ニュース
米Razer、外付けGPUを可能にするエンクロージャー「Razer Core」を公開
Razer Bladeがついにデスクトップパフォーマンスを手に入れる!
(2016/3/18 14:24)
米Razerは米国時間の3月16日、ノートPCにデスクトップPCを接続するためのグラフィックスエンクロージャー「Razer Core」を4月より発売することを明らかにした。同日よりRazerZone.comにて予約受付を開始し、価格は対応ゲーミングノートPCとのセット購入で399ドル、単体で499ドル。
Razerは、GDCの開催に合わせて、GDC会場から徒歩数分の場所にある米国ヘッドクォーターを解放し、「Razer Core」をはじめとしたデベロッパー向けのお披露目イベントを開催した。ゲーミングノートPC「Razer Blade」の最新モデルや今年新たにラインナップに加わった薄型軽量モデル「Razer Blade Stealth」に、GeForce GTX 980 を搭載したRazer Coreを接続し、「Fallout 4」を最高設定で楽しむことができた。
「Razer Core」は、Thunderbolt 3経由でノートPCと接続することで、ノートPCでもデスクトップGPUのパフォーマンスが得られるグラフィックスエンクロージャー。「Razer Core」本体には、ノートPCと接続するためのType-CのThunderbolt 3端子に加えて、USB 3.0ポートが4つ、LANポート(Gigabit Ethernet 10/100/1000)が1つ付いており、さらにGPUを駆動するために500Wの電源を搭載。USB 3.0にゲーミングキーボードやゲーミングマウスを接続することで、デスクトップPCとほぼ同等のパフォーマンスでPCゲームが楽しめる。
GPUの着脱は非常に簡単で、「Razer Core」後部の引き出し式のレバーを引いてケースから本体を取り外し、スロットにGPUを装着するだけ。Thunderbolt 3経由でノートPCに繋ぐことで、自動的に外付けGPUが優先され、デスクトップGPUを搭載したゲーミングノートとしてPCを使うことができる。ボディは総金属製で重量感があり、手にするとGPUなしの状態でもズシリと重い。底面には滑り止め機構が付いているが動く心配はまずなさそうだ。調べて見ると重量は4.94kgもある。
GPUはフルサイズ(最大310×152×44mm)のシングルカードを1枚差すことができ、GeForceなら、GTX 750、750 Ti、950、960、970、980、980 Ti、Titan X、AMDならR9 280、290、290X、300 Series、Nano、Furyと、現行のハイスペックGPUは一通り使うことができる。サポートする最大消費電力は375w。使用中は内部と下部がライトアップされ、いかにもRazerらしいデバイスだ。
注意点としては、「Razer Core」を接続するノートPCはThunderbolt 3なら何でも良いわけではなく、対応モデルしか接続できないところだ。具体的にはRazer Blade StealthとRazer Bladeの2モデルのみで、実質的にはRazer Blade向けの追加サービスということになる。担当者によれば日本市場でも販売していく予定ということだ。
実際にプレイした感じでは、まさに快適の一言だ。「Mac Book Air」ほどの薄さのRazer Blade Stealthで、「Fallout 4」が最高設定でヌルヌル動く。あまりに違和感があって後ろから見ているとトレーラーを再生しているように見えるほどだ。PC版ならではの60fpsの滑らかなかつ、エフェクトたっぷりのグラフィックスが、このコンパクトなボディで遊べるのは驚異的だ。
試しに「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」ベンチマークをダウンロードして回してみたが、フルHD、最高設定、フルスクリーンで8546で「非常に快適」という結果が出た。正直な所、GeForce GTX 980の結果としては物足りないが、GPU以外は、CPUをはじめすべてノートPC向けのアーキテクチャで駆動させているため、それらが足を引っ張っているためだと思われる。しかし、8546というスコアは、平均60fps以上を意味し、文字通り非常に快適に「FFXIV」が楽しめる。ノートでこのスコアはGeForce GTX 980M搭載のハイエンドゲーミングノートPCが必要になるため、素晴らしいスコアと言える。