NCJ、WIN「リネージュ II セカンドスローン Plus 祝福されし力」先行体験レポート
「夢幻の結界」の実装や狩り場のリファインなどを実施


10月6日 アップデート実施予定


 エヌ・シー・ジャパン株式会社は、Windows用MMORPG「リネージュ II」において、大規模アップデート「セカンドスローン Plus 祝福されし力」を10月6日に実施する。

 「セカンドスローン Plus 祝福されし力」では、レベル80以上のプレーヤーに向けて新たな狩り場が実装される。またこれまでにプレーヤーから寄せられた意見や要望を反映し、狩り場のリファインや、郵便システムの実装、スキルエンチャントの仕様変更など、ユーザーの利便性の向上を図ったアップデートとなっている。

 7月に開催された「エヌ・シー・ジャパンが行く! in 名古屋 リネージュ II編」の中で既に発表されたアップデート内容もあるが、今回はより詳細にお伝えする。




■ 新狩り場「夢幻の結界」と多数の狩り場がリファイン

 新たな狩り場となる「夢幻の結界」は、6つの空間で構成されたインスタントダンジョン。入場条件は、レベル80以上のプレーヤーによる2人から9人までのパーティで、各村にいるパスファインダー要員を通じて入場できる。

 「夢幻の結界」は、東・西・南・北の結界が4つと、広場の結界、塔の結界の計6つに分かれており、どれか1つを選択して入場する。結界の内部は、四方を囲まれた1つのエリアになっており、一定時間1つのエリアに留まり、そこに出現するモンスターを倒し続けた後で新たなエリアに進む。流れとしては「次元の狭間」の高レベル版といった位置づけとなっている。

 担当者によると、結界ごとに出現するモンスターの弱点に傾向があり、プレーヤーのパーティ構成によって狩りの効率が変わってくる仕組みになっているという。結界を選択すると、有利に戦えるクラスに関するコメントが表示されていた。

 6つの結界のうち、広場と塔の結界は難易度が高く設定されており、このうち1つのエリアには、レイドモンスターの「アエンキネル」が出現する。この「アエンキネル」を討伐すると、アイテム「ガイディングポピーリーフ」が手に入り、それを結界の守護者に持っていくことで、S80防具「ダイナスティ」の各部位と交換できる。

 「夢幻の結界」は狩り場という位置づけで、何度でも繰り返し挑戦できるが、広場と塔の結界のみ、「アエンキネル」を倒した場合、そのインスタントゾーンが討伐したパーティに1日間帰属する。

 体験プレイではレベル85のキャラクター2人で東の結界に入場してみたが、戦闘開始と同時に複数の敵に囲まれ、あっという間に倒されてしまった。担当者によると、5人パーティで入場した際もすぐに全滅したそうで、パーティの組み合わせや、モンスターに合わせたスキルを上手に使うことで攻略できるようになっているという。


【スクリーンショット】
「夢幻の結界」には、各村にいるパスファインダー要員を通じて入場する。内部はロビーのような構成で、結界を選択して狩り場に移動できる
結界の内部に移動した瞬間はモンスターが存在しないが、数秒後に一斉に出現して襲い掛かってくる。「次元の狭間」の仕組みと非常に似ている


 また既存の狩り場「恥辱の埋葬地」、「悪霊の棲処」、「スタッカートの巣」、「太古の島」、「『静寂の草原』・『囁きの草原』」、「ミスリル鉱山」、「巨人たちの洞窟」、「神々の火鉢」が新たにリファインされ、出現モンスターのレベル調整や出現ポイントの変更などが行なわれる。

 リファインの目的は、高レベル帯のプレーヤーの狩り場不足の解消としており、いずれもキャラクターレベル76以上推奨の狩り場に生まれ変わっている。狩り場ごとに、ソロ推奨かパーティ推奨か、どのクラスが有利に戦えるか、といった区分けもされている。


