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「FFXIV」、韓国版PLLをG-STAR 2015会場から放送!

韓国ファンの動向データや、吉田氏が語る意外な開発秘話も

11月12日~15日開催



会場:韓国釜山BEXCO

 韓国釜山で開催されているゲームショウG-STAR 2015のLG Electronicsブースで「ファイナルファンタジーXIV(以下、『FFXIV』)」の韓国ユーザーに向けたプロデューサーレターLIVEが開催された。イベントの様子はYouTubeやTwitchを通しても配信された。イベントでは「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏と、韓国の運営プロデューサー、チェ・ジョンへ氏が登壇して、会場に集まったユーザーから寄せられた質問に答えた。

 韓国では「パッチ2.4 氷結の幻想」が今冬実装される予定で、プロデューサーレターLIVEでは「2.4」の見どころを吉田氏が解説。グローバル版ではすでに出ている情報ばかりだが、韓国のユーザーすべてがグローバル版の情報に精通しているわけではないので、シヴァや忍者など新情報が出るたびに大きな歓声が沸いていた。中には写真を撮りまくって、ツイッターに流しまくってる人もいた。

 ほかにも、日本ではあまり知る機会のない韓国ユーザーのデータや、韓国ユーザーから吉田氏への質疑応答などもあったので、まとめて紹介したい。

正式サービスから3カ月、韓国ユーザーの動向をデータで見る

「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏
韓国の運営プロデューサー、チェ・ジョンへ氏はミコッテのコスプレで登場。吉田氏からはチェコッテと呼ばれていた

 PLLの冒頭は、韓国のユーザーデータが紹介された。8月14日のデータと、11月14日のプレーヤーの年齢層の比較では、スタート直後は30代がやや多かったが、だんだんと10代、20代が増えてきているのがわかる。吉田氏の分析によれば、「FF」シリーズのファンは昔からゲームを遊んでいる比較的年齢の高い層が多く、当初はそういったファンがゲームを引っ張っていたが、そこから出てきた評判を聞いて若いファンがゲームを始めた結果年齢層が下がったということだ。

 使っているキャラクターはミコッテ女が20%で最多。次がヒューラン女で19%、ララフェル女が15%と過半数が女性キャラだ。これは「日本とほとんど変わらない」と吉田氏。さらに「ミコッテオンラインとよく言われますが、ヒューランも多いんですよ」と解説していた。

 9月1日と11月14日で全クラスのレベル平均が17から23へ上昇している。バトルクラスは18から20へと微増だが、クラフタークラスが16から26、ギャザラーが17から24と大きく伸びており、バトルクラスのレベル上げが一段落して、ギャザラーやクラフターの育成に取り掛かっている人が多いことがわかる。この2クラスの平均は、グローバル版とも遜色なくなっており、急速にレベルが上がっていることがわかる。

 クラスでは、9月1日の時点では弓術士が17%で最多。これは韓国のMMORPGでは弓使いが最強になることが多いせいだろう。その後は剣術士15%、幻術士14%、呪術師と槍術士が13%、巴術士12%、格闘士11%と続き、斧術士が5%と非常に少ない。しかし、これが11月14日の段階では、大ダメージの出せる呪術師が一番人気の18%になり、その後幻術士17%、剣術士と巴術士13%、弓術士と槍術士が12%、格闘士9%で斧術士は依然として6%と少ない。この状況に吉田氏は「グローバル版も最初はこんな感じでした」と昔を振り返りつつも、「戦士は実はとても強いのでやっておくと損はないですよ」と解説していた。さらに「竜騎士は3.0の主役なので、ぜひやっておいてください」というと、竜騎士を使っている人らしき人たちからは歓声が上がっていた。

 グランドカンパニーの分布は、スタート当初も現在もほぼ均等に3分割されている。きれいに分かれているので、吉田氏も「綺麗すぎて特にいうことはありません」と感心していた。

 業者アカウントのBANは3カ月の間に8回行なわれ、合計で9,454アカウントがBANされている。この話題の時ばかりは吉田氏も表情を硬くしつつ、「プレーヤーの皆さんの邪魔をする業者は徹底的に許さないのがポリシーですから、韓国版でも同じように続けていきます」と宣言した。韓国でも通報してもすぐにはBANされないことに不満があるようだが、それについては「通報が間違いの場合もあるので、必死に遊んでいる一般のプレーヤーをBANしないように、きちんと調べています」と説明していた。

【韓国版「FFXIV」の動向】
プレーヤーの年齢構成比の比較
種族と性別の構成比。女性キャラを使っている人が多い
各クラスのレベル平均。クラフターとギャザラーの伸びが大きい
戦闘クラスの構成比

 また、PC房(韓国のネットカフェ)のデータも紹介され、PC房から接続した人のうち69%はPC房のみを使っているというもの。韓国版には、独自要素としてPC房から接続した時だけつく特別なバフがあり、会場で吉田氏がコンテンツファインダーから極蛮神に挑戦した時にも、数人に「PC」と書かれた赤いバフがついていた。吉田氏は「使ってくれているんだなと嬉しかった」と語っていた。

