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VRゲーミング最前線「Oculus Connect 2」特別レポート その2

これぞ未来のゲーム体験、「Oculus Touch」で体感VRゲームを遊んだぞ!

9月23日〜25日開催



会場:LOWES Hollywood

Oculus Touch体験中の様子

 9月23日から25日にかけてハリウッドで開催されたVRクリエイターのためのカンファレンス「Oculus Connect 2」では、VRヘッドセットOculus RiftやVRコントローラーOculus Touchに対応したたくさんの新コンテンツを試すことができた。本稿ではその中でも特に印象的だったものを中心にインプレッションをお届けしよう。

 最終プロトタイプCrescent Bayでの展示が行なわれたTGSでのデモとは異なり、「Oculus Connect 2」ではすべてのデモルームでOculus Rift製品版を使用することができた。ざっと数えてその総数は100以上。現時点で存在するOculus Rift製品版のほとんどが、この会場に集中していたようだ。

Oculus Rift製品版のつけ心地と画質について

全てのデモルームにOculus Rift製品版を用意。複数のリビジョンがあるようだ

 まずVRヘッドセットについて軽く触れておこう。そのつけ心地は6月のE3 2015でのレポートでもお届けしたことがあるが、装着のしやすさ、快適さは史上最強であり、最大のライバルであるPlaystation VRやHTC Viveすらも軽く凌ぐ。「ベースボールキャップのようにサクッと被れる」という謳い文句に嘘はない。映像も、非常に鮮明かつ緻密である。

 ただ、今回使用したものについては、E3 2015版からさらなる軽量化を図るためか、一部モデルのレンズ部がフレネルレンズ方式となっていた。フレネル特有のノコギリ状の刻みがHTC Viveのものよりも細かいことや、調整がまだ甘いことからか、明るい光がレンズ内で回折・反射することによる白浮きが気になった(同じくフレネルレンズを採用しているHTC Viveには殆ど見られない現象だ)。このため、画質面ではE3 2015で使用したものから若干落ちている。これについてはローンチに向けてさらなる調整が行なわれることを期待したい。

最新版と思われる個体。IPD調整ノブが見える
レンズ部。DK2等より大型化が図られ、視野も広い

レンズ部のみを拡大。非常に細かい凹凸があることがわかるだろうか。これがフレネルレンズ特有の構造で、軽量化に役立つが、レンズ内部での乱反射を生んでいた。改善を期待する

【Oculus Connect 2 - Touch Demos】

VR空間で両手を使うVR-FPS「Bullet Train」

「Bullet Train」
ショットガンのポンプを引きながら接敵に備えるの図

 Oculus Touch対応ゲームの中でも特に大きな話題を読んだ1本が、Epic GamesによるVR-FPS「Bullet Train」だ。両手に持ったOculus TouchがそのままVR空間内の“手”となり、そこらに落ちている銃を拾い、狙いをつけてトリガーを引く、という一連の動作が現実同様の肉体感覚で可能だ。

 FPSの老舗が作るゲームだけあり、単に銃を撃つだけでも両手持ち、ショットガンのコッキング、リロードアクションなど、両手を使ってできそうなことが全部できるのが面白い。親指付近のボタンを押して発動するバレットタイムアクションを用いれば、敵の弾を手で叩き落としたり、掴んで投げ返すことで反撃することも可能。もちろん、徒手空拳で敵に近づき、殴り倒したり銃を奪って戦うことも可能だ。筆者は銃を撃つよりも殴るほうが面白く、ひたすら接近戦を挑んで遊んでみたが、本当に痛快だった。

 VRコントローラーならではの肉体感覚をこれでもかとFPSに持ち込んだ本作だが、移動についてはVR酔いを避けるための特別仕様を実装。スティックでの移動はなく、視線を向けた先にテレポートするという方式で、瞬間移動能力者としての戦いが展開する。これは慣れるまでややもどかしい部分もありそうなので良し悪しだ。

 気になった点としては、操作の曖昧さが挙げられる。Oculus Touchは各トリガー・ボタン・スティック表面に実装されたタッチセンサーによって、各指の開閉を検知し、人差し指・中指にあたるトリガーの押し込みでオブジェクトを掴みを表現する。

 この両者が混在することで、アナログっぽい指の動きが実現されているのだが、いま自分が手を握っているのか、開いているのか曖昧な状態に感じられることがままあり、思ったように物をつかめないとか、投げようとすると変な方向に飛ぶといったことがあった。これはある程度慣れが解決する部分もあると思うが、初めてのプレイではかなり困惑することになった。この点のゲーム的解釈や実装については後述する「Job Simulator」のほうが理想的なパターンを示している。

【Introducing Bullet Train by Epic Games】

西部劇ガンマンのVR体験「Dead and Bruied」

「Dead and Bruied」

 Oculus VRのファーストパーティであるOculus Studiosが製作する「Dead and Bruied」は、西部劇的な世界観の中でガンマンとなるOculus Touch用ゲームだ。両手を自由に使って銃を握り、狙いをつけ、トリガーを引く。この一連のアクションは「Bullet Train」同様、肉体感覚的に非常に自然であり、誰でもすぐに操作をマスターできる。

