのフィールドで1ページになっており、最初は9つのパネルすべてが「?」マークになっている。フィールドでモンスターを倒すと、倒したモンスターの「?」にモンスターが登場する。その後、さらにそのモンスターを倒し続けるとイラストの下にあるゲージが貯まっていき100%になるとそのモンスターに変身できるようになる。

 変身した後もプレーヤーのスキルはそのまま使うことができるうえに、モンスターの固有スキルを1つ使うことができるようになる。ボスクラスになると、パーティー全体に役立つ強力なスキルが揃っているのでなかなか実用性も高い。

 また、図鑑はビンゴゲームにもなっていて、縦横斜めのパネルが揃うと、アイテムがもらえるようになっている。もらえるアイテムは図鑑の横に書いてあるので、欲しいものを狙って集めることもできる。実際にプレイしてみたが、雑魚モンスターパネルはわりとすぐにビンゴに現われてくれて、変身して遊べるようになった。コレクション要素があるので、見慣れないモンスターを見かけるととりあえずしばらく戦ってみようかなとなる。まだ見ぬモンスターを探して走り回るワクワク感は、コレクターならずとも楽しめるのではないかと思う。

 1回の変身時間は30分。バフ効果のように、変身中はアイコンが出るのでそこから解除もできる。1回変身すると60分のクールタイムが必要になる。ただ強さを求めるだけではなく、モンスターには動きの面白いものが多いので、その動きを楽しむのも一興だ。特に「ピエール」という白い着ぐるみのような姿をしたモンスターは、開発がかなり力をいれて作成したというだけあり、動きがマニアックに凝っている。見ているだけでも笑ってしまう動きを、ぜひ自キャラクターとして堪能して欲しい。


パネルのゲージが100%になると、30分間モンスターに変身して戦えるようになる
フィールドをうろうろしている「秘密のピエール」。隠れているから弱いかと思えば、意外と強くて苦戦した



■ キャラクター強化とファッションの両方を楽しめる画期的なシステム

装備に関係なくキャラクターのステータスを決定する「魔法陣」

 戦闘要素が豊富な本作だが、キャラクターの可愛さを活かした着せ替えの楽しさも忘れてはいない。「DIVINA」にはアバターとしての装備と、「魔法陣」というステータスを上昇させる装備に分かれているので、ステータスを気にせず自由に着せ替えを楽しむことができる。

 魔法陣は、4つの「マテリア」と中央の「コア」で構成されていて、その5つの要素を合算した数値がキャラクターのステータスになる。マテリアは、モンスターからのドロップやNPCからの購入など複数の入手方法があり、コアはNPCからの購入のほかプレーヤーが生産で作ることができる。強いコアを作るためには、当然それなりの材料が必要になるので、コア作りはキャラクター強化に置いてかなり重要なやりこみ要素になるだろう。

 アバター装備には基本的にステータスはついていない。クラスごとの制限などもないので、例えばファイターがクレリックの装備を着たりといったこともできてしまう。装備の性能を気にすることなく、純粋にアバターとして楽しめるのは嬉しい。アバターアイテムにも、例えば女性キャラならメイド服やドレスなど可愛い服が揃っている。

 さらに、本作にはインナーのアバターも存在しているらしい。服を脱ぐとキャラクターは下着姿になるが、この下着のデザインを変えることができるというのだ。魔法陣さえしっかりと装着しておけば、下着のままでも強さを維持したまま戦うことができる。ただし、人の目が気にならなければ、だが。

 これまで紹介してきたスクリーンショットからも、本作のほのぼのとした雰囲気を感じてもらえたかと思う。しかし本作はただ可愛いだけではなく、大人がニヤリと楽しめる要素があちらこちらにふんだんに盛り込まれている。それは例えば文句ばかり言うソウルメイトだったり、妙な動きでうろうろしているピエールだったりする。

 ちりばめられたユーモアを楽しみつつ、コアの生産やソウルメイトの育成、アバター収集、モンスター図鑑のコレクション、そして今回は紹介できなかった「テリトリーシステム」などのやりこみ要素をがっつりと遊ぶと、確かに大人向けのゲームだということがわかる。近々始まるCBTでは、ぜひこれらの要素を遊びまくって、「DIVINA」の奥深さを楽しんで欲しい。


クラスに関係なく、好きなアバターを着て戦えるのはおしゃれ好きのプレーヤーには嬉しいシステムだ

ほのぼのとした世界でのんびりと冒険を楽しみたい


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(2010年 8月 11日)

[Reported by 石井聡]