 10月頭に実装された「パッチ2.3」からスタートしたゾディアックウェポンの作成状況は、ノウスが4%、ネクサスが1.6%。韓国ではすぐにアイテムレベル110が手に入る環境にあったため、90の神話武器作りからからスタートするゾディアックウェポンは今一つ魅力に欠けるようだ。吉田氏は「コツコツ作っていれば、いずれすごく強い武器になるので、皆さんのペースで励んでいただければと思います」とはげましつつも「トップを突っ走っている人は焦っちゃだめですよ」とやりすぎにもくぎを刺していた。

 「大迷宮バハムート」は現在のところ邂逅編が12,539人、侵攻編が7,975人、侵攻編零式が37人がクリアしている。クリスタルタワーはパッチ2.3で強化素材が出るようになると「シルクスの塔」の週間利用者が1.4倍に、利用回数は18倍に増加した。吉田氏も「みなさん正直ですね」と笑っていた。

 これまで韓国版ではパッチの追加速度が速いため、なるべく早くキャラクターを育成できるよう、レベル上げやアイテム取得制限が大幅に緩和されていた。しかし、パッチ2.4からはグローバルサーバーと同じ状態になり、「アラガントームストーン:詩学」からトークンの配布もスタートする。「これまでは、1つ1つのコンテンツをクリアすることにまずは慣れてもらおうと、特別のバランスをとってきました。だから簡単にILが上がってきたと思います。これからはいよいよグローバル版と同じ状況で本番が始まります」と説明した。

【韓国版「FFXIV」の動向】
グランドカンパニーの所属状況
アカウント制裁の対象者数
PC房から接続している人のうち、69%はPC房のみでプレイ
ゾディアックウェポン作成状況
「大迷宮バハムート」の達成状況
クリスタルタワーの利用状況

プレーヤーの質問に吉田氏が回答、韓国オリジナル要素も紹介

自分が使っているゲーミングキーボードを披露する吉田氏。ちなみに韓国でも夜はレイドに参加していたそうだ
韓国版のベテランリワードとなる「VIPポイント」

 その後、会場で韓国版の「パッチ2.4 氷結の幻想」のトレーラーが公開された。シヴァが出ると会場から大きな歓声が沸き、その後も、アイメリクやイゼルが出るたびに会場がわいた。特に忍者と双剣士の紹介シーンでは、実装を待ちわびていた人たちから「忍者!」と大きな喜びの声が聞こえてきた。忍者をやりたい人、と吉田氏が訪ねると会場のほとんどの人が手を上げていた。

 吉田氏は、忍者の「印」を失敗すると頭にミシディアウサギが乗ることを解説し、「頭にウサギを乗せまくって、下忍扱いされないよう、しっかり練習してください」と鼓舞していた。

 韓国版では、ユーザーからの要望に応えて「極シヴァ討滅戦」が最初からCF対応でスタートする。吉田氏は「韓国の皆さんがCFで仲良くやるからとおっしゃるので、最初から対応させてもらっています。ただし、約束してください、仲良くやるんですよ」と念押ししていた。

 さらに韓国版のパッチ2.4では、グローバルで2.45として実装された内容もまとめて実装されることが発表された。具体的には竜騎士の魔法防御の上方修正と、エターナルバンド、イクサル族の蛮族デイリークエストの実装などとなる。エターナルバンドでは会場にいた女性のファンがもろ手を上げて喜びさっそくツイッターに報告していた。

 また、韓国ではPC房の利用者が多いことから、PC房の利用者でもベテランリワードを受け取れるよう、韓国ではベテランリワードの代わりに「VIPポイント」という独自のシステムが入ることとなった。定額利用者は30日契約で300ポイント、90日契約なら900ポイントに、さらに300ポイントのボーナスがついた1,200ポイント。PC房利用者は1時間で5ポイント、月額最大300ポイントという制度になるようだ。

 その後は寄せられた質問に吉田氏が答える質疑応答のコーナーが続いた。日本のPLLでも出てきたような質問から、今日始めてきく裏話まで色々と面白い話があったので、こちらは一問一答式でお送りしたい。

――日本語版と韓国版でオルシュファンのカットシーンが違う理由はなんですか?

吉田氏: 「FFXIV」の中に光の戦士をサポートしてくれるオルシュファンという素晴らしくイイ騎士がいます。オルシュファンは肉体美を愛していたりと、ちょっと特殊な人間です。グローバル版でこのキャラが登場した時に、日本語版とそれをローカライズした英語版で微妙に違うキャラになってしまいました。そのまま2パッチが進んでしまったのですが、アメリカのプレーヤーから日本語と英語のオルシュファンのキャラが微妙に違うよと言われ、統一しなくちゃダメだということでその後のパッチでは統一されました。韓国版を作るときに、この英語版をベースにローカライズしたため、キャラが違うという指摘をいただきました。これは僕の指示が漏れていたためでご迷惑をおかけしました。パッチ2.4で日本語版に対応したカットシーンに積み替えました。すでにクリアした方は宿屋で見られるものもすべて差し替えてありますのでそちらでご覧ください。

――ゾディアックウエポンはダンジョンドロップアイテムよりいいのですか? 見た目も変わりますし、今後も進行していくのですか?