【リファインされる狩り場】
狩り場推奨レベル推奨人数推奨クラス
恥辱の埋葬地81以上パーティ槍系のクラス
悪霊の棲処81以上ソロ近距離物理攻撃クラス
スタッカートの巣82以上パーティ全クラス
太古の島78以上ソロ/パーティ遠距離魔法攻撃クラス
静寂の草原・囁きの草原83以上ソロ遠距離魔法攻撃クラス
ミスリル鉱山81以上ソロ遠距離物理攻撃クラス
巨人たちの洞窟80以上パーティ近距離物理攻撃クラス
神々の火鉢76以上パーティ遠距離魔法攻撃クラス


 ちなみに、パーティ推奨の狩り場ではハーブが入手できないが、ソロ推奨の狩り場ではハーブが入手できるという違いもある。今回体験した「『静寂の草原』・『囁きの草原』」では、強力な補助効果をもったアイテム「太古のハーブ」が入手できる仕組みなのだという。

 ハーブ以外にも、「悪霊の棲処」では「カーシャの目」という特殊なモンスターが、狩り場のプレーヤー全員に強化の呪いをかけてきたり、条件を満たした1人のプレーヤーだけに「闇の呪術師バランカ」と戦えるチャンスが与えられたりと、リファインされた狩り場にはそれぞれ特殊なギミックが取り入れられている。


【スクリーンショット】
リファインされた狩り場「『静寂の草原』・『囁きの草原』」。モンスターのグラフィックスも変更されているこちらは「カーシャの目」という特殊なモンスターが出現する狩り場「悪霊の棲処」



■ 郵便システムやスキルエンチャントなどユーザーの要望を反映

郵便を送ると、光り輝く手紙がプレーヤーの周囲を回りながら飛んでいく

 ユーザーの意見や要望が反映された新たなシステムも追加されている。まず、遠くの人にアイテムを送れるようになる郵便システムが搭載される。郵便システムはメニューから選択可能で、送付、受け取りともにピースゾーンであればどこからでも利用できる。アイテムを送るだけでなく、メッセージの送信もできる。郵便システムの利用には、送料を支払う必要がある。送料はアイテムの重量が重くなるほど高くなり、体験時には重さ10のアイテムで120アデナ、重さ20のアイテムで140アデナとなっていた。

 郵送方法には、郵送先に送るだけの「一般郵便」と、相手からアデナを徴収できる代金引き換え方式の「代引」の2種類がある。オフライン状態の相手への送付も可能で、「代引」はプレーヤー同士のアイテム売買にも便利に使えそうだ。ちなみに送付されたアイテムを15日以内に受け取らなかった場合は送り主に返送され、さらに返送されたアイテムを15日以内に受け取らなかった場合は、自動的に返送されたキャラクターの個人倉庫に預け入れられる。

 アイテムに関連したものではもう1つ、アイテムの買戻しシステムが追加される。これは、NPCとのアイテム売買の際に、誤ってアイテムを売ってしまっても、もう1度買い戻せるというもの。接続を終了してしまうと買い戻せなくなってしまうが、接続を維持していれば、最近売ってしまったアイテムを12個前までさかのぼって買い戻せる。

 次にスキルエンチャントでは、専用のNPCを利用することなく、スキルウインドウから利用できるようになる。さらに経験値の代わりにアデナを消費するシステムに変更される。戦場エリアや戦闘中以外であれば、どこにいてもスキルエンチャントが可能になり、利便性がさらに向上する。

 他には、狩り場「太古の島」のリニューアルに伴い、そこで入手できる「太古の生命石」を使って召喚できるペット「デイノニクス」が実装される。担当者によると、能力的にはそれほど強いわけではなく、愛玩用のペットとして利用してもらいたいそうだ。またハントサポートペットに関しては、ペットと一緒に狩りをしやすいように、飼い主のキャラクターレベルが76以上でも経験値を奪われないように変更される。

