カプコン、WIN「モンスターハンター フロンティア オンライン」
「VS. クエスト」大会を「シーズン7.0」仕様で開催
今後のアップデートの発表や「ラヴィエンテ」先行体験会も


12月6日 開催

会場:ウェアハウス 川崎店

参加費:無料


会場となったネットカフェ「ウェアハウス 川崎店」

 株式会社カプコンは12月6日、Windows用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティアオンライン(MHF)」において、オフラインイベント「VS. クエスト チャンピオントーナメント in Winter 2009」をウェアハウス 川崎店にて開催した。入場料および大会参加費は無料。

 本イベントは、「VS. クエスト チャンピオントーナメント」の第3回大会となるもの。今回は2人1組でモンスター討伐のタイムを競った。イベントは全国4都市の「MHF」公認ネットカフェを会場に、11月28日に広島、11月29日に大阪、12月5日に愛知で開催されており、12月6日の神奈川大会が最後の会場となった。

 関東ではこれまで東京で開催されていたが、今回は会場を神奈川へと移した。ウェアハウス 川崎店はインターネットスペースをフルに利用した広い空間が作られており、過去の東京大会のように会場のキャパシティ以上の来場者が訪れて観戦できないといった状況にはならず、来場者数は過去最多の150人以上となった。

 イベントではゲーム大会の他に、今後の運営方針やアップデート内容のプレゼンテーション、「シーズン7.0 “絶島主、ラヴィエンテ”」の先行体験会も行なわれた。


画面中央に置かれたモニターの正面に観戦席が用意されていたイベント会場の入り口は赤く塗られた独特の雰囲気



■ 様々な武器種が飛び出した「ラージャン」討伐タイムアタック

 
テクノブラッドの石渡芳幸氏。秋の第2回大会よりもハイレベルな試合だと感じたそうだ
第1回大会から第3回大会までの全12会場で司会を務めているタレントの篠田有香さん

 大会の司会進行はこれまでの大会と同じく、株式会社テクノブラッドの石渡芳幸氏とタレントの篠田有香さんが努めた。篠田さんは来場者の多さに感動していた様子で、「過去最多の人が集まったということは、ハンターの皆さんにも過去最大のプレッシャーがかかりますね」と話して会場を盛り上げていた。

 大会には、公式サイトで事前登録した43チームに、当日参加の2チームを加えた45チームが参加した。この45チームが、まず予選クエストで「ラージャン」を討伐し、そのクリアタイムの上位4チームが決勝トーナメントに進出した。

 試合ルールは、予選から決勝まで防具は固定で、武器は用意されている中から選択した。本大会では「シーズン7.0」の仕様が先取りされ、双剣で鬼人化すると強走効果が解除されるようになっていたため、参加者は武器の選択で悩んでいたようだ。

 さらに参加者を悩ませていたのが、防具のスキルだ。防具のスキルには、スタミナが最低になると会心率などが上昇する「餓狼+2」と、体力が最大値の40%以下になるとダメージが上昇する「火事場力+2」がついていた。2つのスキルを発動すれば攻撃力は上がるが、動きの制限と瀕死の体力でリスキーな戦いを強いられる。しかしスキルを発動させなければ攻撃力で劣り、好タイムは出ない。またスキルと相性のよい武器種選択も重要となる。

 そのため、今大会では様々な武器の組み合わせが見られた。最も多かったのは片手剣2人の構成で、次に多かったのが太刀2人の構成となっていた。中には、あえて双剣と狩猟笛で挑んだり、安定を狙って高台から弓とライトボウガンで狙撃したり、はたまたランス2人で突進したりといったユニークな戦法も見られた。

 予選結果を見ると、1位から3位は片手剣2人の組み合わせで、かろうじて4位に太刀2人の組み合わせが食い込いこむ結果となった。タイムは、1位の「ヤで始まりの自営業」が1分11秒46、そして2位の「TMC関東」が1分17秒、3位と4位は大会初の同タイムで、片手剣の「てきとう!!」と、太刀の「闘技党」が1分17秒46となった。試合後のコメントでは、上位チームの多くが猟団員と日々練習していたり、中にはボイスチャットで練習していたというチームもあり、大会への力の入れようも強かったようだ。