吉田氏: 「FFXIV」は「バハ」や「アレキ」というエンドコンテンツのレイドで獲得できる武器が最強というのが基本ルールです。一番難しいコンテンツをクリアした人が最強の武器を手に入れるのです。ただ、そんなに上手くはないけれど、コツコツやって最強の武器が欲しいという方には、ゾディアックウエポンはこつこつやっていれば、少し遅れて最強の武器に並ぶ強さになっていきます。

――マーケットボードをハウジンの家具に追加してください。

吉田氏: サーバーを超えて売ったり買ったりするので、あいつは危険なんですね。サーバーを落としたり。だから皆さんの家に置くのは勘弁してください。それに置いてしまうとみんな家から出なくなるでしょう? そうでなくてもMMORPGをやっている時には家からなかなか出ないのですから、ゲーム内くらいはフィールドに出ましょう。

――エオルゼアカフェのようなコンセプトのカフェを開いて欲しいです。

吉田氏: あれはパセラさんという非常に大きなカラオケ屋さんと一緒にやっています。韓国でもこれから「FFXIV」が盛り上がっていって、熱意のあるパートナーさんが出てくれば可能性はあります。そのためには皆さんが「FFXIV」を応援して盛り上げてくださることが一番です。

―― VR機器を念頭に置いていますか? ナナモフィギュアなど「FFXIV」のIPを活用した商品開発の計画はありますか?

吉田氏: 今年の東京ゲームショウで、PSVRを使ってテスト的に「VRタイタン討滅戦」というものを行ないました。そこでテストしたのは2つです。1つは既存のゲームをVRにした時どのくらいプレイの体感が変わるのか。もう1つは、マルチプレイでどういう体験ができるのか。プレイをして、すごく良かったのでぜひ正式に対応して欲しいという声もいただいたのですが、やはりマルチプレイで巨大な敵と戦う時に、普通の環境とVRが混じっていて、もしVRの人が落ちたらそれはずしてくださいとなると思うのです。イベントで全員がVRを付けて楽しむにはいいコンテンツだと思います。グッズに関しては、日本でもいよいよ本格的に作れるようになってきて、いま新しい企画が進んでいます。EYEDENTITY Mobileの方と話し合って、できるだけ韓国の皆さんも手に入るような形で進めていきたいと思います。ナナモがでるといいですね。

――吉田さんが使っているゲームパッドを教えてください。

吉田氏: 普段はロジクールのG13と、MMO用のマウスを使っています。ゲームパッドはPS2のパッドです。もう買えないと思います。

――「FF7」や「FF10」とのコラボ予定はありますか?

吉田氏: 「FF10」とのコラボはまだ予定されていませんが、ベテランリワードの中に「FF7」のクラウドのコスチュームがあります。かっこいいので、僕もプライベートなキャラクターではよく身につけています。

――魔導アーマーに乗った時、ティナのテーマになるのはいつですか?

吉田氏: パッチ2.5で対応します。お待たせしてしまっていますのが、もう少しお待ちください。

――カルテノー平原でマッチングに時間がかかるのですが、対策はありますか?

吉田氏: 「FFXIV」は基本的にはPvEがメインになりがちなゲームです。今は長時間待ちたくないからCFに登録しないという人が多いと思うので、マッチングしやすいという印象になれば、もっと多くの人が登録するようになると思いますので、無理にマッチングするよりマッチングしたくなるような方策をいれることが重要かなと思っています。

――DPSメーターを個人で利用することは制限しないのですか?

吉田氏: プロデューサーとしては、使用しないで欲しいと言っています。ゲーマーとしては、仲間内で使うなら自分の責任の範疇で好きにしてくださいと話しました。ただ、DPSメーターは僕らが公式にサポートしているものではないので、大手を振ってそれを放送して誰かに迷惑をかけるのはやめてもらいたいです。数字を出されたくない人もいると思うので、そこはモラルの問題です。ひどいと思うなら、声を上げることが重要だと思います。


 最後に韓国だけのオリジナル要素として、シーズナルイベントで手に入るおじぎモーションと、イベント報酬のオリジナルミニオンが紹介され、ここでも集まったファンを喜ばせていた。

【韓国版「FFXIV」の動向】
シーズナルイベントの報酬として入る、韓国らしいお辞儀のモーション
シーズナルイベントの報酬。韓国の妖怪をモチーフにした「夜光鬼」
シーズナルイベントの報酬。韓国の国鳥カササギをモチーフにしたミニオン

(石井聡)