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まさに“新次元のライブ”。2次元アイドルがリアルタイムでパフォーマンス

衝撃の「AR Performers βLIVE」レポート

4月16日 開催

会場:ベルサール秋葉原

イベント後に登場した内田氏(右)は、制作陣とファンに深く感謝の言葉を述べた

 ユークスは、4月16日、東京・ベルサール秋葉原でライブイベント「AR Performers βLIVE」を開催した。ここでは当日3回行なわれた公演のうち、ラストとなる第3回公演の模様をレポートする。

 ライブ内容の前に、まず「AR Performers」というプロジェクトについて紹介する。「AR(拡張現実)のパフォーマー」という言葉のとおり、このプロジェクトにはキャラクターデザイナーやCGクリエイター、ミュージシャン、ボイスアクター、アクター、ダンサー、ゲームクリエイターなどが参加し、アーティストを創造。そのアーティスト達が、最新の映像技術によってライブを展開していくという内容だ。

 この“新たな形のキャラクターエンターテインメントプロジェクト”をプロデュースするのは、現実生活と強くリンクした恋愛ゲーム「ラブプラス(KONAMI)」シリーズを手がけてきた内田明理氏。内田氏が数年来の夢だったという「現実と仮想の境を超えるキャラクター」のデビューとなったのが、今回の「AR Performers βLIVE」だ。

 ライブは王子様キャラであるシンジからスタート。青のサイリウムに包まれた会場で、シンジはメロディアスなダンスナンバー「The World Is Mine」を歌い踊って「AR Performers」の門出を見事に飾った。

 驚異的だったのがMCパート。司会との掛け合いにおいて、リアルタイムに身振り手振りを交えてトークをこなすさまは実在する人間そのもの。会場の声援に手を振り、誕生日を迎えたというファンに対して「ハッピーバースデー」のコールで祝福するなど、アイドルらしい立ち居振る舞いも自在だ。

 なおトーク中には「好きなものはコンビニのささみサラダ」、「なりたいものはコンビニ店員」、「野望は世界征服」といった事実も判明。ファンから「好き!」、「お持ち帰りされたい!」などの黄色い声が上がるなか、シンジは「またステージで会いましょう!」という言葉を残して一旦舞台を降りた。

著名な作曲家とオペラ歌手の間に生まれ、幼いころ英才教育を受けてきたというシンジ
パフォーマンス中には背景のスクリーンにエフェクトやコメントが表示される

【The World Is Mine 歌詞(SHINJI)】

 続いて登場したのはナルシスト系のレイジとワイルド系のダイヤによるユニット・REBEL CROSS。長い付き合いで互いに「兄弟同然」だと語るふたりは、激しいロックナンバー「THE KISS」で息の合ったパフォーマンスを見せる。

 ふたりの絶妙なコンビネーションはMCでも同様で、レイジのハイレベルな言動に対してダイヤがツッコむ場面もちらほら。押しの強いふたりによる愛の告白も飛び出し、シンジとはまた違った魅力を提示していた。

出自はおろか、身長や体重などのプロフィールも謎に包まれているレイジ
ストリートダンスやギターなどもこなす、多才なダイヤ
「THE KISS」を歌うREBEL CROSS。衣装はどちらも自作だという
「お前ら」呼ばわりなど、ファンに対して“オレ様”な言動を繰り返すふたり……でも会場からは大歓声!

【THE KISS 歌詞 (REBEL CROSS)】

 なお、この2組のライブ中、一部の観客にはスマートフォンが貸し出され、背景に表示されるエフェクトに合わせて端末を振ると応援ポイントが貯まる……というリズムゲームの要領で楽しむ企画も進行した。第3回公演では252,780対245,300となり、シンジが僅差で勝利。ふたたび登場したシンジが、特技だという口笛を披露してイベントは終了した。

ステージに再登場し、応援してくれたファンに感謝するシンジ

 このように実在するアイドルと同様のステージを、CGのアイドルが行なった「AR Performers βLIVE」。筆者個人の感触としては、手法は違えど同様の挑戦をしている初音ミクや「ラブライブ!」のライブを初体験したのと同等の衝撃を受けた内容となった。

 タイトルに「β」と付いているように、まだまだエキシビジョン的なボリュームではあったが、“2次元アイドルによる本当のライブ”の魅力を十分に感じさせた本公演。ラストに内田氏やシンジが新メンバーを追加してのライブなどの展開も予定されているとコメント。その機会には、男女問わず“未来のライブ”を体験したい人はぜひ参加してほしい。

(はるのおと)