HUE、MMORPG「AIKA ONLINE」クローズドβテストレポート
対人戦を楽しみたい人、可愛い「プラン」を育成したい人でサーバーは大盛り上がり

11月12日~16日開催




敷居の低さもあって、CBTにはたくさんのプレーヤーが参加した

 ハンビットユビキタスエンターテイメント(HUE)が運営する、Windows用MMORPG「AIKA ONLINE(エイカ オンライン)」のクローズドβテスト(以下、CBT)が行なわれた。テスト期間は5日間で、週末には大規模な国戦の負荷テストも実施された。

 「AIKA ONLINE」は、「WYD」などで知られる韓国のJOYIMPACTが開発したMMORPG。低スペックのPCでも1,000人対1,000人の大規模対人戦が楽しめるというクライアントの軽さと、サーバー内のチャンネルを国に見立ているのが特徴だ。戦争にはチャンネル内で国家の最高権力者「マーシャル」の地位を巡って争う「攻城戦」と、チャンネル間を行き来して「聖物」を奪い合う大規模な「国家戦」とがある。

 また、「プラン」という少女のような姿の自分の分身を育てる事ができる。「プラン」は成長していく過程でいくつかの性格にわかれていき、見た目や行動が変化する。「プラン」を育てたり、着せ替えをして楽しんだりするのも、このゲームの大きな楽しみの1つだ。

 CBTはレベルキャップが28、「プラン」の成長は第2段階までと制限はあったが、ゲームの2大要素「国家戦」と「プラン」の両方を試す事ができた。また序盤のキャラ育成にぴったりのインスタントダンジョン「ウスラ神殿」も紹介する。近くに行なわれる予定のオープンβテストから参加する予定の人も、このレポートを読んで参考にして欲しい。



■ 低スペックPCでもストレスフリー。クライアントは驚きの軽さ

100人以上がひしめき合った「国家戦」イベント
闇の勢力「ゼレニス」との戦い。街から離れると異形の化け物がうろつく荒野が広がる

 「AIKA ONLINE」を始めてみようと思う人は、2,000人規模で行なえるという大規模対人戦に興味を持ったか、育成できる分身「プラン」に惹かれたかのどちらかだろう。また、豊崎愛生さんや沢城みゆきさんら人気声優がキャラクターの声を担当しているのも、注目点の1つだろう。

 しかし何より驚かされるのは、クライアントの軽さだ。本作は、推奨環境のCPUがPentium 4 1.8GHz以上と非常に低い事でもわかるように、かなり低スペックのPCでも動作する。最近のオンラインゲームが動く環境なら、大規模戦でもほとんどストレスを感じる事がない。

 大規模対人戦を売りにしているゲームは多いが、いざ大人数が集まるとキャラクターが消えて見えなかったり、ラグが酷かったり、サーバー障害が発生したりと、プレイのストレスになる事は少なくない。「AIKA ONLINE」でも負荷テストでラグが発生するシーンはあったが、日曜に行なわれた「国家戦」では、ほとんどストレスなく大規模戦を楽しむ事ができた。クライアントの軽さは間口の広さにつながるので、CBTには多くのプレーヤーが参加しており、戦争イベント中はずっとチャンネルは「混雑」や「飽和」が続くほどだった。

 まずはそんな本作の基本的な設定を紹介する。舞台となる「ラキア島」は神の力で空中に浮かぶ天空島だ。「ラキア島」はかつて「アルカン大陸」の1部だった。しかし「ゼレカ」という種族との戦いで、大陸に「ゼレカ」を封印し、人間は天空に浮かんだ島で生きる事になった。その戦いから300年が過ぎ、「ゼレカ」の封印は弱まり、島は「ゼレカ」の生み出した配下「ゼレニス」やモンスターたちの軍勢に侵攻されている。プレーヤーは「ラキア島」を守る戦士「エルタ」として島に降り立ち、軍に所属して任務をこなしていく事になる。




■ 6種類のクラスと、5つの国家から自分に合った1つを選ぶ

6つのクラスはすべて「エルタ」と呼ばれる軍人だ

 プレーヤーが選べるのは6の職業で、職業によって性別と武器、声が固定だ。外見は顔と髪型が数パターンから選べる。「ウォリアー」と「クルセイダー」は剣を使うクラス。「ウォリアー」は攻撃特化クラスで、「クルセイダー」は盾を持ってパーティーの壁となる存在。回復魔法も使う事ができる。「スナイパ-」と「デュアルガンナー」は銃を武器に戦うクラス。「ナイトマジシャン」と「プリースト」はそれぞれ攻撃型と回復型の魔法使いだ。

