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タカラトミーとNTTドコモ、会話ロボット「OHaNAS(オハナス)」を発表

クラウドサービスにより、インターネットを活用して多彩な“おはなし”が楽しめる

10月1日発売予定

価格:19,800円(税別)

 タカラトミーとNTTドコモは、クラウド型おはなしロボット「OHaNAS(オハナス)」を共同開発したことを発表した。10月1日発売予定で、価格は19,800円(税別)。

「OHaNAS(オハナス)」はかわいらしい羊の姿をしたロボット。羊は動物の中でも特に聴力に優れているところからモチーフとなったという。
会場ではカラーバリエーションも出展されていた
タッチセンサーや、飾り付けが楽しめる仕掛けもある
様々な会話が楽しめる。子供向けを意識し、反応しないNGワードもきちんと設定されている

 「OHaNAS」はNTTドコモのサービス「しゃべってコンシェル」の技術を応用した「自然対話プラットフォーム」を採用したおはなしロボット。「好きなものは?」、「今日の天気は?」、「お話しして?」など様々な呼びかけや質問に反応し、「うどんが好きです。食べたことはないけど」、「今日は晴れている地域が多いです」、「昔々あるところに……」などなど、様々な言葉で答え、自然な会話を実現する。

 「OHaNAS」は家族での使用を前提にしており、音声によって最大7人までのユーザーを認識する。それぞれの“愛称”を設定しておけば、「○○ちゃん、おはよう!」など、話しかけられたユーザーを識別して受け答えをする。「OHaNAS」の会話エンジンはスマホやタブレットにダウンロードする専用アプリ側にあり、「OHaNAS」本体とはBluetoothを通じてデータをやりとりする。問いかけられた質問に関しては、スマホやタブレットを通じてインターネットで検索し答えを読み上げることもある。

 受け答えの例文などは、会話で得られたデータをフィードバックし、ソフトをアップデートしていくことでより自然な受け答えを追求していく。「OHaNAS」とのおしゃべりは、ロボット単体ではなく、「自然対話プラットフォーム」という巨大なネットワークサービスによって行なわれている。NTTドコモはこの「自然対話プラットフォーム」を7月より他の企業でも利用できるよう、企業向けサービスを開始する予定だ。また、タカラトミー側でも今後会話のシステムなどを活用し、新たなロボットなど新商品へ活用していく。

 「OHaNAS」そのものの外見は、羊をイメージしており、丸くてかわいらしい形をしている。上部には羊を思わせる角形の突起、中央は黒いモニター状になっており、ここに丸い目の模様が浮かび上がる。この目は模様などは変わらないが、LEDによる色で感情などを表現する。額部分にはタッチセンサー、内部には振動センサーがあり、頭をなでたり、抱き上げることでも反応する。また、「音楽を聴かせて」というと、スマホ内の音楽を再生するといった機能もあるという。

 発表会では実際に話しかけることができたが、会場のため周りががやがやとしていて、「OHaNAS」の聞き取り機能に支障が出てしまった部分があった。また、単語を検索して受け答えするため、会話にラグもあった。発売までどのようにクオリティアップアップしていくかに期待したいところだ。

 Appleの「Siri」をはじめ、スマホやタブレット機器との擬似的な会話が楽しめ、インターネットやデバイスの機能を活用できるサービスはいくつかある。あえて極端な見方をすれば、「OHaNAS」はそういったサービスの“外部スピーカー”とも言える。しかし、かわいらしいロボットの“体”を持っている点が面白い。ユーザーは「OHaNAS」をロボットとして、話しかけ、会話を楽しむ。

 この受け答えのデータや、“「OHaNAS」ならではの受け答え”を考えた例文の充実により、独特の「ロボットの会話のためのプログラム」を企業とユーザー感で作り上げられるという状況そのものが“未来感”を強く感じさせる。この取り組みが今後どのような世界を作っていくか、興味深い。

 個人的に面白かったのが、「OHaNAS」の左右に付いた黒いパーツ。“耳”を意識したパーツなのだが、「会話を聞くためにこういうアンテナみたいな形をしているのかな」と思ったのだが、実はただの“飾り”なのである。ユーザーはこの飾りにリボンやイヤリングをつけて楽しめるようにこの形にしているというのだ。おなかの部分もリボンなどをつけられる突起がある。こういったおもちゃメーカーならではの仕掛けも、これからの家庭用ロボットでの重要なキーワードかもしれない。

【オハナス紹介動画】

【OHaNAS(オハナス)】
NTTドコモによる「自然対話プラットフォーム」を活用。今後利用企業を広く求めていく
家族での使用をイメージ。「OHaNAS」のネーミングには“みんなと「おはなし」して、「はなしに花が咲く」”という想いも込められている

(勝田哲也)