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スマッシュヒット作「I Expect You To Die」に見る傑作VRゲームの作り方
プレゼンス再優先のゲームデザイン。VRならではの製作技法も?
(2016/3/15 16:53)
GDC 2016の初日、様々なVRコンテンツについてのノウハウが披露されたVRDCセッションの中から、2015年に最も成功したVRゲームのひとつである「I Expect You To Die」についての講演内容をピックアップしてみよう。
「I Expect You To Die」は2015年の夏にリリースされたVRスパイパズルゲームで、車中に閉じ込められた状況から脱出を図るというゲーム。狭い車内のあらゆる場所に仕込まれた各種の仕掛けがプレーヤーを死に追いやるトラップになっており、鋭い観察や工夫を凝らすことでピンチを脱していくというゲームシステムがとても楽しい。その秀逸な遊びの内容から、コンシューマーVR機器の発売に合わせてフルバージョンの登場が期待されている1本だ。
「Lessons Learned from I EXPECT YOU TO DIE: New Puzzles, New Hands 」と題されたこのセッションでは、本作を開発したSchell GamesのShawn Patton氏とJesse Schell氏が登壇し、開発にまつわるノウハウをつまびらかに披露した。
VRゲームではゲーム性よりもプレゼンスが重要!
VRを全く新しいメディアであると考えて本作の開発を行なったSchell Gamesの2人は、VRゲームにとって最も大事なものはプレゼンス(実在感)だと断言している。それも、ゲーム性そのものよりもプレゼンスのほうが重要だというから、ただごとではない。
つまり、こういうことだ。プレゼンスというのは、現実と見まごう感覚を与えてくれるVRだからこそ、得られるものだ。逆に言えば、そのプレゼンスが欠けているコンテンツは、VRゲームである必要がないのだ。それは平らな画面で遊ばせればいい、というのがSchell Gamesの哲学だ。
さて、そのプレゼンスというものはVRゲームにとって生命線である一方、非常にもろく壊れやすい感覚でもある。これは多くのVRゲーム開発者が共通して持つ問題意識だが、この講演ではプレゼンスを壊す要因として次の7項目が挙げられている。
1.モーションシックネス(VR酔い)
不安定なフレームレートや、ユーザーの意図によらないカメラの動作等によって誘発される。
2.操作方法の混乱
UIやボタン配置がわかりにくく、スムーズに操作できないと、そちらのストレスに気を取られてしまう。
3.融通の効かないオブジェクトの相互作用
ドライバーだけでなく、ナイフでもネジを回せるべき。現実同様の自由度が確保されるよう、インタラクションはリッチに実装すべき。
4.激しすぎる演出
怖い演出が怖すぎるとか、ショッキングな演出が行き過ぎると、VRでは威力が高すぎ、ユーザーがその世界にいるのを拒否してしまう。
5.非現実的な音響効果
ネジが地面に落ちる音など、物理的に発生する音をきちんと再現しないと、存在感のなさに気づかれてしまう。
6.身体感覚からの断絶
VR空間内での姿勢と、現実のプレーヤーの姿勢があまりに異なる場合、両者の感覚がリンクせずプレゼンスが阻害されてしまう。
7.非直感的なインタラクション
オブジェクト等の操作が直感的でないと、そちらに気を取られてプレゼンスが削がれる。操作性の混乱と現象的には似ている。
「I Expect You To Die」も、はじめからこのすべての条件を満たして作られていたわけではない。当初のバージョン(およびDK2用として実際に配布されたバージョン)はマウス操作でプレイするように作られており、その操作性は非直感的で、開発者自身も「視界外のオブジェクトを操作するのも不可能だし、あまりいいものじゃなかった」と、その不完全さを認めている。
そこに救世主の如く現われたのがOculus Touchやのようなハンドプレゼンスを提供するVRコントローラーだ。当然ながら「I Expect You To Die」の最新バージョンはこれらのハンドプレゼンスデバイスを前提に開発が進められており、それを活かしたゲーム性についても本公演で語られている。
遊びの幅を広げるゲームシステム上の工夫と、VRならではのゲーム設計法
本作独自のゲームデザインとして面白いのは、普通に手でものを掴む、操作する、という以外に、超能力的な操作モードが用意されていることだ。
ひとつは、遠くにあるオブジェクトを操作できるテレキネシスモード。これを使えば視界に入っているオブジェクトなら距離に関係なく操作することができるため、ゲームステージの設計にかなりの自由度が出る上、遊びの幅も広がる。遠隔操作という超能力感も体験として楽しい。
もうひとつは、空中にオブジェクトを固定できるフリーズモード。これはマウス操作バージョンの時点から本作に搭載されているものだが、ハンドプレゼンスデバイス使用時でも同様の機能が使える。リアル感からはかけ離れてしまうが、複数のオブジェクトをからめたパズルを設計し、それをプレーヤーに解かせるというゲームプレイ設計上の自由度を大幅に広げてくれる工夫となっているのが面白い。
本作ではこういった工夫を通じて、高いプレゼンスを維持したまま、スパイパズルゲームとして可能な限り幅広い遊びを実現しようとしている。
こういった緻密なゲーム性をどのように実装し、テストして楽しさを確かめていくか。これは普通に考えると非常に難しい問題だ。複雑なパズルのシーケンスを実際に3Dシーンとして構築し、ゲームとして実装して試すのでは、開発中の試行錯誤のコストとして非常に高いものになってしまう。
そこでSchell Gamesスタッフの考えだした方法が本当にクレバーだ。名づけて「Brownboxing」というプロトタイピング法。Brownbox、すなわちダンボールでプレイエリアのモックを作って、設計したパズルを物理的な形で実際に試しながら、ゲームデザインを進めていくのである。この、これ以上なくVRゲームらしいプロトタイピングのスタイルには、会場の聴講者も大笑いだ。
プレゼンス=実在感が武器であり、生命線でもあるVRゲーム。プレゼンスを追求すればするほど、現実世界における物理的な体験との連続性が非常に高くなる。ということは、その楽しさは物理世界でシミュレートできるというわけで、そこに新たなゲーム開発の鉱脈が眠っていそうだ。そんな気付きを与えてくれた「I Expect You To Die」のセッションだった。































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