 近接攻撃職の「ウォリアー」と「クルセイダー」は対人戦では不利になるせいか、CBTでは「デュアルガンナー」や「スナイパー」、「プリースト」などが多かった。銃は遠距離から連続攻撃が可能で使い勝手がいいが、常に弾を補充しなければならないぶん多少他のクラスよりもコストがかかるクラスといえる。

 キャラクターを作ったら、次に国家を決定する。5つある国家は名前が違うだけで、基本的な構造は全て同じだ。レベル10になって市民登録をするまでは、所属国家はないので通常のチャンネルと同じような感覚で自由に選んでも問題ない。CBTでは国家の中には更に3つのチャンネルがあり、そのうちの1つは「国家戦」に使用する戦争用のチャンネルだ。戦争用のチャンネルも基本的には他のチャンネルと同じだが、フィールド全域がPvP地帯になるので、常に襲われる危険がある。


「ウォリアー」「スナイパー」
「デュアルガンナー」「ナイトマジシャン」「プリースト」


髪型のバリエーションは男女とも6種類ずつ。数はそれほど多くないが、個性的な髪型が多いのでかなり雰囲気が変わる



■ いい意味での曖昧さが、冒険の感動や発見の喜びを生み出す

テスト開始直後の初期街「レゲインシャイン」の広場は、早くもテスターで溢れていた
最初のクエストをくれるNPC。近くのキャラクターまで移動するといった、基本的な所から始まる

 序盤はソロでプレイすることになるので、全てのクラスに基本的な攻撃技能が備わっている。また、回復ポーションの再使用時間が短く、序盤に使うものは価格も安いので、回復ポーションを駆使してHPとMPを回復しながら戦う事になる。

 筆者は「クルセイダー」でプレイしてみた。ゲームをスタートしてすぐの頃は、まだ「プラン」を手にする事ができないので、1人で狩りやクエストをこなすことになる。攻撃の時にスキルを使うと「シャイニングサンサー!」と技名を叫んだり、「混沌の闇に飲み込まれろ!」とセリフを喋ったりする。エフェクトも派手で、オートバトルながら爽快感のあるカッコイイ戦闘を楽しめた。

 本作は、モンスターの強さを具体的な数字ではなく、名前の色で表現している。弱い敵なら青、同等なら黄色、強い敵なら赤や紫といったふうだ。また、クエストの位置も大まかな名前しかわからない。例えば「○○農場にいる○○を倒せ」といった形で、後は地図を見ながら農場へ行って目的を探す事になる。昨今では、オート移動や地図へのマーキングなど、親切すぎるほど丁寧に面倒を見てくれるMMORPGが多い中、少し突き放した形でヒントだけを提示している本作の方法は、逆に発見の喜びが味わえて好印象を受けた。戦闘レベルを表示しない方法と合わせて、あいまいさを楽しませようとしている感じがした。

 もう1つ狩りをしていて驚くのが、MOBの再ポップのスピードだ。CBT開始直後の混乱した状況の中でも、枯れる事がなかった。当然1人で狩りをしていると、ほぼエンドレスに敵が現われる。これがノンアクティブなら問題はないのだが、アクティブなモンスターだと次から次へと襲いかかってくるので、本当に間断なく戦闘が続く事になる。体力が続けば延々と続けられるので、経験値はどんどんたまっていく。ずっと同じ場所でわき続けるモンスターを倒し続けていれば知らないうちにレベルが上がるといった感じで、クエストをこなしていく速度よりも、レベルアップの方が早かった。

 クエストは「レゲンシャイン」の街と、フィールドのNPCの両方から受ける事ができる。クエストを順番にこなしていけば、武器の修理やアイテムの制作と強化、「チェンジング」や「レベル緩和」などのシステムが一通り体験できるようになっている。「チャンジング」はアイテムの外見を変更するシステムで、お気に入りの見た目を別の装備に移し替える事ができる。「レベル緩和」は武器や防具の適正レベルを下げるもので、うまくいけば本来は装備できないレベルのものが装備可能になる。修理以外のシステムはそれぞれ専用の触媒が必要になる。アイテムの強化は、失敗すればアイテムが消滅したり、ステータスが下がったりしてしまう。