 ちなみに予選大会は、16台のPCを利用して8チーム同時に行なわれた。参加者は隣同士の席で、会話をしながら戦術通りにプレイしたり、味方のモニターを見ながら連携を取っていたりしていた。ただ真剣な表情でプレイしているチームもあれば、モンスターに倒された瞬間に思わず声をあげたりと、楽しみながらプレイしているチームもあり、大会というほどピリピリした雰囲気を感じなかったのが印象的だ。


大会用のPCは全部で16台並べて設置されていた鬼人化で強走効果が解除されてしまうが、あえて双剣と狩猟笛で挑むチーム弓とライトボウガンで高台から狙って戦うチーム
ランス2人で「ラージャン」に向かって突進していた無属性の大剣2人という構成もいたが、思うように頭を狙えない様子今回最も多かったのは、片手剣2人の構成だった




■ 決勝は罠も使える直接対決!「カム・オルガロン」討伐

 決勝は4チームでのトーナメントで争われ、「カム・オルガロン」討伐のタイムを競った。前大会の「エスピナス亜種」に比べると難易度は高め。また「VS. クエスト」では、相手の仕掛けた罠に注意するのはもちろんのこと、今回のフィールドは「沼地」なので、「火事場力+2」を発動させている場合は地形の毒にも注意しなければいけない。

 勝利条件は、相手チームより先に「カム・オルガロン」を討伐するか、相手チームがクエストに失敗するかのいずれか。準決勝第1試合は、「ヤで始まりの自営業」と「闘技党」の戦いとなったが、早々に「闘技党」が3回倒されてクエストに失敗し、「ヤで始まりの自営業」が勝利した。

 続いて準決勝第2試合では、「TMC関東」と「てきとう!!」が争ったが、こちらも「TMC関東」のクエスト失敗で「てきとう!!」が勝利した。準決勝はいずれも「火事場+2」発動による瀕死状態の戦いとなったが、裏目に出てしまったようだ。


「火事場力+2」発動のために体力を減らすも、毒のダメージですぐに倒れてしまうハンターが続出


 決勝戦の前には、「闘技党」と「TMC関東」による3位決定戦が行なわれた。「TMC関東」は他の3チームが全員片手剣2人の構成の中、ハンマー2人という構成で、頭を中心に攻撃して気絶させ、「火事場力+2」で一気に畳み掛けていく戦法のようだ。しかし頭側は攻撃を受けやすいのか、ダメージを受けて2人とも倒されてしまった。対する「闘技党」は片手剣2人の構成で、比較的攻撃を受けにくい尻尾側を狙い「カム・オルガロン」の討伐に成功し、3位となった。


「TMC関東」がハンマーで「カム・オルガロン」を気絶をさせるが……頭への攻撃は攻撃を受けやすいのか、倒されてしまう3位決定戦でようやく「カム・オルガロン」の討伐に成功

 決勝戦は特別ルールで、3試合中2本先取したチームの勝利となった。決勝を争った「ヤで始まりの自営業」と「てきとう!!」は、両チームともに片手剣2人という構成。両チームのコメントは、「ヤで始まりの自営業」が「まったりいきます」、「楽しくいきます」とマイペースな様子。一方「てきとう!!」は、「罠を使いまくりたいと思います」、「優勝したいと思います」というコメントで、優勝にかける意気込みが強かった。

 決勝戦第1試合が始まると、「てきとう!!」は試合前のコメント通りに罠を仕掛けて相手のクエスト失敗を狙った。「ヤで始まりの自営業」は開幕の罠を上手く避けるが、味方の1人が罠にかかり、ベースキャンプに戻されてしまった。しかし、その後は罠にかかることなく、「火事場力+2」と「餓狼+2」を発動した状態で討伐に成功し、1本目を先取した。試合を見ていた限り、「VS. クエスト」の機能で表示されている相手の位置を見ながら、罠の位置を予想して避けているようだった。

 続いて決勝戦第2試合では、「ヤで始まりの自営業」の1人が倒れ、もう1人が単独で対応している際、「てきとう!!」の仕掛けた睡眠罠が成功。少しでもダメージがあれば倒されてしまう危機的状況だったが、タイミングよくエリアに戻ってきた味方にむけて「カム・オルガロン」が突進していき、難を逃れた。「てきとう!!」はその間に攻撃を続け、「カム・オルガロン」を弱らせたが、両チーム2回ずつ倒されて後がない状況に。どちらが討伐するか、倒されるかという状態で、「ヤで始まりの自営業」がクエスト失敗。「てきとう!!」が1本奪い返し、両チームが優勝に王手をかけた。

