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3DS「初音ミク Project mirai でらっくす」発売、開発者囲みインタビュー

「1曲しか追加されてないという声もあるけど、PVを魂を込めて作ったので楽しんで!」

5月28日 収録

【初音ミク Project mirai でらっくす】

5月28日 発売

価格:
4,980円(税別)
CEROレーティング:A(全年齢対象)

 セガゲームスはニンテンドー3DS用リズムアクション「初音ミク Project mirai でらっくす」を5月28日に発売した。価格はパッケージ版、ダウンロード版共に4,980円(税別)。CEROレーティングはA(全年齢対象)。

 初音ミクをはじめとしたキャラクター達の楽曲を全48曲収録。2013年11月に発売された「初音ミク Project mirai 2」のゲーム内容をほぼ全て継承しつつ、多数の新要素が加えられている。

 ソフトの発売を記念して「発売記念イベント」を5月28日に秋葉原において開催した。シリーズプロモーションキャラクター・ミクダヨーさんによる握手会、写真撮影会が行なわれ、大いに賑わった。このイベントには、「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」統括プロデューサーの内海 洋氏、「初音ミク Project mirai でらっくす」プロデューサーの大崎 誠氏、「初音ミク Project mirai でらっくす」ディレクターの高部元志氏も登場。取材陣に囲みインタビューに答えた。

【3DS「初音ミク Project mirai でらっくす」公式プロモーション映像】

「初音ミク Project mirai」のプロジェクトはいったんお休み

左より高部元志氏、ミクダヨーさん、内海 洋氏、大崎 誠氏

 まず開口一番、内海統括プロデューサーは「無事に発売できて皆さんにお礼を申し上げたい」と感謝の言葉を述べた後、「プロジェクトはいったんお休みし、新しい企画の準備に入りたいと思います。4年半から5年の間応援いただき、ありがとうございました」とと語り、今作で「Project mirai」シリーズは終了する意向を示した。

 今回の発売について内海氏は「海外ローカライズからスタートし、いろいろと詰め込んで日本でも発売して欲しいといったご要望を多く頂き、日本でも出せて感慨深い」とうれしそうに語った。リリースについては高部氏も「ようやく出て良かった。ユーザーからは新曲は1曲だけで変わらないと言われているが、開発側から言えば『これが完成したら死んでもイイ』という気持ちで作り上げた。PVは魂を込めて作ったので、その労力が実を結んでリリースできてうれしい」と熱く語った。

 そのボリュームについて内海氏は「(開発は)現場任せだったが、上がってきたものをプレイすると『こんなに(新規要素が)入っているのか!』と驚きの連続だった」と言い、おもちゃ箱のようにいろいろ入っていて文字通り“デラックス”な仕上がりになっていると太鼓判を押した。大崎氏は「PVが変わっていると言うことは譜面も変わっているということで、グラフィックスに合わせてあります。見ていても楽しいなど、進化している。そしてプレイすると楽しい譜面になっている」とその変化とゲームの出来に自信を見せた。

 オススメポイントについて高部氏は、ニコニコ動画の再現を掲げ制作した新規PVを再度挙げた。仕上がりについては「アグレッシブに違うものを作り上げても鳥肌が立つだけ。原作をリスペクトしながらねんどろいど化した」と振り返った。そしてもう1点、登場キャラクターと対戦できる「ミックリバーシ」を見て欲しいという。「リバーシ」を機械的に指すだけでなく、画面の向こう側にそのキャラクターが居るかのように見せるために、キャラクターの位置やカメラ位置など、1ピクセル単位でこだわったのだという。

「ニコニコ動画」の再現も、魂込めて制作され自信の出来になっているという
本当にキャラクターと対戦している感覚を実現するために、1ピクセル単位でのこだわり抜いた作りになっているという「ミックリバーシ」

 今回でプロジェクトがいったん休止となることを受けての質問には「寄せられるアンケートもそうだけど、AM2研にいた頃とは性別も年齢層も違い、『初音ミク Project mirai』のユーザーは女性が多いし年齢層も低い。そういう層にゲームを作ってきて、見えてきたものがある。そのやっとわかったことを、活かせるようにしたい」と大崎氏。開発陣のお子さん達も小さな子供が多いと言うことも、制作するゲームの変化に繋がっているという。

 最後にユーザーへの言葉を求められ、高部氏は「1作目からシリーズを支えてくれたユーザーには足を向けて寝られない。このシリーズはボカロカルチャーと似ていて、当初からユーザーの声を聞きながら進化してきた。今回はその集大成として全て出し切って作り上げたので末永く遊んで欲しい」とアピール。

 大崎氏も「2010年から作り続けてきたが、当初はキャラクターも試行錯誤を続けねんどろいどに落ち着いた経緯がある。ファンあってこそのタイトルだし、支持いただけて本当にありがたい。3年は持っていてもいいソフト」と自信を見せた。

 最後に内海氏は「ゲームの制作に試行錯誤を繰り返す時間をたくさんとれて、それが完成度の高い作品に仕上がることに繋がっている。ユーザーさんはまだまだ不満があるかもしれないけど、ひとまずは遊んでいただきたい。今までこのゲームを知らなかった初音ミクファンにも新たに勧められる出来。じわじわと売れてくれるソフトなので、引き続きよろしくお願いいたします」と締めくくった。

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(船津稔)