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伊藤賢治×サガ 25周年記念ライブ「One Night Re:Birth」が開催!

名場面と共に生イトケンサウンド炸裂!「サガ25周年くじ」や新作のトークも

開催日:
5月9日(東京公演)
5月10日(大阪公演)

 昨年12月に25周年を迎えた「サガ」シリーズと、同時に作曲家生活25周年を迎えた“イトケン”の愛称でお馴染み伊藤賢治氏が率いるロックバンドによるバトル曲ライブ「One Night Re:Birth」が5月9日、渋谷公会堂で開催された。なお、10日には大阪・松下IMPホールでも開催された。

 このライブは、4月15日に発売された「サガ」シリーズ楽曲の新作アルバム「ReBirth II-連-/サガ バトルアレンジ」からのシリーズ人気曲の新規アレンジを中心に披露されるアニバーサリーライブとなっており、“生のイトケンサウンド”を楽しめる迫力と興奮の一夜となっていた。その東京公演の模様をお伝えしていこう。

25周年を迎えたサガ&イトケンのバトルサウンドが炸裂!想いのこみ上げる熱いパフォーマンスに興奮

 東京公演の会場となった渋谷公会堂前は、開場前から多くの「サガ」シリーズ&イトケンサウンドファンに埋め尽くされていた。グッズ販売には長蛇の列ができ、場内には「ロマンシング 佐賀2」のユニークなポスターや、シリーズ作のイラストなども展示されていて、こちらにもたくさんの人だかりができていた。

会場には「ロマンシング 佐賀2」のコラボポスターやシリーズ作のイラストが。グッズ販売にも長蛇の列ができていた

 開演前には声優の杉田智和さんによる諸注意アナウンスが。その最後には「ライブ中にテンションが上がったからといっても周辺の民への配慮をお忘れなきよう。モラルのない皇帝様はルドン高原送りにするからな! 以上、ヴリトラでした。」というひとネタもあり、楽しませてくれた。

 和んだところで、いよいよライブ開演! 1曲目は、始まりといえば思い出深いのはやはりこれ。ミンストレルソングより「オープニングタイトル」(「オーバーチュア」アレンジ)。伊藤賢治氏による情感たっぷりのピアノソロ演奏で、1曲目から「これが聴けて良かった」と満足に感じてしまうほど。

 そこから一気になだれ込むようにバンドメンバーが加わって「ロマサガ」1、2、3&ミンストレルソングのバトルメドレーへ。スクリーンにはシリーズ作の戦闘シーンが次々に映し出され、それと共に迫力の生演奏でバトル曲の数々を聴ける最高に贅沢な時間。メドレーが終わった後には早速の大歓声が起こった。

 続いては名曲「下水道」。こちらも下水を進んでいく映像とともに演奏されたが、何度見てもゲーム中のこの場面の曲とは思えないほどかっこいい。そこからサガフロンティアより「バトル#5」へ。伊藤賢治氏はショルダーキーボードを構えて立ち上がり、場内もそれに合わせてオールスタンディング!

 大いに盛り上がったところで1度トークへ。「サガ」と伊藤賢治氏の25周年というメモリアルな年と言うことで、まずは当時を振り返っていった。当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)は30人ぐらいの会社だったそうで、伊藤賢治氏は「ファイナルファンタジー」シリーズのプロデューサーの北瀬佳範さんと一緒に入社、30番目の社員となったそうだ。その頃の社内は大学のサークルのような雰囲気で、そんな中、「サ・ガ2 秘宝伝説」や「聖剣伝説」などゲームボーイタイトルの仕事へと取りかかっていったという。

 伊藤賢治氏が場内のお客さんに聞いたのはまず男女比。そちらは男性6:女性4ぐらいとなっていて「サガはもっと男臭いかなと思ったけど、良いバランス」と喜んでいた。また、年代では10歳未満の人、50歳以上の人もわずかにいらっしゃるという反応で、これには伊藤賢治氏も場内のファンも驚きとなった。

 続いては、「サ・ガ2 秘宝伝説」より「燃える血潮〜Save the world メドレー」! スクリーンにはゲームボーイ版「サ・ガ2 秘宝伝説」の映像が流れ、曲の切り替わりのタイミングで最終防衛システムとの戦闘に突入!