 各クラスのスキルは「レゲンシャイン」にいる「スキルマスター」から覚える事ができる。スキルを覚えるには、レベルアップの時にたまっていくスキルポイントが必要だ。スキルは1度覚えれば終わりではなく、レベルを上げて強化していく必要がある。そのため、レベルアップで得られるスキルポイントは常に不足気味だ。スキルを覚える際には、必要なものを見極めながら慎重に選んでいった方が良さそうだ。


街中のチュートリアルクエストが終わったら、外へ出てみようすぐ近くの農場を荒らす「ボア」を退治してくれと頼まれるスキルで攻撃をすると、キャラクターが技名やかっこいいセリフを口にする
頭の上に五芒星のマークが浮かんでいるキャラクターに話しかけると、死亡した時の復活位置を変更できるクエストをくれるキャラクターや、クエスト対象のキャラクターは頭上にそれをしめすアイコンが浮かんでいる話しかけると対話画面に切り替わる。「クエスト」を選択すると受託できる
アイテム分解を行なうと各種エキスや、生産材料が手に入る「レベル緩和」のクエストでは1回だけかかった費用をキャッシュバックしてくれる生産は、NPCに材料を持って行くことで行なう
スキルは「レゲンシャイン」にいる「スキルマスター」から覚える「スキルポイント」を振り分けて、スキルを覚えたり強化したりしていく



■ パーティープレイを楽しめるインスタントダンジョン「ウスラ神殿」

「ウスラ神殿」は、「レゲンシャイン」から直接ワープできる場所にあるお手軽なダンジョンだ

 「ウスラ神殿」は「レゲンシャイン」からテレポーターで移動した場所にあるインスタントダンジョンだ。難易度はノーマルとハードの2種類あり、別のクエストが用意されている。1人で入ることはできるが、基本はパーティーでの攻略になる。CBTでは、入り口にGMが現われて、挑もうとしているプレーヤーの質問に答えていた。

 中には4体のネームドモンスターがいる。ノーマルコースはレベル10~16程度のパーティーが30分ほどでクリアできる程度の難易度。序盤にフィールドで受けられるクエストは、ほとんどがソロプレイでクリアできてしまうので、ここが初めてのパーティー体験になるプレーヤーは多い。CBT中も、ノーマル、ハード共に盛んにシャウトなどでパーティー募集が行なわれていた。


入り口でパーティーを組んで入場した
内部にはネームドモンスター4体を含む巨大なモンスターたちが蠢いている



■ 会話のパターンも豊富で、「プラン」とのコミュニケーションを楽しめる

「プラン」の契約主にふさわしいかを見極める前提クエストは制限時間が1時間。「プラン」を手に入れるのは簡単ではないのだ
ようやく手に入れた「プラン」。最初に名前を決める。キャラクターの名前と同様、他の「プラン」とは重複できないので、ここでも名前取り競争が起こりそうだ
「プラン」はアイテムとしてインベントリに入っているので、装備画面右下のスロットにセットすれば現われる
「フェアリー」形態の「水のプラン」

 プレーヤーがレベル7になると、「プラン」を受け取るためのクエストが発生する。「プラン」は神が造った第4の種族で、プレーヤーの分身のような存在だ。1人のキャラクターは2人の「プラン」と契約を結ぶ事ができる。ただし連れ歩くには、装備画面にある「プラン」用のスロットにセットする必要があるので、2人を同時に出すことはできない。

 「プラン」は使えるスキルによって、「火のプラン」、「水のプラン」、「風のプラン」の3種類にわかれている。契約のクエストを受ける時に、どれか1つを選ぶ。「火のプラン」は火属性と攻撃力を高めるバフ(強化スキル)を使う。「水のプラン」は水属性と防御力を高め、「風のプラン」は風属性とともにMPの消費量を減らしたり回避力を高めるバフを使う。「プラン」は攻撃ができない種族という設定なので、使うスキルはすべてプレーヤーをサポートするものになる。

 契約のためのクエストは、欲しい「プラン」に合わせて「水のエキス」、「火のエキス」、「風のエキス」を必要量集めるというものだ。エキスはモンスターからのドロップ、時々道に落ちている「古い木箱」からのドロップ、アイテムの分解などで入手できる。取引可能なので、プレーヤーから購入してもいいだろう。最初こそ入手に苦心したが、レベルが上がってくるといつの間にかインベントリに貯まっているようなものなので、慣れてくればこのクエストで苦労する事はないだろう。

