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PSVRを買うともれなく226インチのTVが付いてくる?

PS4の遊び方を一新させるPSVRの新機能「シネマティックモード」を解説する

3月14日〜18日開催



会場:San Francisco Moscone Convention Center

 GDC2016でついに発売時期と価格が発表になったPlayStation VR。これに合わせてハードウェアとソフトウェアの仕様も次々に公開されている。とりわけ、発表以降、その存在を含めて謎に包まれていたプロセッサーユニットについては、「THE PLAYROOM VR」をはじめとしたソーシャルスクリーンに対応したVRタイトルの画面出力を担っているほか、シネマティックモードと3Dオーディオプロセッシングも担うことが明らかとなった。本稿では、PSVRの基本UIとなるシネマティックモードについて紹介したい。

こちらがシネマティックモードの初期設定画面。標準ではMサイズになっている
PSVRではメディアプレーヤーのメニューに「VR Mode」が追加され、全天球カメラの360度コンテンツがVRで楽しめる
発表会では、シネマティックモードの各種コンテンツを体験することができた

 シネマティックモードは、一言で言ってしまえばPSVRのOLEDでPS4を楽しむモードだ。スクリーンサイズはS、M、Lの3段階があり、それぞれ2.5メートルの距離から、視野角54度で117インチのモニター、視野角71.5度で163インチのモニター、視野角90度で226インチのモニター相当となり、標準ではMとなっている。

 技術的にはソニーの3Dヘッドマウントディスプレイ「HMZ」シリーズのテクノロジーが使われており、これでBlu-rayを視聴するとMサイズでも163インチ相当の大画面を目の前において視聴しているような迫力を得られる。もちろん、クロスメディアバーやPlayStation Storeの操作はもちろんのこと、Blue-rayの映像再生やPS4ゲームをプレイすることも可能で、自宅でも外でもなかなか味わえない100インチ超の大画面でPS4がフルで楽しめる。

 このモードが素晴らしいのはなんといってもTVがいらないところだ。PS4にPSVRを接続し、シネマティックモードで利用すれば、PSVR上のバーチャルスクリーンでPS4タイトルやPSVRタイトルのプレイはもちろんのこと、Blu-rayの視聴、静止画、動画や全天球カメラで撮影した360度写真や動画まで楽しめる。部屋が狭かったり、小遣いを全部ゲームにつぎ込んでしまい大画面TVが置けないというPS4ファンには素晴らしいプレゼントだ。

 おもしろいのは、この巨大なバーチャルモニターの位置を自由に変えられるところ。標準では大画面TVや映画館のように真正面の位置にバーチャルスクリーンが設置されるが、好きな位置に顔を向けてオプションボタンを押し続けることで“リセンター”できる。これにより、真上にバーチャルモニターを置いてベッドに寝転びながらPSVRを利用したり、横に置いて肩肘をつきながら映像を視聴したりなど、マニアックな使い方もできる。

 実際に試遊してみたところ、最初はPSVRではPS4と比較して解像度が半分になってしまうため、フルHDの映像やゲームの視聴はちょっとキツいかなと思っていたが、実際に試してみるとまったく問題なかった。むしろ眼前にドカンと広がる画面のデカさに感動することしきりで、担当者の説明も耳に入らずに映像に没入してしまった。やはり大画面は正義だ。

 では、設定画面でLサイズに設定して226インチにすればより楽しめるかというと、必ずしもそうでもないようで、VRはその仕様上、目の前の映像以外の解像度は落ちるため、視野角90度ともなると端のほうはぼやけて表示されてしまう。クッキリ見ようとすればそこに視点を移動させるしかない。視点を変えながらの視聴は当然のことながら疲れるため、シネマティックモードでは視点移動無しで視聴できるMサイズ(163インチ)を標準設定にしたという。

 今回はLサイズは設定そのものが選択できなかったため、担当者に聞く限りでは、Lサイズでは、パッと画面全体を把握する必要があるゲームでは若干厳しい感じで、全体の把握をそこまで要求されない映画や、中央のキャラクターのみを追えばいいアニメーションやイメージビデオなどで効果を発揮しそうだ。

【PSVRでメディアコンテンツを視聴する】
PSVRのOLEDでも同じ画面が表示されている
当たり前の話だがPSVRでは解像度が半分になるため、単純な写真の視聴はTVの方が綺麗になる
全天球カメラで撮った360度写真
全天球カメラで撮った360度映像

 デモではこのほかに、先述した全天球カメラで撮影した360度写真や動画も見ることができた。PSVRのシネマティックモードから視聴することで、まさにその場にいるような臨場感で360度写真や動画を楽しむことができた。

 360度動画については3Dオーディオに標準対応しているため、位置情報も含めてサウンドが鳴るため、その臨場感は凄まじいものがある。360度写真/動画の隣では、実験的に収録したというピアノとバイオリンのデュオの3Dオーディオデモも受けることができた。

 基本的には座って目の前のライブ演奏を楽しむだけのデモだが、顔を上下左右に移動させることで、音の位置が代わり、どの方向からどの楽器がなっているのかクッキリわかる。このクッキリ感は映像と完全にリンクするVRならではであり、見過ごされがちだがVRはその映像のみならず音声もVRで楽しむことができる。

 シネマティックモードは、今のPS4の機能をそのまま拡張してくれるPS4.5のような優れた機能だと感じた。VRコンテンツ以外にも楽しみ方が豊富に用意されているのは、プラットフォーマーとして20年以上活動してきたSCEならではと言える。PSVRを手に入れたら、VRタイトルに飛びつく前に、シネマティックモードでPS4コンテンツから楽しんでみるのもまた一興だ。

【PSVR設定画面】

(中村聖司)