 続けざまに「ミンストレルソング」より「A Piece of Courage」こと「ガラハドのテーマ」に入り、こちらでも映像で「ねんがんのアイスソード」にまつわる“奪い取る”場面を流すあたりがたまらない。演奏では、生演奏の重低音はもちろんとして、特にギター寺前氏のプレイが激しく、終始圧倒されるものがあった。

 インペリアルサガからの「全軍突撃」は上倉氏がアルバムでアレンジを担当。キーボードを思いっきり前面に出してのメロディーラインから、ギターと交互に入れ替わるように展開してうねりを作っていく。かなり凝ったアレンジだ。たっぷりのカタルシスから突き抜けるような演奏にはノリながらも見入るばかり。

スペシャルゲスト河津秋敏プロデューサーとのトークでは、当時の思い出から最新作、さらに「サガ25周年くじ」も!

 ライブ中盤にはスペシャルゲストとして河津秋敏プロデューサーが登場!伊藤賢治氏とのトークへ。植松さんから期待の新人として紹介されたのが、最初の出逢いだったというお2人。それまでは植松さんがスクウェアの全ての楽曲を手がけていて、タイトル数の増加と共にさすがに手が回らなくなってきたところへの新加入となった。

 入社時にはデモテープを送った伊藤賢治氏だが、その曲は実は他社の面接用にも送ったRPGらしくないシューティング用や格ゲー用の曲だったのだとか。その後に面接まで進んだものの「うちらしいファンタジーっぽい曲も作ってきてもらえないかな?」と言われたそうだ。そのデモテープを河津氏も当時に聴いたという。

 この日に向けて伊藤賢治氏は家の中を探してみると、いろいろとレアな音源が見つかったということで特別に披露!「サガフロンティア」のTVCM用音源や、「トバル No.1」の宣伝素材用の楽曲、さらには1990年代に開催された「プレイステーション エキスポ」のイベント会場用音源というかなりのレアな曲も。磁気テープに収録していたこともあり、かなり再生が厳しいものもあるそうだが、いつかそうした未発売曲も(できれば入社時のデモテープ再現も合わせて)発売して欲しいところだ。

 河津氏からは、「サガ」シリーズの今後の展開についても。現在制作中のPCブラウザゲーム「インペリアル サガ」は、今月末より事前登録を開始できそうとのこと。「インペリアル サガ」には「ロマサガ」シリーズのキャラクターが数多く登場し、バトルにも「閃き」や「連携」、「陣形」、皇帝を継承して歴史を紡いでいくといった、これぞという要素もある。

 なお同作でもサウンドコンポーザーを務める伊藤賢治氏は楽曲をフルオーケストラで収録。この日は「四魔貴族」のフルオーケストラ版音源を初披露! これには会場からも大きな拍手が起こった。PCブラウザゲームの枠組みを超えたクオリティとなりそうだ。

 続いても驚きの展開。なんと「サガ25周年くじ」が7月に発売予定とのこと。タペストリーなどのアート関係や、効果音CDなどが景品にあるようだ。こちらは5月中に詳しい情報が公開できるかもしれないとのこと。

 そして、なんと言っても1番の注目どころである昨年に発表されたシリーズ最新作PlayStation Vita「SAGA2015(仮称)」について。伊藤賢治氏はライブ開催前日にダンジョン用の曲を提出したのだとか。製作は順調に進んでいるのが伺えた。なお、河津氏からは「このライブが終わったらペースアップよろしくね!」という催促もあり、会場に笑いを起こしていた。

ライブはラストスパート&アンコールはボスバトルラッシュ! イトケンさんは25年の想いが溢れる場面も

 ボイスパフォーマー岸川恭子さん、バイオリンの土屋玲子さんが加わって、続いての曲は「ロマンシングサ・ガ3」より「バンガード発進!」。発進の名場面映像をバックに、ボイス、バイオリン、キーボードが前面に出た迫力の演奏となった。

 「サガフロンティア」の「Battle #4」は一転してボイスソロからの静かな立ち上がり。一気にバトルのフルテンションへと転調してからは、バイオリンとボイスとで、旋律との共鳴&うねりを見せる。最新イトケンサウンドの醍醐味とも言えるアレンジだ。

 ミンストレルソングから「死への招待状 -The Battle with Death-」では、ボイス、キー、バイオリンが順番にメインパートがまわってくるような構成になっていて、まるでバトル中に仲間が順に技を放っているかのよう。こちらも大いに盛り上がり、あまりのパワフルさに圧倒されたかのような空気すら流れていた。

 ライブも佳境ということで、ここからはラストスパートとしてボスバトルの連続で最高潮へと達していく。最初は「四魔貴族」!伊藤賢治氏からその曲名が出るや「待ってました!」とばかりに歓声が沸いてオールスタンディングへ! 映像ももちろん四魔貴族戦が次々と流れ、押し寄せる重低音、ノンストップに突き抜けるようなギターサウンドに会場のテンションは最高潮!