 ゲーム中に移動要素はなく、基本的には規定のプラットフォーム上に立って、正面に現れる様々なオブジェクト(的など)を狙って撃つというゲーム性だ。「Bullet Train」よりは精密射撃や早撃ちに特化した内容になっていて、両手に持ったハンドガンで次々にターゲットを打ち倒していく感覚はとても気持ちがいい。リボルバーを横に振るとチャンバーが開いて、もう1度振ると装填されるというリロードアクションも直感的で楽しかった。

 ただ、少し難度が上がってきて、当てるべきターゲットが遠く小さくなってくると、自分の感覚とゲーム内の実際の照準の間にあるわずかなズレが気になった。アイアンサイトで丁寧に狙ってトリガーを引くという形になるのだが、特に片手撃ちではトリガープル時に微妙にずれることもあり、なかなか命中しなくてヤキモキ。結果的にアクションとしては非常に地味な動きを繰り返すことになり、やや興ざめした。もう少しダイナミックな動きにフォーカスした構成になると、より面白くなりそうではある。

片手でスイッチを押すと……
的が飛び出してくる。2丁拳銃で射撃!

仕事ってこんなに面白かったのか!!「Job Simulator」で笑いが止まらない

ネクタイをつけた上司が「仕事しろ!」と監視しにくる。目前のボードにあるインストラクションにしたがおう
両手を自在に使ってお仕事、お仕事
ボタンを押すと実物が出てくるコピー機(笑)

 VRゲーム開発に全力投入中のOwlchemy Labsが開発する「Job Simulator」は、VR空間内でいろいろな“仕事”をさせられるという、なんとも不思議なゲームだ。だが、これがやたらに面白い。

 今回披露されたオフィスバージョンでは、片手でカップを掴んで、もう片手でコーヒーメーカーのスイッチをONにしたり、片手でコピー機の蓋を開き、もう片手でコピー対象のオブジェクトを置いたり。ちなみにこのコピー機に自分の頭を突っ込むと、脳みそがコピーされて出てくる(笑)。

 傑作なのはVR内のコンピューター。1と0しかないキーボードでパスコードを入力しログオン(モニタの上にパスコードの付箋が貼ってあるガバガバセキュリティぶり)、エンターキーがないので困っていると、よく見るとすぐ側にマウスがあるじゃないか。マウスを掴んで動かしてクリックするという動作が、Oculus Touchを通じた手の動作と完全にリンクしていて思わず笑ってしまった。そしてチェックしたメールボックスには999999件の未読メール。小ネタが山程仕込まれていて全ての瞬間がクライマックスだ。

 ちなみに本作はOculus Touch専用ゲームではなく、もともとはHTC ViveのSteamVRコントローラー向けに開発されていて、PlayStation VRにも展開予定のタイトルだ。それゆえにどのVRコントローラーでも間違いのない操作ができるよう、ジェスチャー機能は大胆にオミットして、VR内の手で「掴む/離す」だけのシンプルかつ曖昧さのない操作系を実装している。このおかげで身の回りに散らばるいろんなオブジェクトを、全く迷うこと無く自由自在に動かして遊べるのが最高によかった。

 という、非常に手堅いながらも笑いが止まらない面白さを実現している「Job Simulator」。今回触ったOculus Rift対応タイトル十数タイトルの中でも、いちばんのお気に入りになった。はやくフルバージョンをプレイしたいものだ!

【Job Simulator - Office Worker Teaser - Owlchemy Labs】

Steamer大好きなあの手術ゲーがVRに!「Surgeon Simulator」

ブシュー……睡眠装置の中に居るのは……
エイリアン! 情け容赦のない手術が始まる!

 2013年にSteamでリリースされるや、イライラ棒じみた操作スキームとシュールすぎる内容で人気を博したSteamの定番ゲーム「Surgeon Simulator」も満を持してOculus Touchへ対応。VRコントローラーによる直感操作を手に入れた本作は、まったくの別ゲーへと進化した!

 もともとはキーボードの多数のキーを使って各腕、各指を別々に操縦するという究極の非直感操作系だった本作だが、Oculus Touchでの操作感は直感的でシンプルそのもの。鉗子(かんし)やメス、ハサミやドリル、ハンマーや斧にチェーンソーといった各種の手術道具を掴み、両手を使って自由に使うだけ。あとは無重力の室内でエイリアンの内蔵をズビズバと切り刻んで、新品のパーツをブチ込めば終わり!

 操作が非常に簡単なので、オリジナル版に比べて難易度が下がるかと思いきや、そうは問屋が降ろさなかった。制限時間が短いことと、両手を自由に動かせるあまり、ついつい放り投げた手術道具が壁に反射してそこらにおいてあるオブジェクトを弾き飛ばしたり、慌てて取ろうとしたら逆の手でうっかりガラスケースを割ったりで、無重力特有のケスラーシンドロームが無慈悲に発生。そこらじゅうを内蔵やら凶器が飛び交うカオス空間と化し、ムカついた筆者はエイリアンの頭を斧で叩きまくってゲームオーバーを迎えた。

 相変わらずのシュールぶりがOculus Touchでも光る「Surgeon Simulator」。もともとVRで遊ぶためにデザインされたゲームなんじゃないか?と思うくらいにフィットしていた。これも製品版が出たらすぐさま遊びたいタイトルのひとつだ。

【Surgeon Simulator - PS4 Announcement】
こちらは現行のPS4版の映像だが、雰囲気は掴んでいただけるかと思う

(佐藤カフジ)