米Apple、「iPhone OS 4」を今夏提供
マルチタスク対応やオンラインゲーム向けサービスを発表
米Appleは4月8日(現地時間)、iPhone/iPod touch用OSの最新版「iPhone OS 4」を今夏提供すると発表し、その中で実装される新機能を公開した。
最も大きな変化は、複数のアプリケーションを同時に起動できるマルチタスクの対応。ネットラジオアプリケーションをバックグラウンドで起動させ、音楽を聴きながら他のアプリケーションを操作できたり、スリープ状態や他のアプリケーションの利用中にIP電話の呼び出しを受けるといったことも可能になるという。さらにAppleはこのマルチタスク機能において、「バッテリー持続時間と前面で使用中のアプリケーションのパフォーマンスを犠牲にすることなく、サードパーティーのアプリケーションにマルチタスク機能を提供する」とも述べている。
またiPhone端末上のアプリケーションを整理する機能として、「フォルダ」が新たに追加される。あるアプリケーションのアイコン上に別のアプリケーションのアイコンをドラッグすると、新しいフォルダが作成される。ユーザーは複数のアプリケーションをフォルダにまとめて管理できるようになり、これによって1つのiPhone/iPod touch上でアクセスできるアプリケーションの数は2,000以上に増えるとしている。このフォルダはiTunes 9.2を使ってPC上でも作成・管理できるという。
このほかゲーム向けのサービスとして、2010年後半よりAppleが提供予定の「Game Center」が発表された。これはゲームへの友人の招待機能や、マルチプレイ対応のゲームのマッチメイキング機能、オンラインスコアランキング機能などが用意されたソーシャルゲーム用のオンラインサービスで、アプリケーション開発者はこれらの機能を使ったアプリケーションを開発できるようになる。
ただし今回発表された機能の中には、一部のiPhoneやiPod touchには提供されないものもある。例えば前述のマルチタスク対応については、iPhone 3GSまたは第3世代iPod touch(2009年後期モデル)のみ対応するとしている。
「iPhone OS 4」は今夏、これまでどおりソフトウェアアップデートで提供される。またiPad向けの「iPhone OS 4」は今秋提供予定としている。開発者向けの「iPhone OS 4」ベータソフトウェアおよびSDKは、iPhoneデベロッパプログラムのメンバーを対象に、本日からdeveloper.apple.comで提供される。
ちなみに今回の発表の中で、現在までにApp Storeで提供されているアプリケーションの数は185,000本以上で、総ダウンロード数は40億件以上という数字も発表されている。
(2010年 4月 9日)