 四魔貴族のメロディーが最高潮に達したところで、そのままロマサガ2の「ラストバトル」へ! この見事な繋ぎと構成に会場は大歓声が巻き起こる。ギターとキーボードが交互にせめぎ合うかのような高めあいで、そこに上倉氏は伊藤賢治氏とのツインキーボードからすぐさまギターに持ち替えて寺前氏とのツインギターへといったように、まさに“連携”な全力プレイをみせた。

 そしてラストの曲は、「ミンストレルソング」より「決戦!サルーイン」。伊藤賢治氏もショルダーキーボードでステージを動き回りつつのパフォーマンス! メンバーと横並びにセッションしてのパフォーマンスし、終盤のキーボードメインのパートでも渾身のパフォーマンスを見せ、この日一番の盛り上がりとなった。

 もちろんこれで終わりではなく、会場からはアンコールの拍手が鳴り止まない。再登場した伊藤賢治氏からは「オードブルが終わったぞ、ここからがメインだぞ!」という恐ろしい言葉が!

 やはりこれも絶対に聴きたい「ロマンシングサ・ガ2」より「七英雄バトル」からアンコール曲をスタート! バイオリンも加わわっての、パワフルな中にもメロディーラインがより強調されたアレンジとなっており、艶やかにファンを魅了した。

 ここからは「サガフロ」ラストバトル曲3連発! アセルス編、エミリア編、レッド編のラストバトルを披露! 静かな忍び寄る気配から、突き抜けるような迫力のバトル、そして伊藤賢治氏のピアノソロと、変化に富んだパフォーマンスをみせた。

 そしてアンコール曲のラストは「熱情の律動」。「ミンストレルソング」でも最大のインパクトを誇る曲に、会場は待ってましたの大歓声! 中盤にはバンドメンバー1人1人のソロパートもあり、バトル中に技を放っているのかのよう。最高の盛り上がりのままフィニッシュを迎えた。

 大団円の挨拶をし、バンドメンバーが去ったあと伊藤賢治氏は、植松さんに「俺の弟子」と笑いまじりに紹介された25年前の記憶を話す。そのうちに想いがこみ上げてきたのか、声を詰まらせる場面もあった。

 涙を拭いつつ席に着いた伊藤賢治氏は、「ロマンシングサ・ガ2」のエピローグをキーボードによるピアノソロで演奏。ご自身とサガシリーズの25周年にどんな想いを馳せたのだろうか。情感たっぷりに演奏を終え、大きな拍手に深々とお辞儀をし、最後はマイクを使わずに自身の声でお礼を伝える。そうして、記念すべきライブの幕を降ろした。

公演直後の伊藤賢治氏、河津秋敏氏にインタビュー!

 公演終了後に、伊藤賢治氏とプロデューサーの河津秋敏氏にインタビューを行なわせて頂いたので、そちらの内容もお伝えしよう。

―― まずは本日のライブの感想からお聞かせください。

伊藤氏:演っていく中で思い出すこともあって。最後にはちょっとうるっとしてしまいましたね。でも、それも良かったなと。そういう感情もまだ僕にちゃんとあるんだなと思えて。いい思い出になったコンサートでした。

河津氏:毎回そうですが、ファンの皆さんのテンションの高さにびっくりさせられますよね。今日も最初からイトケンが乗せちゃって(笑)。すごく楽しくて、満足してもらえたのではないかなと思いますね。

―― イトケンさんは憧れの渋谷公会堂のステージとなりましたが、感想はいかがでしたか?

伊藤氏:やっぱり良かったですね。「あぁ、ここかぁ!」という気持ち。それと、だんだんとお客さんの反応も一体化していってくれて、「サガ」ファンの皆さんは良いなぁと改めて実感しました。

―― 最後には想いがこみ上げた場面もありましたが、やはり25年前の頃を思い出したのでしょうか?

伊藤氏:そうですね、事前にシミュレーションをしていて「もしかしたら泣くかな……でも泣きはしないだろうな」って思っていたんですけどね。本番ではやっぱり感じるものがありました。

―― 河津さんは客席からご覧になっていましたが、観る側からの感想はいかがでしたか?