 最後の決勝戦第3試合は、序盤に「てきとう!!」の罠によりベースキャンプに戻されてしまうことがあったものの、「ヤで始まりの自営業」は順調に攻撃を続け、そのまま討伐に成功。「ヤで始まりの自営業」が優勝した。

 「ヤで始まりの自営業」の試合を見て感じたのは、行動が的確だったこと。「カム・オルガロン」のバインドボイスを上手く避け、モンスターの攻撃モーションに合わせてほとんど同じタイミングで攻撃していた。また毒に足を踏み入れる場合は、先に応急薬を1度飲んでから突入し、その後も「火事場力+2」を維持しており、頭の中に完璧な作戦が入っているようだった。


素早く支給品をとって、いち早く罠を仕掛けることも重要画面右上のハンターは、罠によりベースキャンプへ戻されてしまっている残り体力と毒のダメージを計算してぎりぎりの状態で戦うことも
1人で戦っている状態で睡眠罠にかかってしまい、絶体絶命のハンタータイミングよくエリアインした味方に「カム・オルガロン」が突進。一命を取りとめた最後は安定した戦いぶりで討伐に成功。「ヤで始まりの自営業」チームが優勝



■ 「追加アイテムボックス」拡張など仕様変更について説明

 
オンライン開発部運営室長 運営プロデューサーの杉浦一徳氏

 イベントの合間には、オンライン開発部運営室長 運営プロデューサーの杉浦一徳氏が登場し、「MHF」で今後予定されている仕様変更についての進捗状況が発表された。

 まず発表されたのは、「アイテムボックス」の拡張。来年の春に実施予定のアップデート「シーズン8.0」で「追加アイテムボックス」を10ページ、「武具」を5ページに増やすという。これにはサーバーのスペックアップが必要ということで、現在は新たなサーバーの到着を待っている段階だという。

 次は武器種間のバランス問題に関して、ライトボウガンの「超速射」と「片手剣」についてバランス調整中ということが発表された。「超速射」の修正理由は、「パローネ=キャラバン」でクエストに参加する際に、「超速射」がなければ参加しにくいという状況を改善するためだという。下方修正ではあるが、攻撃力などのパラメータだけの修正ではなく、様々な観点からバランス調整を検討しているそうだ。

 「片手剣」については、「下方修正とかマイナスの意味ではなく、別の意味で修正をしていく」という。ニュアンス的には上方修正のようではあるが、修正内容は今後改めて報告するとしている。

 次に狩人祭において、ボーナス試練の仕様変更が発表された。今後は2種類のボーナス試練が出現するようになり、1つ目は現状と同じ「負け組のみ可能なボーナス試練」、そして2つ目が「両方の組が可能なボーナス試練」となっている。これにより、シーソーゲームでワンパターン化している現状を改善する狙いがあるという。

 ちなみに、これまでのボーナス試練は全て狩人祭前に設定しているそうで、狩人祭後は変更をしていないのだという。杉浦氏は、「何かの意図があるとか、私がゲーム内で参加している組が勝つようになっているとかいう意見が寄せられることもあるが、そういうことは全くない(笑)」と話していた。


「シーズン8.0」で実施予定のアイテムボックスの拡張ライトボウガンの「超速射」と「片手剣」のバランス調整狩人祭のボーナス試練の仕様変更


 
「シーズン7.0」のリファイン内容

 他には「シーズン7.0」のリファイン内容として、クエスト中にフィールドの端や壁際に立った際のカメラワークの調整が発表された。これについては実装後にアンケートを実施して、今後も改善していくという。またローディング画面の画像表示機能が追加される。表示する画像は、今後スクリーンショットコンテストなどの画像を利用していきたいという。ちなみに本大会のクライアントではすでに実装されており、モンスターや広場の画像が用意されていた。

 このほか、チュートリアルの強化として、狩人キャンプの「教官見習ネコ」から「挑戦状」を受け取り、それを達成することでアイテムがもらえるシステムも実装される。また個人チャットの仕様を変更し、個人チャットが送られてきても、こちらからの個人チャットの宛名が送信相手名に自動的に変更されなくなるという。


