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モバイルでe-Sportsは成り立つのか? 「GO-ONE 2015」に見る競技の可能性
アソビモ、「アヴァベルオンライン」など3タイトルで賞金付き大会を開催
(2015/5/4 00:00)
アソビモは5月3日、e-Sportsイベント「GO-ONE 2015」を六本木ラフォーレミュージアムにて開催した。参加費は無料。
「GO-ONE 2015」は、アソビモの3タイトル「アヴァベルオンライン(AVABEL ONLINE)」、「GODGAMES(ゴッドゲームス)」、「X-world(クロスワールド)」を使ったオフラインイベント。配信中であり、ゲーム内で予選大会があらかじめ行なわれていたMMORPG「アヴァベルオンライン」の大会をメインに、Androidでαテスト中の「GODGAMES」と「X-world」の大会も同じ会場で開催された。
本イベントが珍しいのは、“スマートフォン初のe-Sportsの祭典”と銘打ち、各大会に賞金を設けているということ。賞品のゲーム内アイテムも含めると賞金総額は1,000万円相当で、各大会で熱戦が繰り広げられた。
e-Sportsといえば「League of Legends」や「World of Tanks」などPCゲームが全盛な中、「スマホでe-Sports」はまだまだ珍しい。「GO-ONE 2015」はスマホゲームによるe-Sports大会として、果たして大会が成立するかも含めて意義のあるイベントだったと言える。会場には多くの来場者が詰めかけたがいずれも若く、10代~20代の完全モバイル世代といった感じ。男女の数は男性が中心だったが、女性の姿も多く見られた。
3タイトルのうち「GODGAMES」は大会唯一の縦持ちタイトルで、デッキ編成やユニットを出すタイミングや立ち回りが物を言う戦略性の高いゲームとなる。操作もそれほど複雑ではないのだが、一方で「アヴァベルオンライン」と「X-world」はより複雑なアクション操作を求められる。
印象的だったのはこの2つのタイトルで、どちらも3人称視点でキャラクターを操作し、攻撃をぶつけあう競技だったのだが、参加者はいずれもバーチャルパッドを使って巧みにプレイしていた。画面を見る限りはPCゲームやコンソールゲームとまったく変わらない動きで、モバイル1つでがっつり3Dアクションゲームを遊んでしまう新世代ゲーマーの到来を感じる。
モバイルにおける競技性のあるタイトルでは、操作自体は簡単なタッチ操作のみで完結しつつ、チーム戦の面白さを追求したMOBA「Vainglory」があるが、一般に操作しづらいとされるバーチャルパッドのアクションゲームでも十分競技が成立しているあたり、ゲーム競技の可能性はまだまだ広がりそうだ。
メインとなった「アヴァベルオンライン」ではPvP大会(1チーム6人)とGvG大会(1チーム15人)が予定されていたが、GvG大会については参加チームが2チームと予定よりも少なかったためメインステージでの開催が急遽取りやめられた。参加すれば入賞確定、さらに優勝すれば75万円と225万円相当の有料アイテム「魔石」がもらえただけに、参加チーム数でもう少し盛り上がっても良かったと思う。賞金が豪華なので、次回の開催時は賞金獲得の大きなチャンスとなるだろう。
また今回採用された3タイトルがそれぞれ方向性の異なるゲームと競技だったのも良かった。「アヴァベルオンライン」と「X-world」は3人称視点アクションという点で共通だが、「アヴァベルオンライン」はキル数を競うもの、「X-world」は相手の拠点を破壊するMOBA形式だっため、ゲームの質が異なっている。他のメーカーにはない部分だと思うので、アソビモには今後e-Sportsという観点からもタイトル数を増やしていっていただきたい。
今回この「GO-ONE 2015」は初開催ということで参加チーム数など多少物足りない部分もあったが、競技の部分に着目してイベントを開催したのは良かったと思う。今後回数を重ねれば運営の部分で改善、洗練されると思うし、アソビモがスマホのe-Sportsを牽引する企業となればそれはそれで面白い。そういった期待も込めて、今後も「スマホのe-Spots」には注目していきたい。