 NPCに関連するものでは、一部のNPCでボイスが聞けるようになる。NPCに話しかけると、「偉大な冒険家よ! 闇から押し寄せる者達に気をつけろ!」などといったボイスが流れた。さらに再度話しかけると違うセリフを話し、1人のNPCにつき複数のセリフが用意されているのが確認できた。

 また今回のアップデートで追加・リファインされた狩り場に関しての詳細な情報を教えてくれたり、狩り場までテレポートさせてくれるNPCとして、新たに「キーテーナ」が各村に追加される。色々と教えてくれるので、アップデート後にはまず「キーテーナ」を尋ね、今回のアップデートのバックストーリーについて理解するといいだろう。


【スクリーンショット】
郵便システムのインターフェイス。アイテムを送るだけでなく、メッセージだけでも送信できるスキルエンチャントのインターフェイス。ウインドウから飛び出るようにNPCが表示されている
新たなハントサポートペット「デイノニクス」。「太古の島」で入手できるストーリーテラーであり、テレポーターでもある「キーテーナ」



■ ほかにも盛りだくさんな内容のアップデート

 これ以外にも、「セブンサイン エピッククエスト」の追加や、それに伴うムービーの挿入など、クエストの演出部分にも力が入れられている。ムービーは実際のゲーム画面を利用したリアルタイムレンダリングと、イラストを使ったものの2種類があるという。中には、今まで慣れ親しんでいたNPCが動きまわっている姿が見られる場面もあるそうだ。


【スクリーンショット】
「セブンサイン エピック クエスト」で挿入されるムービーの一部。「リネージュ II」の神話に登場する屈強なキャラクターが描かれているほか、何か儀式を行なっている姿が確認できる


 他にも仕様変更として、ボスモンスターの「ザケン」の討伐の舞台がインスタントダンジョンに変更された。「大海賊の密室」の入口にいるパスファインダー要員を通じて入場可能で、入場時には昼の「ザケン」と真夜中の「ザケン」を選択できるという。これによって昼と夜の切り替わりを長時間待つ必要がなくなる。

 また「ザケン」の攻略制限時間は、昼の「ザケン」が1時間、真夜中の「ザケン」が6時間となっている。討伐にかかった時間が短いほど報賞の入手確率が上がる仕組みで、プレーヤーの腕が問われるシステムとなっている。

 キャラクター育成に関連するアップデートとして、バイタリティシステムの仕様が2点変更される。まず3、4段階のバイタリティの持続時間が長くなる。そしてキャラクターレベルが76以上の場合、狩りの際に消耗するポイントが大幅に下げられる。

 職業のバランス調整は、パーティに参加しにくいクラスがあることを緩和する狙いで行なわれる。レベル76以上の3次転職を終えた「カーディナル」、「エヴァス セイント」、「シリエン セイント」が、他のヒーラークラスのスキルを習得できるようになる。

 仕組みは、3次転職を終えた際に与えられる「ホーリー フォーマンダー」というアイテムを、スキル習得用NPCに1つ渡す代わりに1つのスキルが覚えられるというもの。「ホーリー フォーマンダー」は、「カーディナル」に1つ、「エヴァス セイント」に1つ、「シリエン セイント」に4つ与えられる。既に3次転職を済ませているプレーヤーに対しては、アップデート時にインベントリ内に支給される。

 「セカンドスローン Plus 祝福されし力」は、新たな要素を楽しんでもらう拡張的なアップデートとは違い、これまでに慣れ親しんだゲームをより深く掘り下げ、ユーザーがさらに楽しめる環境作りに注力している。お伝えした要素以外にも、多岐に渡る仕様変更が行なわれる予定なので、期待していただきたい。


【スクリーンショット】
様々な狩り場がリニューアルされたことで、低レベル時に通った思い出の狩り場で再度戦えるようにもなった


Lineage II and Lineage II the Chaotic Throne are trademarks of NCsoft Corporation. 2003 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Throne in Japan. All Rights Reserved.

(2009年 10月 2日)

[Reported by 日高文典]