 入手してしばらくは「フェアリー」という小さな妖精の姿をしている。この段階ではスキルが使えず、ただプレーヤーの周りを飛んでいるだけだ。しかしとてもおしゃべりで賑やかな性格をしているので、クエストNPCとの会話に口をはさんできたり、クエストの内容についてあれこれ文句を言ってみたりとかしましい。時には「プラン」の方から話しかけて来る事もある。右下にある「プラン」の顔アイコンに小さな吹き出しが付いているのが、会話の合図だ。会話はちょっとしたクイズだったり、好みを聞いてきたりと他愛ないものだが、この繰り返しが将来の性質を決めるので、回答はいろいろと考えてしまう。敵に囲まれて死闘を続けている時に、のんきに話しかけて来る事もあった。もちろん安全な場所まで移動してからゆっくり話を聞けばいい。

 「プラン」のステータスには「満腹度」があり、30%付近になるとおなかがすいたと申告してくる。街やフィールドの売店に売っている専用の「おやつ」で回復させてやらないと、スキルが使用できなくなり、HPとMPが自動で回復しなくなる。さらに満腹度が下がると、勝手に街にある「プラン待機所」に戻ってしまう。おやつをあげると可愛い声で喜んでくれるので、惜しみなく与えよう。

 「プラン」を連れて戦闘を行なうと「プラン」の経験値もたまっていき、「プラン」がレベル5になると「進化」のためのクエストが発生する。このクエストをクリアすると「プラン」は「フェアリー」から「幼児期」へと進化を遂げる。「幼児期」に入った「プラン」は、プレーヤーの後ろをついて来るようになる。戦闘時には声を出して応援したり、心配したり、励ましたりしてくれるようになる。また、右下のショートカットにセットしたアイコンをクリックすれば、セットした技能を使ってくれるようになる。

 また、「幼児期」になると、服や帽子などでおしゃれを楽しむ事ができるようになる。CBTでは衣装の種類は限られていたが、それでも早速髪型を変えたり、ぬいぐるみを持たせたりとそれぞれのプレーヤーが思い思いに「プラン」を飾っていた。「プラン」をレベル5まで育てて進化させるのは、プレーヤーはレベル10を超えてそろそろゲームに慣れてきた頃だ。戦闘に「プラン」のスキルという要素が新たに加わり、一段と深みを増す。

 CBTでは「幼児期」までしか成長させる事ができなかったが、更に育てていけば、やがて「青年期」、「完成期」へと育っていく。「青年期」になると性格に個性が生まれて、「かわいいプラン」、「セクシーなプラン」、「知的なプラン」、「活発なプラン」、「タフなプラン」、「堕落したプラン」の6つに分岐するということだ。


「プラン」がいると、NPCとの会話もいっそう賑やかになる
いきなりクイズを出してくる事もある。いい加減な回答をすると、鋭いつっこみも……

レベル5まで育てると、「進化」のためのクエストが始まる。「進化」させなければ、これ以上の経験値は貯まらない
クエストが無事終わると、晴れて「幼児期」の「プラン」へ進化する
アップの鑑賞モードも使えるようになる
姿は変わっても、おしゃべりなのは相変わらずだ



■ プレーヤーが話し合い、協力して戦う「国家戦」の醍醐味

「前哨戦」に参加するために、戦争用チャンネルに集まったプレーヤーたち
「ティアマトゲート」付近の攻防は熾烈を極めた

 本作には「攻城戦」と「国家戦」という2つの大規模対人コンテンツが用意されている。このうち、CBTで開催された「国家戦」は、5つの国家が、それぞれの国家が所有する「聖物」を奪い合うというコンテンツだ。「聖物」は全部で15種類あり、それぞれが固有の効果を持っている。その効果は、国家に所属していると「国家バフ」という形でプレーヤーのステータスに常時ボーナスが付加される。初期状態では1つの国家が3つの「聖物」を所有している。

 「聖物」は「アマルカント」という地域にある「アマルカントデビール」という施設に保管されている。「国家戦」で勝利するには、「ティアマトゲート」がある「ペルペリン三叉路」から細い道を通って「アマルカント」へ侵入し、プレーヤーの妨害やMOBを避けつつ「アマルカントデビール」にたどり着き、攻撃して中に入っている「聖物」を取り出し、それを無事自国まで持ち帰らなければならない。

 CBTではまず土曜の夜に「国家戦 前哨戦」という形で“負荷テスト”が行なわれた。内容は、それぞれの国に所属しているプレーヤーが、GMの指示に従い所定の国に攻め込むというもの、開始時間になると、他国へのワープポイントとなる「ペルペリン三叉路」の「ティアマトゲート」に人が押し寄せた。