大会用のゲームクライアントでは、ローディング画面にゲーム画像が使われていた


 
2010年夏には正式サービス3周年記念イベントが予定されている

 また2010年のアップデート実施予定も発表された。基本的に春、夏、秋、冬の季節を節目に実装予定で、2010年春に「シーズン8.0」が、2010年夏に「シーズン8.5」と正式サービス3周年記念イベントが、その後2010年秋に「シーズン9.0」が、2010年冬に「シーズン10」が実装予定となっている。

 今後のイベントとしては、クリスマスやひなまつりに合わせたイベントも実施する予定だという。クリスマスイベントに関しては、トナカイの角の下にサンタ風の赤い袋が下がっているハンマーを実装予定で、他には過去に実装したランスも再度入手可能にするという。

 さらにひなまつりイベントでは、長い棒の先端に扇子のようなものがつけられた武器が実装される。デザインは来場者だけに公開してほしいということで、ここではお見せできないが、ひな祭りらしいピンク色となっていた。

 続いて次回のサーバー対抗韋駄天杯を、2月か3月に予定していることが発表された。前回実施したサーバー対抗韋駄天杯に関するアンケートでは、「ハードルが高くて参加しにくい」という声が多かったそうだ。また実際の参加猟団数は事前に想定していた数を大幅に下回る結果となったという。しかしその一方で、テクニック重視の猟団からは、「手応えのあるクエストでよかった」という意見もあったそうだ。

 これらの内容を考慮し、次回のサーバー対抗韋駄天杯では、記念に1度は遊んでもらえるような、もっと気軽で多くの猟団が遊べるものを考えているそうだ。例えば、敷居の低いものとしては、肉焼き納品の数を競うクエストが上げられた。韋駄天杯の肉焼き納品については、弊誌で先日掲載したインタビュー記事でも語られており、現実のものとなる可能性も高そうだ。

 また今後発売される新たなパッケージの内容も発表された。このパッケージには、メゼポルタ広場のガイド娘や、人気の高いモンスターのフィギュアなどを封入する企画が挙がっているという。ゲーム内アイテムでは、既存のモンスターの防具をリファインしたものが同梱される予定。このほか実装時期や入手方法は未定だが、「きんねこ」防具の色違いバージョンの「ぎんねこ」防具の実装を予定しているという。




■ 絶島主「ラヴィエンテ」と戦える先行体験会

 
16人のハンターで挑んだ超巨大なモンスター「ラヴィエンテ」

 イベントの最後には、「シーズン7.0」の先行体験会が開催された。内容は、イベントモンスターの「ラヴィエンテ」の狩猟を5分間体験できるというもの。舞台となる新エリア「絶島」には、ベースキャンプ代わりの気球から移動するという形で、絶島の戦闘フィールドには別のエリアへ移動できるような場所は見られなかった。

 来場者のプレイ画面を見たところ、「ラヴィエンテ」は超巨大な蛇のような姿をしており、ハンター達を囲むように大きな円を描きながら回転していた。開始直後はただ回転しているという感じだったが、突如顔を上げて地中に潜っていったり、炎を吐いて攻撃してきたりしていた。炎が直撃したハンターは1撃で倒されていたので、攻撃力はかなり高いようだ。

 4人で胴体を攻撃しているハンター達のプレイ画面では、「ラヴィエンテ」が体を揺らしたかと思うと全員が一斉に気絶する場面も確認できた。「ラヴィエンテ」に対し、大剣で切りかかるハンターや、ランスでひたすら突進するハンターもいたが、与えたダメージが少なかったのか、怯むような動きは確認できなかった。

 「ラヴィエンテ」の狩猟を体験したハンターは、「大きすぎる」、「距離感がわからない」といった感想を口にしていた。1度倒されて復活してもすぐに倒されるハンターが続出しており、「あまりにも強すぎる」といった声も多かった。HR17以上から参加できるモンスターではあるが、ハンターの防御力が高いか、かなりのテクニックがなければ、クエスト終了まで生き残ることさえままならないモンスターといった印象だった。


出発は「パローネ=キャラバン」から。開始地点はベースキャンプ代わりの気球で、その後戦闘フィールドへと移動する
あまりにも大きく、攻撃力の高い「ラヴィエンテ」。近接武器、それとも遠距離武器?どの部位を狙えばいいのか?絶島のギミックとは何か?先行体験会によりさらに謎が深まったという印象が強い


(2009年 12月 7日)

[Reported by 日高文典]