河津氏:いやぁ、最後のあたりなんて連続でたたみかけていくじゃないですか。よく体力が持つなぁって思いました(笑)。特に「決戦!サルーイン」の後に1度はける時、平気な様子でスタスタとね。ドラムの山内くんもイトケンのバスドラ連発は大変だったと思うんだけど、平気な感じでね。驚きましたね。

―― 25周年を迎えて、これから新作もあります。それについてお聞かせ下さい。

河津氏:まずはPCブラウザゲームの「インペリアル サガ」がありますが、しっかりと楽しんで頂けるものになっていると思います。過去作の要素やキャラクターもたっぷり入っていて。新作のPS Vitaの方は今準備中ですが、もうすぐ何かお伝えできるかなと思います。期待してお待ち下さい。

伊藤氏:今日はじめて「サガ25周年くじ」なんていうのも聞いて。色々と展開するんだなと再確認したのですが。来年以降には僕自身も開発者としての参加がありますし、同時に受け手側の皆さんの期待度も高まっていくと思います。自分も楽しみたい、みんなを楽しませたいと考えています。

―― 「サガ25周年くじ」というのは驚きだったのですが、どのようなものなのでしょう?

河津氏:コンビニエンスストアなどで良くあるくじと同じようなスタイルで、グッズを皆さんに提供していこうというもので。小林智美さんや直良くんのアート素材であったり、他にもクスッとしてもらえるような「閃きカップ」なんていうのもあったり。詳しいところは今月中には何かお伝えできると思いますので、楽しみにして下さい。

伊藤氏:効果音CD、僕も欲しいです(笑)。

―― それでは最後に、「サガ」シリーズ25周年、作曲家25周年ということで、想いを聞かせてもらえますか?

伊藤氏:案外、重いものでしたね。人によっては「ただ過ぎていくものだよ」という声も聞いていたのですが。自分にとっては結構……。今すごく楽しませてもらっていて、そうさせてくれている周りの人のおかげというのも最近にやっと見えてきたものがあって。フリーになってから色々わかってきたものもあり。社員だったときのこと、フリーになって厳しい時もあったこと、結果的に楽しませてもらっているというのを再確認しました。これからもよろしくお願い致します。

河津氏:「ミンサガ」からでも10年経っていて。「サガ」ぐらい応援を頂いているタイトルであっても続けるのが大変なんだ……という事を感じてますね。今、がんばれているのが幸せなので。それをなんとか皆さんに届けていきたいなと思います。

―― ありがとうございました。

「SaGa 25th Anniversary LIVE One Night Re:Birth」東京公演データ

・開催日時
2015年5月9日 17時30分開場 / 18時開演

・会場
渋谷公会堂

・出演アーティスト
伊藤賢治(key)
岸川恭子(vo)
土屋玲子(vn)
寺前甲(gt)
上倉紀行(gt, key)
榎本敦(b)
山内優(ds)
和田貴史(manipulator)

・スペシャルゲスト
河津秋敏プロデューサー

【セットリスト】

曲順 曲名
1 オープニングタイトル【ロマンシングサガ‐ミンストレルソング‐】
2 Re:Birth II - バトル1 メドレー
【ロマンシングサ・ガ1、2、3、ロマンシングサガ‐ミンストレルソング‐】
3 Re:Birth II -閃- 下水道【ロマンシングサ・ガ】
4 Re:Birth II -閃- Battle #5 【サガフロンティア】
5 Re:Birth II -連- 燃える血潮〜Save the world メドレー【サ・ガ2 秘宝伝説】
6 Re:Birth II -連- A Piece of Courage 【ロマンシングサガ -ミンストレルソング-】
7 Re:Birth II -連- 全軍突撃! 【インペリアルサガ】
8 Re:Birth II -連- バンガード発進! 【ロマンシングサ・ガ3】
9 Re:Birth II -連- Battle #4 【サガフロンティア】
10 Re:Birth II -連- 死への招待状 -The Battle with Death-
【ロマンシングサガ -ミンストレルソング-】
11 Re:Birth II - 四魔貴族バトルメドレー【ロマンシングサ・ガ3】
12 Re:Birth II - ラストバトル【ロマンシングサ・ガ2】
13 Re:Birth II - ラストバトル【ロマンシングサ・ガ3】
14 Re:Birth II - 決戦!サルーイン【ロマンシングサガ‐ミンストレルソング‐】アンコール
15 Re:Birth II -閃- 七英雄バトル【ロマンシングサ・ガ2】
16 Re:Birth II -閃- Last Battle -Asellus- 【サガフロンティア】
17 Re:Birth II -連- Last Battle -Emilia- 【サガフロンティア】
18 Re:Birth II -連- Last Battle -Red- 【サガフロンティア】
19 Re:Birth II -連- 熱情の律動【ロマンシングサガ -ミンストレルソング-】
20 エピローグ【ロマンシングサ・ガ2】

※大阪公演は一部セットリストが異なる

(山村智美)