 「前哨戦」は特に目的がなかったこともあり、「ティアマトゲート」の周囲に同心円状に広がる対人禁止エリアと、対人エリアの境を挟んで、2時間の開催時間中睨み合いが続いた。何度か包囲を破ろうと突撃も行なわれたが、包囲網は厚く、それほど進むことなく壊滅されるという状況があちこちで繰り返された。

 何百人ものプレーヤーが狭い場所にひしめき合っている状態だったので、サーバーこそ落ちなかったが、ショートカットアイコンを押してもすぐにはスキルが発動しないほどのラグが発生してしまった。本来は21時から23時の予定だったが、サーバー負荷が限界に達したとの理由で、22時に終了した。


「前哨戦」が開始されると、いっせいに「ティアマトゲート」を目指して走り出す
ゲート周辺の対戦禁止地帯を取り巻いて、小競り合いがが続いた

「国家戦」では「アマルカント」にある「聖物」の保管所「デビール」の防衛が非常に重要になる
「アマルカントデビール」が攻撃されていると、その国に所属していればどこにいてもメッセージが表示される

 翌日に行なわれた「国家戦」は、「前哨戦」が「ティアマトゲート」付近で睨み合いが続き、対人コンテンツとしては退屈なものになってしまった、という反省からルールが変更された。本来は2時間の予定だったが、21時から翌日の18時までを「国家戦推奨期間」として、18時の時点でもっとも「聖物」を多く所有している国家が勝利する事になった。

 「国家戦」は戦場となる範囲が広い事もあり、「前哨戦」で感じたラグはほとんど感じなかった。深夜にはかなり減ったが、それでも数十人単位の小競り合いがあちこちで起こっていた。結果的には人数の多かった「ロードス」と「インターラーケン」の2国家が「聖物」5個ずつの同率勝利となった。

 「国家戦」では「ナイトマジシャン」の範囲魔法が猛威をふるうシーンが多く見られた。近づかなければ攻撃できない「ウォリア-」と「クルセイダー」は不利で、姿を消すハイドスキルが使える「デュアルガンナー」は、NPC守護兵を超えてソロでPKに来ていたりもした。CBTでは国家チャットが使えなかったので、会話はシャウトで行なわれたが、夜半を過ぎる頃には早くも役割分担ができていて、国家のまとまりを感じられた。攻めと守りのどちらを重視するのかといった議論もかわされていた。正式サービスが始まり、「国家戦」が繰り返されるようになっていくと、その中から戦略や戦術が生まれて、さらに熱い駆け引きが展開していくのかもしれない。


「聖物」の取得状況は、国ごとにリアルタイムで確認することができる
「アマルカントデビール」を護る防衛隊
奪われた「聖物」を取り戻すべく侵攻する攻撃隊



■ 序盤の出来は期待通り。どれだけ人数を集められるかが、楽しさの鍵か?

風景の作り込みは緻密で、スペックの低さを感じさせない

 今年最後の大作として期待を集めていただけに、CBTの参加者は非常に多かった。そのおかげで「国家戦」も盛り上がり、本作の売りである大規模対人戦をたっぷりと味わう事ができた。

 本作は、どちらかと言えば狩り寄りのゲームで、対人コンテンツは「攻城戦」と「国家戦」という大規模用のものだけだ。積極的に戦争チャンネルに行かなければ、対人戦にまったく関わらずにプレイし続ける事もできる。だからこそ、対人コンテンツに常に人を集める運営上の努力も必要になりそうだ。人が集まれば、間違いなく面白い。後は集まるかどうかだけだ。

 また、レベルアップがハイエンドコンテンツである対人のためだけではなく、「プラン」を育成するという過程を楽しむ要素のために存在しているのもいい点だ。プランは2人まで持てるが、サブキャラ用に性質の違う「プラン」を育てたり、と何度も繰り返して楽しめそうだ。

 グラフィックスも、このレベルのスペックで動くゲームにしては出色の出来だと言える。CBTでは日本へのローカライズが半ばのままで、日本語がおかしな部分があったり、枠に入りきらずにレイアウトが壊れている部分があったが、そういった所が改善されて完成度が高まっていけば、前評判通り、気軽に遊べる高品質のMMORPGとして独自のポジションを築いていけそうだ。


(c)2000-2009 JOYIMPACT Co.,LTD/Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

(2009年 11月 21日)

[Reported by 石井聡]